1. セミラジオ ~生き物とサブカル~
  2. 群体生物ボルボックス!
2022-10-01 28:50

群体生物ボルボックス!

群体を作る不思議な生き物「ボルボックス」についてお話しました!

・1個体に三世代が同居!
・細胞膜の反転と創作パン
・ボルボックスの過激な親離れ
・ゾウリムシの不思議な生態


ボルボックス(wiki)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9C%E3%83%AB%E3%83%9C%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9

ボルボックスのインバージョン(細胞膜の反転)(創作パン→あんパン)
https://www.brh.co.jp/publication/journal/039/research_11#03

「玉の小刀」のストーリーについて語ります。(ススムアート)
https://open.spotify.com/episode/1Hqlm4gh9pthDpndOKUS4d

スター・レッド(萩尾望都)wiki
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%AC%E3%83%83%E3%83%89

LINEスタンプ おきつねにゃんこ2秋冬バージョン
https://store.line.me/stickershop/product/20919628/ja

「ナンバー1かオンリー1か」をざっくばらんに語る(いくざく)
https://open.spotify.com/episode/6ml9G3fxeMEfFwqiEGa635

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https://suzuri.jp/semiyama

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みなさん、こんにちは。自然を愛するウェブエンジニア、セミヤマです。
今日は、不思議な生態を持つ緑草の仲間、ボルボックスについてご紹介したいと思います。
今回、いつもと違う壮大なファンファーレで始めてみたんですが、なぜ壮大にしてみたかというと、
先日、このセミラジオの再生回数が通算1万回を突破したということで、それを記念して書けてみました。
去年の12月に配信を始めたこのセミラジオなんですが、
自己紹介を除いて最初に配信したエピソードが、ゆるキャラやはた犬2021年の動向という、僕が大好きな山梨県のゆるキャラやはた犬についてご紹介する回でした。
それを配信したのが去年の12月27日だったんですけど、
ちょうどそれから9か月目にあたる9月27日に1万回再生を突破することができました。
偶然なんですけど、霧が良い日に霧が良い数字が出せて嬉しかったですね。
これも聞いてくださる皆さんのおかげです。ありがとうございます。
1万回という区切りの良い数字が出たことで、色々と考え深いものを感じてまして、
日本全国いろんなところでいろんな方がスマホやPCで自分の声を1万回も再生してくれたのかと思うと、
嬉しさももちろん大きいんですが、不思議な感じもするんですよね。
ポッドキャストを始めた時点では、どれくらい聞いてもらえるのか全然予測もしてなかったんですが、
このセミラジオはエピソードごとに話す内容がバラバラなカオスなポッドキャストで、
次回自分が何を話すのか自分でもわからないことが多いんですけど、
今後もそんなカオスなポッドキャストとしてマイペースに続けられたらいいなと思っていますので、
これからも聞いていただけたら嬉しいです。
続いての話題なんですが、この番組でもよくご紹介させていただいている、
イラストレーターのすすむさんが配信されているポッドキャスト番組、
すすむアートの最新回、玉の小刀のストーリーについて語ります。
という回で僕のメッセージをご紹介いただきました。
この回の内容としてはすすむさんが書かれた、
玉の小刀という刀にまつわるバックストーリーをすすむさんご自身が語るという内容で、
以前お邪魔させていただいた展示でも、この玉の小刀の絵を拝見させていただいてまして、
力なき者が使うと呪われてしまう、持つものを試す小刀という、
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聞いていてその先の連想や物語が膨らむお話をされていて、すごく面白かったですね。
概要欄に貼っておきますので是非チェックしていただければと思うんですが、
この回の冒頭のフリートークの方で僕のお送りしたメッセージをご紹介していただきました。
どういうメッセージを送ったかというと、すすむアートの前回の配信ですすむさんがつんどくについて語られていたんですが、
その回をうちの奥さんのバクホが聞きまして、
