1つ目はゾンベイトという釣り用のルアーです。
これは本当に今までなかった釣りアイテムで、魚をゾンビ化させて餌にするというルアーなんですよ。
具体的には、死んだ魚の口にうねうねと動く棒を突っ込んで、それで内部から魚を動作させて、まるで生きているかのように動かすという釣り用のアイテムです。
本物の魚を餌として使うわけですから、非常に効果的で大物を狙いやすいという特徴があるんです。
私は別に釣りとかしないんですけど、釣り好きの間では非常に話題になったようなんですけど、私最初にこれを見たとき、これって良いのかと一瞬感じたんですね。
自分でも結構不思議だったんだけど、巻き餌として死んだ魚を海にほっぽり出すのは何とも思わないんですけど、
その死んだ魚に棒を突っ込んで、生きているように振る舞わせるというのには、何でか自分の中の倫理センサーが働いて、これ倫理的に良いのかなと疑問に思ったわけです。
もちろん全くそう思わない人もいるでしょうけどね。
ちょっと話が逸れますけど、去年のイグノーベル賞でも死体に関する似たような研究があって、
それは雲の死体に空気を注入することで、雲の足の開く閉じるというのをコントロールして、雲の死体自体を物を掴むためのグリッパーとして使ってやろうという研究がありました。
これがイグノーベル賞を受賞したんですけど、その研究を見たときに、やっぱりね、なんかこの研究、これはこれで倫理的に問題ありそうだなぁとは思ったわけです。
これはね、やっぱり自分でも不思議に思ってさ。
例えば、私の妻なんかは家に雲が出た時って、私のとこに来て、ちょっと殺してくれと言ってくるわけですよ。
虫嫌いなんでね。
私は頼まれたんでね、殺虫剤を持って雲にシュッてかけて、何のためらいもなくですね、命を奪うわけですけど、
なんか死んだ後にグリッパーとしてコントロールされる雲を見ると、倫理的な問題を感じるんですね。
自分は殺虫剤を振りかけるのは何にも思わないのに。
こういう風に考えると、なんか自分の倫理観って全然当てにならんなとも思うんですけど、
倫理的な問題を感じるボーダーを自分なりに考えた時に、やっぱね、死体を操作するっていう部分に関してすごく引っかかるんですよ。
これなんでなんだろうなーって思いますよね。
ついでにちょっともう一つ話題になった事例っていうのを紹介したいと思います。
ネコドローンというものです。
なんとなく響きは可愛らしいんですけど、このチャプターに写真貼っておくんで見ておいてください。
可愛らしくはないですね。
これはね、死んでしまったアイネコをドローンに改造したという話です。
これはね、オランダのバートヤンスンさんという方が改造したんですけど、
事の始まりは彼の飼い猫が交通事故で命を落としてしまったことなんですよね。
アイネコの突然の死、これのせめてもの供養ということで、
バートさんはですね、その遺体の剥製をドローンに作り替え空を飛ばせるっていうことを思いつきます。
なぜという感じなんですけど、このあたりは飼い主とペットにしか分からない文脈があったのかもしれません。
参考にした資料を見ると、いきなり供養ということでドローンに作り替えることを決心しますとだけ書いてあるんでね。
内容も文章もちょっとぶっ飛んじゃってる感じなんですけど。
ただね、彼はドローンとかヘリコプターに関する知識っていうのが全くなかったんで、
エンジニアに頼んでですね、アイネコをドローンに改造するわけです。
アイネコはですね、無事にドローンとして空へ飛び立つことができたと。
その後彼は、アイネコのドローン化の成功を皮切りにですね、
その後はネズミとかダチョウとかサメとか様々な動物の死体をドローンに改造していくんです。
彼はどんなものでも空を飛んでいるときは最も素晴らしいんだと。
亡くなった動物たちに空を飛ぶという選択肢を与えたいと言ってるんですけど。
ちょっとこれ大丈夫かと思いますよね。
世界中でね、このドローンに関しては色々賛否があって、面白いとかね、アート的だという意見もある一方で、
もちろん不謹慎だとか、死への暴徳だという意見もあります。
冒頭で言ったように、姿勢感は人それぞれですけど、皆さんね、この発明についてどう思います?
