ピュアな疑問が科学には重要です。何事も疑わないと。月や火星みたいに地球より低い重力の星で砂時計をひっくりた時のことなんて、想像もしてませんでした。
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ソース
https://www.isas.jaxa.jp/topics/003454.html
Credit :
00:02
1日10分、宇宙時間をテーマに毎日お届けしております宇宙話。今回は、月で砂時計をひっくり返したらどうやって動くか、想像できますか。
これが大きいテーマになります。重力が変わった場所で、砂はどうやって流れるのか、砂時計はどうやって動くのか、
そんなところを大真面目に研究した、宇宙での実験について紹介していこうと思っておりますので、ぜひ最後までお付き合いください。
3,2,1, Ignition, Go!
Space to a black hole, Japan's first...
佐々木亮の宇宙話
2023年8月20日、始まりました。佐々木亮の宇宙話。
このチャンネルでは、1日10分、宇宙時間をテーマに天文学で博士号を取得した専門家の亮が、毎日最新の宇宙トピックをお届けしております。
本日でエピソードが1046話目を迎えております。
基本的には1話完結でお話ししておりますので、気になるトピック、気になるタイトルからぜひ聞いていただけたら嬉しいなと思っております。
ちなみに前回とかだと、僕たちがまさにこのポッドキャストを聞いている時とかに使っている通信ですね。
これが今後6Gとかね、そういう世界になっていく時に使われる技術。
この技術の検証っていうのが、宇宙技術を応用されていくんじゃないかっていうね、そういうところの話が出ていたりとか。
あとはまあ、太陽系の中にある地球以外で唯一見つかっている火山の話とかっていうのを色々してたり、ちょっと前ブラックホールの話とかもしてるので、
ぜひ気になるところから聞いて、面白かったらぜひフォローしていただけたら嬉しいなと思っております。
そんな感じで、じゃあ早速本題に行こうかなと思うんですけど、本題に入っていく中で、もうこれね、この質問を今回答えられますかどうですかっていうところにつながるので、
1個みんなに質問します。
月で砂時計ひっくり返したらどうなるかわかりますか?
これね、実は今までちゃんと答えれてなかったっていうのがあるんですよ。びっくりですよね。
なんか単純に重力違うだけなのかなっていうふうに思いきや、やっぱり重力が違うっていう状態、
プラス、表面の砂とかも違う状態で、物は一体どうやって動くのかっていうような研究って、今までなかなかきれいにされてこなかったというようなところがある中で、
なんと今回この疑問に答えられるような基礎的な研究っていうのが国際宇宙ステーションで実施されました。
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で、その研究結果っていうのがプレスリリースでJAXAから出ていたので、今回はこちらを紹介していこうかなというふうに思います。
このあたりね、夏休みの自由研究にも実はいいんじゃないかなと思ったんですけど、
まだこの砂時計が月面でどうなるのかっていうところを、正解がきれいに整ったページとかもなければ、参考にできるのが論文だけっていうね。
で、このプレスリリースめっちゃ読むの難かったんで、来年ぐらいには自由研究として使えたら面白いなっていうぐらいで聞いてくれたら嬉しいです。
もしね、興味がある人はぜひTwitterとかのハッシュタグとかコメントとかそういうので教えてくれたら、もうちょっとなんかできる形考えてみたいと思います。
ということで、早速やっていこうかなと思うんですけど、今回の実験っていうのは国際宇宙ステーションで行われた砂とか、そういったものの重力に対する依存性を研究していくっていう、そういう研究ですね。
これまで月だったり月惑星だったり着陸っていうのを考えていくときに、どうしてもやっぱり天体表面の砂とかの相互作用っていうのを考えていかなきゃいけないんですよ。
地球より重力が小さい天体への着陸を検討するときとかには、そういうのをより考えなきゃいけなくなる。
これ、僕たちは実はこう生活している中で、重力があって当たり前の状態で生活しているっていう、そういう背景があることを忘れてはいけないんですね。
蛇口をひねって水が出るのも、水が下に落ちているのも、これは重力があるおかげだし、
炎が水滴状、例えばロウソクに火つけて炎が水滴状になる、あの形も実は重力ありきだしとかね、いろいろあるんですよ。