その回ですすむさんがご紹介されていた別のポッドギャスト番組のディオゲネスクラブという番組で、
バルバラ異界という萩尾本さんの漫画を紹介されてたんですね。
バクホがそのバルバラ異界の回を聞いて、その影響で15年間つんどくしていたバルバラ異界を読んだんですよ。
そのことをすすむさんにメッセージでお伝えしたんですが、
そしたらそのメッセージをすすむアートでご紹介していただけたという流れだったんですね。
すすむさん、メッセージご紹介いただきありがとうございます。
すすむさんもおっしゃってたんですが、つんどくについてのエピソードから、
つんどくしていた漫画のエピソードにつながってというのが濃密なシンクロニシティになっていて、
いやまたしてもシンクロニシティ発生しちゃったなぁという風になりましたね。
ちなみに僕もバクホに便乗してバルバラ異界読んでみたんですが、
前編にわたってSF的面白さが詰め込まれた非常に濃密な作品でめちゃくちゃ面白かったですね。
で、実はバクホがつんどくしていた萩尾本作品ってこれだけじゃなくて、
バクホの購入した萩尾本の全集が自宅にあるんですが、SF作品はほぼつんどくしてるみたいなんですね。
結構あるんですけどね、萩尾本のSF作品って。
で、僕はバルバラ異界を読んだばかりなんですが、
バクホがつんどくしている萩尾本作品の中でも気になったスターレッドという作品を読んでみました。
で、これがまためちゃくちゃ面白かったんですよ。
バルバラ異界もスターレッドも火星がキーワードになってまして、
特にスターレッドはメインテーマや物語の舞台が火星の作品なんですね。
ネタバレにならない範囲で要素を少し話そうかと思うんですけど、
このスターレッドという作品の中では、火星は地球で犯罪者とされた人を送り込むル系の星だったんですよ。
地球におけるかつてのオーストラリアとかサハリンみたいな感じですね。
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で、なぜか火星では子供が生まれなかったり、生まれてもすぐに死んでしまうという状況があったんですね。
そんな状況の火星なんですが、さらにその後地球の内戦とかいろいろあって、
地球から火星への補給が完全に途絶えたんですね。
食料とか水とかが一切補給が途絶えて、なかなか恐ろしい展開なんですが、
地球から送り込まれた囚人には全員生体レーダーがつけられてたんですが、
そのレーダーから送られてくる生命反応も補給が途絶えて、しばらくすると確認できなくなって、
で、火星では子供も生まれないわけなので、おそらく火星にいた人は全滅しただろうと地球の方では判断するわけです。
で、地球のごたごたがようやく片付いてから、地球から火星に調査団を派遣してみたんですけど、
そこで地球の人々は赤い目に白い髪の火星の環境に適応した火星人と呼ばれる人たちと遭遇することになるんですよ。
生体レーダーからの反応はすべて消えたということになってたんですけども、
それは地球生まれで火星に送り込まれた囚人たちで、火星で生まれた子供たちにはレーダーは埋め込まれてないんですよね。
でも火星では子供は生まれなかったはずなのに、いつの間にか子供が生まれるようになっていて、
しかも元々の地球の人間とは身体的能力的に大きく違った存在として火星で生活しているわけなんですよ。
そしてお互い相入れない地球人と火星人との間にはついに戦いが起きてしまう、そういう話なんですね。
今回初めてスターレッドという作品を読んだんですけど、この世界観にすごく引き込まれてしまいましたね。
このアギオモトのスターレッド、これもとても面白い作品なのでぜひチェックしてみてくださいね。
続いて前回と前々回で46億年物語という生命の進化史を辿るゲームについてご紹介させていただいたんですが、
いつもセミラジオでご紹介させていただいている生物をざっくり紹介するラジオ仏作のパーソナリティーのお二人から
ツイッターとお便りフォームでそれぞれメッセージをいただきましたのでそちらもご紹介させていただきます。
まず仏作パーソナリティーのトヨさんからツイッターでメッセージをいただいたのでご紹介させていただきますね。
このゲーム本当に面白そうというのがとてもよく伝わってくるお話でした。
詳細に語っていただき情景が浮かびました。
09:02
前編もめちゃくちゃ面白くて待ちに待った後編でしたというメッセージをいただきました。
トヨさんありがとうございます。
トヨさんはこの46億年物語というゲーム世代ではないと思うんですが、
そういう方にも面白がっていただけたというのが本当に嬉しくて、
46億年物語特集やってよかったなぁと思いましたね。
そういうなかなか触れる機会のないものに光を当てて、
その面白さを共有することができたらすごくやりがいあるなぁって思うんですよね。
仏作からはもう一方パーソナリティーの白さんからもお便りフォームからメッセージをいただいています。
46億年物語の回聞きました。めちゃくちゃ面白かったです。
進化の流れももちろんですがイエティなどのユーマーも出てきて楽しかったです。
