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2024-06-27 10:23

2024年6月27日

2024年6月27日の日記です。『人生フルーツ』を見ました。

#声日記

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2024年6月27日、そろそろ過去になりますが、
今日は普通に仕事をしてきまして、帰りに大きい本屋さんに寄ったら、
友田敦さんの100年の孤独を代わりに読む文庫版が発売されてまして、
うわ、もう出てる!と思って、とっさに買いましてね、反射的に。
100年の孤独の文庫版、ザルシア・マルケスの本編の方もね、
最近文庫が出たの買いましたんで、合わせて読んでいこうかなと思って楽しみにしてるところなんですけど。
今日はね、家帰ってきてからは、映画を見てまして。
これは録画してたやつとね、日本映画専門チャンネルでやってたやつを録画してまして。
録画してたやつを見てまして。
あれですね、ドキュメンタリー映画の人生フルーツという作品を見まして。
これは結構何年か前の作品で、一時期結構話題になった、映画好きの方の間で話題になった作品なんですけど。
ちょうど僕今、矢野俊博のロストテープス vol.2っていう、
非評価の矢野さんが今までに単行本とかには収録せずにあった文章とかを、
自分でまとめて自主制作本として作った本がありまして。
これのvol.2っていうのが主に書評と、あとそれから音楽評と映画評っていうのをまとめたような本の中で。
この中で人生フルーツを取り扱ってる、人生フルーツの評が載ってるっていうのが目次に書いてあって。
そういえば録画しっぱなしで見てないやと思ってね。
このタイミングで、矢野さんのレビューを読む前に見ちゃおうかなということで、何の気なしに人生フルーツ見始めたんですよ。
事前情報として、本当に老夫婦の暮らしを記録したドキュメンタリーみたいな、それぐらいの情報しか知らなくて。
結構評価されてたのは知ってたんですけど、どういう部分で評価されてるのかとか、そういうところについては全然知らなかったんですね。
見てると、柴田秀一さんと秀子さんという、柴田秀一さんが90歳で、奥さんの秀子さんが87歳という、そういうご夫婦の生活を追った、
もともと東海テレビで制作されたドキュメンタリー作品の劇場公開版みたいな、そういう感じなんですね。
愛知県の自宅で、一軒家に、その周りを自分の大きな庭を雑木林のような形にしていて、そこで作物もいっぱい育てたりしているという、
そういうふうな暮らしの記録が描かれていく中で、実はこの柴田さんという人が、戦時中には戦闘機の設計をしていたりとか、
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戦後にはいろんな復興から、どんどん都市計画が進んでいく中で、様々な団地を設計する、結構設計師の中でもすごく大きなプロジェクトをいろいろやっていた人であるということがちょっとずつわかってきて、
愛知のニュータウンを開発する中で、都市計画を進めていく中で、自然と共生するみたいな、そういうふうなコンセプトを柴田さんは立てたんだけども、それが実際の都市計画とマッチしなくて、
この設計の最前線から外れていって、ある種自分の考えたこういう暮らしの在り方みたいな設計思想、ある種の都市計画思想であり、人の暮らし方についての思想みたいなものを、
実際の自分が住んでいる家で実践していくようになるんですね。だから最初なんとなく、なるほど、こういうある程度年を重ねて田舎で暮らしている老夫婦の穏やかなスローライフについてのドキュメンタリーなんですね、みたいな感じで見てたら、
これが実はこの柴田さんという人が人間の暮らしを考える上で、設計師という視点、建築師という視点から人間の暮らしを考えた上での、ある種自分の思想の実践の場がその家であったという。
だから一見するとすごいスローライフで穏やかな場なんだけども、この柴田さんにとっては自分の生活における思想、建築師としての思想というものが、その思想の実践の場がここなんだという。
そういう結構スローでのんびりみたいなものと違って、本来彼にとってはこの場所は生活の場でもありつつ、自分の思想のある種の最前線なんだみたいな、そういうことも明らかになってきて、すごい面白いんですよね。
それでいて、とはいえこの柴田さんとしてはめちゃめちゃチャーミングで穏やかで、奥さんのこと大好きで、奥さんも妻の秀子さんも夫の周一さんのことが好きで、超仲良しなんです。
特に僕はすごいいいなと思うのが、畑の中にいろんな作物を植えてあって、どこにどういう作物を植えたとか、いろんなところに周一さんが看板を置いてるんですね。
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吹きの塔とか、天夏とか、名前を書いて黄色い看板をあちこちに置いてるんですけど、その黄色い看板に一言ずつ書いてあるんですよ。
これが天夏だったらその下にマーマレードにびっくりマークとか、吹きの塔だったらお楽しみとか書いてあるんですよ。
それがすごく良くて、周一さんという人はとにかく筆まめでいろんなところにお礼の手紙とかを書いてくるんですけど、その時にもすごい可愛らしいイラストを書き添えたりとか、
本筋じゃないところにちょっとイラストを添えるとか、コメントを添えるみたいな、こういうことをすごい細かくやる人。
それから途中、ご夫婦でお餅つきをして、周囲の近所の知り合いに自分の家でついた餅をお裾分けするんですけど、その時にもお裾分けする前にわざわざ夜勤を押すっていうくだりがあって、
周一さんが夜勤を押すからちょっと待ってて、奥様もういいですよとか言うんだけど、夜勤を押すと。孫の名前の夜勤なんですよね。かなこさんっていう孫の名前の夜勤を押してたりとかして。
そういう一つ一つの行為に何か少し付け足してあげるとか、書き足してあげるみたいな、そういうことが一つ一つにあって、
その気遣いというか、何か一つ、ただ機能性には回収されない書き足しであったり、アレンジメントみたいなもの。
そういうところに、この周一さんという人の人柄であり、あるいは建築士として暮らしを考える上での思想の実践みたいなものも繋がってるんだろうなみたいな。
そういうところにいちいち感動してしまうんですよね。それでいて、実際に過去に自分が戦時中に過ごしていた台湾のところに行って、
亡くなった台湾人の友人のお墓参りに行くシーンとかに、歴史が描かれている。
単純に今の暮らしだけじゃない、その人の人生の時間というものを切り取る射程とかも、自分が見る前に想像していたよりもすごく広くて、
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すごい良い映画でしたね。
ある種、ご高齢な二人の暮らしを捉えたドキュメンタリーだから、もしかするとこういう風な展開になるのかなみたいな、ちょっとザワザワするようなところに行くんだけども、
その後もう一つ、実はもう一個展開というか、実際のドキュメンタリーの展開という言葉もちょっと違うんですけども、
実はもう一つこういう要素が、この撮影期間の間にあったんですよみたいな、こういう出来事、エピソードが撮影期間中にあったんですよっていうのが、
ちょっと時間を巻き戻すような感じで語り直されたりとかして、そこにまたグッときたりとかして、
一人の暮らしの営みが次の人にどんどん手渡されていくような、じっくりコツコツと実践していたことが、
その人が亡くなった後にもまた繋がっていくみたいな、そういうことがしみじみと感じられて、ものすごくよくできたというか、ものすごく心に刺さるようなドキュメンタリーでしたね。
すごい見てよかったなというふうに思いました。
人生フルーツね。評判を聞いたことあるっていう人もあるかもしれませんけど、すごく僕は個人的にはいいドキュメンタリーだなと思ったので。
人生フルーツまだ見てない方はお勧めしたいと思います。
といったところで、今日はこのあたりで。おやすみなさい。
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