面白い発明か、はたまた死への暴徳か。
私はね、こう自分の気持ちをやっぱ深掘りしていくと、
まあちょっとね、死への暴徳に近いんじゃないかなと思ってしまう節があります。
結局ね、どう考えているのかなって自分の中で考えた時に、
結局は自分が死んだ時にそれをされたらどう思うか、その視点で判断しているんじゃないかなと思います。
死んだ後とはいえね、自分の意思以外で体が動いて行動するっていうのはやっぱ嫌だよね。
なんかね、打足だなって思ってしまいます。
まるで完結した名作映画に対して不適な続編を作るようなね、傲慢さ、そういうものを感じます。
生は死をもって完成されると、そういう感覚があるんでね。
死んだ後に余計なものがくっつくっていうのは、やっぱ打足というかね、
それはそれまで生きてきた生に対する暴徳だなと感じてしまう部分はあります。
もちろんね、これは私の感覚なんでね、正しいんだ間違ってるんだっていう議論をするつもりは全くないんですけど、
こういったものづくりを見て、あなた自身がどう感じるか、なぜそう感じるのか、
これを考えてみてほしいなと思いました。
そうすることでやっぱ自分が無意識化に持っている倫理の視点っていうのが見えてくるかもしれませんよ。
ちなみに中国の生成AIの話は私はありだと思いました。
それを遺族が望んでいるのであれば、私が生成AIで復活させられるってことに関しては全然問題ないなと感じます。
その理論でいけば、例えば自分の主体を白線したりとか、ロボットにしたりして動かすっていうことも、
遺族が望んでいたらOKとなるはずなんですけど、やっぱりそれだけは違和感があって嫌なんですね。
この感覚は未だに何なんだろうかってよくわかんないんですけど、
自分の体を物として動かされるのはね、それが遺族の望みであってもなんか嫌だなって感じますね。
生成AIで生成されるのはなんか全然いいんですけど、このボーダーはね、未だにちょっと自分の中でよくわかんないです。
是非ともですね、ものづくりと姿勢感に関してあなたの意見もコメントに書いていただけると嬉しいです。
車で衝突するための歯科を作る研究。
世の中にはですね、いろいろな分野の技術者がいます。
SNSを見渡してもいろんな専門性を持った優秀な人たちがたくさんいます。
そんな素晴らしい世界なんですが、優秀ゆえに行き過ぎちゃって、独特な視点を持った技術者っていうのもいるんですね。
というわけで今日はイグノーベル賞の話をしたいと思います。
このものづくりの視点でですね、シリーズ化しているものづくりイグノーベル賞を紹介する回でございます。
地味に評判が良くてですね、人気回となっています。
今回もね、イグノーベル賞の変なものづくり紹介していきたいと思います。
毎度話してますけども、まず最初にイグノーベル賞とは何かを軽く説明します。
イグノーベル賞はノーベル賞のパロディーとして人々を笑わせ、そして考えさせられる研究に対して贈られるものです。
1991年から行われていて、毎年9月に受賞者が発表されます。
結構ね、歴史は長いんです。
僕が1989年生まれなんで、僕のにこしたですねと毎回言ってますけども、
まあそういう感じで歴史は長いんですけど、
当たり前なんですが、本家のノーベル賞とは全く関係のないパロディーの賞でございます。
このイグノーベル賞では毎回10部門程度が選ばれるんですが、
今回紹介する内容は過去にイグノーベル賞を受賞した研究です。
これね、かなり新しい研究なんですけど、
2022年、だから2年前のイグノーベル賞ですね。
そこで安全工学部門として受賞した研究で、
衝突試験用のヘラジカ型ダミーを開発したことに対してという理由で受賞しております。
なんのこっちゃって感じですよね。
前のイグノーベル賞はここの受賞理由だけ見てもよくわかんないんです。
というわけで説明していくんですけど、まずちょっと話を変えますけど、
皆さんはですね、交通事故って起こしたことありますか?
