2023-08-25 29:09

【第7回】デザイン思考とは?そのメリットと限界

#7 デザイン思考とは?そのメリットと限界


▽トーク概要 

・デザイン思考とは?

・デザイン思考の取り入れ方・btraxでの活用方法

・デザイン思考の弱点

・ユーザーヒアリングで気をつけること

・ユーザーリサーチとマーケットリサーチの違い

・デザイン経営とは?


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btraxは "We design the future by bridging the gaps" をビジョンに、2004年に創業したサンフランシスコ発のデザイン会社です。これまで日本、アメリカなど諸外国を含め300社を超える企業様に向けてUXデザインを軸に最適なユーザー体験を生み出し新たな価値の創出に貢献してきました。詳しくは弊社⁠⁠⁠⁠⁠⁠ホームページ⁠⁠⁠⁠⁠⁠から。


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ご視聴ありがとうございました。今後ともデザインに関するお役立ち情報を配信していきますので、是非チャンネルフォローよろしくお願いします!

サマリー

デザイン思考について話し、デザイン思考のメリットと限界について深く考えています。デザイン思考とは、ユーザーの心に響くサービスやプロダクトを作るためには、表面的な意見だけでなく潜在的なニーズも理解する必要があると考えます。マーケットリサーチとユーザーリサーチをバランスよく組み合わせることが重要です。デザイナビリティ、ビアビリティ、ケイパビリティの3つの交差点が重要であり、デザイン思考においてはバイアビリティとしてのマーケット調査とユーザーリサーチによるデザイアビリティの検証が異なる役割を持つことが大切です。

