1. 現役リフォームプランナーの業界裏話
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2024-12-30 32:41

東京の空と缶コーヒーと文庫本でFeeling Good #281

『PERFECT DAYS』が10のうち10な理由を考えてみました。

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お聞きの皆様、おはこんばんちは、現役リフォームプランナーの寸尺かんなです。
もう、パーフェクトデイズの感想会というか、ほとんどの方がだいぶ前に終わっていて、ご覧になった方も多いと思うんですけれど、
私が本当についこの間見て、めちゃくちゃ感激して、これから私が心の支えにしたいような、寄り所になるような映画だったので、ちょっとお付き合いください。
まず、これは筋が合ってないような、日常の一部分を切り取ったような映画なので、あえて詳しく筋を言う必要はないんですけれど、
役所工事を踏んする平山というトイレの清掃人が主人公で、この人が日々丁寧にルーティンのようにして、毎朝道路を剥くおばあさんのホウキの音で目を覚ますんですよね。
全然目覚ましとか置いてないんですよ。スマホとかそんなのも置いてなくて、必ず朝のこのサッサっていうね、道路をホウキで剥く音で目を覚まして、本当にいつも規則正しく暮らしてるんですよね。
盆栽に手入れして、本当にきれいな、何も余計なものがない部屋に住んでるんですけれど、この家がですね、私が大大大好きな文化住宅って呼ばれるね、戦後に大量に建てられた2階建ての簡素なアパートなんですよね。
多分ね、この平山が暮らしているところは、1階の入ったところに階段と台所があるんですかね。階段上がっていくと和室が2間つながって、4畳半と6畳なのかな、和室があって、ここで平山は暮らしてるんですよね。
奥に盆栽専用の部屋にしてますね。グリーンルームみたいな感じでね、ここをわざと植物をいつも照らす用の育成用のライトをずっとつけていて、シュッシュッて水かけて、丁寧に丁寧に暮らしてるんですよね。
男一人暮らしで、こんな小汚い文化住宅で暮らしてるんですけれど、無駄なものが何もなくて、本棚があって、いつも布団で寝起きしてるんですよね。
これがね、私本当にいろんな自分の青春期を思い出すというか、ここでは文庫本とカセットテープが本当にこの映画の第二の主人公なんですよね。
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とにかくこの人は朝決まった時間に起きて、身支度して、箱番という軽自動車なんですけれど、奥が全部荷物が置けるようになっている、私が仕事によく使っている車と似たような車なんですけれど、ここにいろんな掃除道具を載せて、いろんなところに行くんですよね。
本当に私、こんな綺麗な公衆トイレですよね。見たことないんでね、これ今度ね、ジュリーさんとナオさんにいろいろツアーしてもらうのがめちゃくちゃ楽しみです。こんなスタイリッシュなトイレはまだまだ関西圏にはそんなありません。
こういったところを丁寧に丁寧に掃除してるんですよね。本当にこういう社会の役に立つ仕事はしてるんですけれど、決してお金儲けにはならないであろう仕事をしている人のつましい暮らし、贅沢がなく、本当に大してお金がないであろう、つましい暮らしっていうものを美化しているような映画なのではないかというふうに私はちょっと恐れたんですよね。
ところがね、全くそんな映画ではなかったんですよ。だから本当にビム・ベンダースを誤解してごめんなさいという感じだったんですけれど、これは本当にそういうエッセンシャルワーカーのつましい暮らしを、もちろん美化しているわけでもなんでもなくて、単にたまたまそういう設定になっただけの作品で。
さすがだなっていうのが、例えばこのビム・ベンダースって本当に変わった監督で、この人が撮った映画でちゃんとドイツの作品って結構少ないんですよね。
ベルリン天使の歌、有名な作品の中ではこのベルリン天使の歌が自分の母国を撮った映画で、これを撮った当初っていうのはまだドイツは東西に分かれていたんですよね。
この話をしてもピンとこない人もいらっしゃるかもしれませんね、若い人の中には。
実はドイツはこの当時は、今のだから朝鮮と一緒です。北朝鮮と韓国に一つの国が分断されている状態がドイツでもあったんですよね。
これが1987年の状態だったんですよ。
ところがいきなりね、何の前触れもなく、何か軍事的なこととか、民衆の革命が起こったわけでもなんでもなくて、いきなりベルリンの壁をみんなが普通の一般市民が壊し始めて、あっけなく東西の間に立っていたベルリンの壁が崩壊したんですよ。
