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2020-11-08 24:15

お市の方「戦国一の美女」第1話 兄・信長との決別

戦国一の美女として織田信長の妹として生を受けたお市の方の生涯を描いたボイスドラマ。
第1話ではお市の方の出生から、桶狭間の戦い後に浅井長政に嫁いでいくところのストーリーをご紹介していきます。

セリフ書き起こしはこちら:https://bit.ly/3k82NEu

●脚本:鈴木輝一郎
●演出:岡田寧
●出演:
 お市の方⇒北條真央
 織田信長⇒濱嵜 凌
 浅井長政⇒秋谷柊弥
 家臣⇒田邉将輝
 家臣⇒大東英史
 ナレーション⇒萩原一葉
●選曲:効果:ショウ迫
●スタジオ協力:スタッフアネックス
●プロデューサー:富山真明
●制作:PitPa(ピトパ)

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戦国一の美女と歌われた女性がいた。織田信長の妹、お市の方と言う。戦国時代、姫君たちは、兵士には戦略の道具として討伐され、また戦の織には戦利品として奪われていった。女性に自分の戦略の道具として奪われていった。
自由など全くないこの時代、美女として生まれたことが、お市の運命を大きく変えた。
人は私を美しいと言うけれど、美しいことにいかほどの意味があるのだろうかと思いまする。
お市の方は織田信長より13歳年下の妹である。終わりの国の生まれで、信長と同じ母から生まれた。
お市の方が物心ついた時には父織田信秀は亡くなっていた。織田の家は家長である信長が後を継いでいた。
お市の方にとって織田信長は父代わりであった。
だがお市の方は母や叔父たち、つまり信長の兄や弟たちとは別に暮らしていた。
お市の方は長い間その理由を知らなかった。
清洲城の奥に住んでいると、合戦や騒乱とは無縁だからである。
母や叔父たちが信長に無本を起こしていたのだった。
A63年、1560年5月、お市の方は14歳、織田信長が27歳の時であった。
その日信長は表座敷で一日中軍儀を重ねていた。
さればこれにて軍儀は終了いたす。
されど、お館様、軍儀も何もただざれ事しか仰せになっておりません。
怒りも。一度帰れ帰れ。
つまりお館様が何をなさりたいのかさっぱりお分かりもさぬ。
終わりを統一なされた素晴らしき戦ぶりに、明るき鏡のごときお方だとばかり思うたが、
鏡も曇られたのでございましょうか。
勝手に申すがよい。帰れ。
さればこれにて、御無礼捕まつる。
一体何をお考えなのじゃ。
今川二万の軍勢はすでに織田領内に達するというに。
老上していかほど持つというのか。
この様子を老一は奥座敷から聞いていた。
何を軍儀にはかったのでしょう。
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家臣たちがあれほど兄上に口応えをするのは絶えて久しかったはずなのに。
と、一人回廊に残された信長がこちらを見た。
行けない。
老一は慌てて奥に引っ込んだ。
老一、戻ったぞ。
織田信長は清洲城にいるときは奥座敷に入り、
老一の肩の前でいつも柱に背をもたれかけ、
無防備な姿でくつろぐのが常であった。
老一の肩が信長に無本を起こさない人物だと安心していたのだろうが、
それにしても信長はこの年の離れた妹を特別に可愛がった。
老一はまた盗み聞きしておったな。
盗み聞きなど致しません。
兄上の家臣どもの声が大きいゆえ勝手に聞こえてしまうのです。
いい迷惑です。
それはすまなかったな。
いや、この通りじゃ。
お戯れを。お顔をおあげくださいまし、兄上。
兄上、何かありましたか?
何故そう思う?
今日の兄上は普段にも増して一段と美しい。
ろうそくは消える間際が一番美しく光るものだ。
兄上?
一、もし今日これから俺が死んだらどうする?
どういう意味でございましょうか?
