00:00
♪~
お願いします。
「ひむろさいこ」
「海賊声」ですね。
えっとー、これAmazonの紹介。
はい。
「天才、YA作家、ひむろさいこデビュー45周年」
今年が多分そうなんでしょうね。
「激しくも切ない90年代青春グラフィティ」
「私、こう、コーチに行くまでは世間と上手くやってるいい子だったのよ」
「あれからずっと世間とずれっぱなしの感じがする」
「大学進学で上京した森崎拓はある事件で損なりになった高校時代の転校生」
「武藤理科子が地元大学への進学を蹴り東京に舞い戻ったことを知る」
「気まぐれな美少女に翻弄されながらその孤独に耳を澄ました」
「短い日々を回想する拓に思いがけもない再会の機会が訪れる」
「スタジオジブリの長編アニメーション『海賊声』の原作」
「キャラクターデザインは近藤克也氏のカラーイラスト34.4を収録」
「そんな、そんなだけかな」
「で、えっと…」
「93年?1993年ですね」
「なんかアニメージュに掲載されたそうですね」
「あーそうですね、連載してたみたいですね」
「アニメージュで、で、なんか画質修正で全部」
「修正企画を」
「参考まで、91年とかな、92年とかに連載してたみたいですね」
「90年代の作品ですね」
「一番初頭というか最初の方の」
「で、えっと…」
「ま、テレビアニメ版…」
「あ、一応、え、劇場版もあったのかな」
「がジブリで制作であったみたいです」
「監督は全然違う人ですけど、宮崎駿ではないですけど」
「河野さんは、あのーアニメ版は見ました?」
「見てないです」
「じゃあもう、今回が全く最初の」
「そうですね、だから見る手段があんまりないというか」
「DVD買うしかないんちゃうかな」
「そうですね」
「ジブリは基本的に配信ないんで」
「私はレンタルビデオで借りたと思います」
「あ、昔ですね」
「うん、昔」
「あ、じゃあ本が先ですか?」
「えっと本が先ですね」
「多分中学生くらいの時に」
「図書館で借りて読んだのが最初ですね」
「ほう」
「で、何年か経ってた、まあ大学とか高校の時にも読み返して」
「で、その後にアニメ版も見たという形ですね」
「あー、そうですね」
「アニメ版も確か結構早いですよね」
「もう本が出てすぐぐらいアニメ化されてたと思うんですよ」
「あんまりでも、僕は全然存在を知らなかった話というか」
「で、けどなんか割と女の人に人気の小説らしいですね」
「で、主人公、主人公じゃない作者が女性らしいというのもあるんかなと思って」
「私この作者、氷室紗友子はこれしか読んだことないんですけど」
「結構いろいろ少女向けというかの小説いっぱい書いてるみたいですね」
03:05
「YAってヤングアダルトですよね」
「そうですね」
「YA小説って言葉はね、昔なかったんですけどね」
「あー、そうか」
「最近の、まあアメリカの文語ですよどっちかというと」
「で、あの、YA小説って言われだしたのが」
「ここ5年とかだったのかな、もうちょっと前からのかな」
「この90年代にはなかった言葉ですね」
「なんかちょうど今日図書館行った時に」
「はい」
「氷室紗友子のなんか特集本みたいのが文芸別冊で出てたのをちょっと見つけて借りたんですけどね」
「あ、新しいやつですか?」
「いや、これだいぶ前だと思う」
「あ、前ですか?」
「はい」
「結構、なくなられた結構前ですよね、確か」
「2000年代だったかな、確か」
「えー、『クララ白書』、『なんて素敵にジャパネスック』」
「『銀の海、金の大地』とか」
「まあ、『海が聞こえるがいい』もいっぱい書いてる方で」
「はいはい」
「なんかこの『さよならアルルカン』とかがすごい有名らしいですね」
「氷室紗友子自体も本さん初めてですか?」
「全く初めてですね」
「って感じで、で私はまあ以前読んでたけど」
「デビュー45周年記念の真相版が本屋に置いてたんで」
「なんか久しぶりだなと思って」
「ちょっと夏っぽい作品だし、今回いいかなと思って提案したんですよ」
「はいはい」
「これって、2巻があるらしいですね」
「あ、そうですそうです」
「入ってるんですか真相版」
「いや、入ってないですね」
「入ってないですか」
「別の本で『海が聞こえる2』、『アイゴルカラ』っていうのが」
「それも読みました」
「あ、読んだことある?」
「僕はそれは読んでなかったので」
「2巻あるってのは借りてから知ったんで」
「私も最初こっちの古い表紙の方」
「これはアニメの表紙だと思うんですけど」
「それで持ってたんですけど」
「なんか家探したら手元になかったんで」
「買っちゃいました」
「話の内容としては、ほぼ改装ですね」
「そうですね」
「大学生の主人公が高校時代を改装する」
「しかも、この高3の1年と」
「まあ高2のちょっとと高3の1年がほとんどですね」
「高3も多分半年くらいかな」
「そうですね」
「残り半年くらいは、ほんまに受験勉強みたいなのに」
「多分省かれたくらいの感じかな」
「結構飛んでますね」
「で、大学生パートがちょっとだけあるっていう感じかな」
「最初と最後の方にちょっとあるという感じですね」
「だからこんなずっと改装なんやっていうのを読んでて」
「大学生から始まるじゃないですか」
「だから大学生の話かなと思ったら」
「意外と全然高校生の話だった感じでしたね」
「高校時代の地元が高知県」
「ちょっと言葉の使い方も方言が出てて」
「ちょっとそういう地方の舞台が面白かったなと思いますし」
「主人公の人が、主人公じゃないですよ」
「作者が北海道の人」
「そうですね」
「で、上京組というか東京で仕事してた人やから」
06:03
「だから高知の人じゃないから」
「その高知の言葉使いを監修で入ってもらってるみたいなんですけど」
「結構全編、方言ですね」
「その主人公周りというか高知の人たちは」
「でも割と方言でも読みやすかったような気がしますけどね」
「そうですね」
「特に意味がわからんとかっていうのはあんまりなかったですね」
「言葉が」
「知らん言葉なんですけどほとんど」
「でもなんとなくわかるっていうのもあったりだったり」
「で、なんかその」
「一応この最後の解説とか読んだら」
「あとがきか」
「あとがきでは一応なんかそういう」
「自分も地方から出てきた人間やから」
「地方から出てきた人間がわかる感じ」
「で、別にその場所を選ばないような感じになってるっていう」
「高知じゃなくても別に感情移入できるみたいな」
「そういう感じで書かれてたの」
「そうですね」
「なんとなくこんな感じを知っているという気持ち感」
「と懐かしさに包まれて読むような物語」
「っていうのを書いてて」
「確かに私も別に高知県にはそんなに」
「馴染みないですけど」
「なんとなく懐かしいような気持ちにはなりますね」
「そうですね」
「これを中学生とかで読んだら」
「はい」
「あんまわからなくないですか?」
「そうですね」
「そんなに読んですぐはピンとこなかった気がしますね」
「私大学生の時に東京に行ってたんで」
「はいはい」
「なんとなくこの主人公」
