2025-01-17 20:18

#80 ブランド価値の正しい効果測定方法

アジェンダ: なぜブランディング施策の効果測定は難しいのか そもそもブランド価値を上げるとどんないいことがあるのか ブランド価値の効果測定のためにどんなデータを利用すればいいのか 効果測定を上手く行った事例 📝 関連freshtrax記事 『⁠⁠ブランド価値の効果測定方法 〜2つのデータ活用法〜』by Brandon K. Hill 💌 ご意見箱 エピソードの感想やご質問、リクエスト等はこちらの⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠ご意見箱⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠へお寄せください。 📚 弊社オリジナルコンテンツ btrax初の書籍⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠『発想から実践まで デザインの思考法図鑑』⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠Amazonと全国書店にて好評発売中! 🎙 出演者 Brandon Hill (CEO & Founder, btrax) ⁠⁠⁠⁠⁠X⁠⁠⁠⁠⁠

Ayaka (UX Designer Intern, btrax) ⁠⁠⁠⁠⁠⁠LinkedIn⁠⁠⁠⁠⁠ 🏢 会社概要 btraxは "We design the future by bridging the gaps." がビジョンのデザイン会社です。これまで日本、アメリカなど諸外国を含め300社を超える企業様に向けてUXデザインを軸に最適なユーザー体験を生み出し新たな価値の創出に貢献してきました。 詳しくは弊社⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠ホームページ⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠をご覧ください。 最後までご視聴頂きありがとうございました! 今後ともデザインに関するお役立ち情報を配信していきますので、是非チャンネルフォローよろしくお願いします。

サマリー

ブランド価値の効果測定方法について、データを活用して実効性のある測定手法を探ります。特に、ブランド力が企業利益や顧客維持率、さらには従業員の愛着心に与える影響を深堀りします。 ブランド価値の正しい効果測定方法に焦点を当て、ナイキのブランディングキャンペーンの具体例を通じて、感情データやビジネスデータの重要性を議論します。また、ユーザーエンゲージメントと売上の関連性についても示されています。

ブランド価値の重要性
サンフランシスコ・デザイントーク。この番組は、サンフランシスコと東京に拠点を置くデザイン会社、BTRAXのCEO、Brandonと、デザイナーの彩香が、日本で働くデザイナーや、デザインをビジネスに取り入れたい方向けに、様々なトピックについて深く話します。
はい、本日もサンフランシスコ・デザイントークのお時間がやってまいりました。MCを担当する彩香です。今日もよろしくお願いします。
よろしくお願いします。
今回は、ブランド価値の効果測定をする方法ということで、ブランディング施策の効果測定って結構結果がふわっとしていて、難しいイメージもあると思うんですけれども、しっかりデータを使って効果測定することもできるということですよね。
ブランディングって、結構マーケティングに似たような存在だと思われがちですけど、一番大きな違いは、効果の測定方法が長期になりがちなのと、ふわっとしがちっていうのがあって、実際難しいのは本当に難しいんですよね。
マーケティングって、ほとんどが数字で表現できるので、いわゆる専門用語でも、コンバージョンレートとか、クリックレートとか、クリック単価とか、施策に対してかかった金額と、そこで得られた結果を割り算とか掛け算すると、いろいろ数字出せるじゃないですか。
短期的にも、期間決めて。
ブランディングっていうのは、人の心に訴求するものだったりとか、間接的に結果が出ることが多いので。
そうですね、イメージとかのアップとか。
だから、うちもクライアントさんに、ブランディングして、結局どういう結果が具体的に出るのを見せてって言われると、結構困ることが正直なところあるんですけど、
その一方で、世界的に見て企業として成長したり売上が上がっている会社は、必ずブランディングに力を入れて、それをないがしろにしていい企業なんてないと思っているぐらいなんですね。
B2BもB2Cも。
なので、今日できる限りどういう測定方法があるのかとか、ブランディングに力を入れると何がいいのかっていう話ができればなと思っています。
ちなみに、ブランディングだったりブランド価値を上げると、どんな良いことが企業にはあるんですか?