本当に。これが1989年、私がまだアメリカに行ったばかりの頃にこんなことが起こったんですよね。
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でもね、たった2年前のこのベルリン天使の歌が撮られたというか、公開されたこのベルリンの壁が崩壊する2年前っていうのは、まだまだ東西が統合されるなんていうのはまた夢だと思われていた頃の映画なんですよね。
すごく詩的な美しい映画で、いろんなドイツの悲しい歴史を天使が見ているっていうね、天使の視点で描いている映画で、しかもそれがねラブストーリーになっているっていう複雑な映画だったんですけれどね。
この映画以外はですね、すごく世界的にヒットした作品としては、割と海外で撮っている映画が多いんですよね。パリテキサスはもちろんアメリカのテキサス、このパーフェクトデイズも東京で、ただね、どこで撮っても、ブエナビスターソシャルクラブもキューバですよね。
どこで撮ってもやっぱりビム・ベンダースの映画になるんですよね。これがねすごいなと思って、場所が変われど、どんな内容になろうがビム・ベンダースの映画はビム・ベンダースなんですよね。
だからこのパーフェクトデイズは、これは東京がたまたま舞台の映画になっているんですけれど、この映画はそのままパリでも撮れるし、ニューヨークでも撮れるし、別にドイツのベルリンでもミュウヘンでも、どこでもこの物語は成立するんですよね。
で、やっぱりビム・ベンダースの映画になるんだろうなっていうふうに思うんですよ。これがねやっぱり作家性っていうやつですよね。すごいなと思って。でね、また空がね、いつもこの平山はね空見てにっこり微笑むんですよね。
で、あの空を何気なく今時ね、デジカメで撮ったりとかしたりするんですけれど、空はねこれ、例えばねパリテキサスのテキサスの空と、この東京の空は全然違うんですよ。もちろんベルリンの空も違うんですよ。だからいつもねビム・ベンダースの映画は空がよく出てきますね。
でもそのどちどちの空の色なんですよ。当たり前なんですけれど、でもそこをいつも見てらっしゃるんですよね。その視点もね、なんかすごい好きなんですよね。話を物語に戻すと、この人はねカセットテープ聞いてるんですよ。車のカーステでね。
カセットテープってあったんですよ。私たちの時代は、だからまだ私若かった頃はレコードとカセットテープの時代なんです。ラジオとかは気に入った番組をカセットに録音してね。でそれを、車はね、CDはもちろんなくて、もちろんレコードなんか聞けるわけがないので、カセットテープで車の中では音楽を聞いてたもんなんですよね。
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で実は私もねカセットテープはね、もうすごく愛着があって、これはね、あの長く聞きすぎるとビロビロにね、このテープが伸びちゃったりとかして扱いが結構難しいんですよね。でだんだんだんだんね、あの聞きすぎるとテープが伸びてきたりして、音がね遅くなってきたりとかしてね。
なかなかに扱いが難しいんで、あの本当大変なんですけれど、これやっぱ愛着があって、私もねアメリカからね、あの全部よく聞いてたものを持って帰ってきて大事にとってあります。だからね平山の部屋にカセットテープがねばーって並んでたのはね、ちょっと涙が出ましたね。
私が当時ねアメリカで住んでいた寮の部屋とか、このカセットテープとね本をねばーっとね床にそのまま、あの床の地べたにね並べてきれいにね壁沿いに並べたりとかしてたんですよね。平山の部屋はね畳でしたけれど、畳がねこれがカーペットに変わっただけで私はこんな部屋に、あとねベッドのマットレスもねお金がないんでね。
ごめん、あのお母さんのクレジットカードで好きなだけ買い物したりもしてたんですけれど、まあでも日常生活はねそのお金かけないようにしたんで、あのねもうボロボロのマットレスを拾ってきて、それをねそのまま地べたにね置いてそこで寝てました。
はい、なんかねもうパーフェクトデースの話からどんどん外れていっちゃうんですけれど、このカセットテープでね平山はいつも音楽を聴いてるんですけれど、この音楽のセレクトがねもうね渋すぎるんですよね。
これはねあのジャンルで言うとまあ一応ねパンク、パンクほど激しくなくてオルタナロック、オルタナティブロックとかアートロックとかそういうジャンルになるんですかね。
