1. 佐々木亮の宇宙ばなし
  2. 958. ブラックホールが合体し..
2023-05-26 22:22

958. ブラックホールが合体して最強の天体が誕生する?

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1日10分、宇宙時間をテーマに毎日お届けしております、宇宙話。 今回は、ブラックホール、
ブラックホール同士が合体するっていう、もうなんか、宇宙で最強と最強がくっついて、超最強のものを作っていくっていうような、
そんな現象について紹介していきたいと思います。 その現象を世界屈指の能力を持った望遠鏡で観測すると、
一体何がわかるのか、ブラックホール好きにはたまらない研究結果になっておりますので、 ぜひ最後までお付き合いください。
2、1、イグネーション。
佐々木亮の宇宙話。
2023年5月26日、始まりました佐々木亮の宇宙話。 このチャンネルでは、1日10分宇宙時間をテーマに天文学で博士号を取得した専門家の亮が、
毎日最新の宇宙トピックをお届けしております。 本日でエピソードが958話目を迎えております。
基本的には1話完結でお話ししている内容になっているので、気になるトピックとか、 まあ宇宙のワードですね、ブラックホールみたいな話とか、スペースxみたいな話とか、
そういったところから聞いてもらえると楽しんでいただけるんじゃないかなと思っております。 面白かったら是非フォローの方よろしくお願いします。
そんな感じでですね、今日はまあそのさっきワードとしても出しましたブラックホールの話。 みんな大好きですね。しかもブラックホールが合体する話です。
もうめちゃめちゃスケールでかいですよ。 ちなみに昨日、前回は地球にフォーカスを当てたので、地球のね160万年前の姿っていうのを、
まあ想像して話をするみたいなことをしたんですけど、 今回はもうかなり規模がでかいと。
ちなみに2回前は超新星爆発、スーパーノヴァっていうところなので、 まあそこよりもさらに規模の大きい話になってくるかなというような感じになっておりますので、
ぜひね楽しんでいただきたいなぁと思ってるわけなんですよ。 ちょっとね、あの今日今喋っててもわかるんですけど、声がなんか若干くぐもっているというか、
なんかね、あんま綺麗に出せないんですよ。 逆にめちゃめちゃいい声で喋れているような気はするんですけど、
まあまあまあ、日々の体調が違うのが実感できるのも毎日配信のいいところかなと思ってます。
稼ぎ身なんすよね。 まあいいや、やりますか。
じゃあ今回は、ブラックホールが合体するそんな宇宙のエクストリームな状態の中で、 光っていうのはどういう情報をもたらしてくれるのか、そんなお話をしていきたいと思っております。
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このエピソードのタイトルというか見出しを聞いて、ブラックホールの合体ってあれじゃん、重力波じゃんってなった人は、かなり宇宙好き度合いが高いかなと思うんですけど、
あんまりピンとこないですよね。ブラックホールが合体するって。
そもそもブラックホール自体って本当にあるんだっていう話を、実はこのポッドキャストを通して結構指摘してもらったりするんですよ。
なんかこう、空想上のものだと思ってたみたいな、理論上はあるけどみたいなね。
まあそれで言うと、確かにブラックホール自体の姿を捉えてるっていうところは、ちょっと違くて、
ブラックホールの周りにあるものが、例えばブラックホールに吸い込まれていくだったり、そういった時の、こう、うわあああああ、みたいな叫び声を光の情報として得て、
で、その吸い込まれている様子から、まあこれはブラックホールだよね、みたいなので結論づけられるっていうものだったりとか、
まあなんかいくつかあとの種類もあるんですけど、まあそうやってブラックホールっていうのは発見されてきた、まあそういう歴史があります。
まあそんな中で、天文業界というか宇宙業界の中で、ブラックホールはそもそもあるっていう体で話は進んでいきますね。
で、その中でもやっぱり、宇宙空間には僕たちが想像しえない、すごいエネルギッシュな状況っていうのが存在していて、
例えば、星が2つぐるぐる回っているっていうような錬成系、僕たちって太陽は単体でしか存在しない姿しか見てないじゃないですか。
だからなんとなく星ってソロ活動してるみたいなイメージかなと思うんですよ。
でも実際、宇宙広いですから、いろんな星の種類見ていくと、2つの太陽みたいな星が自分で光ってる構成ですね。
こういうのがぐるぐるぐるぐる回っている姿だったりとか、これが3つになるとか4つになるとか、結構すごい状況が繰り広げられているわけなんですよね。
ちなみに僕が博士論文っていう、博士号を取るための審査の論文だったりとか、あとはそのために書いた雑誌に投稿してる、いわゆるザ論文みたいなやつですね。