駿河の今川義元が攻めてくる。総数二万という大軍だ。
だが、織田の家臣のほとんどがすでに今川義元に内通しておる。
軍儀で何も話せなかったのは、今川に俺の動きが漏れるのを防ぐためだ。
織田が動かせるのはせいぜい二千といったところか。
これでは織田は勝てぬ。
俺は、今日、死ぬ。
どうせ死ぬならば、兄上らしくなさいませ。
俺らしく、とは?
兄上はお若い頃、うつけ者、歌舞伎者として知られておられましたが、
兄上がずっと美しく生きてこられたのを一は存じております。
お一の方が幼い頃、織田信長は終わり統一の真っ最中だった。
織田信長は骨肉の争いをしていたのだ。
岐阜県織田信廣の無本を鎮圧し、
弟の織田信行を二度の無本で処刑し、
母土田御前を無本で追放していた。
その一方、織田信長は無本を起こした家臣たちを次々と許した。
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兄織田信廣をはじめとして、柴田勝家や林秀貞、さっさ成政などである。
無本を起こした住身たちを処罰すると織田の人材はなくなり、織田の領地経営はたちまち行き詰まる。
つまり信長は信用できない住身を周囲に置かなければならないという状態にあった。
織田信長は激しく孤独であったのだ。
なあ、市よ。
俺から申しておきたいことがある。決して忘れるな。
どのようなことでございましょう。
美しくあれ。生きる時も美しく、死す時も美しく。
美しいとは、自分で自分を決めることだ。
はい。
市、そなたは美しい。
はい。
あらが決まった。
どのように?
出陣する。
出陣する。馬をひっくり。
織田信長はこうして出陣していった。
孔子に言う桶狭間の戦いである。
織田信長が奇跡の大勝利を収め、その名を天下に轟かせる戦いであった。
7年後のA60年、1567年。
織田信長は美濃全土を制圧し、本拠地を美濃の国、岐阜に移した。
そして同じ頃、老市の方の縁談が決まった。
相手は北青海の国首、阿財長政であった。
戦国時代の結婚の常として老市の方は阿財長政の顔すら知らなかった。
老市、安心せよ。阿財長政は美しい男である。
どのように?
とにかく憎しんの情に熱い。
長政の父、阿財久政は愚団で、家臣団に見放され追放されることになった。
そこで着難である長政が後継者となって父を追放する形を取った。
それ自体はよくあることだ。
兄上、聞いていてあまり美しい話とは思えませんが。
だが、長政は家臣団と交渉したのだ。
父親の追放先は国外ではなく大見琵琶湖城の竹部島。
そして次々と合戦で勝利して家臣団の信頼を得、
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地盤を固めたところで父親を織谷城に呼び戻したのだ。
それは…
とにかく長政は情に熱い。
それが武将にとっていいかどうかは何とも言えぬが。
老市にとっては幸せだと仰せなのですね。
その熱い情けが。
エチ。
織田と麻衣の楔となってくれ。
つまり、織田と麻衣の血を引く幸運命ということですね。
おう。
麻衣氏は越前の国朝倉氏と縁が深く、
家臣には越前朝倉の縁者も多かったが、
織田氏と麻衣氏はそれまでほとんど縁がない。
これは信長にとって、
国境を接する北青海と身の戸を守るための
典型的な政略結婚である。
兄上らしくもない。
周りくどいのです。
イチ、嫁に行け。
それでいいのです。
兄上の親君に立てるのなら、
イチは喜んでとすぎます。
織谷城は北青海・琵琶湖藩の織谷山の頂上にある
険しい山城である。
決して広くないが、
手入れの行き届いた織谷城本丸表御殿で、
オイチの方は併服した。
この時、阿財長政二十三歳、
オイチの方二十一歳。
阿財微前の神長政である。
表を挙げなされよ。
はい。
おお。
かねてよりそなたの噂は聞いておった。
されど噂以上に美しくいらせられる。
ありがたきお言葉、身に余るばかりにございまする。
されど、
お館様もまた、
美難にいらせられまする。
けれど、
けれど?