「男の子の森崎拓がいた辺りも」
「馴染みもあったから」
「割とそういう状況にあって」
「もうちょっと好きになったかなと思いますね」
「はいはい」
「読んですぐは普通に面白かったけど」
「確かに大学生の話とか高校生の話だから」
「まだピンとこなかったかもしれない」
「なんかこう」
「将来というか」
「もうちょっと成長したら」
「こういう世界が待ってるのかな」
「ぐらいの読み方はできるかもしれない」
「河野さんは大人になって初めて読んで」
「はい」
「どうですか?」
「ちょっとこう」
「あまりにも青春しすぎているとか」
「思います?」
「てかまあ」
「結構もうこの感覚を覚えてないですね」
「さすがに」
「まあそうですね」
「あのー」
「これって」
「まあ最後」
「これ」
「もういきなり最後のネタバレから話していいですか?」
「いいですよ」
「順番に喋ります?」
「いやもう思いついたところからいきましょうよ」
「これその」
「まあ結構その」
「ラストでもう締めくくるというか」
「すごいこう巻き返すというか」
「あのー」
「めちゃスパーと書けるじゃないですか」
「そうですね」
「あのーラストのパートで」
「なんかこの調節って何だったのかぐらいを」
「全てまとめる感じになってたと思うんですよ」
「ラストっていうのはもうあの」
「地元に一回帰るって」
「帰るとこですね」
「であのー」
「あそこで大学生となった自分たちを」
「すごく大人に描いたじゃないですか」
「高校の時はああだったけど」
09:00
「もう大学生になって」
「なんかすごいこう自分たちはちょっと」
「まあ悟ったじゃないけど」
「結構大人になったっていう感じの書き方をするから」
「大学生で大人になったっていう感覚って」
「もうないじゃないですか」
「そうですね」
「なんか社会人になってもずっと子供だったし」
「っていうのが今自分の中では」
「なんかこの歳になって」
「もう別にそんなに大人の感覚ってないから」
「過去を見て自分成長したなみたいなっていう感覚」
「それが大学生であったかどうかも覚えてないし」
「その辺がやっぱり」
「この感覚はちょっともう覚えてへんなっていうのは」
「ありましたね」
「こんな何ヶ月かで変われるのかなっていうのもあるし」
「まあ何ヶ月しか経ってないから」
「ちょっとすごい自分が成長したような気になってる」
「っていうのもあるかもしれないですね」
「そういうもんですか?」
「なんか地元離れて東京に行って」
「ちょっと今まで自分がいたところを客観視して」
「まあまあなんて言うんでしょうね」
「確かに今大人の目線で読むと」
「その大学生の視点は甘く見えるけど」
「まあそういうふうに大学生って思っちゃうんじゃないですか」
「どうなったかな」
「僕なんかは地元なんで」
「ずっと大学も?」
「そうですね大学も地元やし」
「で、まあ就職したら大阪行ったんですけど」
「大阪行ってからもうその昔の知り合いとか」
「ほとんど会わないんで」
「同級生とか」
「だからあんまそのギャップを感じない」
「なんかでも大学生の時は」
「まだ割と高校の時の友達とか」
「中学校の友達とかって」
「会ってたと思うんですけどね」
「たかなあたまにやったかなあ」
「最近はもう本当にコロナもありますけど」
「そんなに会わなくなって」
「なんか大学にいた頃はまだ結構会ってたかなと」
「僕でも高校で結構みんな」
「大学いろんなところに就学したんですよ」
「だから近くにいる人って全然いなくて」
「年末とか会いますね夏とか」
「年末とかはですね」
「あんまりそこまで集まる感じはなかった」
「私もクラスの同窓会みたいなのが」
「そんな1回あったぐらいですけど」
「仲のいい友達とはあったけど」
「この作品ほど一体感はなかったかなと思いますね」
「結構僕は環境が違ったから」
「あんまりわからないっていうのは結構ありましたね」
「その例えば僕そんな」
「あんまり狭いコミュニティで暮らしたことがなかったんで」
「中間一校の学校で」
「クラスになったことないやつでも顔と名前が一致する」
「みたいなのとか書いてて」
「そういう狭いコミュニティで長い子と一緒にいたっていう」
「経験がないんですよ僕は」
「だからその感じとかクラスメイトとの距離の近さとか」
「っていうのは僕経験ないから」
12:00
「あんまり体感としてはわからないんです」
「そういうのが成り立たない世界だったんでこれは」
「そうですね」
「結構家族的というか」
「地元をすごいみんな好きだっていう」
「時代もあるのかな」
「どうなんでしょうね」
「だからちっちゃい村とか地方とかで」
「生まれ育った人は結構乗れると思うんですよ」
「だからそういう状況も含めてなんですけど」
「だからそういうのは僕はあんまり経験がないから」
「自分の話っていうよりは別世界の話として読みました」
「これ久々に読んでどうでした?」
「久々に読んで」
「でもやっぱり私は良かったですね」
「なんとなく自分が昔読んだっていう記憶も含めて」
「作品自体が懐かしいなっていう印象がすごく強くて」
「自分が経験してないこともなんとなくわかるような気もするし」
「なんでしょうね」
「この夏のセンチメンタルな感じと」
「田舎に帰る感じとか」
「なんでしょうね」
「全体がすごい懐かしさに溢れているような」
「たまにこういうのを読んで」
「センチメンタルな気持ちになるのが良いなと思います」
「タイトルも結構好きですね」
「この海が聞こえるっていうのが」
「なんとなくなんかわかる気がするっていう感じですよ」
「この作品って海が聞こえるっていうタイトルですけど」
「そんなに海でみんなで遊ぶシーンってないじゃないですか」
「そうですね」
「ハワイに遊びに、修学旅行に行くけど」
「それも別に描写としてはホテルのシーンだったりとか」
「ちょっと船の上でご飯食べてるシーンぐらいで」
「みんなで海に行って遊ぶっていうパターンはないけど」
「主人公の家からちょっと海が見えてて」
「で、波の音が聞こえるっていう」
「それぐらいの描写だけども」
「そこに海が聞こえるってタイトルを載せたっていうのも」
「なんかいいかなと思いますね」
「地元の象徴っていう感じですかね」
「そうですね」
「海が近いところでだとなんとなく背景として海があって」
「別にそこにずっと焦点は出てるわけでもないけども」
「思い返すと海の音が聞こえるっていうような」
「そういう世界なのかなと」
「なんか空気とかね」
「なんか潮風がどうとかも描いてたような気がする」
「まあそんなんもあるんでしょうね」
「僕はだから海がないとこで育ったんで」
「そうですね」
「あんまりその海ってどっちかっていうと僕は憧れの対象なんですよ」
「海から遠かったんで」
「旅行とかで行く場所なんですよ」
「僕にとって海っていうのは」
「だから実際に住んだ時の感覚とかはあんまり知らないけど」
「行きたいとこは大体よく行ってましたね」
「海とかよく行ってました」
「自分で旅行した時とかも行っていたし」