あれでも扱っていた天体は4つの星がぐるぐる回ってるみたいな、そういう状況だったりしたんですよ。
なので、宇宙空間ではそういった太陽だけを見ていると、あんまり想像し得ない姿っていうのが広がってるんですよね。
そんな中で想像し得るものは大体あると。
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一時期ものすごく話題になったのが、ブラックホール同士の連成、つまりブラックホールとブラックホールがぐるぐるぐるぐると近くで回っている様子っていうところですね。
なぜこのブラックホール連成、ブラックホールが近くにあって、しかもそれが合体するっていう状況が話題をかっさらったかっていうところで言うと、
重力波と呼ばれる新たな天文学の領域が切り開かれたことに由来しています。
これ昨日もちらっと話したんですけど、重力波っていうのは100年近く前にアインシュタインが予言したというか、こういうものがあるはずだ、みたいなところで、
星っていうのは重力の場みたいなのを持っていて、その重力の薄い面の上に僕たちは生きているんだ、みたいなね。
そういうものの中で重力の強いもの同士が一気に合体すると、空間が歪められる、そういう重力の波みたいなものが押し寄せてくるっていう話をしていて、
それが実際に観測されたのが2015年っていうところなんですよ。
なので、そこのタイミングで脚光を浴び始めたのがまさにこれ、ブラックホール連成と呼ばれるものですね。
ブラックホール同士が近くにあって、ものすごく強い重力の天体ですから、だんだん引き寄せられて、
で、あるタイミングで一つの天体として合体すると。
これブラックホールブラックホールマージャーって言ったりするんですけど、ブラックホール同士の合体ですね。
マージャーっていうのはマージする、一体化するみたいなことですね。
っていう意味でマージャーっていう風に言われたりするんですけど、そういうのに注目が集まり始めたと。
重力派でノーベル賞とかの話が出てきた時っていうのは、裏にこういう話題があったと。
で、他にもブラックホールに似ているけど、星の姿が確認できる。
つまりものすごく重力強いけど、まだ姿としては見れるよねっていう中性姿勢と呼ばれるものもあるんですよ。
で、そういうとにかく重力の強くてっていう天体に対してその合体によってできる波、みたいなのを重力派と呼んでいて、
なので中性姿勢中性姿勢合体とか。
で、あとはブラックホールブラックホール合体もありましたね。
で、それに加えてブラックホール中性姿勢合体もあるんですよ。
ただの組み合わせですね。
ここら辺がよく注目されているんですよ。
で、重力派についてはちょっとね、ビジュアルなしで語るのってなかなか難しいんですよね。
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ただでさえ目に見えない波。
光とかだったらわかるじゃないですか。
光だったら、あそこから輝いてるは僕たちの目でも見えるからわかるんですけど、
重力派はマジで見えないんで、で、しかも身の回りに活用されてないじゃないですか。
電波とかだったら、通信とかいろいろ使ってるし、いろいろわかるし、
その、あとはなんだ、電子レンジとかもそうか。
まあな風になってわかるじゃないですか。
携帯もあったしね、赤外線通信みたいな。
で、X線とかも、レントゲンってみんな1回ぐらい取ったことあるじゃないですか。
健康診断とかいったら胸部X線みたいなのあるし。
ね。
今、健康診断ってワード聞いてドキッとした人がいるんじゃないかなと。
全然本編とは関係ないですけどね。
僕もなんか健康診断とか気をつけたいなと思ってます。
まあそんな中で、重力派っていうのは、なんか性質が違いすぎてピンとこないんですよね。
けどまあ重力派っていうものがあるっていうのは今回覚え、
頭の片隅に入れといてくれるぐらいでよくて、
まあそういう重力派天文学っていうのの幕が開いたのが2015年。
そしてそこからブラックホールに対する研究っていうのは、
さらに加速していくっていうところになってました。
重力派を検出できる天体元っていうのは、
まあ大きくさっき言った3つですね。
中性子性、中性子性合体、中性子性ブラックホール合体、
そしてブラックホールブラックホール合体っていうところ。
そんな中でブラックホールが合体して重力派が出るっていう現象は、
実は重力波望遠鏡って呼ばれる観測装置で検出される重力派の9割を占めているというぐらい、
重力派を出す天体元としてはかなりメジャーなんですよ。
だって9割ですよ。
9割ぐらいのものがブラックホール同士の合体であると。
なんかすごくないですか、それって。
ブラックホールってそもそも絵でイメージしたときも黒い穴だけど何でも吸い込む。
だって光も吸い込むんですよ。
そうなってきたときに、そんな奈落の底に落とされるみたいな、