まずですね、アニマルズ。これは1960年代の中期ぐらいですかね。イギリスで出てきた伝説的なロックグループですよね。で、あとはベルベットアンダーグラウンドね。これはえーとね、えーとね、アンディ・ウォーホルってね、あのアーティストがいますよね。
アンディ・ウォーホルがバナナのイラストのレコードジャケットを作ったことでも有名なロックグループですね。この人たちも60年代、60年代の中期、1964年とか65年ぐらいだったんじゃないかな、のアメリカのグループですね、これはね。
で、ここからルーリードっていうね、あのまあ天才がいます。で、ベルベットアンダーグラウンドにはニコっていうね、あの綺麗な女性のボーカルも一時期いたりとかした、まああのとにかく伝説的なグループですね。このルーリードのPerfect Daysっていう曲がこの映画のタイトルに使われてるんじゃないかなと思いますね。
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で、もうね、聞いてるだけでね、ちょっと鳥肌が立つんですけれど、あとですね、あの重要な、この映画の中で重要な役割を担うのがパティ・スミスですね。パティ・スミスはね、もう私、もう今はね、あのちょっと私もおばさんになってきてあんまりこの辺の音楽を聞かなくなっちゃったんですけれど、もう一番尊敬している女性の一人ですね。
パティ・スミスはパンクの女王です。で、あのシンガーソングライターですね。今現在77歳。うちの母とほとんど同世代で、アメリカの女の人で、もう世界一かっこいい女の人です。
で、ちなみに私こないだね、中村さんが大阪に来た時に、トークイベントね、あの怪しい不動産投資家のね、小島さんの出版イベントだったんですけど、この時偶然ね、私パティ・スミスのTシャツ着てこのイベントに参加してました。
あのそれぐらいね、パティ・スミス好きなんですよね。で、この人の曲をね、この平山のね、あのこの何ていうか、同僚、あの仕事の同僚がいて、これをね、榎本時夫が演じてるんですよね。
榎本時夫と言えば、あのね、ちょうど今度対談したいなと思っているNHK大河ドラマの「ひかるぎみえで」の主人公の藤原道長を演じた榎本、あれはなんだ、タスクか、これの弟になるんですよね、たぶんね、お兄ちゃんじゃないですよね。
時夫くんは、たぶんこの榎本タスクの弟だと思います。で、榎本明という名優がいますね。この人の、あのまあ、あの息子たちですよね。だから本当に個性的な顔してお父さんに似てね、2人ともすごく個性的な顔してるんですけれど、まあ本当にね、お父さんとお母さん譲りのいい俳優さんになってるんですよね。
で、この時夫くんがどうしようもない、やる気がない若者を演じてるんですよね。この子は若くて、でもなんかこの仕事を嫌々やってるんですよ。
で、もう広山にね、いやもうそんな真面目に仕事しても無駄っすよ、もうどうせ汚れるんですから、みたいなこと言ってるような男なんですけれど、彼はね、あの口癖があって、10のうち10とかね、10のうち8とかね、そういう言い方するんですよね。
で、これが10のうち2っすよ、とかね、10のうち8っすよね、とかね、言ってその自分の中でレベル分けするんですよ。で、ちなみにこの映画は10のうち10なんですね、私にとっては。本当にもう100点満点の映画。
今度とにかくこのエモと時を憤する同僚は、ダラダラ仕事してた時にですね、ここに金髪のボブカットの可愛い女の子がね、来るんですよね。
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このエモと時を憤するね、この同僚の男の子は、この女の子とデートしたいんで、平山だってね、大して多分お金ないのにね、平山から2万円か3万円ぐらいお金借りて、なおかつね、この平山の車でこの彼女をどっかまで送ろうとするんですよね。
で、この車に乗っている道中に、これちょっとかけさせてもらっていい?って言って、平山の車のカセットテープを見つけて、この女の子がね、このカーステにカセットテープ突っ込むんですよね。
で、私今、これ今、若い人たちにカセットテープ流行ってるんですかね。全くそれ知らなかったんで、ちょっとびっくりしたんですけどね。
あの、なんか、これカセットテープ見てもわからない人が多いんじゃないの?と思ってたんですけど、この映画の中では、ちゃんとね、カセットテープの値打ちがわかっていて、これをね、中古屋さんみたいなところに売りに行こうとしたりするシーンも出てくるので、
ああ、そうなんだと思って、うちに大量にあるこのカセットテープも、もしかして値段がつくのかな?と思ってね、ちょっと驚いてたんですけど、とにかくね、この女の子はね、パティ・スミスのカセットテープを選んでね、これ聴くんですよ。