「私は高校までは海が近かったから」
15:00
「家からも遠くの方にちょろっと海が見えてたんですよ」
「なんかそういうちょっと類似性もあったから」
「よりちょっと気持ちも入り込めたっていう風に思います」
「そうですね」
「自分の環境と結構近かったから」
「なんかその懐かしさに繋がるとこもあるんですね」
「そうですね」
「僕はそう…」
「なんかそういう意味ではやっぱ共通点が多いんですかね」
「そうかもしれませんね」
「地元に海があって大学も東京に行って」
「地元に帰ってきた時の懐かしい感じもちょっと身に覚えがあるみたいなところで」
「そんなに綺麗な話はないですけど」
「でもすごい結晶化したような作品かなと思って」
「ちょっとこの読書会では」
「中ではかなり若い感じの小説を選びましたけど」
「たまにはこういうのもいいかなと思って」
「実はそんな夏でもないんですよね」
「夏っぽいけどね」
「夏っぽいパッケージとか海とかいう話だけど」
「夏描写ってそんななかったなと思って」
「最初の方にちょっとあったのかな」
「でもなんかこう夏休みに入って」
「高校生のパートで森崎くんがバイトしてるじゃないですか」
「はいはい」
「で、みんなは受験勉強忙しいけど」
「男の子の森崎くんは就学旅行代稼ぐためにバイトしてて」
「っていうそんなシーンで」
「放課後友達の松野くんに呼ばれて」
「夕方の学校に行くっていうシーンありますよね」
「なんかあの辺も夏の感じはいいかなと思いました」
「一応最後もあれですよね」
「気境そのも夏休みかな」
「そっか」
「そうですね夏休みですね」
「冬っぽいとこは全然そういえば」
「書かれてはないですね」
「これ年間通しての話のはずなんですけど」
「なんかジャンバーとか着てるし」
「ジャンバーっていうか」
「この差し柄も結構時代を感じますよね」
「昔の一緒ですよね差し柄は」
「差し柄が結構あの半袖多いんじゃないですか」
「半ズボンとか」
「このなんて言うんですかね」
「このディレクター巻っていうんでしたっけこれ」
「なんかそんなね」
「これほんま90年代の感じすごいですよねこれ」
「でもなんか中で見たけど」
「この雰囲気がちょっと今リバイバルで」
「若者は割とこのセンター分けの髪型とか」
「今だって90年代ブームですから」
「だから今ちょっとこう」
「多分この氷室細工デビュー45周年っていう」
「もちろんきっかけはありますけど」
「なんか今90年代の小説出せば売れるっていう」
「なんかそういう目論みもあったんじゃないですかね」
「あんのかなぁ」
「なんかしかもこれ私真相版ですけど」
「なんかこのタイトルの書き方もちょっと今っぽくないですか」
「これは今っぽいですね」
「なんか手書きでちょっと右斜め上みたいな」
「これだって愛が何だってことと一緒じゃないですか」
18:01
「そうなんですか」
「この映画のタイトルで大体使われるやつ」
「この感じはちょっと今いけるって思ったと思いますよ」
「そうなのか」
「これだって書き直してるじゃないですか」
「この絵ないじゃないですか元々」
「多分これはあれじゃないですか」
「そっちに全部写真が入ってたわけではないかもしれないですね」
「あーそうなんですか」
「この表紙?」
「表紙…元々絵コンテとか」
「昔の絵コンテだけど」
「河野さんの持ってる方には収録されてなかっただけかなと」
「想像します」
「僕らは90年代を体感してるから」
「あ、でもそんなですか」
「私は小学生ですね」
「あ、そうだ僕も小学生なんですけど」
「知ってるような…でもちょっと小っちゃかったかなと」
「今の若い人からしたら90年代はもう30年以上前やから」
「なんかすごいこう…」
「経験してない昔のレトロみたいな感じやけど」
「僕らは割と…」
「この感じとか」
「なんか僕は特に知ってるから」
「やっぱりちょっとそれがダサかった時期も知ってるんで」
「これを見るとすごいこの絵…特に」
「絵もそうなんですけど言葉遣いとかもそうですけど」
「なんか昔やなってすごい思うやつですね」
「なんかそんなのいっぱいありましたね」
「ボディコンとか着るじゃないですかこれ」
「え、そんなのありましたっけ?」 「つむらさん」
「つむら先輩」
「これめっちゃだって…この感じとか」
「すごいなんか懐かしいな」
「そうですね」
「その辺は時代を感じますね」
「こんな人はね今いないですからね」
「あの…」
「今ないっていうと」
「最初の方で上京してくるじゃないですか森崎くんが」
「で、家賃とか仕送りの話をお母さんとするっていうところで」
「結構今よりかはなんというか」
「豊かだったかなっていう話もあって」
「家賃が6万8千円で仕送り12万円」
「で、家に電話を引くっていう」
「これは多分時代…携帯のない時代ですけど」
「結構親の援助もしっかりしてるし」
「なんか家具家電20万30万最初に使ってくれるみたいな」
「やっぱりちょっとそれは今の時代よりかは」
「ちょっとお金に余裕があったような時代かなって思います」
「まだバブルですからねこの時代は」
「今10代の大学生とかの方が読むと」
「昔は恵まれてるなって思うかもしれないですね」
「あんまリアリティないと思いますけどね」
「そんな生活できたんだってなるでしょうね」
「で、この先輩も完全にバブル女ですからね」
「昔の大学生ってそういうイメージあったらしいんですよ」
「90年代とかの大学生は」
「すごいやっぱ金持ってる人に行くとか」
21:00
「金持ってたりは大人の遊びするみたいな」
「パーティーで友達の芸術家の卵みたいな子が」
「賞を受賞した時のパーティーに」
「いろんな大学生が動員されて」
「大騒ぎしてるみたいなちょっと時代を感じますね」
「今もどこかでは行われてるかもしれないけど」
「僕らの時の大学生は」
「やっぱ金なかったのもあるけど」
「もっとやっぱり子供っぽかったというか」
「車乗ってる人とかも少なかったし」
「どんどん子供っぽくなっていったような気がする」
「大学生のイメージとか」
「やっぱちょっと大学生描写は結構」
「今とはジェネレーションギャップ感じるけど」
「高校のところは割と」
「そんなに違和感なかったかなと思う」
「いやー違和感というか」
「時代は感じますやっぱり」
「僕それぐらいのものがいっぱいありましたね」
「ちょっとじゃああげてってくださいよ」
「言葉遣いとかでまず結構懐かしい言葉遣い」
「僕らはもう使ってないぐらいの古い言葉遣いで」
「ナイスボディーとか」
「厨房とか」
「厨房とかも言わないですね」
「美少女もあんま言わないですね」
「そっか美少女ね」
「なんか美女とかも言わないけど」
「美少女って言葉多分昔よく使われたと思うんですよ」
「そうですね」
「教説内とかに限らず」
「テレビで野球中継見てるとか」
「そういう描写も今はないですし」
「やってないですからねあんまり」
「あとこれ一番僕はびっくりしたというか」
「まあなかったんですけど」
「こういうのは作品の中では見たことあるなっていうやつが」
