今回から新テーマ!
ほんのれん vol.14「ホントの自分?」です。
盛ってる自分はホントの自分?盛ってない自分がホントの自分?
「ホントかどうか」って、決められるのか?
▼こんな話。
5月のテーマは「ホントの自分?」/アバター時代のたくさんの私/編集部が選んだ旬感本5冊/ニセ?盛り?アバター?分人?そして…『擬』/どうして「ホントの自分」を考えるのか/本音と建前、嘘、フェイクニュース/盛れないアプリ「BeReal」がどうして人気なの/カメラマンに指示する4歳児/あったあった、学校の廊下に張り出される写真!/写真と自己像の関係/森村泰昌『自画像のゆくえ』/鏡によってつくられた自己像/自分の顔、見たことある?/ニセモノをめぐる本たち/リアルな自分の写真に戦慄したニレ編集長/オレは「リアル」より「リアリティ」派/不気味の谷現象/ないはずの手が痛い?/フィジカルもリアルじゃないかも
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<今月のEditor’s Note>
スクリーン越しの自分
BeReal.というSNSが若者に人気だそうだ。
BeReal.は「盛ってない、ホントの自分」を見せる画像・動画アプリ。 1日1回、通知が来たら、2分以内に「今の自分」を撮影して投稿するルール。加工は不可。寝起きの自分や散らかった自室が晒されることになる。ほかのSNSが「盛り」に溢れるなかで「リアル」は新鮮なのかもしれない。しかし、「ホントの自分」って何だろうか。
15-16世紀のヨーロッパでは「自画像絵画」が急激に増えた。背景にあったのは「鏡」の製造技術の向上だ。それまでは覗き込んでも「おぼろげ」にしか見えていなかった自分が、クリアに見えるようになった。そして人々は「自分とは何か」を問うようになった。道具によって自己認識が大きく変化したのだ。
デジタルツールの発達で、自己認識は、さらに劇的に変容していくだろう。自分とは全く異なるアバターを多数使い分けるようになると、アレもコレも私、になるのかもしれない。5冊の旬感本をたよりに「ホントの自分? 」を考えてみたい。
(ほんのれん編集長 仁禮洋子)
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▼「ホントの自分?」を考える「ほんのれん」旬感本はこちらの5冊!
『「ニセの自分」で生きています─心理学から考える虚栄心』稲垣智則(著)明石書店 2023
『「盛り」の誕生─女の子とテクノロジーが生んだ日本の美意識』久保友香(著)太田出版 2019
『アバターと共生する未来社会』石黒浩(著)集英社 2023
『私とは何か─「個人」から「分人」へ( 講談社現代新書)』平野啓一郎(著)講談社 2012
『擬 MODOKI─「世」あるいは別様の可能性』松岡正剛(著)春秋社 2017
▼その他、今回登場した本はこちら。
『自画像のゆくえ』森村泰昌(著)光文社新書 2019
『ビジュアル 世界の偽物大全 フェイク・詐欺・捏造の全記録』ブライアン・インズ (著), クリス・マクナブ (著), 定木大介 (翻訳), 竹花秀春 (翻訳), 梅田智世 (翻訳), ナショナルジオグラフィック (編集)日経ナショナル ジオグラフィック 2023
『ホンモノの偽物』リディア・パイン (著), 菅野 楽章 (翻訳) 亜紀書房 2020
『脳のなかの幽霊』V・S・ラマチャンドラン (著), サンドラ・ブレイクスリー (著), 山下篤子 (翻訳) KADOKAWA 2011『からだの錯覚 脳と感覚が作り出す不思議な世界』小鷹研理 (著) 講談社 2023
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