1. 佐々木亮の宇宙ばなし
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2023-04-13 20:08

916. 太陽は宇宙の平均値をとる実はすごい星

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1日10分、宇宙時間をテーマに毎日お届けしております宇宙話。 今回は、2億4千万光年先に見つけた銀河の塊。
この銀河の塊がなんと太陽と似てるんじゃないか。 そんなネイチャーという非常にインパクトのある論文に掲載された研究を紹介させていただきたいと思います。
この2億4千万光年先にある銀河の塊は、今の宇宙の平均的な化学の性質を示している、つまりは宇宙を示していると言われているような天体ですね。
これと太陽が一緒ってどういうことなのか、そんな研究を紹介していきますので、ぜひ最後までお付き合いください。
佐々木亮の宇宙話。
2023年4月14日始まりました佐々木亮の宇宙話。 このチャンネルでは1日10分、宇宙時間をテーマに天文学で博士号を取得した専門家の亮が、毎日最新の宇宙トピックをお届けしております。
本日でエピソードが916話目を迎えております。 基本的には1話完結っていうところでお話ししてますので、気になるタイトルとか気になるワードとかで検索してもらってから宇宙話楽しんでいただいてですね、それが一番いい楽しみ方だと思ってるんですよね。
そこでまあいいなと思ったら是非フォローしてもらって、毎日毎日宇宙を補給していただくというような、そういうガスステーション的な役割をしていければいいかなと思っているわけなんですが、今日紹介するのは2017年にネイチャーに掲載された
2億5000万光年先の銀河の塊と太陽の性質が一緒だったというような、これ結構インパクトの大きかった研究を紹介させていただきたいなと思っております。
今回のお話は実は前回の話をちょっと引き継いでおりまして、今回紹介するこの2017年のネイチャーっていう非常に世界的にインパクトの強い雑誌に掲載された研究なんですけど、これ実は日本が数百億円かけて打ち上げて、そして1ヶ月ぐらいでダメにしてしまった
ヒトミと呼ばれる人工衛星ですね、こちらX線天文学っていうところの分野、僕ががっつりやっていた分野ですね、そこの人工衛星になっていて、その時に1ヶ月間だけしか運用できなかったこのヒトミっていう人工衛星が、その期間で残したものすごくインパクトの強かった研究、そしてこのインパクトがあったからこそ
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今2023年に再び代替機、後継機っていうんですかね、が打ち上げられるようになったんじゃないかっていうぐらいのそういった研究になります。この研究がなかったら今年2023年に見せるこの宇宙開発、世界中をどんどん日本の技術で上回っていこうっていうような流れは
もしかしたらできなかったんじゃないかっていうような、そういう状況だと思ってくれると結構研究の重要性っていうのがわかると思うんですよ、しかも
まあネイチャーに載せられた論文というところで、これ面白いのがネイチャーに載る論文とか、あとはよく知られている論文誌っていうところで言うとサイエンスっていうところとかあるんですよね
まあどっちかぐらいはきっと聞いたことあるんじゃないかなと思うんですよ。ここの論文と、あとは普段紹介しているような論文の、論文の掲載されている紙面っていうのは雑誌の性質っていうのは結構性質が違くてですね
まあよく紹介している研究の論文っていうのは天文学に特化したとか宇宙物理に特化しているジャーナルっていうんですかね、雑誌のことが多いんですよ
その一方でネイチャーとかサイエンスっていうのがなぜそんなに注目度が高くてインパクトが強いのかで言うとまずそのネイチャーとかに載る論文っていうのは
基本的には分野を問わないと、科学研究であれば誰でもチャレンジできるそういう雑誌なんですね
そう言うとなんかすごく敷居が低いように聞こえるかもしれませんが 他のそういう分野にすら
インパクトを与える影響を与える、得る、与え得るですね っていうような研究だけが紹介される論文に載ることが雑誌に載ることができる