まあないにこしたことはないんですけど、
事故なんでね、運転してればどうしても起こってしまいます。
そして田舎だとよく頻発するのが動物との接触事故なんですよ。
犬とか狸とか猿とかひいちゃったとかね。
まあそういうのもすごく嫌なんだけど、
例えばイノシシとかクマとかの大型動物と衝突しちゃったよっていうこともあるわけ。
そういう動物だと車の方が大破したりとか、
運転手が大きな怪我をしたりするんですよね。
私の知人でもね、通勤中にイノシシが飛び出してきて、
それを引いてしまって、イノシシはすごい何事もなく去っていったんだけど、
車ベコベコになって、しかも廃車になってしまったみたいな、
そういうかわいそうな人がいました。
動物が自動車保険に入っているわけもないので、
自損扱いとね、自分の車両保険で対応するしかないっていう感じでね、
すごいかわいそうだったんですけど、
こんな感じで動物を巻き込んだ事故っていうのは結構あるわけです。
今話したのは日本の話なんですけど、
この問題ってね、海外だともっと深刻なんですね。
今日紹介するイグノーベル賞の研究っていうのは、
この問題を解決するための研究です。
今回紹介するイグノーベル賞の研究で作られたものっていうのが、
衝突試験用のヘラジカのダミーと、
さっきも言いましたけどね、
このチャプターに写真貼っておきますけど、
見てもらえばわかるんですけど、
見た目はね、かなりチープです。
何これ?みたいなね。
幼稚園児か小学生、低学年が作ったオブジェみたいな感じなんですけど、
これがですね、今回イグノーベル賞を受賞したものです。
これは衝突試験に使うためのヘラジカのダミーなんですね。
さっきも言ったんですけど。
そのヘラジカっていうのはですね、
ムースと呼ばれるヘラジカで、
体長は2メートルから3メートル、
体重は600キロから800キロっていうね、
もう我々がイメージするシカとは全然違う。
めちゃくちゃでかい。
もう軽トラみたいなシカですよね。
こんな化け物みたいな動物がですね、
スカンジナビアの森林では非常に多く生息してるんですね。
スウェーデンでは年間3万件の動物との衝突事故っていうのが報告されていて、
その中でも超巨大ヘラジカ、ムースとの衝突事故っていうのがね、
一番やばい。
とにかく問題になってるらしいです。
そりゃあこの巨大にぶつかってったらね、
車の方もただじゃ済まないですよね。
ちなみにね、国ごとにこのぶつかる動物って結構特色があって、
オーストラリアだとやっぱカンガルーが一番ぶつかってくるみたいで、
中東とか北アフリカだとラクダ、
北ヨーロッパ、北アメリカ、シベリアではこのムースっていうね、
でっかいシカがよく事故の原因になるみたいです。
特にね、体の作り的にこのムースとの衝突っていうのがかなり厄介らしくて、
皆さんシカをね、イメージしてもらえばわかるんだけど、
でかいとはいえシカですね。
すごい胴体があって結構足は細めなんです。
それが体長2メートルか3メートルくらいの大きさで、
道路に出てきたと考えるとですね、
それを引いちゃうと何が起こるかっていうと、
自動車、セダンタイプであれば先にムースの足にボンネットのところがバーンって当たるんですよね。
そうするとムースが足をすくわれた形でひっくり返ってボンネットの上に乗ってくるんですよ。
その一番重い巨体の部分がね。
そうするとそれがそのままね、窓ガラス突き破って車内に侵入してくるんですよ。
で乗客に大きな危険とか危害を与えると。
そういうパターンで非常に悲惨な事故がいっぱい起こっているんです。
なので車両設計においてこういう事故から乗客を守るための工夫が必要だよねっていうことが訴えられているわけですね。