わけのわからないぐらい深い穴が空いてる場所が近くに2つもあって、
それ同士が合体しようとしてるって、
なんかわけわかんないけどなんとなくすごいじゃないですか。
そんなブラックホール同士が合体するってなっても、
光が出れないような束縛エネルギーを持ってるわけですよね。
とにかく光すらも吸い込んでいくと。
その2つが合体しても、重力波っていう星は見えるかもしれないけど、
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光って出てこれなそうじゃないですか。
一方で中性子星同士が合体したときは光るんですよ。
これ面白いですよね。
これはやっぱりブラックホールっていう性質との違いかなと思うんですけど、
そういうブラックホールはとにかく光すらも抜け出せないっていう風に知られているっていうのが有名ですね。
そんな中で、だからブラックホール同士が合体しても、
電磁波、つまり光の情報っていうのは見えないんじゃないかって言われてます。
実際そうなんですよね。
ブラックホール見えないから、結局見えないと考えられてきたんですけど、
本当に見えないのか。
あくまでそれは理論的な予測であって、
実際に観測したら見えるかもしれないじゃないか。
誰でも思いますよね。
だからこそ、世界屈指の望遠鏡を使って、
重力波が見つかったところに対して観測を行ってあげるっていうことをやった研究論文が今回紹介されたんですよ。
すごいなと思って。
ただこれなかなか難しいことなんですよ。
そもそも理論的には見つからないって言われてるものであるっていうのに加えて、
重力波を発見するときのその重力波望遠鏡、
これがね、まだまだ精度が低いんですよ。
全然ちゃんと物が見えない。
でも見つけることはできるぐらいで、視力がめちゃめちゃ悪いってイメージですね。
これ面白いのが、このプレスリリースに載ってる言葉を借りると、
人間の視力に換算すると、0.00008とかなんですよね。
やばいじゃないですか。
もうどんだけ分厚い眼鏡かけなきゃいけないのみたいな。
とにかく目が悪いと。
僕も目悪いからなんでも言えないんですけど。
それで目が悪いってことは、
あそこら辺で何かが起きてるってのは分かるじゃないですか。
今眼鏡かけてる人たち、みんな一回眼鏡外してみてください。
目の前にいる人の顔見えますか?
なんとなくあそこら辺に目があるみたいな。
そういうことになるんじゃないかなと思うんですけど。
そのぐらい目が悪いと。とにかく。
空の中から重力波ここから来たっていうのを言い当てたとしても、
ここら辺っていう範囲がデカすぎるんですよ。
満月2000個分ぐらいの範囲。
ぐらいでしか場所が決められないっていうね。
満月2000個ですよ。
2000個も並べたら、
空埋め尽くしちゃいそうじゃないですか。
でも本当にそれぐらいなんですよ。
それぐらいのものになってて。
ものすごく情報量の多い、
つまり光の量が強いとかそういったイメージですね。
そうすると、ある程度の場所はカチッと決まるんですよ。
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それはそうですよね。
のっぺりした顔より、
目鼻立ちのくっきりした顔の方が、
いくら目悪くても、
なんとなく鼻高そうだなみたいなのはわかる。
でも鼻は鼻なんですよ。
伝わってるかな?これで。
そうなってきたときに、
じゃあブラックホールの場所っていう、
ブラックホール同士が合体したと思われる場所っていうのは、
結構限られて、
ここで言うと10分の1ぐらい。
だから満月200個分ぐらいの範囲で、
ここにブラックホール同士の合体が起きたよっていうのを検出できるような、
そんなイベントが発見されたんですよね。
よし来たってなって、
この無理じゃないとしようとさせている、
ブラックホール同士から光が出てるんじゃないかって目論んでる研究チームは、
重力波を発見した12時間後、
12時間後ですね。
に、世界屈指の望遠鏡っていうのを使って、
そこに対する観測を行ってあげたというのが。
つまり、
満月200個分ぐらいの範囲を見ないといけないっていうのを、
大体91%ぐらいをカバーするような形で、
何とか重力波の元となってそうな天体がありそうなところを観測しまくったと。
で、それを分析してみた結果、
やっぱ光ってなかったなっていうのが研究結果として出てきたんですよね。
そりゃそうよっていう。
結構昨日のエピソードでも話したみたいに、
天文学で数値計算とか理論屋さんっていうところが詰めてくる精度っていうのはものすごく高くて、
そこが出ないって言ってるんですよね。
ってなってきて、
本当に出ないのかを確認しに行って、
やっぱり光は出ていなかったと。
そりゃそうですよね。
光を吸い込むもの同士を合体させて、
そこから光が出てくるよりは出てこない確率の方が高そうじゃないですか。
っていうところが今回改めて確認されたと。