「クラスメイトの水着の写真を撮って」
「バラ撒いてるってやつ」
「確かにこれはないですね」
「これだいぶヤバいじゃないですか今やったら」
「そうですねこれはだいぶ今やったらヤバいですね」
「確かにこれはね」
「これは結構すごかったなと」
「なんかこういうのもでも」
「なんかでこんなやってんのを漫画家なんかで見たことがあって」
「現実味があったんやなっていうのはね」
「その遠足とか修学旅行とかで」
「もう専属のカメラマンが撮った写真を買うとかはありましたけど」
「そうですね」
「まだフィルムやった時代に」
「けど友達が撮った写真とかを貰ったりはしてたけど」
「売るとかはなかったですか水着とかはね」
「娘撮りですからね」
「これはすごいやっぱ今は無理なやつやなと思って」
「結構これを今の感覚で描く人もあんまりいいんやろうし」
「やっぱ昔のならではの表現というか描写やなと思いましたね」
「高校とかもそうやって変わっていくんやなって」
「今も特に全然違うと思うしね」
「まずかったっていうのはまずったっていうような言い方をしてて」
24:03
「ちょっと実際感じますね」
「そういうのは結構ありましたね」
「ひするとかね」
「言わないですからね」
「それから言葉遣いはどんどん変わっていく」
「すごいリアルに分かるというか」
「でもそういうのはそのまま入れてたんやなっていうのが結構」
「まあ掲載されてたのもアニメージュで」
「本当に10代の子が読んでたような雑誌だったから」
「そうですよね」
「本当にその時の若い人の言葉遣いが反映されてるんでしょうね」
「これだからアニメージュだから僕はラノベなんかなと思って読んでたんですけど」
「まあでも写真もあったしラノベという風に捉えることもできるんじゃないですか」
「ナングアダルトっていうのはあんまり」
「若い人が読む小説っていうジャンルに入ってるんですけど」
「でもそのラストの感じはやっぱりラノベっぽくはないなと思いました」
「で、よくある」
「よくあるって言ったらあれですけど」
「日本の中高生向けのアニメとかの方でよく見た感じの終わり方やったなと思って」
「例えば?」
「何でしょうねん。僕見てないんですけど」
「それこそジブリの思い出ポロポロとかこういう感じなのかな」
「どうかな、思い出ポロポロ」
「子供の時と大人になってからとか」
「あとはなんか」
「どうなんかな」
「伊豆田とかがそうなのかな」
「まあラノベっぽい絵柄ではないですよね」
「そうですね」
「だから全然内容は違うけど」
「秒速5センチメートルとか」
「ああいう感じの流れで今と昔」
「内容が違うんですけど」
「あれもうちょっと質度が高めじゃないですか」
「そうです」
「あれは全然成長してないですからね」
「そうですね」
「男は成長してないけど」
「河野さんはジブリはそもそも好きですか?」
「あんまり見てない方かな」
「でも最近になってから見たのかな」
「結婚してから見ましたね」
「それまでは子供の時しか見てなかったので」
「好きか嫌いかって別に普通」
「僕でも一番好きなのは」
「風田千鶴なんで」
「私もベスト3には入りますよ」
「風田千鶴」
「そういう感じではないですか?」
「そうですね」
「なんか海が聞こえるはジブリでも」
「若手スタッフが中心となって作ったやつみたいで」
「宮崎駿とか」
「高畑勲は絡んでないやつららしいですね」
「なんとなくタッチでジブリっぽさも」
「ちょっとするかな」
「絵はそうですね」
「キャラデザインの人は」
「ジブリの人やから」
「私ちょっとコーチも」
「結構行ってみたい場所で」
「四万十川は行きたいなってずっと思ってて」
「そういう意味でコーチもちょっと憧れなんですよ」
27:00
「いつか夏休みとかに旅行したいなっていう」
「そういうのもあって」
「なんかいいなと思っちゃうんですよね」
「リカ子はどうですか?リカ子みたいな」
「リカ子は…」
「女の子」
「なんでしょうね」
「やっぱ昔の子って感じですね」
「この小説の中で出てくると」
「こんな子いたなっていう感じじゃないですか」
「90年代の作品とか」
「今はいないですかね」
「描かれないですかねこういうキャラクターって」
「ちょっとアスカみたいなとこありませんエヴァの」
「どうなんでしょうねエヴァのアスカ」
「ちょっと気が強くて」
「でもちょっと寂しい気持ちもあってみたいな」
「で主人公にちょっと心を開くような開かないような」
「もっとなんか」
「エヴァのアスカの方がやっぱり」
「そのなんていうのアニメのキャラって感じですね」
「まだ人間味があるんじゃないですかこの無頭リカ子の方が」
「小説の登場人物っていう感じですね」
「エヴァはちょっと飛躍しますけど」
「なんとなく私は系統で言うとアスカとか」
「そういう気の強い女の子っていうラインだなと思ってました」
「もうちょっとこうなんですかね」
「テンプレというか」
「テンプレで言うとお嬢様って感じですか」
「東京から来たお嬢さんで」
「ちょっとクールで気は強いけど」
「ちょっとタカネの花みたいな感じじゃないですか」
「そういうあんま積極さがあんまない人なのかなっていう感じやな」
「で、クラスで一人になるし」
「でもお金を貯めたり人に借りたりして」
「お金作って親に黙って東京に行くような」
「ちょっと突飛ないところもあるし」
「この辺は昔のヒロイン像っていうのはすごい僕は思いましたね」
「少女漫画っぽいなっていうのもあるし」
「美人でわがままで不幸な東京女の子とか」
(笑)
「だからあんまり僕は嫌いなタイプなんで」
「こういう感じは」
「私はどうだろうな実際」
「基本的に無視するというかあんまり関わらない人ですねこういう人は」
「だからこういう人との恋愛物語を描かれても」
「全く響かないっていうかその点に関しては恋愛パートについては」
「実際に実際問題を別として」
「物語だと私こういうちょっと動きのあるなんか」
「なんだろうなこういうのってちょっと面白いですけどね」
「こういう女の子は」
「まあなんか基本こういう人がムカつくんでね」
「存在として」
「あんまり自分は相手にしないやろっていう感じ」
30:03
「僕は登場人物とかで言ったら誰が一番面白かったかな」
「なんかあの大学の嗣永知沙をちょっと陰で支えている」
「坂田くんみたいないません?」
「田坂さん」
「今夜の店員ですね」
「ちょっとご本参考にじゃないですか」
「いやわかんないですよどうですか」
「田坂さんはほぼ出てこないんでね」
「でもなんかちょっとこう」
「嗣永知沙がつらい時になんとなく横にいてあげるような感じじゃないですか」
「うーんなんかこれもだからなんかあんま関係よくわかんないですよね」
「うーん」
「一応彼氏なんかみたいななんかその辺がはっきりしない」
「そうですねまあはっきりしない関係なんじゃないですか」
「どうなんでしょうね」
「なんかそこを当時の人やったらもっとわかるのかなと思って」
「僕はやっぱ朝潮山尾が一番面白かったです」