でまあそのねどういう形にすれば守れるのかっていう検証を当然する必要があるんです。
なのでこのムースのダミーが必要なんです。
そのダミーを使って衝突事故を再現して対策していくしかないんです。
じゃあさっさとダミー作ればいいじゃんって話したんだけど実はこれが非常に難しいんですね。
じゃあ死角を再現しましょうってなってもやっぱり形だけじゃなくて重心位置とか強度柔らかさ硬さっていうのも厳密に再現しないといけないです。
あと1回衝突試験やっただけで壊れちゃうようであればやっぱダミーとしては成り立ってないわけです。
なのでこの研究ではムースの体を物体と捉えてですねその物理的特性を完全再現しつつテスト用のダミーとしての強度を持たせるっていうね結構ね技術的にも実用的かつトリッキーな取り組みをしております。
研究者はですねムースの物理的特性をよく理解するためにまず動物園に訪問しました。
でそこで最近死亡したですね本当にまだ暖かい状態のムースを徹底的に分解して物性を測定して鹿類の体の構造についてね調べ上げたんです。
体の構造について調べるっていうとやっぱねなんか生物学的に臓器がこうあってみたいなことを想像するんだけどこの研究チームは本当体の構造じゃなくて硬さとかね弾力とかねとにかくものとして物質としての強度面を徹底的に調べるっていうねなかなか珍しい視点の調査をしています。
そしてねこう調べたデータをもとにそれを再現するために116枚のゴム板を重ねてですねそれを専用フレームに巻きつけてヘラジカムースのですねダミーを作成したと。
まあそれがさっきチャプターに貼ってたですねハリボテみたいなちょっとクオリティの低いダミーなんですけどあれで完成形なんですね。
見た目はどうあれね結構しっかり考えられてるなと思ったのはこのダミーを世界展開することを考えて作る上でサプライチェーンのことを結構考えてるんですよ。
とにかく全国各地で手に入る材料で作れるようにということで入手制を考慮した設計になってます。
なんでゴム板を100枚以上重ねるっていうことで一般的に入手できる材料で再現するとそこにこだわってるんですね。
使われてるのはトレルボルグっていうですね会社のゴムが使われてます。
トレルボルグは結構有名なメーカーですよね。
工作機械でもシールとかVリングとかによく使われてますし僕もね自分の設計でトレルボルグのシールとか使ったことあります。
もともとは重い岩とか運搬するときにトラックの荷台とかに敷くようなね専用のゴム板みたいのがあるんですけどこれを使ってムースの体を再現したということです。
製作したダミーはですね衝突試験を行った結果ですね非常に満足のいくデータが取れたと。
衝突させた車はですね実際に本物のムースに衝突したかのような破壊の仕方をしたということで大成功です。
かつダミーはですね何回衝突試験をしたとしても耐え切ることができたと。
ちなみにこの衝突実験っていうのはねダミーに対して70キロとあと90キロで車を正面衝突させるっていう結構なスピードで突っ込ませてます。
それでも壊れないのってやっぱすごいですよね。
この研究で開発したダミーのノウハウっていうのは他の動物にもね展開可能で例えばカンガルーとかラクダとか馬のダミーも同じノウハウで作れるとのことです。
ただ改善点としては今回のムースのダミーっていうのは見てわかる通り首がなくて胴体だけなんですよ。
より正確に衝突を再現するんであればやっぱ首とか頭っていうのもね再現した方がいいよと論文には書いてあるんですけど。
じゃあなんでそもそも作らなかったんだっていうところがね正直よくわかんないんですけどそこが課題として残ってます。
生き物の構造からものづくりを学ぶ。
いきなりですけど皆さんは何か新しいことを考えようと思った時に全くのゼロから何かを考えることってありますか?
