蒲田へ
はい、シェアする落語のshikeです。10月21日、この日はですね、深賀東京モダン館に、で、りゅうてい一堂さん聞いた後に、そのまま、東西線で日本橋に乗り換えて、銀座線新橋に出まして、また乗り換えて、京浜東北線、蒲田にやって参りました。久しぶりでございますね、蒲田。
蒲田に来たというのはどういうことかというと、三遊亭司師匠の独演会に来たというわけでございます。会場がですね、アプリコっていう大田区の施設らしいんですが、ここはなんと昔ですね、松竹蒲田撮影所があったんだそうですよ。へーっていう感じですね、蒲田行進曲ですよね。
オープニングでですね、まだジャケット姿のお着物に着替えていない司師匠がご登場されまして、立ちでトーク、いろんなご出演者のご紹介などがあったりなんかしました。
うん、面白かったですね。やっぱりこういうところに平場で話しても、ただ、座らないと喋りにくいみたいな話をされていて、立って喋るならむしろ歩きながら喋った方がいいみたいなことをおっしゃってて、これはなかなか面白かったですね。
で、その司師匠に紹介される形で、柳家花ごめさん、来年秋かな、真打昇進されるということで、私初めてかな、実にさっぱりしてて聞きやすいことですね。
うん、いい感じ。ただ、さっぱりしてて聞きやすくて、その口跡すごく綺麗で、サラサラサラって言っちゃうんで、たまに噛んだのがちょっと目立っちゃうっていうのがかわいそうな感じはしましたけども、いいです。素敵な落語家さんです。
ネタは星野家。なんでしょうね、丁寧なんですよね。言葉がちょっと多めで、セリフの言葉がちょっと補われてる感じでですね、非常に丁寧で、これ落語初めて聞く方なんかにもこの星野家は聞きやすいんじゃないでしょうかね。
非常に細かい、丁寧な話の運びをされる方だなというような印象でした。で、その後ですね、司司将登場でございます。一世懸命がなんと初演なんですが、ネタ押しなんですけど、撤回。撤回はね、あまりやらんでしょう。
好きなんですけど、この話好きな人結構多いと思うんですけど、有名なのは家本立川男子ですか。あと、司司将の司将は四代目三木助ですね。三代目三木助が撤回を得意にしてたらしい。そんなこともあっての撤回なんですが、楽しかったですね。やっぱりこの話はいいですよね。ばっかばっかしくて。
ものすごくSFっぽいところもありながら、基本的にはよくって止められないよねっていうような感じの話でございますね。あとね、若手で立川翔二さんがやってます。これはもう完全に翔二ワールドのアレンジになってましたけども。
いやーでも撤回なんて本当ね、聞けるだけラッキーみたいな感じで、僕も好きな話なんでとっても楽しかったです。やっぱあの詐欺好きですね。
で、仲入りを挟みまして、今度はですね、三味線漫談。立花屋吉之助将のお弟子さん、立花屋天音さん。なんとですね、この天音ってひらがななんですけど、御本名だそうです。これちょっとびっくりですね。
あの芸衆としては、たぶん三味線漫談といった方がわかりやすいと思うんですが、あえて首相から民謡と名乗ると言われてるらしくて。ただネタ的には、その地方の民謡、昔あの大野重久さんが司会してたね、金管の民謡ののど自慢がありましたけど、そんなの誰も覚えてないか。
民謡というよりですね、何でしょうね。民謡も入ってましたけども、これがまた複雑で、新民謡っていうのか、中山新平作曲の天竜下れ歯かな。当時一丸さん、芸者のお姉さんですよね。歌手で有名な一丸さんが歌ってたやつから。
新しいところから古いところへさかのぼる構成になってて。すみません、2曲目がすごい良かったんだけど、2曲目のタイトルが思い出せないんですよ。それでね、その後、どこへ行ったんだっけ。
しののめ武士だ。しののめ武士。これは名古屋の民謡だったんですが、替え歌が流行って全国的に大ヒットしたみたいな、そんなやつで。で、最後が品川人句なので、しののめ武士、品川人句が入ってくると、三味線漫談って言った方がイメージはしやすいと思うんですが、