この曲がね、レドンドビーチっていうね、いい曲なんですけれど、これをね、この若い女の子がね、気に入るんですよね。この曲いいねとかって言って、しんみり聴いてるんですよね。
あの平山は、役所工事の年齢からいくと、60代後半ぐらいの男性だと思うんですよね。で、これを実際に撮ってるフィム・ベンダースは79歳なわけですよね。
で、今言ったアニマルズだとか、ベルベットアンダーグラウンドとか、パティ・スミスとか、ルーリードとかね、この辺りの人たちね、あと金信幸子とか、この辺りってね、だいたい1960年代に出てきたアーティストたちなんですよ。
だから年齢で言うと、パティ・スミスはうちの母親ぐらいなんで、段階世代ですよね。76とか77歳。でも、それ以外の人って80代前半ぐらい。ルーリードはね、もう死んじゃってるんですけれど、この人が1942年生まれなんですよ。
だからちょうど70代後半から80代前半の世代の、だからフィム・ベンダースと同世代のミュージシャンの曲を聴いてるっていう設定になってるんですよね。これは絶対偶然じゃないですね。自分が青春期に若い頃ずっと聴いてた音楽をここに投影させてるんだと思うんですよね。
だから今60代後半の役所工人の役の人は、自分がずっと若かった頃からこの辺の音楽を聴いていたっていう設定になってるんですよね。
あと本の方は、ちょっと拾い切れてるかどうかわかんないんですけど、まずね、一番最初に読んでた本がウィリアム・フォークナーの野生の主路っていう本なんですよね。これはね、あいにく私読んでなくて、ウィリアム・フォークナーってアメリカの作家なんですよ。
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この人は有名なのはサンクチュアリーとかね、8月の光とか、この辺の小説を書いているアメリカの偉大な作家というか、アメリカの現代の、現代というか近代のアメリカで最も大きな作家といえば、ヘミングウェー、スタインベック、そしてこのウィリアム・フォークナーあたりになるんですよね。
で、私だからね、このアメリカの、だからアメリカ史とかね、アメリカ文学の授業っていうのは必修だったんです。で、この辺全部読まされましたけれど、この野生の主路は読んでないんですよ。でね、もうサンクチュアリーとかね、本当にゴシックホラーみたいなね、小説ですごい面白い小説でしたけど、怖い話で、もうね、ちょっとね、私トウモロコシが大好きなんですけど、
ちょっとね、この小説読んだ後、ちょっとトウモロコシが食べられなくなるような、ちょっとね、グロテスクなシーンが出てきたりする、でもとても面白い小説です。で、まあこの、だから映画見て、この野生の主路も読まなきゃなと思いました。
あとね、甲田綾っていうね、日本の作家ですね、この人の本も私は読んだことがないので読まなきゃいけないなと思いましたね。この人は有名な甲田ロハンの娘さんですよね。で、作家になっていて、なんか私これ、この方のは読んだことないんでね、これも読まなきゃと思いました。
で、次がね、この人だからね、あの、中古、あの、なに、あの、古本屋さんにだから定期的に行くんですよね。だから仕事が終わると、あの行きつけの場所っていうのがいくつかあって、この地下街みたいなところの居酒屋でね、あのお酒飲んで、で同じこの界隈にある古本屋さんで、あの古本の文庫本って100円で売ってますよね。
で、この本をね、何気なくピッと拾って、あの、パッと手にして100円で本買っていくんですよね。で、ここのあの古本屋のね、おかみさんもなかなかいい感じなんですけれど。でね、次にね、この甲田綾の本読んだ後が、十一の物語って、これはね、私が大好きなパトリシア・ハイスミスの短編小説なんですよ。
で、私たち界隈で言うと、えーと、木本さんとか、あとね、えーと、ユタさんとか絶対読んでるんじゃないかなと思いますね。
パトリシア・ハイスミスは、えーとね、サスペンス小説の名集で、あの女性の作家なんですけどね、レズビアンの。有名なのは見知らぬ乗客とか、えーと、えーと、なんだ、なんかあの見知らぬ乗客でヒッチコークの映画なんですけどね。
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あと有名なのは、リプリーとかね、あのいっぱいいっぱい有名な小説があるんですけど、この人のね、この短編小説がね、また怖くて面白くて最高なんですよね。でもこれね、片つむりがね、あのめっちゃ怖いんですよ。
