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2023-05-29 17:13

【第84回】新宿末廣亭深夜寄席(芸協)23/5/27

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芸協では3年ぶりの深夜寄席。
先月の落語協会に比べると粗い感じは否めないものの、癖の強さと未完成な個性が面白くて、深夜寄席の原点に帰った感じはなかなかな悪くないですよ。
桂伸べえさんの「滑舌が悪いところから生まれるリズム」は唯一無二。頭の中が揺さぶられて少々疲れますけど、面白いっす。
#落語
#深夜寄席
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新作「リボン」
はい、シェアする落語のshikeです。
5月27日、滝川こいはちしょうの鳥の芝居を聞いた後に、
一回、水ヘルテの表に出まして、コンビニでちょっと買い物をして、また戻ってきての深夜寄せ。
復活しました、深夜寄せでございますね。
先月、落語協会の深夜寄せが復活3年ぶりをやった後、今月は落語芸術協会の深夜寄せということで、
昔は毎週やってたんですけど、様子見というか、毎月1回交互という形になっているみたいです。
ということで、お一人目が、しゅんぷうてい しょうすけさん。
僕、この人ね、たぶん、ラジオトークの廃人かな?のフリートークぐらいしか聞いたことがなくて、面白い人だなと思ってたんですけど、
やっぱりここは新作ですよね。リボンという新作なんですけど、
なんていうかね、すごくよくできているんですよ。すごくよくできていて、
詐欺もとても落語らしい詐欺がついていて、いいんですよ。
僕が特に好きなのが、サラリーマンものといえばサラリーマンものなんですけど、
サラリーマンが1人悪魔に魂を売るっていう話なんですけど、
悪魔に魂を売った話として、ロバート・ジョンソンでしたっけ?ブルースのクロスロード伝説の人ですね。
悪魔に魂を売ってギター上手くなったみたいな、でも早めに死んじゃったみたいな人ですね。
ジャニス・ジョップリンとか、最初はゲーテのファーストを出したりしてくる。
そこで悪魔と人間の関係を出していくのを畳み掛けるようにやるあたりは、
あの辺はすごい大好きなんですけど、ただ全体的に情報量が多すぎるんじゃないかな。
面白いんだけど、ちょっと一石二鳥お腹いっぱいっぽくなっちゃうのがもったいないなっていう感じがしますね。
ただ才能はあるので、もうちょっといろいろ聞いてみたい感じですね。
芸教の弟子・立川誠孝
続いてお二人目が立川ですよ。
ついに私もこの芸教の立川断高師匠に弟子入りしたお弟子さんの話を聞くことができました。
立川誠孝さんというですね。
あのやっぱりね、断高師匠のところに弟子入りするぐらいですから。
またその断高師匠が教えてるお弟子さんですから。
しっかりしてますよね。
おいくつかわかんないけど顔は若い感じだし、将来性は感じるんですが、
申し訳ないけどね、ちょっと声質が僕の耳にフィットしない。
これはもう本当に声質って好みなんで申し訳ないなっていう感じはあるんですけど、
でもちゃんとしてるし、ちゃんと育てばまたこれも芸教の戦力かなっていう感じはしますよね。
ただ一言言いたいのは、多分僕もそうなんだけど、
何人かは小八将の出てる夜の部、小八将の鳥居を聞いて一回外に出て戻ってくるんですよ。
深夜寄せに。
まあ位置づけみたいなもんですよね。
そういった時に、ネタちょっと見といた方がいいんじゃねえかなっていうね。
どういうことかというと、これ宮戸川をやったんですよ、この誠孝さん。
だから1時間ちょっと前ぐらいに三遊手小八将が宮戸川をやってるんですよね。
ネタが作ったのはあんまり気にしないけど、全く同じネタっていうのはさすがになっていう感じがします。
だから夜の部だけはネタちょっと見といた方がいいんじゃないかな。
初めて多分深夜寄せに出たと思うんで、その辺はしょうがないんですけど、
そういうのは先輩がちゃんと教えておいてほしいなっていうふうに思います。
