1. 志賀十五の壺【10分言語学】
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2021-02-04 10:00

#261 お笑いの言語学 from Radiotalk

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#落ち着きある #ひとり語り #豆知識 #雑学 #教育
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2月16日で番組1周年を迎える志賀十五の壺、始まりました。
お祝いのメッセージやら、ギフトやらは、前後半年受け付けておりますので、どうぞお気軽にということでね、今日もやっていきましょう。
まずは、お便り読み上げたいと思います。
1通目は、ラジオネーム【うさぎチャンネル】さんからいただきました。
花の穴にの下り、面白いし、いろいろ見えてくる世界好き。またお願いします。
ということで、【うさぎチャンネル】さん、どうもありがとうございます。
これは朗読の回のものですね。
セメントダルの中の手紙を朗読した時のもので、なかなかあれは印象深い作品ですよね。
こうやってね、朗読の回にも感想いただけるっていうのは非常にありがたいことですね。
また機会があればどんどん朗読はしていこうと思うので、こちらこそどうぞよろしくお願いします。
ということで、【うさぎチャンネル】さん、どうもありがとうございます。
続きましてのお便りは、ラジオネーム【熟状忍者】さんからいただきました。
これラジオネームじゃねえのかな?本名かな?熟状忍者さんからいただきました。
第258回の比喩表現の3分類のお話、とても楽しく聞かせていただきました。勉強になりました。
さて、ここである比喩表現について気になったことがありましたので質問させてください。
よくあるプロポーズの表現で、「君の作った味噌汁を毎日飲みたい。」という言葉がありますが、これはミトニミーに該当しますか?
君の作った味噌汁を毎日飲むということと、君と結婚生活を送るということは、
寛容句としては伝送ゲーム的なつながりは認められる気がしますが、認知言語学の観点からは隣接性があるということはできるものでしょうか?
それともこのプロポーズ表現は、メタファーもしくはしねくどきに該当するものでしょうか?
シンガさんのお考えを聞かせていただきますとありがたいです。
ということで、塾上忍者さんどうもありがとうございます。
この比喩表現の3分類というのは、書いてくださっているように、メタファー、メトニミー、しねくどきというものですね。
詳しくは関連トークとしてURLを概要欄に貼っておくので、そちらもぜひ聞いていただけたらと思います。
これはね、なかなか面白い指摘ですね。
君の作った味噌汁を毎日飲みたい。
当然これは比喩表現となっていて、遠曲表現というかね、遠回しに結婚してくれということを表現しているわけですが、
それが認知言語学でどう扱われているかはどうだろうな。
03:02
僕が知っているのは、その単語レベルでそれがメタファーとして、メトニミーとして、しねくどきとして使われているというのは知っているんですけど、
この表現全体がそういったものになっているか、あるいは認知言語学で扱われているかというのは多分扱われているんだと思うんですけど、
自慢じゃないですけど、僕は認知言語学が苦手なんですよ。
まじで自慢じゃねえじゃねえかということなんですけど。
なのでちょっとあんまり下手なことは言えないんですよね。
多分研究はされていると思います。
今回のこの塾上忍者さんのお便りはすごいタイミングのいいときに送ってくださったもので、
というのもこの第258回で皮膚表現の話をしたときに、
当初話そうと思っていたことをすっかり忘れてしまっていたんですよね。
なんせ僕は台本がないので、よくあるんですよ。
最初話そうと思っていたことも後半になったら、なんか話そうと思っていたけどなみたいなのがよくあるんですよね。
で終わった後はしまったと思うわけなんですが、
まあいい機会なんで、その前回話そびれたことをお話ししようと思います。
というのが皮膚表現とお笑いの関係ですね。
お笑いの言語学といってもいいかもしれません。
まあ往々にしてね、こういうお笑いを分析すると途端につまんなくなるっていうのはよくあるんですよ。
ただまあ、一応なぜそういった言い回しとか表現におかしさを感じてしまうのかということを、
言語学的に分析できなくもないということですね。
