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市ですおはようございますこのポッドキャストは僕が毎週お送りしているニュースレター
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改めまして市ですこのエピソードは2022年の3月6日に収録しています このエピソードではスティームニュース第18号からフランス革命とメートル法についてお届けします
どうぞ25分お楽しみください
普段何気なく使っているメートルという単位 日本では計量法によって長さを表示するときは必ずメートルを使わないといけないと決まっています
日本古来の「里」とか「尺」とかは使ってはいけないということですね 日本政府は1886年明治19年4月16日に
メートル条約を交付しました この時代はまだ日本古来の単位を使っても音が目なしだったのですが
1966年昭和41年には厳格なメートル法への移行が政府によって指示されました
当時は随分と行き過ぎた取締りもあったようなんですが A.ロックスケさんによる釈迦法復権運動もあってか
取締りは徐々に下火になっていきました 日本で法的に認められている単位は長さのメートルの他に質量のグラム
時間の秒などがあります これらの単位は国際単位系として世界標準に定められています
最も世界最大の国アメリカ合衆国だけは国際単位系を使っていません 本当いい加減にしてほしいです
実際アメリカが国際単位系を採用していなかったばかりに1999年には火星探査機を失うという事故も起こっています
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この国際単位系英語ではインターナショナルシステムオブユニッツ なんですけれども略称はこの is ではなく si なんですね
フランス語由来なんですではなぜ英語ではなくフランス語由来かといえば si の元になったメートル法
こちらがフランス発祥だからなんですね そもそもメートルという単語もフランス語です
このメートル法はフランス革命中の1791年に フランス議会で決議されました
メートル法を初めて提案したのはフランスの政治家タレーランペリゴールとされていますが 数学者ニコラードコンドルセ公爵とする説もあります
コンドルセ公爵は人々が真に平等であるため また真に自由であるために新しい普遍的な単位が必要だと考えたのです
この頃フランスで何があったんでしょうか
1789年7月14日 フランスで群衆がバスティーユ要塞韓国を占領しました
これがフランス革命の始まりです 絶対王政を取っていたフランス王国で国家財政が破綻したのですが
王に次ぐ貴族たちはその財政負担をブルジョアジー 油産階級ですね商工業や金融業の担い手たちにかぶせようとしました
反発したブルジョアジーたちは民衆と一体となって国民議会を結成し 国王軍を敗北させました
この時の革命のスローガンは自由平等財産でした 革命のスローガンはその後の恐怖政治の時代を経て自由平等
友愛に変わります 明文貴族出身ながら国民議会議長にも選出されたペリゴールはフランス革命の
最中の1790年3月に長さの単位の統一を呼びかけます それを受けて1791年には新たな長さの単位メートルが決定されました
ただフランスにおいてさえ普及には時間がかかり最終的な普及は1840年以降になります
フランス革命の方はその後何度も転換点を迎えナポレオンボナパルトの大統をもって一区切りとなります
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メートル法を発案したペリゴールたちはフランス国内でさえバラバラだった単位を統一しようとしました
その時この新しい単位はフランスのみならず世界中で使われなければならないと考えました
そのためにはフランスにしかないものさしを使うわけにはいきません まして現在でもアメリカで使われている
フィートのように人間の足のサイズ由来では困るんですね 人によって足のサイズが異なるからです
コンドルセ公爵、ラグランジュ、ラプラス、モンジュといった検討委員会のメンバーたちは 当時振り子を使った長さの定義を検討しました
周期がきっかり2秒であるような振り子が当時作られていたんですね この振り子の長さを1メートルにしようとしたんです
残念ながら振り子の周期は地球上のどこに立つかて微妙に異なります そこで検討委員会は振り子案を諦め地球のサイズを使うことにしました
4,500に沿った地球の円周の4,000万分の1を1メートルと決めたのです なお振り子の長さは地域にもよるもののおよそ99センチメートルの長さでした
僕はこの話を初めて知った時になぜ4,000万分の1なのか疑問に思いました 直角を一つの単位とすると地球丸ですよねそれからピザも丸ですよね
この1周が4直角に相当するので4という数字が入ってくるのはまあそんなに不思議では ないんですねまあどちらかというと自然なんですが
僕はこの話を初めて知った時になぜ4,000万分の1にしたのか疑問に思いました 直角を一つの単位とするというのは当時よく行われていたことなので