でもこういう研究ってめちゃめちゃ重要で、
だって分からないことを証明するのって難しいじゃないですか。
けど、例えば今回で言うと、
データが取れないかもしれないっていう風に言われていて、
その中で、じゃあ本当に取れないのか確認するよっていうイメージ。
で、観測して確認できなかったっていうような研究結果になったのは、
今後、天文学を深めていく上で、
ここはここの道筋はもうないよって言えたりとか、
あと実際はこの研究で発表されたのって、
全く検出できなかったっていう研究結果の出し方じゃないんですよ。
ここが天文学のミソで、
全くその場に何もないっていうのは誰にも言えないんですよね。
なんでか。
人間が作り出した装置、
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人間が作り出した目、
こういったものっていうのは、
あくまで検出力の限界があるんですよ。
何でも見えるわけじゃない。
もし、何でも見える目があるのであれば、
僕たちの目の前はもう、
さまざまな分子で埋め尽くされていて、
もう何も見えない状態になりますよね。
これが極論です、極論。
つまり、何でも見える望遠鏡なんて存在しなくて、
望遠鏡を使ってるからこそ、
その望遠鏡の限界の検出性能があると。
なので、こういう研究で得られる示唆っていうのは、
そこに何もなかったっていう研究結果ではなくて、
少なくとも、僕たちが今持っている最大出力を使っても、
見つけられないぐらい、
暗い天体の可能性があるっていうのが、
どっちかっていうとこの研究の結論って感じですね。
こういうものの捉え方って全然違うじゃないですか。
全然違うじゃないですか、実際。
なんか、基本的に僕たちの周りのことでも、
できることとできないことはあるけど、
そのできないことっていうのは、
人類誰がやってもできないのかっていうとそうではなくて、
その人たち同士の、その人の能力よりも上のことであった。
だからできないっていう判断をするけど、
全人類ができないわけでもないし、
万物共通でできないことっていうことではないんですよね。
そういった感じです。
なので、天文学の捉え方ってこういう部分はかなり前向きだなと思うので、
検出できなかったっていう研究結果こそが重要だったっていうのが、
今回の結論になっていると。
これからブラックホール同士が合体して、
もしかしたら新しい示唆が得られてとか、
今持っている望遠鏡よりも、
10倍、100倍性能がいい望遠鏡ができあがったときに、
もう1回チャレンジするっていうことも全然考えられると思うぐらいの内容であったというところで、
未来につながる面白い研究だな、
そしてブラックホール同士を合体するっていうのは、
なんかすごくエネルギッシュでいい話だなと思って、
今回この話紹介させていただきました。
ということでね、今回の本題は以上にしていこうと思ってます。
ブラックホール同士の合体とかめっちゃロマンチックでいいなとか、
前向きな天文学の捉え方っていいなと思ったら、
ぜひコメントとかいただけたら嬉しいです。
でですね、最近僕は、
本題はこれ以上になってて、
最近僕、ポッドキャスト2番組やってるんですよね。
この番組はSpotify独占配信という形になってますけど、
どのポッドキャストのプラットフォームでも聞けるような形で、
週1回、水曜日のだいたい19時ぐらいに更新している、
隣のデータ分析屋さんというポッドキャストチャンネルですね。
こちら、最新は水曜日に公開されてます。
全然お知らせ済むの忘れてたと思って、
21:02
概要欄にいつも、クドク貼ってあったりするので、
そちらからね、ぜひ飛んでみて聞いていただけたらと思います。
これね、週1回だし、僕は友達と一緒に撮ってるし、
けど専門家目線で喋ってるしっていう、
僕は結構おすすめしたい内容だなと思ってるので、
ぜひですね、気になる人はチェックしてみてください。
そんな難しい話をしてるつもりは全然ないです。
もう友達同士が喋ってるところを、
ただいつもの僕と違う雰囲気のところを楽しんでいただけたらと思っております。
よろしくお願いします。
今回の話も面白いなと思ったら、
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こちらからレビューいただけたら嬉しいです。
番組の感想や宇宙に関する質問については、
ツイッターのハッシュタグ、宇宙話。
宇宙が漢字で話がひらがなになってますので、
じゃんじゃんお寄せください。
それではまた明日お会いしましょう。
明日はですね、植物の熱中症に関するお話です。
これね、いい偽人かと思ってピックアップしていこうと思ってます。
ぜひ楽しみにしてください。
それではまた明日お会いしましょう。さよなら。
22:22

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