前編の後の後編は待ちに待ったという感じです。
生き物とサブカルが融合した蝉山さんらしい回でした。これからも配信楽しみにしています。
とのメッセージをいただきました。
白さんありがとうございます。
生き物とサブカルが融合した蝉山さんらしい回という風に言っていただけたんですが、
サブカルか生き物のどちらかに振り切った回も自分ではやっていて楽しいんですが、
生き物とサブカルの両方の要素を持った話を出せると、
セミラジオらしくやれたなっていう風に思いますね。
そこを拾ってもらえて嬉しかったですね。
ということで続いての話題なんですが、
いつもこのセミラジオを聞いていただいたり、
僕のやっているブログセミブログを楽しんでいただいている絵描きさんの長賀学さんが、
持ちキャラである猫と狐のハーフ、お狐にゃんこのラインスタンプ第2弾、
秋冬バージョンをリリースされました。
早速購入させていただきまして、すごくかわいいスタンプなのでご紹介したいんですけども、
このお狐にゃんこは猫と狐のハーフというありそうでなかった斬新な設定のキャラクターのラインスタンプなんですよね。
つまりこのお狐にゃんこは両親が狐と猫なんですよ。
犬科と猫科という分類学上の垣根を飛び越えた愛の結晶なんですよね。
いろいろと背景の設定が気になりますよね。
ご両親はどういう慣れそうめで出会ったのかとかですね。
もしかしたら僕がチェックできてないだけで、どこかでその慣れそうめの設定も発表されているのかもしれないんですけども。
このお狐にゃんこラインスタンプの秋冬バージョンは、
おはよう、こんにちは、こんばんはなどベーシックで使いやすいメッセージのほか、
これからの季節に使えるハロウィン関係のトリックオアトリートとか、クリスマス関係とか明けおめとか、
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サイジ形も収録されている非常にツボを抑えた構成になっていて、
これからの時期そのあたりのサイジ形も使っていくのが楽しみです。
個人的にこんにちはのメッセージのお狐にゃんこの表情がとても可愛らしくてツボってますね。
そんなお狐にゃんこのラインスタンプ第2弾、秋冬バージョン、概要欄に貼っておきますので是非チェックしてみてくださいね。
それではそろそろ本編に行きたいと思います。
今回はボルボックスという生き物についてお話ししたいと思うんですが、
なぜボルボックスなのかと言いますと、
実は前回前々回でお話した46億年物語というゲームにボルボックスという名前の生物が登場するんですね。
なんですけど、その46億年物語に出てくるボルボックスは、
実際のボルボックスとは全然違う驚々しい生命体として描写されていて、かなり脚色されてるんですよ。
なので46億年物語界を聞かれてない方でも今回のお話は問題なく聞いていただけると思います。
で、僕は46億年物語に出てくるボルボックスのことはよく知ってるんですけど、
現実に存在している生き物としてのボルボックスのことは全く知らないことに気がついたんですよね。
なんならボルボックスというのが生き物なのか何なのかすらもよく分かってなかったんですよね。
で、気になって調べ始めてみたんですけど、これがすごく興味深い生き物でして、
今回はそんな風にして色々と資料を当たって調べてみたボルボックスという生き物についての僕のレポートという感じで聞いていただけると嬉しいです。
ボルボックスは緑草と呼ばれる水中に生息する植物のグループに属しています。
見た目は緑色のボールみたいな感じで、その球体になった体の中に色の濃い緑色の球体がいくつか入っている、そんなイメージです。
日本にも川や池、田んぼなどの淡水に生息していて、オオヒゲマワリという和名もついています。
このボルボックスは数千個の細胞からなる多細胞生物なんですが、その体細胞の一つ一つに2本の弁毛が生えているんですよ。
弁毛というのは漢字でムチとケと書くんですけども、その名の通りムチのようにうねうねと伸びているケのような器官のことですね。
これがボルボックスの体細胞それぞれから2本ずつうねうねと伸びているわけです。
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ボルボックスが面白いのは、このそれぞれ弁毛を生やしている細胞たちが一致団結して弁毛を同じ方向に動かして、
まるでカヌーブが全員で力を合わせてオールを漕ぐように弁毛を漕いで移動することができるんですよ。
みんなでワッショイしながら移動するんですね。
くるくる回転しながら前に向かって移動するんですけども、
ボルボックスは植物なので揚力体を持ってますし、
光合成でエネルギーを作り出すことができるわけなんですけど、
こうやってみんなでワッショイすることで、
あっちにいい感じに比値のいいところがあるぞ、ワッショイワッショイって感じで能動的に移動して光合成することができるわけなんですね。