地球1周を4直角で割るというのは自然な発想なんですね じゃあなぜ400分割でも4,000分割でもなく4,000万分の1にしたのかというのが少し不自然に
感じられたんですね
地中海世界では古代エジプトの時代からキュビットという長さの単位が使われてきました 1キュビットは肘から指先までの長さで現在の50センチメートル程度の長さです
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そして1.5キュビット程度に相当する大工のキュビットや2キュビットに相当するダブルキュビット という単位も使われていました
ここらへんが身の回りのものの長さを測るのに適度なサイズ感だったと言えます そうなんですどうやら1メートルはダブルキュビットに近い長さとして選ばれたようなんです
まあ地球を基準にしましょうと言いつつもどうしても体身体という物差しを使ってしまい ますよね
もしメートル方がアジアで生まれていたらまあ1メートルひょっとしたら 三尺畳の昔の畳の短い方か
丸いは6尺長い方ですねこちらは1件ですね ここらへんのまあ使い勝手の良い長さを基準に1メートルを選んだんじゃないでしょうかね
実際3尺が1メートルにかなり近い数字になります そしてですねメートル方の採用にあたってまあアジアでは当たり前に感じるかも知れないんですが
10進法を採用したことがヨーロッパでは大改革でした アメリカでは現在でも1フィートが12インチですがこれはヨーロッパで12進数が広く使われて
いたことの名残です 全部12進数で統一してくれればまだ下なんですが1フィートより長い方ですね
1ヤードが3フィート 1チェーンが
22ヤード 1ハロンが10チェーン
1マイルが8ハロン 今見ると一体何がしたかったのかという単位が並びます
さらにですね1ロットが1/4チェーン 1リンクが1/100チェーンという単位まであります
ここらへんですねまぁおそらくなんですがマイルで測るものとインチで測るものこれはもう 別世界のもの別の長さの単位というふうに考えていたのかもしれません
ハリーポッターの魔法界ではお金の単位が1ガリオンが17シックル1シックルが29クヌートですがこれは英国人作者一流の皮肉だと思います
現在の1メートルは時間から決められています 1メートルは真空中の光が2億9979万2458
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8分の1秒進む距離と定義されています 真空中の光の速度は一定なので時間さえ正確に測ることができたら自動的に長さの方も決まるわけです
もともとメートルを周期の決まった振り子の長さで決めようとしていたわけですから 原点回帰ということになりますね
長さの単位が決まると面積や体積の単位が決まります 一辺が1メートルの正方形の面積を1平方メートル
一辺が1メートルの立体の体積を1立方メートルと言います しかし1立方メートルは膨大な大きさになってしまうため日常使いには不便です
フランス人の大好きなワインが入っているタルも1立方メートルのおよそ5分の1程度の容量です グラスだと1立方メートルの5千分の1程度になります
そこで一辺が1センチメートルの立体の体積すなわち1立方センチメートルを使い 蒸留水1立方センチメートルの質量を1gと定めました
その後質量の決め方は何度も変更されたのですが 現在では2019年の定義が最新版として使われています
2019年の定義では光のエネルギーから質量が決められています ここでアルベルトアインシュタインの有名な式を思い出してみてください
E=mc² という式があるんですけれども Cは真空中の光の速度
先ほどの2億9979万2458というのが光が1秒間に進む距離をメートルで表したものです
これでE=mc²のCの方が決まるわけですね Eはエネルギー Mは質量なんですが
光のエネルギーの方は光の色によって決まるのでこれでエネルギーが決まって Cも決まっているから質量が自動的に決まるということになります
なお1799年から2018年の間は国際キログラム原器という重りの質量が1kgだと決められていました
国際キログラム原器は白金、プラチナですねこれが90% イリジウムが10%の黄金でできていました
密度がうんと高くて錆びず溶け出すこともなく傷つきにくいことから 白金イリジウム合金が選ばれました
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この白金イリジウム合金なんですがまたの名をイリジウム割プラチナと言うんですが 金属アレルギーになりにくい指輪の素材としても注目されています
日本に住んでいると原稿の一円硬貨これがきっちり1gですので1gというのは実感しやすいかなと思います
初期のメートル法で決められたのは長さと質量の単位だけでした 実はフランス革命中の1793年に
熟診化時間という時間の単位も提唱されています これは1日をまず10等分して1熟診時として1熟診時を
100等分したものを1熟診分としてさらに1熟診分を100等分したものを1熟診秒とするものです
まとめると1日を10万10新病に分割するわけですね フランス革命政府は従来の週7日間や月28から31日間を廃止して