デザイン思考とは
サンフランシスコ・デザイントーク
この番組は、サンフランシスコにあるデザイン会社の社長が、
日本で働くデザイナー、デザイナーを目指している方、
デザインをビジネスに取り入れたい方向けに、
デザインに対するインサイトや、今後のデザイナーの在り方、
プロダクトや企業のデザイン戦略について、深く話します。
おはようございます。
おはようございます。
ということで、最近はどうですか、Brandonさん。
元気ですか、はい。
最近は、そうですね。
サンフランシスコ、夏寒いんで、
日本から来られる方はみんなびっくりしてますけど、
そうですかね。
4,8,9ぐらいって恐ろしいぐらい、
なんか涼しいっていうか寒いじゃないですか。
なので、体調管理を気をつけてるっていう。
夏だからこそ、あったかい格好をして生活をしております。
確かに、日本めちゃくちゃ暑いらしいですもんね。
そうですね、温度差が半端ないと思いますね。
ということで、今日も本題に入っていこうと思うんですが、
今日のテーマはデザイン思考について話していこうと思います。
そもそもデザイン思考とは、みたいなところからお伺いしたいですね。
デザイン思考って、
日本でめちゃくちゃ流行ってた時期がありまして、
多分10年ぐらい、2013年ぐらいから4,5年間の間に、
ものすごい勢いでブームになって、
デザイン思考に関する本がたくさん出たりとか、
企業さんとかがこぞってデザイン思考を会社に取り入れるみたいな、
そんな話があったんですけど、
それって、その当時からアメリカ西海岸、
カルフォルニアとかシリコンバレーのイノベーション、
イノベーティブな企業が取り入れてるメソッドらしいぜ、みたいな、
そんな形で日本に伝わってきた話なんですね。
どういうことかっていうと、
簡単に言うと、ものづくりをする時に、
企業視点じゃなくて、ユーザーが欲しいものをちゃんと理解した上で、
それに合うものを作らないとヒットしないっていう、
当たり前っちゃ当たり前すぎる話なんですけど、
それを基本をちゃんとやろうっていう、
それがデザイン思考って言われるプロセスで、
僕の理解だと、デザイン思考、
デザインセンキングっていう名前と、
体系化されたステップっていうプロセスあるんですけど、
それをちゃんと体系化したのは、
アイデオっていうデザイン会社と、
D.スクールっていうスタンフォードのデザインスクール、
そのバックアップにSAPっていうドイツの会社なんですけど、
シルコバレーで、
シルコバレーで一番大きな非アメリカ企業なんですね。
そこがデザイン思考を結構プッシュしていて、
社内にも取り入れていて、
スポンサードする形で、
アイデオと一緒にD.スクールを作ったっていう経歴があって、
シルコバレー中心に、
そのメソッドがバッと広がったと。
例えば、毎回出てくるアップルみたいな会社っていうのは、
デザイン思考を採用してますとか、
デザイン思考で物を作ってますとか、
全然言ってないです、オフィシャルには。
言ってないんですけど、
やってる中身はデザイン思考的なことをやってるっていうことで、
アップルとかって今も世界一の自家創学の企業になってるじゃないですか。
それを追々するようなグーグルみたいな会社とかも、
デザイン思考的なメソッドで、
サービス作りを速いスピードでやってるということで、
すごい人気になってると。
デザイン思考のメリット
メリットは、いくつか。
もちろんユーザーに受けるものを作るっていうのがあるんですけど、
僕が一番メリットだなと思うのは、
これダメだっていうのを速い段階で察知して、
ボツにできるっていうこと。
あとは、ちょっとこれ方向転換しないとやっぱり難しいかもっていう
ピボットって言われる、
それの判断を結構前半にできるので、
ユーザーとも対話しながらやるから、
前半にできるから、
ものを作って売り始めて、
これ全然受けないわっていうのを、
後々気づくとダメージデカいんで、
初期の段階から企画っていうか、
アイディア出しの段階から、
ダメなものはダメってスパッと切れるっていうのが良くて、
リーンスタートアップって言われるメソッドと同じぐらいな感じで使われてる。
そんな感じです。
今までの考え方ではダメだったみたいなところから、
日本でも入り出したみたいな。
日本の企業が2000年前後くらいまで、
結構スペック重視が多かったんですよね。
ものづくりってすごい日本の企業得意なんですけど、
どっかのタイミングで、
テクノロジーの進化を活用するのはいいんですけど、
カタログスペックをすごく重視し始めちゃっていて、
CPUがどうこうとか、
メモリーがどうこうとか、
パワーがどうこうとか、
そういうのでこだわって作ってたんですけど、
ユーザーもしかしたらそれにそんな興味ないかもみたいなことで、
そこに変換点みたいなのが出てきて、
やっぱり一番顕著だったのが、
柄系からスマホに変わったタイミングっていうのがあって、