で、このボルボックス、さっき体内に濃い緑色の球体がいくつか入っているっていうお話をしたんですけど、
これ何かというと娘軍隊と言って次世代のボルボックスなんですね。
ボルボックスの中に次の世代のボルボックスが住んでいるみたいな感じになっていて、
こういう構造を軍隊と言うんですが、的漁師家みたいなことになってるんですよね。
さらにすごいのは、その一つの親ボルボックスの中に娘ボルボックスがたくさん入ってるんですけど、
その娘の中にさらに孫ボルボックスが入っているという状態になることもあるみたいで、
1個体かつ3世代の的漁師家みたいなことになってるんですよね。
なかなかすごいシチュエーションですよね。
1個体の中に娘も複数いて、その娘の中にさらに孫も入ってるわけですよ。
孫目線で言えば超巨大なおばあちゃんですよね。
ただ娘ボルボックスが育つときは、お母さんの細胞壁を突き破って出ていくそうで、
もうちょっと穏やかにできないのかなぁと思っちゃうんですけども、
この親ボルボックスの中にいる娘ボルボックスなんですけど、
生き物としては珍しい、面白い行動をするので、そちらもご紹介したいんですけども、
イメージしやすくするために、ちょっとボルボックスをアンパンに例えてお話ししたいんですけども、
まず独立した個体である親ボルボックスの中に娘ボルボックスが入っている状態。
これをアンパンの中につぶあんが入っている状態としますね。
ボルボックスの場合、そのつぶあんの粒を拡大してみてみると、
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実はそれも一つのアンパンになっているわけです。
なんですけど、親ボルボックスの中の娘ボルボックスは、
まだ幼い頃はパン生地の内側にあるはずのつぶあんが体の表面にくっついてるんですよ。
親ボルボックスの中に娘ボルボックスがいるんだけど、
その体の表面には後に孫ボルボックスになる細胞がつぶつぶとくっついてるわけなんです。
でもこれだとちゃんとしたアンパンになれないんですよね。
パンの表面につぶあんがくっついてたら、それはアンパンじゃなくて創作パンになっちゃいますから。
で、この表面につぶあん、つまり孫細胞をつけた娘ボルボックスはどうするかというと、
細胞膜の表と裏がひっくり返るんですよ。
ある段階まで成長した娘ボルボックスは、
孫細胞がくっついた表の細胞膜が体の内側になって、
今まで裏側だった細胞膜が逆に表に出てきて、
細胞膜で孫細胞たちを包み込むんですよ。
体の表と裏がひっくり返って、孫細胞が細胞膜に包み込まれるんですね。
こうして娘ボルボックスは親と同じように、
体の中に自分の娘を包んでいる状態になるんですね。
創作パンがちゃんとしたあんパンになって、パン生地の中につぶあんが収納されるんですね。
こうして育ちの準備を整えた娘ボルボックスは、
お母さんの細胞膜を突き破って育っていくわけなんです。
このように表面に孫ボルボックスをくっつけた娘ボルボックスが、
細胞膜の表と裏をひっくり返して、体の内部に孫ボルボックスを収納することをインバージョンというそうです。
パン生地の表面につぶあんをくっつけた創作パンが、
表と裏がひっくり返って、ちゃんとしたあんパンになるわけですね。
この例えでイメージがしやすくなったかどうか全く自信がないんですが、
ボルボックスはそんな珍しい行動をとる生き物なんですね。
人間の場合、大人になるときに体の表と裏がひっくり返るってことはないですし、
裏返ったら大変なことになると思うんですけども、ボルボックスはそれをやるんですよね。
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どうせ裏返るんなら最初からつぶあん収納しとけば良くないかなって思うんですけど、
何か進化上の理由があるんでしょうね。
このボルボックスなんですけど、もともとは単細胞生物のクラミドモナスという生き物から進化したと考えられています。
このクラミドモナスもボルボックスの体細胞と同じように2本の弁毛を持っていて、
その弁毛を動かして水中を泳ぐことができるんですけど、実はその泳ぐスピードが異常に速いんですよ。
1秒間に60回から70回くらい弁毛で水をかくことで、秒間0.3ミリくらいの速度で泳ぐんですけど、
秒間0.3ミリって遅いなぁと思うんですけど、このクラミドモナスの大きさって0.01ミリくらいしかないんですね。
小ささの桁が一つ違っていて、身長170センチの水泳選手に例えると、1秒間に25メートルから50メートルも泳いでいるわけで、
これで植物って言われてもピンとこないですし、動物だとしても異常なスピードですよね。
普段、日常で動物と植物が見分けられなくって困るっていうことはまずないと思うんですが、
小さな生き物の世界って植物と動物の境界ってかなり曖昧なんだなって思いますね。
そんなトップスイマーであるクラミドモナスが集まって、群体として多細胞生物として進化したのがボルボックスということなんですね。