「あそこですか朝潮ですか」
「松野くんはどうですか」
「松野くんはなんかこう」
「描かれてる割にはちょっと印象が薄い」
「なんていうんですかね」
「いまいちよくわかんないんですよ僕は」
「もう理科校のことが好きで」
「親切にしてあげても結局理科校に傷つけられて」
「京都の大学に行っちゃうんですけど」
「この本心が見えないというか」
「この最初の方のあの」
「えっとなんて言ったっけ」
「中学旅行中止騒動みたいなの」
「で割と意志が強い人みたいな感じで」
「そうですね」
「登場してくる割に」
「自分がどうなってんのかっていうのがあんまりわからなかったんで」
「うーんまあ結構なんでしょうね」
「なんで好きなのかとか」
「好きやったらどうしたいとか」
「どういうつもりなのかとか」
「主人公に対してどう思ってんのかとか」
「あんまり語る人じゃないじゃないですか」
「でなんとなく一緒にいて仲が良くて」
「みたいな感じだから」
「あんま掴めなかったです僕は」
「地元で真面目に学ぶ勉強してる男の子で」
「頭も悪くないしっていう感じだったけど」
「まあちょっと東京からこういう異文種の可愛い女の子が来ると」
「どうしていいのかわからなくなるっていうのはまあまあ」
「あるあるっぽいっちゃあるあるっぽいですけど」
「なんとなく私はわかりますよ」
「あそうですか」
「あんまりだからあれかもしれない」
「そんなに特徴がないっていう感じだから」
「人としては」
「わかりやすい人っていう感じなのかな」
「真面目に」
「大学も地元からちょっと離れたくらいの京都に来て」
「まあまあそういうところでちゃんと勉強もして楽しんでるっていう」
「全体的に真面目な男っていう感じじゃないですかね」
「そうですね」
「まあまあ基本的にこう不器用な人みたいな感じで」
「ずっと描かれてますから」
「今日でも大学1年生の夏にはもう車を乗れるようになってる時代なのかな」
「どうなんでしょうね」
33:00
「なんか必要やったのかなとか」
「思うんですけど」
「こんぶさんの大学生の時って車乗ってる人多かったですか?」
「いえ〜あんまりいなかったですね」
「なんか免許は持ってるけど」
「だから自分の車はないですよまず」
「それはそうですね」
「たまにこう安いの買ってる人いましたけど」
「2、30万とかっていう子車を買ってる人とかいましたけど」
「親の車使ったりとかっていうのは?」
「親の車乗ってる人はたまにいましたけどね」
「だいたいだから金持ちは持ってましたけど」
「僕の昔の彼女も大学1年生2年ぐらいだったかな」
「でも車は親に買ってもらってましたから」
「会社ですよね」
「ウィズオーバーミニ」
「そういう人はいたのはいたんですけど」
「あんまり実用とかではなかったかな」
「でもその後その昔90年代とかは」
「男は車乗ってて当たり前みたいな感じがあったらしいんで」
「そういうのもあるんじゃないですかね」
「全然自分とはそういう世界だなって思いますけど」
「僕はバイクは乗ってましたけど」
「完全に移動手段でしたから」
「90年代のトレンドドラマみたいな」
「そういう世界観ですよね」
「大学生はそうでしょうね」
「そういうのを憧れというか」
「あるんでしょうね流れとしては」
「今の子が読んだらどう思うんでしょう?」
「いやでも」
「歴史として90年代を知ってないと」
「よくわからないと思いますよ」
「どの層に今響くんだろう」
「この新進相番が出てるけど」
「いやでもやっぱ古典として読むんじゃないですか」
「そういう意味では」
「そういう感じかも」
「そうじゃないですか」
「僕らが学生運動の方に読む感じでしょう」
「まあ評価も固まってるし」
「ちょっとこういうのも読んどかないと」
「っていう感じの子が」
「うーんそうですね」
「読んどかないとって思うかどうかわからないですけど」
「昔それこそ90年代に流行ってるから」
「そういうファッションとかから入った人が読んだりとか」
「音楽とかから入った人が」
「小説に行くっていうのは全然あると思うんですか」
「あんまりこう今の自分とこう」
「結びつけるっていうよりは」
「ほんま過去のものとして読んでるんじゃないですか」
「当時を体感したりみたいな感じだと思うんですよ」
「結構だから僕はでもその」
「こう知ってるなっていう部分と」
「全然わからんなっていう部分と」
「結構両方あったなっていう感じでしたね」
「私はもうひたすら昔よく読んだなっていうのと」
「懐かしいなっていう」
「そんな感じでしたね」
「だからあれですよね」
「昔読んでた自分が懐かしいってことですかね」
「そうですね」
「いろいろそういう読んでた時期を思い出して」
「僕はだからこれ」
「大学生と高校パートがある話じゃないですか」
「一番最初に思ったのが」
「ノルウェーの森とのギャップなんですね」
「なるほど」
「超健全じゃないですかこれ」
「そうですね」
「ホテル二人で泊まったりとかするのに」
「何も起こらないとか」
36:00
「そうですね」
「あと家に泊まりに来たりするじゃないですか」
「大学生になったからも」
「家に泊まりに行ったのか」
「家に行くんですよ」
「風邪ひいてるっていうので」
「風邪ひいてるのはたまたま行ってから知ったんですけど」
「名簿じゃないの」
「先輩に教えてもらって住所と電話番号」
「勝手にいきなり行くんですよね家に」
「そうですね」
「ピンポン押すんですよ」
「なんでここに来るの」
「住所誰から聞いたみたいなやりとりがあって」
「そうですね」
「そこまでやっておきながら」
「何もないっていうのがまたあったし」
「この健全さ」
「そうですね」
「ヤングアルト」
「全くリアリティないと思ったんですけどこれは」
「あの」
「なんか」
「まあラルエの森がリアリティあるかっていうと」
「あれはあれでちょっと」
「あれは全然リアリティはないんですけど」
「なんかもう対極やなと思って」
「そうですね」
「全然違いますね」
「なんかこう現実を」
「現実風な部分を描いてるところはあっても」
「その辺は全然ファンタジーやなと思って」
「なんかこうそれこそ」
「なんかこう水着」
「何だっけな」
「あのー」
「水着の写真とかもそうだったけど」
「そのプールの時間で」
「なんか胸がでっかい女の子がどうとかっていう話を」
「してる割には」
「こう性欲的なものを一切こう出さない」
「話では」
「なんかこう中高生とかそれこそ大学生とかでも」
「もうその時って」
「特に男性はこう性欲のピークのはずやのに」
「あんまりにも何もないっていうのが」
「やっぱり」
「ファンタジーでしたね」
「ヤングアダルトの作品で」
「女性が描いててっていう」
「まあ層も違うんじゃないですかね」
「そうだから汚いことが全然描かれないから」
「だからそこはファンタジーやなっていうのはすごい」
「ほんま何かに夢中な人間でもない限り」
「こんなに性に興味ない感じ出ないっすよ」
「ははは」
「そうですね」
「主人公全然何かに夢中じゃないから」
「こいつはなんか」