端的に申し上げますと、人間は皮膚表現とか官用表現を文字通りに用いてしまったときに、
おかしさを感じるんですよね。
例えば熟状忍者さんが書いてくださった例でいうと、
毎日君の作った味噌汁が飲みたいと言われて、時給いくらなの?みたいな返しをすると、
これは結婚してほしいという裏の意味を受け取れてないということですよね。
文字通りに味噌汁を作るという解釈しかできていない。
そういうときにおかしさというのが出てくるんですよね。
もっと一般的に言うと、意思疎通ができていないということですけど、
その意思疎通ができていない原因として、皮膚的な表現、官用的な表現を文字通りに受け取ってしまっているからということですね。
こういうのは探せばいっぱいありますよ。
例えば、水かけろんになっちゃって、あたりが水浸しになっちゃったみたいなね。
これは実際にパンクブーブーの漫才であったと思うんですけど、
あるいは歩きすぎて足が棒になっちゃったってピノキオが言っちゃうみたいなね。
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お前もともと木だろうみたいなね。
そういうふうに文字通りに受け取ることのおかしさというのがあるんですよね。
これは多分言語とか文化を超えたお笑いの原理だと思います。
というのがね、トイストーリーという映画がありますよね。
ご存じない方はちょっとピンとこないかもしれないんですけど、
おもちゃの映画でウッディっていうカーボーイのおもちゃと、
バズっていう宇宙飛行士のおもちゃが軸となって物語が進んでいくんですけど、
僕も大好きな映画です。
そのトイストーリーの中で、ウッディがバズに手を貸してくれっていうシーンがあるんですよね。
おそらく英語だとGive me a handだと思うんですけど、
言われたバズは壊れた自分の手をポーンと投げ出すシーンがあるんですよ。
これもやっぱりGive me a handっていうのを文字通り受け取って手を貸したっていうね。
ここは日本語と同じような関用表現になってますけど、
こういうふうに言語や文化に関わらず、
関用表現や表現を文字通り受け取るっていうことはやっぱり面白いんだと思うんですよね。
普遍的だということです。
これに関連して思い出すのはね、
僕がよく行ってた、最近行けてないですけど行ってた鍋屋っていうかシャブシャブ屋さんがあって、
そこはいろんなタレを楽しめるんですよね。
そのタレの中にゴマダレっていうのがあって、
お好みでゴマを追加できますみたいな感じなんですよ。
それぞれ一人ずつすり鉢が用意されてて、
そこにゴマを入れて、おのおの自分ですって、
タレの中に入れると、
そのすりたてのゴマの風味を味わいながら、
シャブシャブなりお鍋なりが楽しめるっていうお店があるんですよね。
そこに後輩と行ったときに、その後輩がゴマをすりながら、
いや、先輩いつもかっこいいですよみたいなことを言ってきて、
これもやっぱりゴマをするっていうのを、
寛容的な意味と文字通りの意味で書けてるわけですけど、
やっぱりこういうのって口で説明するというか分析しちゃうと面白さって一気になくなっちゃうんですけど、
ここでもやっぱり同じ原理が働いてるということですね。
このお笑いの原理のいいところは、
誰でもできるということですね。
つまり特別なお笑いのセンスとかなくても、
寛容表現を文字通りに使えばおかしさが出るっていうことなんで、
やろうと思えば誰でもできることです。
あとこれのいいところは、ちょっと知的に見えるっていうことですね。
動きとか大声とかで笑いを起こしてるわけではないので、
09:04
ちょっとダジャレとかとも近いかもしれませんね。
その言葉を使っておかしさを出してるということなので。
というわけで、今までの話をまとめると、
寛容表現とか比喩的な表現を文字通りに用いたときに、
人間はおかしさを感じるっていうね、
一つこれは大きな原理だと思います。
そしてそれは割と言語や文化を超えた普遍的なものなんじゃないかとね、
そういうふうに思います。
というわけで、熟女忍者さんの質問には全然うまく答えられませんでしたが、
そこからね、いいように話が発展したというふうに解釈しましょう。
というわけで熟女忍者さんどうもありがとうございました。
ほいじゃ、今回のトークはここまでということで、
最後まで聞いてくださってありがとうございました。
また次回お会いしましょう。ごきげんよう。
10:00

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