いくつかあって、簡単に言うと一番イメージしやすいのは、商品とかがより売れるっていう、ざっくり言うと売上が上がるっていう感覚があるじゃないですか。
これ、もうちょっと具体的に分解すると、2個ぐらいここの下にあって。
まず一つは、広告とかマーケティングにお金をかけなくても認知度が高いと買ってもらいやすくなるっていうことなんですよね。
ここの会社のプロダクトだからとか、このロゴが付いてるっていうだけで、オンラインでも店頭でも信じて買いやすくなるっていうのと。
あともう一つは、同じ商品の中でもそこのブランドであるっていうことで、少し高くても買ってくれるっていう。
いわゆるノンブランドよりも、自分が慣れ親しんで好きなブランドの方が、ちょっと20、30%下手すると何倍も高くても買うみたいな。
ハイブランドなんてもうそれが全てなので、いわゆるヨーロッパ系のルイ・ビトンであるとかエレメスみたいなのって、そのブランド名が付いた瞬間にすごい金額でも買うじゃないですか。
高く売れるっていう。
広告とかにお金をかけなくても買ってもらいやすくなるし、商品単価を上げれるイコール利益率が上がるっていうのがまず一つ。売り上げ面でのメリットですね。
もう一つはカスタマーロリアリティが上がるっていう言い方をするんですけど、リピーターを維持し続けられるので、例えばiPhoneを買った人って買い替えるときにiPhoneにする率が非常に高いらしいんですね。
乗り換え率が低いっていうか、利脱率が低いっていうか。
確かにiPhone出てから私、iPhone以外のものにしたことないですね。
これは実際のユーザーエクスペリエンスとかそういうプロダクトの魅力もあるんですけど、アップルっていうブランド力は多分にあって、あとiPhoneっていうブランド力もあって、iPhone以外は検討すらしてないっていうか。
次のiPhoneどのサイズにしようとか。
いつ買い替えをぐらいですね。
そこもロリアリティが高い利脱率を下げると顧客維持へのコストを削減できますよね。
あの手この手をしなくてもブランド力で。
最後にこれが結構見落としがち、特に日本の企業さんは見落としがちなんですけど、従業員の愛車精神も上げられるので、優秀なスタッフの獲得とか維持にも有効に働く。
このブランドを会社で働いてるっていうことに大した誇りを持てる。
例えばアメリカこの辺だったら、Googleってすごいみんな憧れる会社じゃないですか。
Googleで働くことを誇りに思ってる人多いし、Google辞めるって言ってなんで辞めるのっていうぐらいの雰囲気になるじゃないですか。
そうすると採用活動にすごい有利じゃないですか。
日本も某渋谷のITの会社とかって、そこで働いてる人のプロフィール画像とか見ると、横に緑色のロゴとかが一緒に映ってるんだりするのね。
自慢できるんだろう。
某になってないです。
某の会社が、私はここに選ばれた存在ですよみたいなプロフィール画像とか見ると。
すごい愛車精神が強いんだなと思って。
それってブランド力じゃないですか。
最近日本の企業って採用にすごい苦労するって言われてて、うちの会社もブランディングやってる最初の目的は採用ですって言われた案件とかあるんですよ。
若い人たちをより獲得したいので、ブランディングにしっかり入れたいって言われたこと2、3件案件であって。
そこに有利に働くっていう。
そういう3つがありますよね。
効果測定の手法
効果測定をする際にこの3つを考慮した上で、いくつか方法がありますよっていう。
なるほど。
この3つの軸にして測る方法があると。
それをデータ化できるってことですか?
できるんですよ。
テレビショッピングみたいになってるけど。
1つ目からって感じですか?
大きく分けるとデータの種類が大きく2つあって、1つは経済データって言われる経済性のデータ。
これはオペレーションズの大データって言われるものがあるんですね。
もう1個が感情に対する体験とか感情に訴求する関連するデータ。
これエクスペリエンスのXデータって言われるものがあるんですよ。
校舎の方はデータ取りにくそうって思っちゃいましたけど。
取りにくいんですよ。
そうですよね。
なんですけど方法がないわけではないので、ちょっと1個ずつ説明しようかなと思ってて。
経済性はさっき言ったものにすごい近いんですけど、
ブレイクダウンすると物を売る販売に関するデータ、あとは業績に関する財務データ、
あとは人材獲得っていうのもあったと思うんですけど人事に関するデータ。
どれくらい採用コストがかかってるかってことですか?