日本って昔っつっても数年前までは、
2つ折りのキーが物理的についてる電話、
携帯電話っていうのが主流で、
ドコモのiモードとか、
そういうので日本国内を中心に広がった、
いわゆるガラパゴス携帯っていうのがあって、
それはかなりスペック重視なデバイスだったんですよね。
防水加工してますとか、薄いですとか、
何万画素のカメラついてますみたいな。
いいんですけど、やっぱり世界に広がらないんですよ。
一方でAppleみたいな会社がiPhoneですみたいに出してきて、
あれスペック的にしょぼいじゃんみたいな。
だけどユーザー喜んでるなみたいな。
あれ何でだろうみたいな。
物作り視点なのかユーザー視点なのかっていうことで、
そこでちょっと乖離っていうのを見えてきたんで、
日本企業がちょっとそのやり方取り入れないと今後まずいって言って。
実際に日本の世の中のほとんどの人はスマホ使ってるじゃないですか。
スマホって日本製が今すごい少ないんですね。
日本企業がそれで完全に元気なくなっちゃった携帯業界みたいなのがあって、
そこで学び直しをしようっていう、そんな感じですね。
ありがとうございます。
実際に企業とか組織にデザイン志向を取り入れるっていう風になると、
どういうステップで取り入れていくことになるのかとか、
どういう風に活用するのかみたいな。
もしくは逆にそもそも今のデザイン志向に対して何か思うところがあれば。
日本の会社ってデザイン会社なんですけど、
クライアントさんにお願いされたものを作るだけじゃなくて、
クライアントさんと一緒にサービス作り、新規事業とか作ってるんですね。
そのプロセスにデザイン志向っていうのはがっつり取り入れて実はいて、
そこで気づいたのが、日本の企業でプロダクトとかサービスを作ってる人たちの多くが、
エンドユーザーに会ったことないんですとか、話したことないんですという人が意外と多かったんですよ。
なので、エンドユーザーに対話しながら、
一緒にサービスアイデアを考えていくみたいなプロセスを、
うちがワークショップ型でやっていて、
継続的に東京でもサムライスでもクライアントさんと一緒にやってるんですね。
そこで参加しているクライアントのスタッフさんとかが、
いや、リアルなユーザーの顔初めて見ましたみたいな感じで、
上司から言われて作ってただけなんでみたいな。
そこで気づきっていうか、ユーザー求めてるのと意外と違いましたねみたいな。
そこはあるんですね。
デザイン思考の限界
そこはいいんですけど、デザイン志向って結構弱点っていうか、
ロジック的には良さげなんですけど、実際やってみると理想と現実の違いっていうか、
デザイン志向の本とか理論に書いてることと、
現実にぶち当たる状況に結構乖離があって、
そこがね、デザイン志向さえ学べば全てが解決するわけじゃないっていうのは、
ちょっと落とし穴かなと僕は思ってますね。
どういう違いがあるとかってありますか?
まずデザイン志向のメソッドっていうのがあって、
それがステップになってるんですよね。
有名なんですけど、エンパサイズとかデファインとかアイディエットみたいな、
ユーザーを理解してそれをもとにサービスアイデアを考えて、
それでアイディアを出ししてプロタイプ作って検証しましょうみたいになってるんですけど、
いくつか問題点があって、
一つはこのステップ通りにきれいにやろうとみんなするんですけど、
そんな現実的にはやりにくいんですよね。
すっごい生き生きしなきゃいけなかった。戻ったりとかぐっちゃぐちゃにしてものづくりってしなきゃいけないんですよ、本当は。
なので、このステップをなぞろうとする人が結構多いんですね。
じゃあ次のステップそろそろいきましょうみたいな。
でも全然ここちゃんとクリアになってないのに次行っちゃったら危ないよみたいになってて、
初期の予定通りに物事は進まないっていうことがまず一つ課題なんですね。
もう一つ課題があって、
デザイン志向ってユーザー視点でユーザーが欲しいものを作る。
それは最高にいいんですけど、
作る側があまりにもユーザーが欲しいものを追求しちゃったがゆえに、
自分たち的にそんなに興味のないものを作り始める時があるんですよね。
ユーザーが欲しいの分かりましたみたいな。
これユーザー欲しいっていうのをデファインできましたみたいな。
作ってる人、あなたたちはどう思いますかって言ったら、
ぶっちゃけあんま興味ないんですけど、ユーザー欲しがってるんでいいと思いますみたいな。
そうなるとそこに情熱がないんですよね。
何か作る時って作る側の情熱が少ないと長続きしないしいいもの作れないんですけど、
あまりにもユーザーにそれを求めすぎたがゆえに、
その人たちの熱い思いのないものが作り出されちゃうっていうことがありますね。
あと、デザイン志向を使うとヒットするパターンで商品が作れると思うからそれどおりにやると、
デザイン思考の限界
僕はこういう表現してるんですけど、のっぺりしたものができちゃうんですよね。