かえってここで民謡というふうに芸衆を名乗るっていうのは、キツノスキ師匠がそういうふうにしなさいと言ったという話らしいので、これちょっと差別化戦略なのかなっていう。で、この天音さんなんですけど、私も初めて聞きましたが、まず花がある。とっても花がある。これがとってもいいですね。
落語落語落語で続いた時にこういう人が出てきてパッと明るくなるのがいいなぁみたいな。今そういうポジションって林あずみさんとかね、そんな感じだと思いますけど、とってもいいなというふうに思いました。三味線が一箇所ちょっと怪しかったですね。三味線が一箇所ちょっと怪しいなぁと思って、でもそれは黙っとこうかなと思ったら本人が白状してました。
司師匠の珍しいザコ八の演目
そんなところも可愛かったりして。人気が出そうな感じでございます。いろんな落語界でね、こういう方が出てくるとなんかいい雰囲気になるなぁと思って。で、そのいい雰囲気になったところでですね、司師匠二席目がこれも珍しいざこ八。
もともとね、上方の話、江戸落語 もと上方の話いっぱいありますけども、僕が聴いたのはね、先代の笑福亭松喬師匠。だからあれですね、六代目笑福亭松鶴直系の方ですね。
たぶん六代目正福が確かやってたんだと思いますね、このザコ八という話は。で、もともとは髪型の男が江戸に行って、失踪して江戸に行って10年経って戻ってくるって話だったので、髪型言葉の中に江戸言葉がスパーンと入ってくるんですよ。
タン掛けるところが江戸言葉になってて、そこがかっこいいんですけど、やっぱり東京でやるときは全部江戸言葉ですね。そういう感じなんだって、江戸版で初めて聞いたので。
で、このザコ八っていうのは不思議な話で、通しでやるとわけわかんないですね。前半はシリアスな人情話なんですけど、後半がよくわかんない滑稽話になってて。
これを通しでやるのもまたそれはそれで味なんですけど、先代書教師はその通しでやってましたけど、やる前になんでこの話をみんなやらないかって言うとあんまり面白くないからだって言ってましたね。
で、司書はやっぱり江戸前のこの風をスッと吹かせて、これすごく字が足りが多いんですよ。字話とは言い切れないと思うんですけど、そこがスパンスパンスパーンと入っているのがとっても気持ちいい。
後半のその滑稽な部分は全部カットして、松下がお店が大棚が復活するというおめでたいお話として仕上げられていて、非常に気持ちよかったですね。
こういうのはね、またあれですよね。寄せでやっても受ける。取りだと受けんじゃないかな。
だからあそこで切っちゃうんであれば、おめでたい話としてまとめちゃうんであれば、結構あちこちで使えそうなネタじゃないかなというふうに思いますね。
多くの方にもっと司書のこのザコ八、朝起の撤回も聞いていただきたいですね。
今回初めてこの鎌田の会場に行ってみて、お客さんすごいいっぱい入ってて、
あまり予約をプッシュしてる感じはなかったので、僕みたいに当日で来ちゃった人が多かったらしくて、すごい入りが良くて、それに司書がご自身が驚いてたというのがちょっとオープニングトークにありました。
あとこれだけははっきり申し上げたいんですが、これだけのメンバーを集めて、これだけ楽しませていただいて、軌道線がこれだけというのは、はっきり言って僕のようなしょぼい会を、しょぼいとか言っちゃいけませんね。
小規模な会をやってる人間にとってはですね、ちょっと営業妨害じゃないかなというふうに思います。
もうちょっと高くしてもお客さんが来ると思います。ご本人がそういうことをおっしゃってたんで、あえて作り加えさせていただきますが。
司書、またね、この回も4年ぶりとかだったのかな。で、復活ということでございますので、今後また定期的に仕掛けられていくというお話らしいですし、また池袋園芸場とかでね、会をやられるようなこともあるらしいんで、
ぜひね、聴いてみていただきたい。参入亭司書、聴いてみていただきたいなというふうに思います。シェアする落語のしけでした。ではまた。