この単細胞のクラミドモナスから数百から数千個の細胞を持つボルボックスの間には、中間系の生き物も何種類かいて、
例えば細胞が4個しかない、世界で最も細胞数が少ない多細胞生物テトラバエナという生き物もいるんですよ。
このテトラバエナなんですけど、和名ではシアワセモという名前がついていて、なんで幸せかというと、細胞が4つくっついているその見た目が四ツ葉のクローバーのように見えるからなんだそうです。
まあ当事者からすると自分がシアワセモと呼ばれていることも知らず、弱肉強食の世界を死に物狂いで生きてるんだろうとは思うんですけども。
ということでそんなボルボックスと祖先であるクラミドモナス、そして中間系の生き物についてご紹介させていただきました。
ボルボックスのお話はここまでなんですが、ちょうどこの回の台本を書いているときにブツザクの兄弟番組、教育をザックバラに語るラジオ育ザクを聞きまして、育ザクの最新回、ナンバーワンかオンリーワンかをザックバラに語るという回で、ゾウリムシを使った興味深い実験についてのお話をご紹介されていました。
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これはゲオルギーガウゼという研究者が行った実験でゾウリムシとヒメゾウリムシという禁煙の生物を水槽に入れてどうなるか試してみたという実験なんですけども、この結果がどうなるかや実験の意図についてはぜひ育ザクのナンバーワンかオンリーワンかをザックバラに語る回、とても面白いので概要欄からチェックしていただければと思います。
この生き物の生態に絡めて教育を語るというのが、育ザクも配信されているお二人ならではのすごく面白い切り口だなぁと思いましたね。
で、ちょうど育ザクのゾウリムシについてのお話を聞いたのと、ボロボックスについて調べているときに、ボロボックスと同じく水の中に住む微生物であるゾウリムシの紹介記事がちょいちょい目に入ってきてたんですよ。
で、ゾウリムシって中学の時に理科の授業で名前は覚えたんですけど、具体的なことは全く覚えてなかったんですね。
で、改めて気になって色々調べ直してみたんですけども、ボロボックスに負けず劣らず面白い生態を持った生き物だったので、ゾウリムシについても少しご紹介したいと思います。
このゾウリムシというのは淡水性の生き物で、日本の川や池、田んぼなんかに生息しています。
このあたりはボロボックスと一緒ですね。
細胞の表面に線毛という小さな毛がみっしり生えていて、この線毛を小刻みに動かして泳ぐことができます。
体のサイズは大きくて0.1ミリ程度ですごく小さな生き物なんですが、主食はゾウリムシよりさらに小さな細菌です。
ボロボックスと大きく違うのはゾウリムシは単細胞生物で細胞分裂で増えるっていうことなんですね。
無性生殖でどんどん分裂して増えることができるんですが、実はこれには限界があって、一つの個体は最大で600回程度しか分裂できないそうなんですよ。
それじゃあそのうちにゾウリムシは絶滅しちゃうんじゃないのってなるんですけど、そうはならなくて、実はゾウリムシは有性生殖も可能なんですね。
ただその形式は哺乳類なんかとはだいぶ違っていて、違う性を持つ個体同士で新しい子供を作るっていう方式ではないんですね。
どうするかというと、違う性を持つゾウリムシ同士がくっつき合ってこれを接合というんですが、お互いに遺伝子を交換し合うんですよ。
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つまり異なる遺伝子を持ったゾウリムシAとBが出会って、接合して遺伝子をお互いに交換し合うことで、最初のゾウリムシABとは違う遺伝子の組み合わせを持ったゾウリムシCとDになるんですね。
お互い元のゾウリムシとは違う存在になっちゃうんですね。
1個体は最大で600回しか分裂できないと言ったんですけども、こうして新しくゾウリムシCとDになった個体はもう以前の個体とは違うっていうことになって、また最大600回ずつ分裂できるみたいです。
そうやって種を存続させてるんですね。
しかもゾウリムシは性別がオスメスの2種類だけじゃなくて、16種類もあるそうなんですよ。
単細胞生物っていうと割とシンプルな生態なのかなぁと思いきや、むしろ性別に関しては多細胞生物より複雑なところもあるんですよね。
こういう微生物の生態に関する話ってまだまだ知らないことがたくさんあるので、これからも掘っていきたいなぁと思っています。
また面白い生態の生き物を見つけたらこのセミラジオでご紹介したいと思います。
セミラジオではお便りを募集しています。概要欄のフォームやツイッターでハッシュタグセミラジオでご感想いただけると嬉しいです。
今日は群体生物ボルボックスとゾウリムシについてご紹介させていただきました。ご視聴ありがとうございました。
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