採用にかかるコストとか離職率を下げれてるかとか、そういうことですよね。
あとは営業にかかるコストを読み取る営業データ。
ブランド力が上がるとおのずと営業にかかるコストを下げれるはずなので。
そうですね。例えば営業マンが少なくても本も売れるとかって話ですよね。
あとは打ち合わせの回数を減らせるとか、出張の回数を減らせるとか、接待の数を減らせるとか。
オンラインで完結できちゃったり。
そういうことですね。名前を知ってるだけで買ってくれると。
あとは顧客サポートを提供してる部分もカスタムサポートも。
電話のサポートとか。
そうですね。ブランド力が高い方が苦情が少ないサポート。
電話の件数だったり、そこに書く時間とかコストとかってことですね。
これが経済的な部分なので、数字としてはある程度取りやすいですね。
オペレーションデータに関しては。
次が感情のデータ、ユーザーの心に関することなので。
精神的なアタッチメント、愛着がどれだけあるかとか、精神的な優位性とか、そういったものを測っていくんですけど。
これの方が取るときに、訂正的になりがちなので。
ユーザーインタビューとか、顧客インタビューとか、ブランドに対する。
あとはイメージ、どういうイメージを持ってますかみたいなのを、ユーザーインタビューとかフォーカスグループとかアンケートとかをやって、
定期的にブランドモニタリングをしていって、インサイト獲得をするっていうのをやったりするんですよ。
この2つを掛け合わせて、最終的なブランディングの施策の効果測定を行うということをします。
リブランディングの影響
具体的に期間区切って、それぞれのデータの項目の上がり下がりとかっていうのを見ていくっていう感じですか。
たぶん基準としては、半年後とか1年おきとか、そんな感じの長期的?
そうですよね。1ヶ月ごとに見てもっていう感じですね。
そうなんです。そんな簡単に結果って出ないし、むしろことブランディングに関しては、一時的に下がることがあるんですよ。
リブランディングしたりとかすると、ロゴが変わったりとか、ルック&フィールとかプロダクトラインナップが変わったりした瞬間って一回落ち込むんですよね、数値が。
慣れ親しなものが消えてしまうことに対してのがっかり感があるんで。
人間って変わることあまり好きじゃないですか。
そうなんです。短期的にはね。
慣れてくるとっていう。
そうなんです。慣れるといつの間にか気にならなくなって、場合によってはより良くなることっていうのはあります。
なるほど、なるほど。
実際にリブランディングする前からその数字はちゃんと計測しておいて。
そうですね。
リブランディングした後、そこを長期的に追っていくと、ちゃんとリブランディングが価値を生み出したのかっていうのが分かるようになる。
そうです。いわゆる大データって経済性のデータは普段から取っている会社さん多いと思うんですけど、
エクスペリエンスとかエモーションに関するデータは、Xデータっていうのは意図的にちゃんと取っておかないと気づかなかったりするんで、
効果測定の重要性
ユーザーインタビューとかは定期的にしておくといいだろうなと思いますけどね。
ちなみに。
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いろんな要素が掛け合わせて、経済的な大データってちょっと変わりそうな気がするんですよ。
ブランディング以外にもいろんな要素がありそうじゃないですか。
そこってどう考慮する?
難しい。それに影響するファクターですよね。
そうです。例えば、ブランディングとは関係ない。
例えば、すごい凄い営業マンが入りましたとか、いろんな要素があるじゃないですか。
ブランドキャンペーンにひも付いたものであるのがわかれば一番わかりやすいんですけど、
営業マンが入ったとしても、購入するきっかけとか、契約をしようと思った理由とかのアンケートとかを取っておくといいかもしれないですよね。
だからこそ、感情的なデータも組み合わせることによってもう少し解像度が上がっていくってことですかね。
そうですね。
ちなみに今、どうやって効果測定をするのかって話だったと思うんですけれども、
具体的な例でブランディングを成功されていて、しっかり効果測定できている企業さんとかってあったりするんですか?
一例としては、これは非常に物議を醸したブランディングキャンペーンを紹介したいんですけど、
ナイキっていつも攻めるブランディングをやるんですが、まだ記憶にあるかもしれないんですけど、BLMってあったじゃん。
ブラックライフスマートっていう、もういつ頃?2020年くらいかな?