っていうような、そういう立ち位置だっていうところですよ つまりは
この宇宙物理の中で重要な研究っていう側面も結構大きいんだけど この発見がじゃあ今後物理を語っていく上で重要になってくるんじゃないかとか
宇宙物理の中でも一個頭抜けてるねみたいな話とか そういったところの論文が掲載されるのはこのネイチャーっていうところなんですよね
そういった上で今回掲載されたり、2回前とかも確かネイチャー論文紹介してたかなと思うので ぜひそっちも聞いてもらえればと思うんですけど
今回この紹介された、今回って言っても2017年ですね 紹介された論文っていうのは何をしたか
これは2016年に打ち上げられたX線天文衛星 アストロH、通称ひとみですね
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昨日ひとみちゃんの海外からの評判に関するお話ししたのは結構評判が良かったっぽくて ぜひ聞いてもらいたいんですけど
そんなX線天文衛星が観測した結果になります X線天文学っていうのはそもそも
本当に一言でざっくり言うと めちゃめちゃエネルギッシュなところを見るのに適している
そんな天文学なんですね 例えば太陽の周りにも1000万度とか2000万度とかってなるような温度を持っている
領域が実は存在していてそれのことをコロナって呼ぶんですけど コロナウイルスも実はこの太陽のコロナの形にウイルスの形が似てるから
コロナウイルスっていう名前がついてるなんていう そういう噂話もあったりするんですけど
そういうところだったりとか あとは物が宇宙空間で物が高速に近い状態で動いているような場所
具体的には例えばブラックホールに吸い込まれそうな何かとか そういったところですね
そういうものだったり あとは今回研究の対象 紹介する研究の対象になっているのは
遥か宇宙の先にある2億4000万光年か 2億4000万光年先にある銀河が持っている5000万度のガスとか
5000万度まで熱せられたガスとかですね なんかもう地球上じゃあんまり想像できないような数字が今並んでるじゃないですか
こういったところを見ていくのに適しているのが これまさにX線天文学っていう分野なんですよね
これ実はだから光の種類 X線じゃなくて赤外線とか電波とか 僕たちが目で見ている光 可視光
目で見えるって書いて可視ですねとか そういったところって実はそういうエネルギーの違いっていうのが
実は大きく関わっていたりするんですよ そういった話をどっかでしたかなと思うんですけど
そういう中でとにかくエネルギッシュな場所を見れるっていう そして超高温のエリアを見ることに適しているのがまさにこのX線天文学
そしてX線天文衛星瞳だったわけですね そのガスをめちゃめちゃ細かく見えるっていうのがウリです
ウリだったんですよ めちゃめちゃ細かくっていうのは
その中に一体どういう元素が含まれているのか まあ鉄だったりとか
あとは軽素だったりとか とにかくあらゆるそういうちょっと重めの元素ですね
そういったところを観測することができるっていうところの特徴がある っていうのがこのX線天文学の強みだったりするんですよ
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そんな中でじゃあこういう人工衛星打ち上げる時って 前もってこういう設計でいきますっていうものが出来上がるわけじゃないですか
その設計で一体どんな大きな科学的な成果を残してくれるのかっていうのを 科学チームっていうのは実は常に考えていたりするんですよ
そういった中でターゲットが決められていって 今回の研究に掲載されているようなものっていうのは
銀河団って呼ばれるような 銀河がたくさん集まっているような
銀河自体がそもそも数億個とかの星を含んでるんですけど それがさらにもう何百個何千個ってあるような場所
っていうところのことを銀河団って呼んだりするんですけど そういったところを観測することで色々わかるんじゃないかと
でこれ何がわかるのかっていうところで言うと この銀河団って呼ばれるものって
もう今回で言うと2億5000万光年先にあるって言われていて その銀河団っていうのは結局