「その衝動どこに行っていいんだろうって感じになるんですよね」
「一切こう」
「森崎くんはこう」
「性欲を見せないですからね」
「まあ森崎くんみたいな男の子がいいなっていう風に」
「作ったんじゃないですか」
「松野くんも全然出ないですけどそういう」
「性欲というか」
「男性らしさみたいなところ」
「ファンタジーですよやっぱこの人は」
「もうなんかそれに比べてって感じですよね」
「はははは」
「ルエの森の大学生活は部分的にはすごいリアルなんで」
「当時の」
「まあこの小説」
「運が聞こえるよりは10年20年ぐらい前の話じゃないですか」
「ちょっと前ですかね」
「それでそうですからね」
「もうなんかもう」
「セックスばっかりじゃんってことですかルエの森は」
「すごいだからその」
「描き方が同じ高校大学を舞台にしても全然違うなっていうので」
39:01
「ルエの森の高校パートも」
「もうそんな高校生おらへんやろっていうぐらい大人びてたから」
「その辺はちょっとやっぱギャップがすごかったですね」
「トライアンフ乗ってバーで」
「なんかポテトとビール飲んでるみたいな」
「そんなやついいやつ」
「でもこういう」
「私もこういったヤングアダルトの作品全然読まないんですけど」
「やっぱりこう自分の中に一冊こういうちょっと」
「ファンタジーだけどありえない世界だけど」
「なんかこう爽やかな懐かしい作品っていうのが一冊あるだけで」
「いいんですよね」
「たまにこういうのを読むとちょっと甘酸っぱい気持ちになって」
「甘酸っぱい気持ちですかね」
「なんかなりますよ」
「なんとなくね」
「なんかいいなっていう感じですね」
「でまた他の本読むんですけど」
「数年に一度こういうのを読み返して」
「ほんとそういう位置づけです」
「中高、大学もそうだけど」
「この本で書かれてたような」
「同じような出来事はもちろんないですけど」
「思い出らしき思い出が全然ないなっていうのは自分では」
「こういうことあったこういうことあったっていうのが結構順番に書かれていって」
「結構それは実際の中学生高校生の時にあったら」
「結構事件というか大きな出来事なんでしょうけど」
「でもなんかそういう中学旅行の中心のなんか署名とか」
「あの程度のことやったらなんかあったら覚えてるじゃないですか」
「あったら覚えてるとかなんかそういう」
「それで松野くんと長くなったきっかけやったとか」
「そういうのがあったから多分覚えてるんでしょうけど」
「自分はなんかこう読んで中高時代」
「高校時代と大学時代の自分の経験が」
「紐づいて思い出されるみたいなのが全然なかったんですよ」
「まあなんか特に思い出のない高校時代を過ごしたなあって」
「いやいやいや」
「覚えてないだけなんか」
「なんかで思い出したりするような作品ないですかね」
「作品?」
「学校に多分思い入れがなかったかもしれない」
「それは大きいんかな」
「一貫校で割と学校好きやったみたいな感じですかね」
「そうですね」
「あの愛好心みたいな」
「ちょっとまあそういう感じでもないんですけどね」
「だからなんかこう」
「引きずられる何かがあれば」
「多分僕もそういうノスタルジーを感じれるんでしょうけど」
「それがやっぱ僕にはあんまりなかったんでしょうね」
「ちょっと話変わりますけど」
「この今私に持ってきている」
「文芸別冊の氷室細子特集の本で」
「この『海が聞こえる』を作る時の資料っていうのが載ってるんですよ」
「資料っていうのはこういう風な作品にしていきたいっていう」
「覚え書きを氷室細子が書いてて」
42:02
「まあちょっとこう設定とかテーマとかストーリーを」
「ちょっと書いてるんですけど」
「でなんか参考となるものっていうので」
「いろんな作品をちょっとこう」
「参考としたいっていう風に書いてるんですよ」
「瀬戸内少年野球団のような地方を舞台にしながら」
「それ自体が一つの世界になっているとか」
「なんかこうコカ・コーラのCFにある地方の生活観を」
「ソフィスティケートする視点とか」
「なんかまあちょっと参照としたいようなこととかが載ってて」
「そこにサリンジャーの小説にある海逆っていう風に書いてて」
「サリンジャーもちょっとこうイメージしてたっていうのが」
「今日私これ読んで知ってほうほうと思ったんですけど」
「他にも『スタンドバイミー』のような形みたいなのも書いてて」
「私は『スタンドバイミー』結構映画好きだから」
「自分の好きな作品がこういう風に」
「表だっては出てこなかったけど」
「作者の中の念頭にあったんだなっていうのを知れて」
「ちょっとなんか面白かったですね」
「どういうとことかっていうのは?」
「いや、こういうのは全然読んでサリンジャー感とか全然なかったし」
「そうですよね」
「『スタンドバイミー』はちょっと子供すぎるからなと思うんですけど」
「そうですね、中学生ですからね」
「小学生でもなんとなくイメージとしてあったのかと思うと」
「ちょっと興味深いなと思います」
「これ宮台真一の解説とか入ってます?」
「これ載ってるかな?」
「入ってないですね、変わってます」
「えーと、坂井和華になってます」
「あー、なんか言いましたね」
「これ宮台真一の解説は完全に」
「これは少女漫画のこの時代性をすごい反映してるみたいな」
「そういう話だったんですよ」
「昔のヒロイン像じゃなくて」
「70年代以降のなんか新しいヒロイン像みたいな」
「なんか複雑な関係に悩む私に変わったっていう」
「それが結構当時の女の子に刺さるというか」
「言ってたんですか?」
「リアリティを感じるみたいな感じなんですよね」
「多分その親子関係やったりとかっていうのを」
「あんまり少年漫画ではそういうのを描かなかった」
「少女漫画はさっきもそういうのをやったみたいな」
「そういう解説は結構面白かったです」
「やっぱり少女小説、女性が書いたっていうのはそういうところが特徴なんでしょうね」
「なんかそういう意味ではすごい」
「少年漫画よりも人間関係を描くっていう面ではすごい進んでるって言って」
「で、宮崎真嗣はその後対談かなんかで」
「宮崎駿より全然この作品の方がいいみたいなことを言って」
「めちゃ激怒したらしくて、宮崎駿は」
「なんかあれだよね」
「この作品を受けて宮崎駿は」
「耳を澄ませば作ったっていう話ですね」
「こんな海が聞こえるみたいのじゃないみたいので」
45:02
「自分の思う少女が出てくるものを映画でするってなった時に」
「耳を澄ませる」
「なんかそれは、その辺のことが書いてありますね」
「本家に『世紀末の作法』という本で触れました」
「宮崎駿と対談した時、宮崎氏が激怒してしまった」
「確かに耳を澄ませばって見ました?」
「見てないですよ、僕は」
「そうですか」
「あれも高校生の女の子が主人公なんですけど」
「中学生かな」
「いかにも宮崎駿が好きそうな女の子なんですよね」
「そういう意味では、この理科校のような」
「ちょっと複雑性みたいのはちょっとなくて」
