第三十四話『昨日の自分を捨てる』-【京都篇】 アーティスト デヴィッド・ボウイ-
2016-04-23 10:44

第三十四話『昨日の自分を捨てる』-【京都篇】 アーティスト デヴィッド・ボウイ-

今年1月に亡くなったイギリスのアーティスト、デヴィッド・ボウイ。
彼は相当な日本好きで知られていました。
特に京都は、彼にとって、イマジネーションの宝庫であり、心を無に戻す大切な場所だったと言われています。
1979年12月。底冷えのする京都市北区西賀茂に、彼の姿がありました。
デヴィッド・ボウイ、32歳。
比叡山を借景にした枯山水の庭を前に、静かに座る金髪の男。
この禅寺、正伝寺をCMの撮影場所に選んだのは、彼でした。
撮影中、焼酎メーカーのスタッフは、彼の異変に気がつきます。
本堂の縁側に座ったデヴィッド・ボウイが、泣いていました。
白い砂の庭に、彼は何を見たのか。
頬をつたう涙のわけは、誰にもわかりませんでした。

京都の街で、何度も目撃された彼には、さまざまな逸話が残されています。
彼が『レッツ・ダンス』で大成功をおさめる前の話。
京都の居酒屋で、ある学生が、偶然、ボウイと隣り合わせになったといいます。
「実はボクは、アメリカから大きなビジネスのチャンスをもらえることになっているんだが…」
学生が「あなたほどのひとなら、間違いなく、そのチャンスをものにできるんでしょうね」というと、ボウイは目を伏せて、こう言ったそうです。
「どんな人間だって、弱いもんだよ。ぜったい大丈夫なんてものは、この世に…ない」
世界的なミュージシャンとしてその名をとどろかせ、俳優としても才能を開花させたアーティスト、デヴィッド・ボウイ。
彼が怖れたものとはいったいなんだったのでしょうか?
そして、彼が自らに言った、明日へのyesとは?

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