宇宙の初期から宇宙の初期から宇宙空間には 水槽とかヘリウムとかそういった物質っていうのが
ふわふわ浮いていたりする中で それらがくっついていって星を作ったり
星がたくさん集まって銀河を作って だんだん時間が経ってくると宇宙に銀河がたくさん増えてきて
その銀河同士がくっついて銀河団になってっていうような歴史を考えていくと 今じゃあ例えば2億4000万光年先にある
つまり2億4000万年前の話ですよね でも結局これって130億年とか140億年とか
そういった宇宙ができてからの歴史のものっていうのを その銀河団っていうのは
常に取り込み続けている そして宇宙空間で銀河っていうのは星の生成工場とも言われるぐらい
その中でどんどん星を作っては星が死んでいきっていうところで どんどん成長していくと
つまり宇宙ができてからこれまでの平均的な なんかそれらが全部平均化されたような数値っていうのがその銀河団の中を調べる
ことによって見つかるんじゃないかというふうに言われていたんですよね そういった理由からこの時っていうのは
まあちょっと研究ってそのなんかモチベーションとあれとかごちゃごちゃになるんですけど 今回の論文にのっとっていくとまあそういった狙いから
銀河団っていうのを観測していくっていうようなそういう結果になったんですね でこれを過去類を見ないような本当に光を細かく分けれるような
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そんな望遠鏡と検出器によって 観測してあげた研究結果を見てみるとですね
なんとこれ面白いのがその 銀河団を観測していくことっていうのは最終的にはこれまでの宇宙誕生から現在までに
星がいろいろ作ってきた元素を溜め込んで 現在の宇宙のこういわゆる平均的な化学素性がわかるっていうふうな狙いで観測した
結果 なんとこの結果が太陽の
同じような光の種類の部分で同じ結果が得られる つまり太陽と
今現在の宇宙の平均的な化学性能というところが一致したっていう研究結果を得たんですよ これなんか不思議な感じしませんか
太陽って私たちの目の前にあって生活を支えてくれて 宇宙全体でどこにいるかっていうと
天の川銀河っていう銀河の中にいるんですけど 銀河の中でも結構端の方にいたりするんですよね
ただ今回2億4千万光年先の銀河団を見たって言いましたけど その中でも銀河団の中心を見るような
そういった観測が行われてそれで太陽と似ている つまりは太陽の性質っていうのは
逆に言うとですよ 太陽の性質っていうのは今現在の宇宙の平均値 ということができるかもしれないというふうなそういう研究結果が得られたんですよ
なんか不思議な感じしません ここがやっぱりネイチャーに乗るっていうところの面白さ
研究としての面白さかなと思っていて なぜかっていうと最初に話したみたいに他の分野に対して
訴求できる部分があるのかどうかっていうのが重要になってくると でこれ
太陽って結局は地球上の何かものが変わっていったり つまり生命体が地球上にいる
私たちのことですよね そういったところの進化だったりとか
そもそも太陽系っていう環境の話だったりとか あとは宇宙全体の元素に対する理解とか
そうなってくると生物だったり地学だったり科学だったりとか化学の方ですね そういったところにも波及しそうみたいなところで注目度が高まったんじゃないかなぁと
個人的には見ていると そういう理由とかって多分書いてないはずなんですよね 僕はちゃんと読んだことないだけかな
なんかまあそういったところがあると つまり実は太陽めちゃめちゃ恵まれてるんじゃないですかみたいな話とかもあったりするし
じゃあこれと同じ性能で太陽みたいな星を観測してあげたらどうなんだろうとか 太陽じゃなくてもうちょっと自分で光ってるけど性質の違う
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光勢って言われる自分で光ってる星を観測してあげたらどうなのかとか そういったデータ使ったらどうなのかとかやっぱ妄想は膨らんでいくじゃないですか
だって太陽が今の宇宙の平均的な値を取ってるって なんで
そうしたら周りの似た星って観測したくなるなって思うじゃないですか ただそういったなんかこう未来