これってね意外と少ないというかほとんどないと思います。
必ず何かを参考にするはずです。
近い事例を調べたりとか競合の商品調べたりとかね。
とにかくベースとして参考にできるものとか考え方そういうものがないかなぁと探すはずなんですね。
ものづくりの世界でも言わずもがなそういったことはよく行われます。
今日は参考にするという意味でちょっと変わったものづくりの視点を紹介します。
生き物の形を参考にするという考え方生物模倣バイオミメティクスというものについて紹介していきます。
今回ねこの話をする上で元とした記事があってそれは毎月私の元に送られてきている技術士会の開始です。
技術士会に入っているとね毎月開始が送られてきてそこに結構ね面白い技術のあれこれが書いてあるんですね。
今月はねこのバイオミメティクスについて書いてある記事があってそれがねかなり面白いなと思ったんで紹介させていただきます。
そもそもバイオミメティクスってなんじゃらおいって話なんですけど日本語で言えば生物模倣となります。
定義としては生物の構造や機能生産プロセスを観察分析しそこから着想を得て新しい技術の開発やものづくりに生かす科学技術の総称ということです。
用語としては1950年にねアメリカの神経生物学者のオットーシュミット氏っていうのはこのバイオミメティクスという言葉を生み出したとのことで
この概念が生まれてからは70年ほどしか経ってないという考え方ですね。
ほどしかというか70年をね長いと見るか短いと見るかこれをどう捉えるかですけど70年だったらね比較的新しい概念だと言ってもいいんじゃないかなと思います。
例えばバイオミメティクスのわかりやすい例としては身近な例で言うとねあのマジックテープとかです。
あれってオナモミノミっていうねあの服によく着くチクチクの玉みたいなやつあるじゃん。雑草のね。
あれから着想を得てマジックテープっていうのが生まれたんであれもバイオミメティクスの産物なんですね。
あと夏に出てくるね鬱陶しい虫の蚊いるじゃないですか蚊。血を吸うやつね。
あいつの口の形状を参考にして痛くない注射器を生み出したとかあとヨーグルトの蓋ね。
ヨーグルトの蓋の裏の形状ってよく見ると凹凸になっててヨーグルトが蓋の裏にベチャってくっつくのをなるべく少なくしようって工夫がされてるんですけど。
それもね元をたどるとこの蓮の葉の表面の形状を参考にして凹凸をつけてると。
それでヨーグルトを弾くような構造にしてるらしいですね。
そんな感じのものがね身近なバイオミメティクスの例です。
このように生物の形に着想を得てものづくりに生かすっていうねすごい面白い考え方なんですよ。
技術司会の開始ではまだ活用されてないんだけど今絶賛研究中ですよっていうバイオミメティクスの技術の話があったんで今回はねそれを紹介していきたいと思います。
一つ目のタイトルが多構成材料による流体の制御ということでねなかなかタイトルは物々しいんですけど。
簡単に言うと鳥とか虫の羽根の表面形状を参考にして流体の制御ができないかと。
そういう研究ですね。
虫とか鳥の羽根って多構質なんですよね。
多構質っていうのはつまりね表面に小さな穴がボコボコと空いている状態ってことです。
例えるならばスポンジみたいな形状を想像してもらえればいいかなと思います。
多構成材料っていうのはそんなスポンジみたいな構造をしつつもプニプニはしてなくて適度な硬さを持った材料。
それを多構成材料と言います。
この材料何が優れてるかって言ったら音響性能がいいらしいんですね。
つまり音を通しやすいということです。
だけど流体は通さないんですね。
これまでの材料って音を通しやすい材料っていうのは必ず流体も透過させてしまうという性質を持ってたらしいんですよ。
でも羽根を参考にした多構質材料っていうのは音は通すけど流体は通さないっていう面白い特性を持っているわけです。
なんでその特性を利用して騒音の低減ができないかという研究が行われています。