ちょっと事件があって、人種差別なくそうみたいなキャンペーンがあったと思うんですけど、
実はそれよりも4年くらい前に、ナイキがちょっとやったキャンペーンがあったんです。
それは何かっていうと、アメフトの選手で、コレイン・キャパニックっていう選手がいるんですが、
人種差別に抗議するために、アメリカフットボールの試合の国家斉唱の時に立ち上がらないっていうプロテストをしたんですね。
抗議活動をしたんですよ。ひざまずくっていう。
結果的にその人、間接的になんですけど、チームを追われてしまうんですね。
クビになっちゃうわけよ。
なるほど。それが理由で。
それが結構大きな理由だと、表向きには出さないかもなんだけど、いわゆる運営に対しての抗議になっちゃうので、
よく思われないじゃないですか。
仕事なくなるじゃないですか、選手じゃないから。
その後で、ナイキがその人をブランドアンバサダーとして起用するんですよ。
すごい感動的な動画がYouTubeにも今あるんですけど、
彼を出してキャッチコピーが、素晴らしいキャッチコピーも考えたんですよ。
これが、believe in something even if it means sacrificing everythingっていう。
日本語にすると、何かを信じろ、たとえそれが全てを犠牲にすることだとしてもっていうキャッチコピーで、
何かのために全てを失ってでも信じてるんだったらやれっていう。
彼が実際そうしたわけ。
さっき言ったみたいにBLMが起こる前だから、結構攻めてるんですよ、このキャンペーンって。
いわゆるアメリカのフットボールを追われた人を採用して、そんなことを言わせるっていうキャンペーン。
30周年キャンペーンだったらしいんですけど、Just Do Itの30周年会キャンペーン。
直後からちょっと不買運動とかが起こって、株価が3.2%1日で下がったらしいんですね。
やばいかなと思うじゃないですか。
でもこれに共感してる人もいて、数日後からオンラインの売上が25%アップした。
だから売上データで、このキャンペーンを売った数日後にいきなり25%アップしたって絶対これ繋がってるじゃないですか。
プラスそれに共感した俳優の方が、ナイキの商品を大量に買ってホームレスに与えたりし始めたりとか、そういうムーブメントが起こったんですね。
まさに感情に訴えて動いてるっていう。
そうなんです。それが実際のビジネスデータにも反映されたっていう。
確かにそれはすごい分かりやすいですし、効果測定に繋がりそうなデータをしっかり大データからも持ってきてるし。
そうなんです。
俳優さんの動きっていうのはもしかしたらXのデータに近いのかもしれないですけど。
そうですね。彼に共鳴する人たちがナイキにもロイヤリティを感じるっていう風になったし。
すごい大胆なキャンペーンであったが、最終的なデータとしていい結果になった。
なるほど。
逆にナイキは最近攻めなさすぎて業績が悪くなってるらしい。
なるほど。世界はもうちょっと攻めたキャンペーンを期待してるってことですか。
そうなんですよ。
ナイキってCOが新しくなったりしてるんですけど、少し丸くなりすぎてんじゃね?っていう。
守りじゃなくて攻めを期待されてるブランドなので、それが必要なんだろうなっていう感じですね。
分かりました。ありがとうございます。
今日はですね、ブランディングの施策の効果測定の方法であったりだとか、
ナイキの事例
実際の施工事例についてお話ししましたが、利益を上げることだったり、
カスタマーのロイヤリティを上げる、あとは採用の部分でのイメージを上げていくっていったところで、
ブランディングは非常にどの企業にも重要だというお話をさせていただきました。
ビートラックスではブランディングのサポートもしておりますので、
ご相談やご興味のある方はぜひお問い合わせいただければと思います。
よろしくお願いします。
本日もありがとうございました。
このエピソードを楽しんでいただけた方は、ぜひ高評価、チャンネルフォローよろしくお願いします。
また、サンフランシスコデザイントークは、番組に対する質問や取り扱ってほしいテーマを募集しています。
番組概要欄にあるGoogleフォーム、ポティファイでお聞きの方は、
各エピソードのQ&A欄からお送りいただけますので、お便りお待ちしております。
最後までお聞きいただきありがとうございました。
次回もお楽しみに。
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