分詞の理解
お便りいただいております。好きな品種は動詞さんから、たくさんのギフトと一緒にいただきました。ありがとうございます。
志賀さん、こんにちは。こんにちは。様々な角度からの言語学トーク、毎回楽しいです。
ソシュールの名付けることによる半中化の発想が、東洋思想に通ずるというのも、なんとなくわかる気がします。
これはこの間のエピソードですね。 トークを聞いていて、文法用語も名付けて半中化の側面もあるかなと思いました。
なんとなくわかるけど定義を知りたいと常々思っている文法用語があります。 文詞です。品詞名だと思うのですが、分ける詞って何?と常々疑問に思いながらも、
教科書にこの場合は不完了分詞で表しますとあれば、そうなんだなと思うしかなく。 文法用語こそ外国人や研究者が学んだり研究したりするのに都合の良いように
半中化するためのものだと思うので、研究者によって言語によって文法用語がまちまちなのは仕方ないと思うのですが、
かなりの頻度で出てくるこの分詞、何なのでしょうか? シガさんのトークで触れてもらえたら嬉しいなぁということで、好きな品詞はどうした?
どうもお便りありがとうございます。 BGM、セイッ!
始まりましたシガ15のツボ。 心のドアをノックします。
順子です。 この分詞ですけど、英語にもありますよね。現在分詞と過去分詞で
要はingが現在分詞で、規則的な動詞であればedがつくのが過去分詞だっていうふうにありますが、
この分詞というのは僕の中では、 形容詞化した動詞っていうふうに考えております。
正確には形容詞の特性も動詞の特性も両方を合わせ持ったような形っていう感じで、
だから分詞っていうのは品詞ではないですね。一種の変化形というか、形の名前といった方がいいと思います。
品詞っていうのは、 語の持っている語彙的な特性によって
分けているようなものなので、 動詞の変化形ですね。
もっと言うと、 品詞が変わっているようにも思えるんですけど、多分分詞っていうのは
派生ではなくて屈折とみなされると思います。 その辺の話は一旦置いておいて、
一言で言えば形容詞化した動詞だと思いますね。 ですので、
a tall man 背の高い男みたいな、tall と同じように a running man って言ったら走ってる男っていうふうにこの running っていうのが形容詞として使われていますし、
形容詞としてというかね形容詞的に使われていますし、 あとは
a watch made in japan とか言えば日本で作られた 時計みたいに名詞を修飾しているのでこれも形容詞的です。
あとは現在分詞にしろ過去分詞にしろ それぞれ b 動詞と一緒に出てくれば
he's running で彼は走っているだし、つまり進行形ですね。 it is made in japan だったら日本で作られたっていう
受動体になるわけですよね。 これらの進行形と受動体では
分詞が b 動詞と一緒に出てこなきゃいけないということで、 その点でもね b 動詞と一緒に出なきゃいけないという点でも分詞は形容詞的と言えるかも
しれません。 ただ分詞っていうのは完全に形容詞になってしまったとも言えないと思います。
言語によるでしょうけど、英語だと現在分詞過去分詞っていうふうに、少なくともその名称に現在過去っていう点数が含まれてますが、
他の言語の分詞だったらもっと本格的に 時制が含まれている分詞っていうのもあるでしょうし、
あとは目的語を取れるとか、 a man reading a book とか言うと本を読んでる男っていうふうに目的語を取るというかなり
動詞らしい特徴も分詞にはあります。 まあそういうこともあって分詞というのは
形容詞っぽくなった動詞、そんなふうに言えるんじゃないかなと思います。
お便りにあったようにですね、分詞っていうのは結構
いろんな使われ方をしているんじゃないかなと思います。 そもそも分詞っていうのは英語で言うとこの participle ですけど、
それをヨーロッパ以外の言語に当てはめられるかどうかっていうのは結構慎重にならなきゃいけないとは思うんですよね。
不変化詞の役割
