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2024-12-28 09:28

#12 塩野七生『チェーザレ・ボルジア あるいは優雅なる冷酷』

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塩野七生『チェーザレ・ボルジア あるいは優雅なる冷酷』について話しました。

タイトルが全てを体現している素晴らしい作品です。

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惣領冬実さんの漫画『チェーザレ 破壊の創造者』も合わせて読みたい。

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はい、tantotの時々読書日記第12回です。
今日はですね、塩野七生さんのチェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷、こちらの話をしてみようと思います。
塩野七生さんといえば、一番有名なのはローマ人の物語ですかね、すごく長いシリーズですけれども、
とにかくヨーロッパの、特にローマを中心としたヨーロッパの歴史について色々書かれている、私も大好きな作家さんです。
このチェーザレ・ボルジアは、もともとが昭和45年だから1970年に出た単行本で、
手元にある文庫本は昭和57年第1版ということで、平成21年も、かれこれ15年くらい前ですかね、55通りということで非常に読まれているです。
これ、ちょっとだけ余談から入ると、塩野七生さんすごく好きなんですけど、最初に読んだのが多分中学生ぐらいの時かな。
図書館で、当時図書館で手当たり次第いろんな面についての文庫を借りて読んでみたいなことをやってたんですけど、
ロードストー工房記っていう、これは塩野さんのレネサンス三部作って言われる三部作の一作なんですけど、
たまたまそれを見て、なんか聞いたことあるぞと思って借りてみたと。
ご存じの方はご存じだと思うんですけど、ロードストー戦記っていうラノベが昔流行って、それと勘違いして借りてみたっていう感じで、
読んでみたら全くそういう感じはなく、オスマン帝国に最前線にあるロードストーっていう島に攻めてくるオスマン帝国と守るキリスト教勢力の間での戦いみたいなのを描いてる話なんですけど、
勘違いから始まったんですけど、めちゃくちゃ面白くて、これはすごいぞということで、そのレネサンス三部作だったりとか、あるいはベネチアのお話だとか、いろいろそこからどんどん読んでいったという形になってます。
それは余談で、チェーザレヴォルジア。これは何がすごいって、タイトルが勝ってますよね。チェーザレヴォルジア、あるいは優雅なる霊国。かっこよすぎる。タイトルだけでかっこいい。それだけでうっとりしちゃう感じ。
チェーザレヴォルジアって、これも結構有名な人ですけど、マキアベリっていう、マキアベリズムっていうので有名な戦略論とかについて書いた中世。
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ルニス・タンスキーのイタリアの人ですけど、そのマキアベリが、そういう話を書いた時に、目的のためには手段を選ばないみたいなマキアベリズムを体現する人物として、このチェーザレヴォルジアを想定しながら書いていると言われている。
簡単に言うとめちゃくちゃかっこいいんですよね。目的のために手段を選ばないところとか、すごく霊国、まさに優雅なる霊国のところがかっこいい。
すごく若い時から同格を表して、父親が法王に選ばれたので、その父親の法王としての権力をうまく使いながら、どんどん出世というか、勢力を伸ばしていった。
最後は父親が早く亡くなったので、後ろ盾がなくなり、結局殺されてしまうというような感じになります。
その生き様がすごく短い生涯で、結局野望を果たしきれなかったんですけど、その短い生涯の中でのどのようにして兵略を立て、いろんな人をうまく使ったり騙したり殺したりしながら、自分の野望を実現しようとしていくのかという姿がありありと描かれていて、
この本は面白いという感じです。
正直読んだのがだいぶ前なので中身はちゃんと覚えていないんですけど、このチェイザレのタイトルもかっこいい。
タイトルに負けずに中で描かれるチェイザレの姿っていうのはめちゃくちゃかっこいい。
めちゃくちゃ残酷だし冷酷だし、本当に性的だったりとかも、ちょっと味方であっても役に立たないものはすぐ殺すとか容赦なく斬り捨てるんですけど、
そのものを含めて真っ直ぐ目的を見据えて進み続ける、その姿がかっこいい。
今パッと開いたところを読んでみると、このチェイザレを歴史家グイッチャルディーニをはじめとして、
ディコンティラーの年代劇作家たちは残忍そのものとして口を極めて非難して描いた。
確かにチェイザレにとって、戦場での彼の残忍性を表明に出してはばからなかった、これが最初で最後の例である。
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ただ彼は血で手を汚すならば、かえって体全体をそれに浸してしまう方を選ぶ男の一人だった。
そんな感じですね。
結構歴史家から散々に言われる人なんですけど、この塩野さんはそれをあえて肯定的に描いている。
意外とあれなんですか、もしかしたらチェイザレの評価が転換するきっかけだったりするのかな、かもしれないです。
チェイザレといえば、この本はだいぶ昔に出てるんですけど、
ちょっと前に漫画家の僧侶冬美さんが描いたチェイザレが13巻で完結しましたけど、
そちらの話も読んでみるとやっぱりチェイザレのことがますます一層好きになってしまうかなと。
そこで描かれるチェイザレもめちゃめちゃかっこいい。
明らかに塩野チェイザレを引き継いでいる。そんな感じかなというふうに思っています。
ということで、ちょっとスープっぽくなって長くなっちゃったかもしれない。
そうではないか。
はい、という感じですかね。
そうですね、チェイザレフォルシア。
どっか読んでみますか。
塩野さんのお話の面白いのはやっぱり、歴史、小説というかどちらか、小説仕立てではあるんですけど、
塩野さんが自身の解釈だったりとか、チェイザレ表みたいなものがところどころに見えているので、
ノンフィクション的な側面もありという、非常に塩野七海らしい本かなと思います。
やばいな、ちょっとよく読もうと思ったけど。
こうやって読かなければ読みづらいね。
じゃあ一番最初から読みますか。
入り口もまたいいんですよね。
ローマのある貴族の家に一振りの剣が所蔵されている。
この剣はその美しさから何世間もの間、剣の女王と言われてきた。
そこに施された金銀の細工の見事さは、有名な金細工師エルコレテ・フェリーリの作と鑑定されている。
うらつらつらといって、
この剣はその凝った装飾からも人間の厚い血を吸うために使われたのではなく、
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儀式の時に持たれたものか、
それともただ単に依頼主が時折手に取って楽しむために作られたのであろう。
これがチェーザ・レヴォルジアの剣である。
いや、こういうところから始まる。
止まらないですね。
こんなわけで今日は塩野南さんのチェーザ・レヴォルジアあるいは優雅なる霊国について話しました。
ありがとうございます。
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