桂竹千代の過剰な落語
3人目が桂竹千代さんですよ。
竹千代さんはもう二つ目としては覇覚の集客力を持っている人気の落語家さんですけども、
落語で古事記っていうね、これがもうどんどん売れちゃって。
歴史を大学院まで進んで歴史を研究してた人ですから、
それを活かした落語家などもやってて、とてもいいなっていうふうに思ってますけど、
とにかく過剰なんですよね、この人の場合ね。
過剰に熱を持って押していくんですけど、
そこがうまく客と噛み合うか噛み合わないかっていうところのギリギリのところがあって、
何が言いたいかっていうと、この日は枕がほとんどみたいな感じだったんですよ。
その枕が、実はこの話僕知ってるんですけど、
ある温泉で竹千代さんがやってしまった失敗の話なんですね。
この話が正直超気持ち悪いの。
もう信じられないぐらい気持ち悪いんですよ。
ただ竹千代さんの過剰な語りでもって語られると、確かに笑えるんですよね。
笑えるけど、やっぱりその事実だけを、ノンフィクションだって本にちゃんと言ってますから、
ノンフィクションとしての事実だけを受け止めると、相当気持ち悪い話で、
その気持ち悪さにゼックして、
僕よく新宿水広亭だと行ったことある方はわかると思うんですけど、
左右にサジキセキがありますよね。
左側のサジキセキにいることが多いんですよ。
反対側の右側のサジキセキにいた女性が、
ずっと顔をつっぷしたまんま顔を上げないっていう、それぐらいの気持ち悪さなんですよね。
竹千代さんと新作落語家
逆に言うと、それぐらい気持ち悪い話を、
グッと笑いを取れるところまで、過剰な語りで押し込んでいくっていうあたりは、
竹千代さんの力だと思うんですけど、
どうなのそれっていうところはあります。
要は面白いんですけどね。
その後に新作に入っていって、
新作がサオリ救護という話で、
これもね、とってもよくできてるんですけど、
何だろうな。
過剰、竹千代さん的な過剰な感じはしますよね。
落語的な軽みみたいなものはあんまり感じなくて、
ひたすらその竹千代話だなっていうところはあると思います。
これは好きな人はすごい好きだと思うし、
ちょっと確かに笑わせてくれるけど、
うーんっていうようなところはあるかもしれない。
ただ、でも竹千代さんはとにかく今お客さんたくさん呼べてる方ですので、
この在り方で芸妙なお家庭2つ目を引っ張っていくっていうのは、
いいことなんじゃないかなというふうに思います。
トリガですね。
かつらしんべいさんという。
なんというかね、芸妙の秘密兵器で、
このまま秘密にした方がいいかもしれないみたいな、
そういう感じの人ですね。
本当に不思議な人で、
たぶんね、ここまで滑舌の悪い落語家ってそうはいないと思うんですよ。
滑舌が悪すぎて、
もうかえって面白いっていうか、
それはもう滑舌というものを通り越した、
この人独自の口調なんじゃないかなみたいなところで、
まあ癖の強い落語ですよね。
新米さんの癖の強い落語
その癖の強さがどういうふうにはまったのかは知りませんが、
渋谷落語新作大賞を取っちゃったっていうですね。
で、この前はNHKラジオ第1のネクスト名人寄せにも出てたっていうね。
ネクスト名人寄せっていうのは、
2つ目ぐらいの人が出るときに、
師匠からの推薦コメントみたいなのがつくんですけど、
その師匠からの、勝田真司師匠ですね、
の推薦コメントが、
なんてかな、面白いんだよな。
あっちの方が面白かったなみたいな感じはちょっとあったりするんですけど。
で、この新米さんの新作なんですよね。
これもね、正直言うと、
今回の4人の中では一番好きなのどれって言われたら、
僕、新米さんですね。
なんかこの、人物を細かく描くことができない、
演じ分けることができない、
いやでもこれひょっとすると知ってない可能性もあるなって気がするんですけど、
いずれにしてもその人物はそれほど上手く描き分けない。
かつ、滑舌は、
もう明らかに落語家としては、
ギリギリのレベルみたいなところで、
ただそれをね、全部逆手に取っていく。