これもめちゃくちゃおすすめで、私ね、これ確か自分の本棚にあるぞと思ってね、このパーフェクトデイズ見た後、漁ったらありました、ちゃんとね。もうね、だいぶあの日焼けしてね、茶色くなってるんで、あのこれもまた読みたいなと思ったんですけどね、パラパラって開くとめっちゃ字が小さくて、昔も買った本なんでね。
だからもうすごいね、あのもう字が小さすぎて、今のね、最近売ってる文庫本ってやっぱり年寄り向きに字がね、大きいんですよね。昔の文庫本ってやっぱ文字ちっちゃいなぁ。ちょっと読むのこれ、老眼鏡かけないと読めねえよとかと思ったんですけど、これ超おすすめなんでね、ぜひ読んでほしいですね。
だからね、ランダムにね、ウィリアム・フォークナーとか、コーダー・アヤとか、パトリシア・ハイスミスとか読んでて、コーダー・アヤ以外で言うと、アメリカの作家が好きなのかなっていう感じなんですよね。
ここは音楽ほど一貫性を感じないんですけれど、とにかくこれがビム・ベンダースの好みなんだろうなと思って、かっけーとか思って見てたんですよ、こういうところもね。だから読書の趣味も、ベンダースっていうより平山のセンスがとにかくいいんですよね。
おもむろにピックアップしている本がこういった類いなんで、素敵ですよね。だからね、これ結局平山っていう人は、こういうふうに小説読んだり、音楽の趣味を見てもね、かなり文化的レベルが高い人なんですよ。
だから初めから職業差別をするって意味じゃないんですけれど、あえてこういう職業で、あえてこういう簡素な暮らしをしている人なんですよね。途中で妹子とか妹が出てきたりっていうシーンもあって、この人たちを見てると割と裕福そうに見えるんでね。
平山自体の背景は、おそらく中流以上の出身の人なんだろうということが、なんとなくわかるんですよね。ですけれど、あえて今こういう暮らしをしてるんだっていうことも、何にも説明はないんですけれど、なんとなくこの平山っていう人の好みとかね、見てるとわかるわけですよ。
あとね、この若い人の恋を応援しているところがね、私はすっごい好きで、この絵本を時を奮する、このどうしようもない同僚とね、このパティ・スミスを気に入ったこの若い女の子。この女の子にね、ちょっとほっぺたにチューされたりして、ちょっと動揺するシーンとか出てくるんですけれど、
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これは私はね、なんかちょっと楽しく深読みしていて、これはおっさんが若い子にチューされて、ちょっとドギマギしたっていうんじゃないんですよね、多分ね。
おそらくね、昔パティ・スミスを彼が好きになるきっかけになったような恋人がね、若い時にきっといたんだろうなって思ってるんですよ。パティ・スミスを聞くようなパンクみのあるね、かっこいい女の子と昔恋をしてたんじゃないかなっていうね、そんなこともね、ちょっと何にも説明ないんですけれど、思ったりしましたよね。
だからこの人は今ね、なぜか役所工事が独身でいるわけないだろうって思うんですけども、でもこの映画の世界の中ではね、役所工事が独身で、こういったすごくつましい暮らしをしてるんだけれども、大好きな音楽、この音楽はすべて自分が若い時から聞いていて好きな音楽なんですよね。
小説はちょっとね、ここはね、私も何かの関連性があるのかっていうところまで読み取れませんでしたけれど、昔からあるものですよね、これね。
最近の作家とかは当然読んでないので、おそらく平山が若かった頃にはもうすでに、パトリシア・ハイ・スミスは割と最近まで生きてましたけど、ウィリアム・フォークナーとかね、コーダー・アヤとかもとっくに死んでる作家なんで、こういった本を手に取るっていうことは、
なんて言うんでしょうね、すごく教養が高い人で、楽もある人ですよね。そういうね、だから若い時からずっと、何て言うかな、この自分が好きだったりこだわってきたりとか、あと昔の恋とかね、
いろんな彼の厚み、人としての厚みがものすごくシンプルで無駄のない、一切贅沢とは相反する暮らしをしてて、唯一の彼の贅沢って、朝ね、いつもこの家を出た横にある自動販売機で買うコーヒーとかね、
あとお昼時に境内でゆっくり空を見上げている時間だったりとか、あとこの境内でたまたま見つけた苗床っていうのかな、ちょっとした木を住職からめくばせしてもらってきて、それをまた大切に自分の盆栽コーナーに持っていくとか、そういったことが彼にとっての贅沢なんですよね。
あと石川さゆり風するバーのスナックのママがいて、多分このママのこと好きなんですよね、役所工事ね、でも別にこの恋が実るか実らないかとかどうでもよくて、この人はね、この日々の暮らしね、とにかくこのつましい暮らしが、