信長の兄上様の、
冷たくて切れるような美しさとは、
大きく異なるような。
この長政が信長様に勝ろうべくもない。
いいえ。
お館様は、もっと大きくて、
あたたかい。
長政はあたたかいか。
愉快な姫様じゃのう。
ハハハハハハハハハ。
親子の情というものを、
あまり知らずに育ったオイチにとって、
長政は初めて出会うタイプであった。
阿財の家臣は、隣国越前朝倉と縁が深い者が多い
そして織田と阿財の縁は本日始まったばかり
織田に上にそなたの知る者はいない
しかし安じるな
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決してそなたは孤独を感じることはない
拙者は全身全霊でそなたを守る
ありがたきお言葉、痛みにぎまする
こうして尾一の方と阿財永政は
性略結婚でありながら
会った瞬間に
互いに恋に落ちたのであった
尾一の方が阿財永政の下に腰入れしてしばらくは
平穏な日々が続いた
織田信長は足利義明の後継人となった
阿財永政は同盟者として
織田信長の上落に加わり
信長から絶大な信頼を勝ち取った
北青海織田二条は
信長の本拠地岐阜城と
京都へ向かう道との中ほどに近い
信長は京都へ往復する度に
織田二条に立ち寄って
阿財永政と会談した
信長は織田二条に足を運ぶと
奥座敷の尾一のところにも
必ず顔を出してはこう言った
出かした!
また子が生まれたそうな!
はい、おはつと申します
おーい!よしよし!
男子は満腹丸
女子はちゃちゃ
おはつ
織田と阿財の血を引くそなたらは
わが宝じゃ
兄上
夫婦仲が良いのは良いことだ
本当に良いことだ
尾一、そなたは美しく生きておるようだな
兄上は天下人となられて
少しおかわりになられましたか?
そうかもしれるな
だがその幸せな日は長くは続かなかった
阿財永政の最大の同盟者
越前の国朝倉義影が
織田信長の上落せよとの命令を拒否したからである
元気元年1570年4月20日
織田信長は若狭責めの名目で
3万の大軍を上落させた
若狭の国は織田に従う様子を見せず
その成罰のためだという
阿財永政は織田信長や使者を使わし
何度も確認した
信長様、若狭の国は北青海の隣国にございます
越前の国朝倉であるなら責めることはできませんが
若狭であれば我ら阿財が喜んで加わりまする
織田の目的は若狭責めである
15:00
それ以外の意図はない
長政殿の仮定は無用でござる
さりながら、こたびの若狭責めでは
三河の徳川家康殿も加わっておられるとか
隣国の徳川殿に出陣を要請なされたのに
隣国の阿財に声をかけてくださらぬのは
何ゆえでございましょうか
長政殿の仮定は無用でござる
織田信長の反応は異常であった
阿財永政は直ちに家臣たちを
織田二条本丸表座敷に集め
軍儀を開くこととなった
老市の方もその軍儀に同席することになった
このようなわけで
信長様の真意がよくわからない
老市は拙者以上に信長様をよく知っている
信長様が何を考えておられるのか
知恵を貸してもらうために来てもらった
私でよろしければ
若狭責めの軍から阿財が外されるのは
いささか不審である
信長様は阿財は織田に必要ないとおっしゃりたいのだろうか
それは違うと思いまする
なぜ
こっそり阿財を外すというやり方では
織田は美しくないからでございます
我が兄織田信長は美しく生きるということにこだわりまする
それに
それに
我が兄は不要となった者に対しては
たとえ身内といえども冷酷でございまする
我が兄の本当の目的は若狭責めとは違うのではありませんか
とは
越前の国朝倉責めであろうと思いまする
やはり
まことに
信長ならやりかねぬ
我が兄織田信長が阿財は欲しい
ただし意に従わぬ朝倉はいらぬと考えたときどうするでしょうか
越前朝倉と阿財は切っても切れない関係にございまする