いいんだけどいまいち心に刺さるものがないっていうかグッとこないみたいな。
間違ったものじゃないんですけど、いい感じなんだけどユーザーからすると熱狂的にいいって思えるものではない。
優等生みたいなものはできるんですね。
これは僕が音楽で例えるとデザインのカノン進行って言ってるんですけど、
カノン進行って音楽の作曲家とかアレンジャーとかの世界では超有名なコード進行があって、
このコード進行に合わせて曲作ると大体ヒットするっていうのがあるんですよ。
実際に特に日本。日本のヒットソングの結構多くがその進行を元に作曲されてるんですね。
そういうのってなんとなくヒットしていくんですけど、つまんない曲なんですよ。
失礼な言い方なんですけど、またこれかみたいな。
何か聴いたことあんねんみたいな。何か聴いたことあるから聴きやすいからヒットするんだけど、
同じ伴奏で違う曲とかいくらでも歌えるんですよ実は。
それがカノン進行っていうのがあって、最近マルサ進行っていうの新しいのが出てきたりとかしてて、
最近のヒットソングはシーナリンゴのマルノウチサデステックっていう曲があるんですけど、
ジャズっぽいコード進行があって、それって元々はアメリカの昔のソウルのミュージックとかに使われた進行なんですけど、
それに合わせると最近のヒットしてる曲っていうのがちょっとオシャレでかっこよいポップソングみたいな。
同じコード進行なんだけど、同じように聴こえるみたいになっていくんですよ。
デザイン志向もそんな感じの進行ぐらいでやってるんで、面白そうでいい感じのサービスなんだけど、
いまいち響くものがないみたいなものができちゃったりするのが結果としてちょっと僕見てるんですよね。
情熱もそこまで強くないものだから長続きしないで途中でトンザするみたいな。
なので結構デザイン志向を一度理解しておくのはいいんですけど、それに頼り切ってものづくりだけしてると予定どおり想像した以上にうまくいかない。
なので最近はデザイン志向を使えないんじゃねえ論っていうのが世の中で出てる。
話聞いてて思ったのはさっきのユーザーの声聞きすぎて自分たちの熱になるプロダクト作れなかったみたいなところで言うと、
ユーザーのヒアリングの仕方とか、またどういう情報を実際に取り入れるかみたいな部分に何かあるんじゃないかなって聞いてて思ったんですけど、
どういう風にユーザーヒアリングするのかとか気をつけるべきポイントみたいな。
それね、すごいいい質問でして、特に日本の人たちは2つ課題があるんですよね。
1つは結構マスを取ろうとするっていうね。
多めの人にポジティブに言ってもらうのを探すんですよね。
例えば10人話したら8人ぐらいいいね、良さげだねって言ってくれるものを作ろうとするんですよね。
これは日本という国の少し弱点として、国内向けの商品サービスが世の中すごい日本だと多いんですよ。
ドメっていうのはドメスティック。柄系もそうでしたけど。
それって人口1.2億人ぐらいの国なんですけど、その中である程度ヒットさせようと思うと、
マス取りに行かなきゃいけないっていう言い方をするんですけど、
2桁%、例えば10%、20%、30%ぐらいは市場を獲得しないとビッグビジネスにならないので、
100人インタビューしたら、過半数ぐらいはポジティブなフィードバックをくれないと、その企画っていうのはオッケーになりにくいんですね。
なので、多くの人に受けるものを考えていくんだけど、
それって実際にもう世の中に存在しているケースが多かったりとか、熱狂的に好きになってくる人あんまりいなかった。
逆に、まあいいんじゃないっていう人が多いんだけど、
いや俺はこれも最高、絶対これ使い続けるっていう人が意外といない。
10人中1人2人の少人数マイノリティが、これ俺のライフスタイルに欲しかったものだっていうものっていうのは、
すごくヒットする可能性を秘めてるんですけど、
8人9人はよくわかんないって言ってスルーしちゃうんですよ。
でも、今ヒットしてるイノベーティブなものって大体そっちから始まっていて、
世の中の人が想像できないぐらいのものを作ってヒットさせてる世の中なので、
説明した時によくわかんないし、
作ってる側のビジョンを共鳴できる人っていうのは大衆の中でそんな多くない。
それでいい。
アメリカだと、10人中1人熱狂してくれるやつがいればいいとか、
100人中1人2人でもいいぐらいとかスタートアップって言われてて、
そいつをつかんでそいつらがもうとことん使い倒すぐらいのものであればいいよ。
逆に100人いて80人がいいっていうものは危ないみたいな。
そこが一つ落とし穴としてあるんですね。
もう一個これもやってみて気づいたんですけど、
ユーザーリサーチとマーケットリサーチって違いがあって、
多くの企業とか会社で勤めてる人とかはマーケットリサーチの経験がすごくあるんで、
ユーザーリサーチをしなきゃいけないのでマーケットリサーチをしちゃうケースが多いんですね。
これどういうことかっていうと、