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つつがなく日々ね、朝起きて夜寝るところまでが規則正しくリズム良く過ごしていくことが一番大事なんですよね。
時々ちょっとした贅沢でこういった本を買ったりね、余ったお金で本を買ったり、音楽を聴いたり、本当に一期一会の出会いだったり、人とのすれ違いであったりとか、あれも好きですよね、トイレの隙間とかに丸鉢の中、ゲームをメモ書きに書いたものが挟まっているの、
二人で、これ誰かわかんないですけど、やり取りしてたりとかね、こういったこととかが、この人にとっての贅沢なんですよね。大好きな音楽とか、こんなのもずっとこの人はだからね、どんな青春期を送ってきたのかなっていうのが、今のこの平山を見てるとなんかうっすらと見えるっていうところが、この映画の素敵なところなんですよ。
だから急にね、68歳とか79歳の人が初めからいるわけじゃないんですよね。私はなんとなく最近のエイジズムっていうんですかね、このやっぱりあまりにも長くこのデフレ経済が続いて、シルバー民主主義と言われるね、やや老人を大切にし、若者を虐げてきた、このずっと日本の背景とかね。
だって私自身も、私の年代こそはものすごく犠牲になった世代なんで、それはすごくわかるんですけれど、でもね、別にこの人たち、いろんな人いるんでね、すごく老害みたいな老人もいるし、いろんな人がいるんですけど、
ただ、初めから79歳で生きてるわけないわけで、79歳だった人にはもちろん25歳だった時も15歳だった時も7歳だった時もあるわけで、こうやって自分がずっとね、若い時聞いてた音楽とか好きだった小説とか、
その頃ね、若い頃恋をした恋人の思い出とか、こういったものはね、死ぬまでずっと自分の身についてなくならないものなんですよ。これこそがお金よりも贅沢な何十坪何百坪の大邸宅に住んでいることよりも何よりも大事な財産なんですよね。
こういったものがこの人には豊かに備わっているので、もう他何もいらないんですよね。とにかく健康な体があって、1日でも長くこの自立した暮らし、贅沢はできないけれども、何とか自分が好きな時間を過ごせる健康と、わずかなお金があればこの人はもうあと何もいらないっていうことをね、あえて選んだんだとするならば、
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それは今までの人生がいろんなものがちゃんとこの人の血となり肉となるものがあるからなんですよね。だからこれこそが本当の贅沢っていうものなんだなって思って、だからこの映画を見て私は元気になったんですよね。
年取ることって全然怖いことじゃない。今までちゃんと一生懸命生きてきたんだと、私には大好きな映画があって、大好きな小説もあって、大好きな音楽もあって、こういったものは一生なくならないんですよね。こういったもので感激してきたこと、そういったものは全部自分のもう細胞の中に組み込まれているので、死ぬまでなくならないんですよ。だから大丈夫だって思ったんですよね。
これから私が何か贅沢な暮らしができるかどうか、長生きができないんじゃないかとか、自分の家族がいつまで生きるのかとか、そんなことに恐れおののくことなかれということを、なぜかこの映画は本当にね、説教がましいこと何も言わずに教えてくれる映画だったんですよね。
最後のね、締めがニーナ・シモンですよ。ニーナ・シモンはね、この人はね、血を這うようなのぶとい声で、もしかしたら男性のシンガーだと思っている人もいるかもしれないんですけれど、女性なんですよね。アメリカ人の女性シンガーです。
この人のね、ドキュメンタリーもね、ネットフリックスで見れますけれど、本当に壮絶な人生を送った人なんですけれど、アメリカの黒人の人権運動、市民運動に大きく貢献した女性シンガーなんですよね。
この人のね、血を自響きがするようなのぶとい声のフィーリング・グッドでね、この映画は終わるわけなんですけれども、この曲を聞きながらね、涙ぐんでる役所工事、いやー見事な映画でした。もう10のうち10、本当にこういう映画が見れるっていうのがね、やっぱり生きてるっていいなっていうことですよね。
はい、長くなったんですけれど、パーフェクト・デイズ、ぜひ多くの人にね、見ていただきたい映画だなと思いました。はい、ごきげんよう。
なんですけれど、パーフェクト・デイズはね、本当にパーフェクトな映画でしたね。はい、というわけで今日はこれで終わります。ごきげんよう。
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