っていう中で無重力になると、例えば水が空中で球体で浮いているし、
それに対してゴシゴシ、例えばお風呂みたいにガーって頭とか洗っちゃったら、もう機内に水バーって飛ぶし、みたいな感じで、
本当重力ありきで生活ができていると。
しかも体に対しても重力の影響っていうのは十分に発揮されていて、
それこそ僕たちの体っていうのは常に重力っていう負荷をかけられて生きているんですよね。
だからその負荷があるからこそ、この筋力とこの体力というのが維持されているけど、
宇宙飛行士が宇宙に行って帰ってくると筋力がなくなっていたりだとか、
あとは骨とかも実は重力によって一定の形を保たされているというか、
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無重力に行った瞬間に、瞬間にというかだんだん行ってから時間が経つにつれて、骨からカルシウムがどんどん血液中に溶け出してしまう、
っていうようなところもあったりで、今回のこの砂っていうところに注目するだけじゃなくても、
とにかく物事の重力への依存性っていうのはもう計り知れないわけですね。
そういった中で、こうやって今後それこそ月に着陸していくだったり、その先火星に着陸していくだったりとか、
そういったところをどんどん段階として踏んでいく中で、
表面の砂との付き合い方っていうのは明らかにしておかなきゃさすがにまずいですよね。
これまでって人工衛星作ってとか着陸船を作ってってなった時に、
じゃあ砂がどういう挙動をするのかっていうのが綺麗に分かっていなかったりする。
そんな状況だったからこそ、余分にいろんな機能をつけなきゃいけなかったりするんですよね。
もしかしたら、本当に分かってたら、例えば砂の上にズンって降りたら、
10センチぐらいしか沈まないかもしれないけど、本当はね。
けどその正体が分かってないから、これもしかしたら一気にズリズリズリってちょっとの傾きだけでも落ちてっちゃうんじゃないかとか、
砂の固まり方が緩くてどんどん沈んでいってしまうんじゃないか。
そしたらそれに抵抗するために設置面をものすごく大きくしようとか、
あとは表面についた砂とかもどうやって払えばいいんだろうみたいな。
そしたらもう何でも吹き飛ばせる機能をつけなきゃいけないとか、
っていうようなここまで大げさなことはしていないにしても、
着陸船を設計する時には結構なオーバースペック、
特にその表面の表層との付き合い方に関しては結構オーバースペックに設計しなきゃいけなかったんですよね。
それに対して、じゃあ実際に無重力でどうなるか、砂の実験してみればいいじゃんっていうのが今回実施された研究になります。
今回どういうところが使われたかで言うと、国際宇宙ステーション、宇宙飛行士の方がいる宇宙ステーションですね。
ここの日本のモジュール、希望っていうところに遠心機付き細胞培養装置っていうのがあるんですよ。
これ何かっていうと人工重力を発生させる装置っていうふうにも言えていて、
だいたい0.063g、マイクログラビティってやつですよね。
に対して2g、地球の重力の倍、1gっていうのが地球の重力ですね。
っていうのを再現することができる装置が乗ってるんですよ。
なんかおかしな話なように聞こえるじゃないですか。
わざわざ無重力の空間に行ったのに、なんで重力作る装置作っちゃってるのよっていう。
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これは、例えば先日、いつだったっけな、2週間くらい前かな、
ネズミの実験の話をしたと思うんですよね。
比較実験っていう話がありますっていう話をして、
無重力に行ったことによって、じゃあマウス、人間の人体実験する前にやっぱりマウスでの実験っていうのを、
生物とか化学の実験ではよく使ったりするんですけど、
そこら辺の倫理の話とかはちょっと依然させてもらってるんですね。
で、そのマウス使うときに比較実験、つまり無重力でどうなるかっていうのを測りたかったら、
同じとこまで来たけど、1g、つまり地球の重力で生活しているネズミと比べなきゃいけない、
マウスと比べなきゃいけないっていうところがあって、
その比較実験を行うための装置とかっていうのに近いですね。
今回の場合は細胞培養装置なので、
多分マウスに使われているものとはちょっと違って、
細胞をどんどん培養していく。
今回、もう来週かな、この放送から見たらもう数日後かもしれないですね。
宇宙飛行士の、あれ?今回行くのって誰だっけ?