ひょっとするとわざとやってるんじゃないかと思わせるくらいのところがあって、
滑舌が悪いが故に話が面白いみたいなことを起こしちゃうんですよね、この人は。
だから結局ウケてるんですよね。
でその、ただその話、この新作の話もなんかね、
いかにその立川喜翔、滝川小八がぶっ飛んだ新作を作り続けてたとしても、
やっぱりその落語としてのその展開の芯みたいなものってしっかりあるんですよね、ちゃんと。
まあ喜翔さんはロジカルだし、
小八一生は映画的なね、
前に前に話を持っていくっていうことができるんですけど、
なんかこの新米さんの場合はなんか、
どっちらかしまくるんですよね。
それがね、普通は失敗するんですけど、
新米さんのキャラでやってしまうと面白いっていうのが不思議なところで、
まあ一言で言うとね、癖が強いっていうことですよね。
このでも、癖の強さによっては楽しめるんです。僕は楽しめるんですけど、
正直楽しんだとちょっと疲れるのね。
でもね、間違いなくこの人も才能ある人だなって思うし、
やっぱり自分の肉体をどうやって使っていくのかっていうのが、
落語家にとっての大きなテーマだと思うんで、
決してその功績が鮮やかではない、滑舌が悪いっていうのを、
もう世界観の中に組み込んじゃってるっていうところが、
新米さんの面白いところですよね。
なんかね、まだ大好きとまでは言えないんだけど、
このまま突き進んでいくと、大好きになっちゃいそうな気もするっていうのがいいですよね。
芸術協会4人の芸の荒さ
全般的にこの芸術協会4人は、先月の落語協会4人に比べると芸が荒いです。
ただ、もともと深夜寄せっていうのは、
二つ目の荒い、まだ下手そうな実験的なことをかける練習の場であったはずなので、
そういう意味では深夜寄せが本来のポジションに戻ってきてるっていうことなのかもしれないかなっていう感じもします。
それがいいことなのかどうかわからないですよね。
これまたどういう4人が出てくるかによってまた変わってきちゃうので、
次回あの人とかあの人とかあの人が出ると、最初から二つ目だけど完成度が高い落語をバンバンって聞くことになるかもしれませんし、
もっとね、もっと荒い芸の人が出てくるかもしれないですし、
そこら辺のスリリングさみたいなところも含めて、深夜寄せ復活なのかなというところです。
ただ竹千代さんがかなりしつこく過剰に触れてましたけど、正直お客さんはね、それほど多くはない。
フラッと入ってくるお客さんがいないですよね。
それはちょっとその道、このセヒルトの前を通っている人は結構いっぱいいるので、
例えばその土曜日の夜に新宿山頂目で飲んでいる人の客層が変わってきたのかなっていうところもあるし、
いずれにしても3年間断絶してしまったっていうところはもう完全にマイナスのスタートなんですけど、
お客さんも実はそれほど入っていない、特に落語が好きな人がいっぱい集まっていて、
フラッと入った人が少ないという状況の中で、本来の深夜寄せが戻ってきているというところではあるので、
そういう意味では出る人が果敢に挑戦してほしいなっていう気はします。
それが深夜寄せじゃないのっていう。
だからもうずっとあのセヒルトの周り、新宿山頂目の駅あたりまで列が出てきた時代の深夜寄せではないということは、
もう果敢に挑戦して玉砕してもいいんじゃないっていうような、
そういうものとしてもともとの深夜寄せの利用として捉えてもいいんじゃないかなというふうに思います。
シェアする落語の紹介
そんな意味では今回の4人がとても良かったなというふうに思います。
なってことをちょこっと考えてしまいました。
ちなみにですね、前回の落語極画協会の深夜寄せに出演された林谷清彦さんが私がやっているシェアする落語に出ていただくことになっております。
7月22日、深川東京モダン館シェアする落語第32回林谷清彦。
ぜひ皆さんご予約の上ご来場いただければというふうに思います。
最後にCMでございました。シェアする落語のしけでした。ではまた。
17:13

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