例えばアルミの角柱と多構質材料で作った同じサイズの角柱を並べて実験した結果、その角柱に風を当てるとアルミの場合は渦が発生して空気が乱れてしまうけど
多構成材料の場合は渦の発生がかなり小さくなったみたいです。
さらには騒音もアルミに比べて20dB以上小さくなったらしいんですよ。
こういった流体と騒音の研究って今までもいろいろ行われてきたわけだけど、これまではあんまり大きな成果っていうのは得られてなかったようです。
物体の表面の粗さを変えてみたりとか形状を頑張って変えてみたりとか、ある意味でそうあたり的にいろいろ取り組んでみたもののなかなか成果が出ないという日々が続いてたらしいんですけど、
このバイオミメティクスの考え方で羽の形状を模倣することで研究が一気に済んだらしいんですね。
この研究はまだ途中で、今後この技術をどのように活かせるかというのをいろいろ実験している最中とのことです。
これもなんか面白いよね。僕もあんまり死生物のことは詳しくないんだけどさ、鳥とか虫って当然羽ばたいて飛ぶんで、
この流体を透過させずにしっかり空気をつかむっていうことは効率的に飛ぶために必要な能力じゃないですか。
あとね、羽ばたくときにバサバサバサバサっと騒音を立ててしまったら天敵に見つかったりとか、
あと餌に逃げられたりするわけじゃないですか。だから空気を捉えつつもこの音を透過させるっていうのは、
ある意味こう生物的にね、なんか進化した結果でそうなっているのかなと思って、
これ全然僕の感想ですけど、そこに着目してものづくりにいかそうっていうね、この視点がなかなか面白いですよね。
2つ目が高難層を持つ材料による機械振動低減ということでね、これもまたタイトルが物々しいんですけど、
高難層っていうのは硬い柔らかい層と書いて高難層です。これはね昆虫の構造に注目した研究です。
どういうところに注目したかといえば、昆虫の振動減衰性、つまり振動を発散させる能力に注目したらしいんですね。
昆虫ってさ、過酷な環境で生きてて、基本的に奴らってどっかに捕まってるわけじゃん。葉っぱとか木とかね。
そういうものってね、風でめっちゃ振動するわけね。昆虫は当然それに頑張ってしがみついているわけです。
地面に落ちたらね、天敵に食べられてしまう可能性もありますからね。でも頑張ってしがみついてなきゃいけないっていう状態だとすごく都合が悪いんですね。
大半どっかに捕まって過ごしてるじゃないですか、昆虫って。なんでこうしがみつくのにエネルギーを使ってたら効率が悪いわけですね。
じゃあ昆虫の体ってどうなってるのが理想的なのかって言えば、体自体で振動を吸収したいわけですね。
イメージすればわかるんだけど、振動を吸収するのに一番手っ取り早い形状って柔らかいことなんですよ。
体がプニプニであれば、外から振動を加えられてもプルプルプルフッと減衰することができるんです。
ただ柔らかいのが柔らかいのでまた問題があって、体が柔らかいと動きが鈍くなるんですね。
天敵に襲われた時にパッと動いたりとか、カサカサカサっと瞬時に移動するあの独特の速さを出すことができないんです。
だから昆虫の体って減衰性は高くてかつ柔らかすぎない構造がベストなんですよ。
ちゃんとそれを実現しているんですね。
具体的には柔らかい部分とめっちゃ硬い部分っていうのが昆虫の体の中にはまだらに分布している、そういう構造になっています。
これにより昆虫は振動を減衰しつつスピーディーな動きを可能としているわけですね。
研究者たちはここに目をつけて、この昆虫の構造を機械の振動低減に使えないかと考えたわけです。
実際に硬い部分と柔らかい部分を分布させた昆虫を模擬したポリマー材料を作っていろいろと実験して、
この剛性と減衰性を合わせ持つ材料っていうのを開発中らしいです。
これは今絶賛やっている最中らしいんですけど、この材料が例えば実現すればどんなところに使えるかというと、
車の座席のシートの下とか、車からの振動をドライバーになるべく伝えないようにするとか、そんな感じの活用もあると書いてありましたけど、