何かのアイデアとか商品とかプロタイプユーザーにぶつけてみて、
フィードバックをもらうっていう時に、
ネガティブなフィードバックを言ったりとか、
ちょっとこれ微妙だねとか、俺は使わないと思うよみたいな。
ユーザーリサーチとマーケットリサーチの違い
それって、じゃあこれは良くないのかもとか改善しなきゃいけないとか、
何か変えなきゃいけないとかそういう風にしていくべきなんですけど、デザインの業界では。
マーケットリサーチ、マーケティング的視点を持つ人って、
あ、奴らは俺たちの顧客層じゃなかったから、
これを良いって言ってくれるユーザーを別に探そうって言い出して、
どんどん色んなところ探しに行くんですよ。
それって似て非なるものでして、
ユーザーが言ってることをポジティブじゃなかった場合に、
あ、ターゲットを間違ってたから違うターゲットで、
これを良いって言ってくれる人を探しに行こうって、
これってマーケティング活動なんですね。
物作りでこれをやっちゃうと、ちょっとね、
ねじ曲がっちゃうんですよね、概念的に。
良いものを作る時に。
俺たちが正しくて、あっちが間違ってるっていう風に言っちゃってると、
そこにフレキシビリティが発生しないので、
永遠に良いって言ってくれる人を探し始める。
もしくは建前上良いって言ってくれてる人の意見を取り入れるみたいな。
深掘りができなくなっちゃう。
それは結構発生しがちな状況で、何度も僕目の当たりにしてるんですけど、
あ、それちょっと一回ちょっと待ってくださいみたいな。
いや、そういうことじゃないんですよ。
一回言われたことを冷静に理解していきましょうっていう風にしたりしてますね。
ありがとうございます。
なんかもう少しちょっと深掘りたいんですけど、
それぞれ今2つ出たことについて。
なんかまず1点目のやつに関しては、
人々の潜在的なニーズを掴むかみたいな。
よくあるシステムというかコツだと思うんですけど、
それって結局地道なことだと思うんですけど、
どういう風に捉えていく?
それね、あれですよ。
ユーザーに設置した時に、
この商品使いますか?みたいなのが一番ダメなんですね、質問的には。
こんなのあったらいいと思いますか?みたいな。
あれですよ。
速い馬車理論っていう。
フォードのね、超有名なデザイン資本の時によく例に出される、
フォード、自動車大量生産したフォードが、
ヘンリー・フォードっていうファウンダーが、
ユーザーに欲しいものを聞いてたら、
我が社は今頃速い馬車を作ってましたみたいなことを言ってる。
どういうことかというと、
自動車ってものがない時代に、
世の中馬車だらけで、
ユーザーに何困ってますかって聞いたら、
いやーちょっと馬車の進むスピード遅すぎるわみたいな。
馬がちょっと途中で止まっちゃったりするみたいな。
って言ってそのまま、
じゃあ改善しますねって言ったら、
より速く走れる馬を鍛えたりとかして、
速い馬車を作る。
それが結構、
いわゆるお客様第一主義っていう考え方で、
お客様が言ったことをそのままやる。
それって、新しいものは作り出せないし、
お客さんの想像の域を超えることはできない。
なので顕在化しているもの、
ニーズしか捉えられない。
潜在的なものまで深掘りできてない。
それを聞いた時に、ちょっと待って、
これ潜在的にどういうこと言ってるのかなって。
変換しなきゃいけない。リフレイムって言うんですけど。
リフレイミングしなきゃいけないんですけど、
それを彼らがやってるのは、
安定して速いスピードで、
A地点からB地点に移動できればいいっていうだけの話なんで、
馬車であるっていうメソッドは、
手段は違ってもいいよね。
だったら、
動物じゃなくて機械で移動できたら、
より安定して速く移動できるよね。
自動車が良くないっていう風に思っていけるんですけど、
表面上のね、何欲しいですか?
これどう思いますか?の返信だけだと、
結構いいもの作れない。
なので、どういう課題ありますか?とか、
どういうことに今不満がありますか?
っていう聞き方を本当はしなきゃいけないですよね。
答えを聞くんじゃなくて、課題を聞かなきゃいけない。
質問側を聞かなきゃいけない。
なるほど。
具体の一時情報を集めて、
それをパターン認識で抽象化して、
自分たちの持っているリソースとかで、
新しい手段を作っていくみたいな。
そうですね。
ありがとうございます。
もう1個質問したかったのが、
さっきのマーケットリサーチの部分なんですけど、
実際そのマーケットリサーチとユーザーリサーチって、
どういう風にバランスを作っていくのか?
どういうプロセスで2つを噛み合わせていくのか?
みたいなのをお聞きしたいです。
物を作るときに、
デザイナビリティ、ビアビリティ、ケイパビリティ
3つの可能性を理解して、
その中、その3つの円の設置しているものがいいと言われたりするんですね。
これが、
ビアビリティと、
ケイパビリティと、
なんだっけ?
デザイナビリティか。