すっかりドアスレしちゃった。
ちょっと本当に申し訳ないですけど、宇宙飛行士の方、今回行くんですよね、宇宙に。
なんで忘れちゃったんだろう、名前。完全にドアスレだわ。
多分5分後くらいに思い出してるかもしれないけど、放送終わっちゃってますね。
宇宙飛行士の方、行くと。
その中でどんな実験をしていくのかっていうところで言うと、
今回行われる実験の中にiPS細胞を使って、
細胞、でっかい内臓の血管を作ろうっていうような実験が含まれてたりします。
まさにこれが細胞の培養ですよね。
あともう一個確か細胞培養系の実験があったはずなんですけど、
そういったところの実験に使われるのが、まさにこの遠心器付き細胞培養装置だと思うんですよ。
長時間安定した一定重力化に物を置くことができて、
そこに対して今回の場合で言うと、8種類の砂を準備して、
それの砂の動き方っていうのを観察したっていう、そういう研究ですね。
今回用意された8種類の砂っていうのは、これね、結構いろいろバリエーションがあって、
それこそ砂の種類で言うと、月の砂、レゴリスっていうものだったり、
火星の砂、あとは火星の衛星ですね、フォボスっていう天体があるんですけど、
そのフォボスの砂だったりとか、地上の砂だったり、アルミナビーズって呼ばれる、
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粒ですね、確か細かいのかなっていうような粒みたいなのを8種類用意したんですよ。
で、今回これで見たかったのは、地球の砂ってどういうふうになるのか、
月の砂っていうのはどういうふうになるのかっていうのを実験できるし、
将来の火星計画とかもやっぱり見越しての研究ですよね。
ここで使うのは本物の砂では、本物の月の砂とか火星の砂ではなくて、
その模した砂ですね。月の砂とかっていうデータっていうのは取れているので、
そのデータを元に作られた月の模擬の砂とか火星の砂っていうのも全部模したやつですね。
こういったのを使って重力器の中でぐるぐるぐるぐる砂を回しながら、
そしてまるで砂時計のような形をした箱の中に入れて、
その砂たちがどうやって動くのかっていうようなところを実験した、
そんな研究が行われました。
分析の結果ですね、これ砂時計みたいな形、つまり上が大きくて、
くびれがあってまた下が大きいっていうようなところみたいな、
この狭い排出口っていうところから流れ出る流量とかについては、
これ地上の研究で知られている法則があるんですよ。
この法則が重力が低くなっても成り立つことが分かった。
つまり極論言うと砂時計が働かないんじゃないかっていうのはそんなこともなくて、
ちゃんと砂が流れ始めたら流れていくよっていう。
ただ流れ始めた後にやっぱり地上にたどり着くまでに、
地上というか砂時計の下面ですね、にたどり着くまでにやっぱり時間もかかるし、
砂時計って多分上からの力も一定かかってるはずだから、
そういったところのバランスが変わってくるよっていう話ですね。
あとは砂の種類に結構依存するんですけど、
砂の種類によっては低重力の条件下での流れる速度、流動速度って言うんですけど、
これは重力の大きさの平方根、つまり1gのものが2gになったら、
2のルートを取るから1.1いくつとかですよね。
あれ? 合ってるような。
1.14か。
人用2か。1.4とかか。っていうような感じになると。
いうような感じでなっているものが出てくるというようなところで、
重力の影響によって砂の流れ方っていうのがガラッと変わってくるっていうのが、
今回の研究で分かったと。
でも逆に言うと、地上で分かっていた流体というか砂みたいなものが流れていく傾向と、
重力が変わった時に出る砂の流れ方の傾向っていうところに大きな差はなかったと。
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いうようなところが今回の研究で明らかになって、
じゃあこれから例えば人工衛星で着陸船を設計するっていう時も、
こんぐらいの重力のところだから砂はこうやって動くみたいなね。
そうするとわざわざ着陸船をオーバースペックに設計しなくても、
今後は最低限のスペックでより費用を抑えてっていうようなところができるようになるっていうのは、
かなり面白い部分になってるんじゃないかなというふうに思いますね。
この辺りも多分どんどんこれから実際に月一定とか、実際に火星一定とか、
っていうようなデータが溜まってくるとより分かってくる部分あるんじゃないかなっていうふうに思うので、
ぜひこの辺りも楽しみにしておいていただけたら嬉しいなと思います。
僕もこういう研究結構好きなので、
これからまた新しい研究結果出てきたら紹介していきたいなと思っております。よろしくお願いいたします。
ということでね、今回の本題は以上にしていきたいと思います。
なんか宇宙の将来が見える結構面白い研究だったかなって思うところもあるし、
なんか砂の動きとか意外と分かってなかったんだみたいな。
し、僕は最初なんか偉そうに、月の表面で砂時計どうやって動くか知ってる?みたいな。
ちょっとね、土屋っぽい感じで聞いてたような気もしますけど、
僕もそんな疑問抱いたことなかったんですよ。
やっぱこういう疑問を抱けるピュアな人っていうのが、
科学者としてもやっぱ成功するような気もするし、
科学を見る目線がすごく素敵だなっていうふうに思うので、
なんかみんないろんなものに対して疑問を持っていくといいんじゃないかなっていう。
それこそ、なんで星の光ああやって見えてんだろう?みたいなね。
太陽ってなんで光ってんだろう?みたいな。
地球ってなんであるんだろう?みたいな。
本当になんか、当たり前かのように目の前にあるものって意外と疑ってみると、
あれ?よく知らないなっていうことが多々あるんですよね。今回の砂時計の話みたいに。
だからそういったところをちょっとね、カバーしていきながら、
みんな科学楽しんでいただけたら嬉しいなっていう。
そのために科学系ポッドキャストっていろんな範囲の番組があるんじゃないかなと思っているので、
ぜひそこら辺楽しんでいただけたら嬉しいなと思いました。
ちょっとこうやって今後もね、エピソードの感想とか言っていこうかなと思いましたね。
いつも事実だけ伝えてるじゃないですか。
でもなんか、こいつどう思ってんだろう?みたいなのあるじゃないですか。
みんながくれる質問みたいなのを僕も話してみようかなっていう。
なのでこれもちょっと楽しんでくれたら嬉しいです。
ということで、今回は以上にしていきたいと思います。
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18:00
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それではまた明日お会いしましょう。さよなら。
18:26
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