越前朝倉を責めるから阿財も力を貸せといったら
阿財が二つに割れてしまう可能性もございまする
まむさん
この場合兄上信長が取る方策は一つ
つまり
阿財に内緒で出兵し
阿財が判断に迷っている間に一気に越前朝倉を責め滅ぼすことです
これによって阿財は
織田が朝倉を責めるとは思わなかったという名目が立ち
越前朝倉を裏切ったと阻しられることを避けることができ
織田は阿財を無傷で手に入れられまする
まさか
兄織田信長にしては美しい方策ではありません
18:01
しかし
尾一の方の予測は的中した
5日後の元気元年4月25日
織田信長は越前の国に向かって進軍を始めた
越前の国手筒山城を責めたのは
再び織田二条表座式で軍儀が開かれた
織田を取るべきか越前朝倉を取るかで
重心たちの意見は分かれた
阿財家は長政の祖父の時代に朝倉氏の支援によって成り立った
阿財の家臣団には朝倉の親戚の者も多い
我らに黙って朝倉を
織田こそが裏切り者だ
信長など将軍家のお住み付きがなければ
ただの田舎者よ
うつけ者が上落せよだと
肩払いたいわ
と一堂が静まり返った
尾一の方がそこに来たのである
長政様お呼びでございますか
尾一 我らが取るべき道は二つだけだ
一つ そなたと離縁して朝倉に着くか
二つ そなたとの縁をそのままにして朝倉に着くか
のいずれかしかないのだ
長政様は織田と朝倉のどちらに着くのが
戦国武将として美しいと思われますでしょうか
朝倉だ
名こそ応しけれと申すとおり
我らをないがしろにする信長殿のやり方は美しくない
虎は死して川を残し
武将は死して名を残すのが大切だと考えている
己の命を惜しんで尾目尾目と織田に着くことが
美しいとは思えない
ただし
ただし 何でございましょう
一 そなたと離れたくないのだ
長政様
長政様にとって私一人と
阿財の家臣たち全員の重さが同じだというのでしょうか
どういう生き方を選べばいいのでしょうか
美しくあれ
生きるときも美しく
死すときも美しく
美しいとは
自分で自分を決めることだ
私が織田を捨てて殿に着きます
奥方様には恐れながら
我ら家臣一度その身の証を頂戴したくお願い申す
身の証
この織田家の家紋をここで燃やしてくだされ
21:03
これは私の腰入れの上り
ではこれに火をつけようと
誰ぞ火を持て
長政様
お市許せ
これも戦国の習いじゃ
なんと
できぬと
おせられますか
いや
いやさあ
ああ
さあ
さあ
さあ
さあ
えい
この通り
おお
みな聞け
仁義を外れた信長は美しくあらぬ
あざいの名を残すことこそ堪用ぞ
おお
勝ち時をあげや
えいえい
おお
えいえい
おお
私は美しく生きる
元気元年4月26日
阿財長政軍は織田二条を出て
越前金ヶ崎を攻める織田信長を襲った
後世に言う金ヶ崎の戦いである
地形的に阿財長政軍が織田軍を挟み撃ちできる場所にあった
織田信長は阿財長政が織田を離れたと知るや否や
直ちに戦線を離脱した
阿財長政を恐れたためである
退却に際して織田信長は後衛軍として
木下秀吉 明智光秀 徳川家康らを置いた
木下秀吉らは阿財長政の猛攻をよく防ぎ
織田信長の戦線離脱を助けた
現季元年4月30日 織田信長は京都に帰還し
そして岐阜に帰還して
直ちに阿財長政討伐の軍勢を整えた
これにより阿財長政と織田信長の戦いが始まる
そしてお一の方の波乱の人生が始まったのだ
脚本 鈴木貴一郎
演出 岡田康史
出演
お一の方 北条真央
織田信長 浜崎忍
阿財長政 秋谷桃也
歌神A 歌神1 田辺雅樹
歌神B 歌神2 大東秀文
ナレーション 萩原一羽
選曲 高賀 松佐子
音楽協力 天茶
スタジオ協力 スタッフアネックス
24:01
プロデューサー 富山雅二
制作 株式会社ひとぱ
24:15

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