ごめんなさい。
デザイナビリティ、ユーザーが欲しいと思われるもの。
バイアビリティというのは、ビジネスとして成り立つということ。
ケイパビリティというのは、技術的にそれが実現できる。
ユーザーが欲しくて、
ビジネスとして成り立って、
技術的にできるものの3つの交差点がいいと言われるんですけど、
マーケットリサーチというのは、
バイアビリティを調べる方法なんですね。
ビジネスとして、
儲かる見込みがあるかとか、
どのくらいの収益望めるかというのが、
マーケットリサーチなので、
欲しい人を探しに行って、
いくらぐらい払ってくれるかというのをやるんですけど、
その1つ手前に、デザイナビリティという、
どのくらい強烈にそれを欲しがるユーザーの真理があるのかという、
マーケット規模対ニーズの深さの、
横と縦の違いみたいな考え方をするんですね。
デザイン志向みたいな考え方じゃない、
デザインの時代の考え方の多くは、
まずバイアビリティ、市場規模とかビジネスとして、
どのくらい儲かるかというところから始めて、
次に技術的に実現可能かというのを考えて、
最後にそれを担保した上で、
ユーザーが欲しがってくれそうなものを作ろうぜという、
順番でやっていることが多かったんですよ。
もしくは日本企業の場合は、
技術から入って、こういう面白い技術を作れました、できました。
それをもとにどんなビジネスができるかという、
ビジネスプランを考えよう。
最後にそれをユーザーが欲しいパッケージにしていこうみたいな、
その順番だったんですね。
それをひっくり返そうというのがデザイン志向で、
デザイナー的考え方というのはユーザー視点。
そこの違いで、
マーケットリサーチはバイアビリティの検証、
ユーザーリサーチはデザイアビリティの検証の差になっています。
ちゃんと何を目的にしているかを切り分けてやるということが大切ですね。
役割が違うもの。
ありがとうございます。
デザイン思考とデザイン経営
最後にちょっと話が変わるというか、
よく聞くもう一つの言葉でデザイン経営というのがあると思うんですけど、
それはちょっとどういう…
デザイン経営は面白くて、日本特有の表現なんですよね。
そうなんですか。
アメリカ、英語でデザインドライブビジネスとか言うと思うんですけど、
僕の仮説は、アメリカを中心、欧米を中心に経営にデザイン的視点を入れるというのは普通にやってるんですね。
いわゆるヒット商品を作るためのプロセスだから。
日本があまりにも営業が強すぎちゃって、営業視点で経営をするから、
生み出されているものとユーザーが欲しいものが乖離しする。
だけど営業でご利用して売れるみたいな。
なので世界に通用しないとか、
あとブランド作りとかもそこがおざなりになっちゃっていて、
みんなが欲しがるような、憧れるようなブランド作りも、
デザイン的視点を入れずに経営すると作り出されないんで、それも担保しようみたいな概念なんですけど、
最近あまり聞かないですよね。
僕的には5年から10年くらいの週期の日本のバズワードじゃないかなと思ってて、
デザイン志向が10年くらい前に5年くらいに流行って、
デザイン経営っていうのが4,5年政府が宣言して有識者とか集めてやってたりとかちょっと流行って、
最近それがDXになってるんですよね。
これ全部やろうとしてることと結構似てて中身が。
例えば研修って名前ついてデザイン志向研修ってあって、
デザイン経営研修ってのがあって、最近DX研修になってるんですけど、
やらんとしてることと結構近いみたいな。
なのであまり言葉じりにとらわれないほうがいいですよっていうか、
経営者も経営視点で、経営視点で仕事をしてる人もデザイナー視点とかデザイン視点を取り入れましょうっていうこと。
デザイン志向とそんな変わらないんですけど、
デザイン志向は結構現場の人たちがやってたのに対して、
デザイン経営はエグゼクティブとか経営者層、役員の人たちとかそういう人たちもちゃんとデザインの重要性を取り入れましょうよっていう、
政府からのアドバイスみたいな感じだと思うんです。
すごく重要だと思うんで、やってたほうがいいと思うんですけど、
何だろうな、絵に描いた餅にならないように、単語だけが人歩きしないようにちゃんとやりましょうよっていうのが、
うちの会社が日本の企業のエグゼクティブと一緒にやってることだったりもします。
ありがとうございます。
ビートラックスでは日頃より好評をいただいているオリジナルebookの最新版を公開予定です。
今回はエグゼクティブマネジメント層の方々にぜひ読んでいただきたい、
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よろしくお願いします。
では、今回の放送を終了します。ありがとうございました。
ありがとうございました。
29:09

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