こういう科学研究できたら面白いよねっていうのをガーッと沸き立たせてくれる研究を 残したのに
X1000天文衛星ひとみっていうのは制御不能になって1ヶ月弱で終わってしまったわけなんですよね ここが残念なところで逆に言うとこれだけの成果を残してくれた
これだけ面白い研究結果を出してくれたんだったら もう1回お金をかけてでも同じものを打ち上げることによって見えてくる新たな
科学の世界っていうのがあるんじゃないかっていうところが期待されてるんですね その期待を反映したのがまさに前回お話ししたような
2023年の8月以降に打ち上げられるんじゃないかと言われている ひとみ光景器ひとみ大体機って呼ばれるものですね
これはもうまさに2023年の宇宙開発をがっつり表している打ち上げが行われると思っていて 昨日の話をおさらいするとね
このアストロエイチひとみの光景器っていうのが打ち上がるっていうのと一緒に 世界中の宇宙開発のトレンドのスリムっていう月面着陸船も打ち上がるっていうところの
このバランスですよ やっぱりここがうまくいくとですね
世界に対して日本の宇宙技術をアピールするっていうところには非常に大きい役割を 果たしてくれるんじゃないかなと個人的には思っていたりしますし
あとは僕は今研究っていう世界から一歩退いてしまってますけど そのX先天文学っていうところに明るい未来をもたらしてくれる
もう 僕の周りにめちゃめちゃ頭のいい人たちがたくさんいることはもう目の前で見て
きてわかってるんですけど ただやっぱり
業界がノリに乗ってないと研究機会っていうのが与えられる確率が下がるんですよね 他にもっと面白い宇宙の分野があったらそっちに予算が割かれるみたいなことは
結構見てきました まあなんか負け惜しみ感も出るんですけど僕の時も結構その煽りは受けてたんじゃないかなと思って
ますし 若い研究者の人がどんどんなんか普通に民間企業に流れていってるような姿も見てました
そういうところでなんかこう明るい未来っていうのがなかなか見えづらい時期に 研究をさせてもらってたなっていうところがすごくあったので
まあ今回の打ち上げによって新しい人材がなんかこう明るい未来を見ながら 宇宙の天文の研究をガンガン進めていってそれのおかげで
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なんか新しい世代のめちゃめちゃ優秀な人たちがまた生まれてくるっていうふうに思う と結構ワクワクするなぁと思っているのでまあそういった期待も込めて
宇宙話では自分の専門だったX線天文学は結構引き目に見ていきたいなぁと思っていたりします ということで今回はなぜこの2023年に2017年ダメになった
アストロエイチひとみって呼ばれる人工衛星の大大気が打ち上がるのか その当時少しだけ観測できて世界中にインパクトを残した研究があってそれの
おかげだよっていう話を当時の研究を振り返りながらお話しさせていただきました ということでねまあそういう過去があったんだっていうところだったりとか
これからの未来マジで期待してるぞみたいなそういう気持ちある方ぜひですね あのハッシュタグ宇宙話つけてツイッターとかでつぶやいていただいたりですねメッセージいただけたら
嬉しいなと思っております 番組の感想や宇宙に関する質問についてはツイッターのハッシュタグ宇宙話で募集しておりますし
あとはですね 今回の話面白いなぁと思ったらぜひチャンネルのフォローですねそしてフォローボタンの下にある星マーク
こちらからレビューいただけたら嬉しいです 最近またレビューの数が増えてきてレビューの数はポッドキャスターのモチベーションに直結する
というところありますのでぜひ最近聞き始めてまだレビューしてないよっていう方はレビュー していただけたら嬉しいです
それではまた明日お会いしましょう明日はですね まあ日本中が今かなり盛り上がってる
日本とそしてまあヨーロッパがメインで進めている木星探査の話させていただきたいと 思っておりますぜひ最後までお付き合いいただけたら嬉しいなぁと思っておりますのでまた明日
お会いしましょうさようなら
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