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こんにちは、大橋です。
前回は、見通しや保証がないからこそ、次に進めるという話をしました。
都合二つの会社で仕事をしてきて、いずれも今は辞めているわけですけれども、
そして、いずれも辞めるときは、見通しや保証がなかった、だからこそ思い切って辞めることができたという話だったんですね。
この見通しや保証がないということについては、会社を辞めるときに限らず、いろいろな場面で見通しや保証がない方がうまくいくんじゃないかと僕は考えています。
ちょっと思い出すのが、昔話にあるこぶとりじいさんというのがあるんですけれども、ご存知の方も多いと思いますけれども、
この話が実に示唆に富むというか、参考になるんですね。
簡単にあらすじを紹介しますと、登場人物としてはおじいさんが二人出てくるんですね。
仮に爺さんAと爺さんBというふうにしまして、まず爺さんAは右のほうにこぶができていて、このこぶをなんとかしたいなというふうに悩んでいると。
そんな爺さんAがある日、芝刈りに行ったときに、その途中で鬼たちの宴会に遭遇すると。
鬼たちが宴会をしている、酒盛りをしているシーンに出くわすんですね。
その鬼たちが歌ったり踊ったりしながら飲み会をしているので、その様子が非常に面白く感じて、鬼たちの囃子が面白く感じて、
この爺さんAは連られてこの鬼たちの前に出て行って、踊ってみせるんですね。
そうすると鬼たちはこの爺さんAを見て、なんだこの爺さん、面白いじゃないかということで気に入って、
すっかり気に入ったので、この爺さん、明日も来てここで踊ってくれというふうにリクエストをしたと。
その時に自分たちは鬼なので、そうは言っても明日も来いと言っても来ないかもしれないと。
そこで約束のカタ、約束の印として、頬にあったこぶを取られるということで、こぶを預かるからこのこぶを返してほしければまた明日来いよなということを言うわけですね。
結果的にこの爺さんAは、積年の悩みであったこのこぶを取ってもらえたと。
取ってほしくて踊ったわけではないんですけれども、ひょんなことから自分の悩みが消えてしまったと。
この話を聞いた今度はこの爺さんBですね。
この爺さんBは左側のほうにこぶがあるんですね。
この爺さんAがどうやら鬼たちにうまいことこぶを取ってもらえたという話を聞いて、
俺も同じようにこぶを取ってもらいたいから爺さんAの真似をするかということで同じ場所に出かけるんですね。
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そして同じように鬼たちは逆盛りをしていますので、そこで爺さんAに習って爺さんAがやったように爺さんBもそこで踊ってみせるんですね。
なんですけれども、残念ながら爺さんBは爺さんAと違って踊りの心得がなかったようで鬼たちからは不評を買うと。
全然ダメじゃないかと。下手くそだということで。
その結果、当然、もう帰れということで鬼からしたら爺さんAと爺さんBは区別がつかないんですね。
このこぶを返すから早く帰れということで追い払われてしまうと。
そうなると爺さんBはどうなったかというと、左側にこぶがあった上にさらに爺さんAのこぶを鬼から返されてしまって、返すというか新たに加えられてしまう。
その結果、爺さんBは左側にも右側にもこぶができてしまって、鬼の逆鱗に触れてしまったのでほうほうのていで逃げ返るというストーリーなんですね。
ここで分かることは、爺さんBは爺さんAと同じように振る舞ったにも関わらず、爺さんAと同じ結果が得られなかったばかりか、さらにこぶが増えてしまうというやぶ蛇になるという展開ですね。
ここから分かる教訓としては、爺さんBとしては爺さんAと同じ爺さんAという成功者の通りに実行したにも関わらず、爺さんAのようにはうまくいかなかったわけですよね。
一方、爺さんAはそういった前例がない中で、こういう風にしたら自分のこぶを取ってもらえるんじゃないかなという風に期待をして、つまり見通しや保証があったわけではないところで、
単純に鬼たちの囃子が面白かったから、ついつい体の方が勝手に動いて踊り始めてしまったと。
でもその結果、その踊りがたまたま鬼の好評を得て、面白いじゃないかということでリピートオーダーをもらったと。
実際にリピートオーダーに応じたかは書かれていないからわからないんですけれども。
その結果、思わぬ成果としてこぶを取ってもらったということで、これは思わぬ成功ですよね。
見通しや保証がなかったからこそ得られた成果かなと。
もちろん、ついつい面白いからといって踊り始めた結果、鬼たちから何だお前はということで、もしかしたら鬼に食われてしまうというバッドエンドもあったかもしれないですよね。
こぶももちろん取られることなく、食われてしまえば一緒ですけれども。
そういうこともあったわけで、これは要するにリスクを取ったからこそ得られたリターンということではあるんですけれども、
でも既にうまくいった実績があるということをもって、これだったら安全だからこの方法を取ろうとすることが本当にいいのかということはちょっと疑わしいというか、
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僕自身は見通しや保証がないから動いたというわけではなくて、わからないからこそうっかり動いてしまったと。
これはまさに爺さんAと同じ行動原理なんですけれども、そういうふうにしてやってきたので、
僕の中ではこういう爺さんA的な動き方というのが好きというか、どっちか選ぶと言われたら爺さんAを選ぶというふうにしているので、
そんな感じで、もし何か人生で選択に迫られることがあったら、見通しや保証がない方を選んだ方が、もしかしたらうまくいくことがあるんじゃないかなという話ですね。
ということで、今日も聞いていただきありがとうございます。