「ある意味ファンタジーの世界のリアル」
「時代がね、古いから感覚が古いんだよね」
「やっぱり男の理想と女の人の考える理想が全然違うし」
「女の人は多分リアルなんでしょうね」
「女の人が描いてる男の人が」
「あんまりリアルじゃないっていう感じだなって思うんですよ」
「だいぶ理想像に近いですよね」
「女の子の小説に出てくる男の人は優しいし」
「そうですね、それを言っていいのかちょっと分からないですけど」
「ある知り合いの人、俺は直接知らないんですけど」
「このジブリで一番好きな作品って言ってらっしゃるんで」
「踏みが聞こえる」
「理由とかは分からないですけど」
「多分それは女の人で」
「女の子の主人公、ヒロインの子が」
「結構何やっても許されるというか」
「こんな自分にもついてきてくれるというか」
「そういう男の子が描かれてて」
「それが理想の彼氏みたいな感じで」
「描かれてたのかなって思って」
「そういう支持層はあるのかなと思いましたね」
「そうですね」
「理想なんじゃないですか?森崎君みたいな」
「優しいし、なんだかんだいつまでもついてきて」
「許して」
「で、一切下心ないじゃないですか」
「全てにおいて」
「そういうのも多分含めてなんでしょうけど」
「なんかこうちょっとお父さんのようなというか」
「なんかこう包み込んでくれるような」
「居心地の良さっていうのを感じるんじゃないですかね」
「松野君も優しいし」
「なんかそういうファンタジーヒーローみたいな」
「女性目線でのそういう感じなんかなって思いました」
「一応主人公は男性で」
「男性目線で描かれてるんですけど」
「その辺の」
「絶対この女に構わへんなと思ってたんですよ」
「結構なんかこう」
「偶然起こってることばっかりやけど」
「巻き込まれてるじゃないですか主人公は」
「小説って大体そういうものじゃないですけど」
48:01
「自分からアクションを起こすっていうよりは」
「東京に行ったり」
「お金をハワイで貸してって言われたり」
「そうですね」
「で、まあその住所知ったりとか」
「たまたま東京で出会うとか」
「絶対あり得ないですよね」
「よっぽど狭いコミュニティーにいたら別ですけど」
「同窓会とかいうか同期会というか」
「同居の人が集まるとかあるじゃないですか東京でも」
「そんなのでもないし」
「これはなかなか」
「起こり得ないハプニングが重なって」
「みたいな感じではあるんですけど」
「そうですね」
「東京の前6章のうち第5章がやって」
「で、大学生パートになって」
「そこで一気になんかあれですね」
「菅村幸っていう大学の先輩が出てきて」
「パーティーに誘われて」
「そのパーティーに理科校がいて」
「狭すぎやろって言うんですかね」
「この辺の世界が」
「で、理科校になんか同窓会地元であるぞ」
「みたいなこと言ったら」
「ちゃんとそれに来てくれたっていう」
「結構だからこの辺は」
「ほんまにこうだったらいいな」
「みたいなの凝縮されてるなと思うんですよ」
「その高校で仲違いした女の子やったり」
「友達やったりと」
「なんかこう、こういうことがあったら」
「仲直りできるのになみたいな」
「そうですね」
「そういうのを結構理想的に書いてるなっていう」
「確かにこういう仲直りの仕方っていいよなっていう」
「理想が表彰されてるかもしれないですね」
「で、なんか自然やし」
「そういうことが起こってしまえば」
「内容としては割と心に迫るというか」
「心情的にはすごいみんな乗っかれる心情やし」
「ただそのきっかけがあんまないっていうだけで」
「実際は」
「これ映画は音楽も結構いいんですよ」
「ああ、そうですか」
「『海が聞こえる』っていうテーマソングがあったと思うんですけど」
「それも結構良くて」
「ずっと後ろで流れてるんですよね」
「歌詞なしで」
「だから映画も確かに私も好きだし」
「映画でも1時間半ですよね」
「結構80分って書いてたかな」
「ああ、それすごい短いですよね」
「どうやってまとめるのかなと思いましたけどね」
「だからどっかだいぶ削ってあるんでしょうね」
「そうですそうです」
「ちょっとね、削ってる部分あるんですよ」
「で、この『宮台真嗣』は解説で」
「やっぱ原作の方が全然いいって感じですよ」
「映画よりも」
「多分アニメ版ではちょっと表現できてないところとかがあったりとか」
「あとなんかこう、結末というか」
「なんかこんなセリフはなかったみたいなのがアニメ版にあったって」
「だからそれをやってしまうと」
「原作の良さがちょっと消えるみたいな話も書いてあって」
「これはぜひこう、全部読んだ人は解説を読んでほしいなって」
「かなりこう…」
「ちょっとね、配信でないから」
「ちょっと見るハードルが高いんですけど」
「まあDVD買うしかないでしょうね」
「家に買えば一応誰でも見れるんで」
「売ってる作品やったらね、まだ絶版やったら買えないですけど」
「レンタルも…」
「この辺ってレンタルビデオ屋さんってない?」
「全然知らないですよ」
「ないですよね」
51:00
「あるんかな?」
「でも…」
「ブルーレイでも出てますね、夢が聞こえる」
「うんうん」
「DVDもあるし、ブルーレイもある」
「多分メルカリとかでもあると思う」
「そんなに手に入るんじゃないですか」
「レンタルはね、なくなりましたからね」
「文化が」
「あとはその2がどんな話なのかなっていうのは?」
「私も2はちょっとあんまり覚えてないけど」
「ちょっと気になるけど」
「この締め方がめっちゃ良かったから」
「2はなくてもいいなとやっぱ思いましたね」
「2は結構大学生の話だったと思います」
「そうですよね」
「森村幸が出てきて」
「そうなんですか」
「全然じゃあ、経緯は違うんですか」
「リバコも出てきたかな」
「なんか表紙やったから多分出てくると思うんですよ」
「確かにこの…」
「これはこの1冊でちゃんといい終わり方してますよね」
「うん」
「こう…」
「すごい最後急に進みましたけどね」
「めっちゃ急に大人になってるやんと思って」
「あの…」
「カラオケでアモーノ並み歌うとことか」
「こんなキャラじゃなかったやん僕やり」
「だからまぁ…」
「リカコも強がって大人ぶってたけど」
「まぁまぁ普通にその年の」 「大学から言ってたの?」
「年相の女の子だったって感じやね」
「なんかそんなセリフありましたよね」
「胃の中のカワズだったみたいな」
「私もあなたも」
「うーん」
「女の子の仲直りするじゃないですか」
「うんうん、あぁ、2人で」
「そこで清水って女の子かな」
「そうなんかやっぱこう…」
「過去のトラウマじゃないけど」
「なんか揉めたこととか」
「そういうのの折り合いがつくって話ですよ」
「こんなこう…」
「上手い感じで折り合いをつけたいって思う」
「なかなか難しいですよね」
「過去の昔の地元の友達やったりとか」
「別に親族とかでもそうですけど」
「兄弟とかでも」
「相当な仲違いしてますもんね」
「まぁちょっとしたいじめですからね」