例えば、 現代日本語にはないですけど連体形っていうのもミオによってはparticiple ということができて、
韓国朝鮮語にはその連体形っていうのがありますが、 要は名詞を修飾する大言に連なるのが連体形なので、そういった意味では
そういうのをparticiple っていうこともあるんですよね。 まあそういう形容詞的に機能する動詞の
形のことを形動詞ということもあります。 日本語の感覚としてはこっちの方が何本かわかりやすい気もします。
形動詞とは別に副動詞っていうのもあって、そういう言い方をすることがあって、 副動詞っていうのは
副詞っぽく使われる動詞の形っていうことで、 日本語だと
手形とか、 読んでとか見てとかいう時の手の形が副動詞と言われたりもするんですよね。
この辺の用語が結構錯綜していて 混乱してしまうとこかなと思いますが、
分詞、形動詞、副動詞 この辺りのものは
動詞の形の一つではあるんですけど その
動詞からちょっとずれたようなものだと考えていいんではないかと思います。 そういったものには不定詞とかいうのも含まれるかもしれませんが
ちょっと分詞にまた話を戻しますけど、少なくとも分詞っていうのは
動詞の ある意味本来の使い方をしてないっていう感じで
動詞本来の使い方っていうのはヨーロッパの言語で言えば主語と一致するとか 法や時勢を示すとかそういったことがあると思うんですが
そういう特徴をいくらかなくしちゃって その述語として機能するという本来の役割ではなくて
形容詞と同じような使い方がされるのが分詞っていうのが 一番
シンプルな回答になるんじゃないかなと思います ただ英語でもそうですけど分詞公文とかいうのがあって
あれはどっちかというと副詞っぽく分詞が使われてますので まあ一筋縄ではいかないですねそう考えると
ひとまず分詞っていうのは品詞ではないです 変化形であってなんで分詞っていう名前になってるかどうかちょっとわかんないですが
その機能としては どんな言語であれ分詞と言われるものは
動詞本来の使われ方はしてないと思います 何か変わった使われ方をしているはずで
おそらく典型的には形容詞っぽく使われていると思います あるいは助動詞の助けを借りないとダメとかね
まあその辺は言語ごとに 詳しく見る必要があると思いますが
まあヨーロッパの言語で使われることが多い じゃないかなと思いますね
さっきもちょっと言いましたけど分詞は英語で participle なんですよね
でそれとよく似た用語で particle っていうのもあります で結構これはごっちゃになりがちです
つづりもすごく似てます で participle は分詞で particle っていうのは
小詩とか小さい詩と書いて小詩ですけど あるいは不変化詩とか言われることもあって
当然ヨーロッパの言語でこの用語も生まれたわけですけど 日本語の格助詞がとかをとかにとかでとか
そういったものが パーティクルと英語で紹介されることもあります
けど まあこのパーティクルっていうのもかなり危険というか注意する必要がある用語の一つじゃない
かなと思います この小字小詩
あるいは不変化詩に含まれるのは 全部文法要素なんですよねまずはね機能語と言ってもいいですけど
でかつ屈折しないもの不変化というぐらいですから形が変わらないで で小さいというぐらいなので短い音的に短い語が含まれるんですけど
文詞と同様にですね このパーティクルも
言語ごとに定められるものだと思います というわけで今日は結果的にパーティシプルとパーティクルの話ということになりました
まあこれ両方ね綴りがよく似ててごっちゃになりがちですが 結論としてはその言語ごとで
定義というかね何を指しているのかっていうのを確認しなきゃいけません けどパーティシプルっていうのは文詞で
形容詞っぽい動詞の形だと思ってくれてまずはいいんじゃないかと思います でパーティクルっていうのは形の変わらない小さい機能語だっていう
まあそんな感じですね それではまた次回のエピソードでお会いいたしましょう番組フォローも忘れずよろしくお願い
いたしますお相手は4月15でした またねー