10日間を意味するでカード それから新たな月こちらは30日で固定する
ものをですね導入しようとしたんですがどちらも普及はしませんでした 熟診化時間は定期的に人々を魅了するらしく
1998年にはスウォッチビートという実感単位がマサチューセツ工科大学のニコラス ネグロポンテ教授とスウォッチ社によって提案されています
1スウォッチビートは1日を1000分割したもので1分26.4秒に相当します スウォッチビートを刻む時計がスウォッチ社から発売されており
今でも中古品でね手に入れることができます フランスの革命歴こちらはフランス革命を終わらせたナポレオンボナパルトによって
1806年に廃止されました 時刻の方も1日を24時間1時間を60分1分を60秒に分割する方が残りました
ただしですね1日という天文学的現象を時間定義の起点にしてしまうと 1日の長さの揺らぎがそのまま単位の揺らぎになってしまいます
そこでメートル法をもとに作られた国際単位計SIでは1967年からセシウム原子時計を使って1秒の長さを決めています
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まあこれならば地球が1回転する時間に揺らぎが生じても1秒の長さは変わりません 時間の長さが決まると今度は逆に1日の長さが不定になってしまうんですね
先ほどお話しした通り地球は正確に24時間で一周しているわけではないんです
そこで原子時計で計測した経過時間をもとにした時刻を国際原子時として 地球の回転から割り出した時刻を世界時と呼んで区別します
世界時の方なんですがこれは昔グリニッジ標準時と呼ばれていました 現在は国際原子時とのズレが整数秒になるように世界時を調整した
経定世界時UTCというんですが こちらが旧グリニッジ標準時の代わりに世界共通の時刻として使われています
一言で言うと時間の単位は秒であって1日の長さは秒から作られているということですね
フランス革命政府は角度の方も実進化しようとしました まあ過去12針数使ってきた歴史を全否定しようとしたのかもしれないですね
それがグラードまたはグラディアンという角度の単位です 一直角90度を100グラードに分割するものでした
英語圏では斜面の勾配のこともグレードと呼ぶので英語圏では代わりにゴンと呼びます こちらもですね日常生活ではまあほとんど普及していないんですが
ヨーロッパ製の測量機器計測機器の中には 角度の単位としてグラードが選べるようになっているものがありますし
カタログスペックなんかでも例えば何グラード単位まで計測できますよということが書いてあったりとかするものもあります
日本の関数電卓でも角度としてグラードが選べるようになっているものもあります というかほとんどなってるんじゃないでしょうかね
特に我々のようにこうピラミッドの計測とかしている人たちにしてみると 1度をさらに細かく分割していく必要があるんですね
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ところが1度は60分で1分は60秒というとも非常に計算がややこしいので 十進法を使いたくなるわけです
でどうせ十進法を使うんだったら最初からグラード これの1/1000のミリグラードを使った方が計算が楽なのでどちらかというとグラードの方が便利です
実はもっと便利な角度の単位もあります 現代のフランスも感銘する北太西洋条約機構NATO
それから日本の自衛隊も採用しているんですが 1直角の1/1600の角度これ1ミルと呼びます
1キロメートル先にある1メートルの棒を見た時の角度がおよそ1ミルなんですね これは大変都合が良いものです
ミルのことを日本ではかつてミリーと呼んで漢字も割り当てられていたそうなんです
それだけじゃないんですこの1ミルという単位 数学者たちとも相性がいいんです数学者たちは角度を語る場合に
どうでもグラードでもなくラジアンという単位を使います 1直角が2分のπラジアン、πは円周率なんですね
これが1571ミリラジアンになるんですが1直角1600ミルでしたから非常に近い数字になります
つまり1ミルと1ミリラジアンはほぼ同じになるわけですね 僕たちはフィラミントの計測とかで現場で結構暗算しないといけないこともあるん
ですねそんな時角度の単位がミルまたはミリラジアンで出てくるとすごく便利なわけです
おそらく軍隊も同じような理由で角度の単位にミルを使っているんじゃないでしょうか
スティームニュースのバックナンバー第18号フランス革命とメートル法の中では日本ではどんな風な単位が使われていたのかということもねお話をしています
1リという距離の単位これ36丁にあたるんですが1丁は60件1件は6尺1尺は10寸という風にね日本では決められていました
それから日本の重さの単位1冠1金1両それから1文目なんかについてもねお話をしています
またよかったらニュースレターの方もチェックしてみてください今回も最後まで聞いてくださってありがとうございました また次のエピソードでお会いしましょう1でした
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ご清聴ありがとうございました。