「かなりなんか馴染んでないですからね」
「クラスとかには」
「まぁでもどうなんでしょうね」
「いやそれもちょっと時代なのかなって思うんですけど」
「大人になりすぎなんでこの人が」
「ちょっと大学入って半年ぐらい経っただけで」
「まぁ松野くんはね」
「元々ちゃんと仲良かったから」
「そうですね」
「このぐらいのなんか…」
「松野くんとは仲直りできる」
「あり得ると思うんですけどね」
「でも半年…」
「卒業までの半年9ヶ月ぐらい」
「そう」
「なんか口も聞いてなかったって」
「あの森崎くんと松野くんとね」
「それでもなんかやっぱりこう」
「連絡取りたいとか」
「仲直りしたいとか」
「そういう気持ちがないとね」
「なかなか…」
「ないと思いますけど」
「普通に大学行って」
「大学の友達とはできて」
「もうどうでもよくなることは多いですけど」
「ただまぁ地元に帰るっていう」
「きっかけもあってやるっていうのはあるんでしょうね」
「そんななんか親友とか書いてるから」
「一応そういうのがあるんかな」
「あんまり男の人は親友とか言わないじゃないですか」
「そうですね」
「言わないです」
54:00
「そのなんか女子文化というか」
「まぁ自分たちは友達だっていうのを」
「言いやって確認するっていうのは」
「男には…」
「あんまり友達ぐらいはね」
「全然いるというか」
「言ったりはしないですけど」
「言わないです」
「一方的に自分が思ってるとか」
「っていうのがあるんかな」
「どっちかっていうと」
「親友だっていうか」
「そうじゃないですか」
「お互い言い合うみたいなのはあんまない」
「ないですね」
「それはないな」
「それこそなんかこう」
「昔の友達やけど」
「結婚式には呼ぶとか」
「なんかそういうのが一応」
「親友に該当するんかな」
「っていうのじゃないですか」
「そのあんまりこう」
「それこそ地元だったりとか」
「遠く離れたら」
「呼ぶ人すごい限られるから」
「僕はなんか」
「ほぼ地元の友達ばっかりだったんですけど」
「その時に勤めてなかったので」
「だからあんまり」
「誰が誰っていうわけじゃなかったんですけど」
「地元っていうと」
「小学校から大学まで京都ですよね」
「小中ですね」
「僕が呼んだ友達は」
「じゃあ親友とか」
「そういうところで呼ばれると」
「まあその付き合いが続いてる人」
「みたいな感じで」
「何人くらいいるんですか」
「7、8人」
「ですね、だいたいそういう」
「いつも連絡を取ってる人たち」
「あとは最近」
「カナダで一緒やった人とかもいるので」
「同級生の中で」
「あ、そうですか」
「そうですね」
「中学校の同級生で」
「カナダに一緒に行った」
「一緒に行ったっていう感じかな」
「お互いに行くっていう話をしてて」
「で、向こうで一緒に」
「飯食ったりとかしてたっていう感じ」
「だから」
「その人は昔」
「そんなめっちゃ仲良かったってわけじゃないけど」
「でも同じ、みんな知り合い同士の同級生で」
「で、結婚式も呼んだって感じでした」
「この新装版の表紙で」
「りかごちょっと怖い顔してるじゃないですか」
「はいはい」
「これ多分シーン的には」
「この辺りのシーンだと思うんですよ」
「東京に行って」
「部屋に行った時ですね」
「部屋に行って」
「お父さんに会ってから」
「森崎くんが泊まってるホテルに来た辺りの」
「すごい怖い顔してるっていうのが」
「あの時のあんなシーンで」
「こういう顔してたんだなっていうのが」
「今回の新装版で知れたのが良かったですよ」
「大人パートも…大学生パートもアニメあるんですよね?」
「いや、ないんじゃないですか?」
「ないんすか!?」
「大学生パートっていうのは」
「この海が聞こえるのを中の大学生パートですか?」
「はい」
「2じゃなくて」
「いや、確か無かった…」
「これ、つむらさんとか出てくるんですか?」
「いや、多分無かった」
「アニメ版」
「ガッツリ削ってて」
「高校生の時だけだったと思います」
「あのね…」
「いってしまうと…」
「大学…東京に行ってるシーンなんですけど」
57:00
「すぐ海藻に入るんですよ」
「はいはい」
「最初は一周ですね、その辺は」
「もっと早いです」
「もうなんかすぐに海藻に入って」
「引っ越しとかもないってことですか?」
「そうそうそう」
「で、もうすぐに海藻に入って」
「で、また東京に…時代が戻って」
「おしまいっていうところで」
「じゃあ、会いもしないんですか?」
「会いはするかな」
「その…東京で?」
「この話と全然違う形でちょっと会うっていう感じです」
「あーじゃあ結構変えてますね」
「まあ縮めてますね」
「うん」
「私もずっと前に見たしな」
「ちょっとまた見たいですけど」
「結構量があるから、この小説が」
「なんか僕もっと薄い本かなと思ったら」
「意外と300ページ近くあったから」
「だから…」
「すぐ読めません?これ」
「あ、いや読めるは読めるんですけど」
「そのアニメにするには」
「アニメ映画にするには」
「分量が多いから」
「どれぐらい尺があるのかなとか」
「削らん…」
「どれぐらい削ってんのかなってちょっと思いましたね」
「なんかシーンというか」
「エピソードも結構多いから」
「そうですね」
「結構削らんと入らへんようなと思って」
「でもその…なんかこう」
「まあ仲良くなったというか」
「まあこじれたり」
「親しくなってこじれたりするっていうのが」
「そういう鬼崎くんと理加工が」
「どうやって距離を縮めるかみたいなのを」
「こんだけエピソードないと」
「なかなか近づかへん感じじゃないですか」
「どっちも興味ないし」
「お互いにね」
「なんか好きだったのか」
「みたいな気づくみたいなのが」
「結構後で出てくるから」
「そうですね」
「なんかその距離の縮めるために」
「やっぱこれだけのエピソードはいるな」
「と僕は思ったんですけど」
「それを削ると」
「あんまりこう話としてどれぐらい」
「どうやってまとめていくんかなっていうのは」
「僕はちょっと気になったんですよ」
「あのアニメでは」
「その辺結構切ってましたね」
「なんかそれやったら」
「なんで仲良くなったの」
「みたいにならへんのかなって」
「なかなかね」
「全然興味ない感じはね」
「やったんでね」
「どっちも」
「特にだって理加工の方なんて」
「最後の最後まで」
「言わないじゃないですか」
「そうですね」
「だから自分は」
「やっぱりあの時から好きだったのかもしれない」
「みたいなものを」
「やっぱすごい積み重ねを感じるんで」
「丁寧に書いてますねその辺は」
「こうでないとね」
「松野君と同じプッションですかね」
「なんかトサ弁のやつも嫌いみたいな」
「言われてしょうがないよ」
「あれさ」
「どこかな」
「どこですね」
「むなら私は夏をおすすめするので」
「まだ8月も残ってますし」
「ぜひ皆さんも読んでみてください」
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