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2023-04-30 12:59

シマが半分のシマウマ「クアッガ」

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かつてアフリカに生息していた、シマが半分しか無かったシマウマ「クアッガ」についてお話しました!


・シマウマ観を揺さぶってくる生き物

・シマが半分な理由(推定)とは?

・クアッガ復活計画



クアッガ(wiki)

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%82%A2%E3%83%83%E3%82%AC


クアッガの4コマ漫画(せみやま作)

https://semiyama.com/4koma-nyan-canvas/


「シマウマ」をざっくり紹介(生物をざっくり紹介するラジオ ~ぶつざく~)

https://open.spotify.com/episode/0LYsxTYgTZVg6TjrPr350S


クアッガプロジェクト公式サイト

https://www.quaggaproject.org/



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みなさん、こんにちは。 自然を愛するウェブエンジニア、セミヤマです。
今日は、シマが半分しかなかったシマウマ、クアッガについてお話ししたいと思います。
今回は、シマウマの一種、クアッガについてということで、しばらく前のエピソードでは、
プラテーロと私という可愛いロバが出てくる三分子をご紹介したんですが、
シマウマもロバもウマ科の動物ということで、ウマ科の流れが来ているようですね。
このクアッガ、僕は大好きな生き物なんですけども、好きすぎてクアッガの4コマ漫画も書いたことがあるんですよね。
内容としては、自分で書いた短い作品なのでネタバレしちゃうんですが、
シマが半分しかないクアッガが、ムジの部分にシマを書き込まれて、普通のシマウマっぽくされてしまい、
アイデンティティクライシスに陥るという、そういう漫画を書きました。 概要欄に貼っておきますので、よかったら見ていただけると嬉しいです。
このクアッガなんですが、今も言ったように、普通のシマウマであれば全身にびっしりと入っているはずのシマ模様が、
なぜか頭部から体の中ほどくらいまでしか入っていなくて、体の中ほどから下半身にかけてはシマがない、
ムジになっているという生き物だったんですね。 どうして自分がクアッガを好きなのか厳密に言語化するのは難しいんですけども、
ほとんどの人はクアッガという生き物の存在を知る前に、 普通のサバンナにいるシマウマの存在や見た目を知ることになると思うんですけど、
シマウマという生き物のビジュアルがベースとしてすでに頭の中にある状態で、このクアッガを見ると異表をつかれるというか、
不思議なものを見せられているという気分になるんですよね。 でも西洋の画家が絵筆で残したクアッガの博物画なんかを見ていると、
決して違和感のある感じはしないというか、 もちろんその画家の表現力がすごいということではあるんですけど、
この半分しかシマがないクアッガという生き物が、すごくバランスの取れた見た目の生き物に見えるんですね。
で、そんなクアッガに目が慣れた状態で、 普通のシマウマの写真とかを見ると、ちょっとシマ多いなぁとか思ったりするんですよね。
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クアッガはそういう自分の認識を揺さぶってくる面白い生き物だと思いますね。
このクアッガなんですが、実はもう動物園でも野生でも姿を見ることができない 絶滅動物なんですね。
いくつかの白星や標本、動物園で飼育されていた個体を撮影したわずかな写真、
あとはさっきもお話に出たんですが、 当時描かれた博物画など、それがクアッガについて残されている全てなんですよね。
生き残っている個体はもういないとされています。 なぜクアッガが絶滅してしまったかなんですが、
その前にまずはクアッガがまだ野生動物として暮らしていた頃、 どんな生き物だったのかについてお話ししたいと思います。
クアッガはかつてアフリカ大陸の最南端の乾燥したサバンナ地帯に群れを作って暮らしていました。
群れの個体数は30頭から50頭、多い時は数百頭もの群れを作っていたそうです。
乾燥したサバンナで群れを作って草を食べながら移動してたんですね。
クアッガは残されている観察記録によると、別種の生き物であるウシカのヌーやダチョウとの群れ、
こういう別種の生き物同士で作る群れを混群と言ったりするんですが、 そういう混群をダチョウやヌーと作って一緒に行動することが多かったそうです。
これは原生のサバンナシマウマにも見られる行動なんですが、 なぜ違う種類の生き物で群れを作るかというと、
聴覚が鋭いシマウマに対してダチョウは蝶類の中でも特に視力に優れています。
そしてヌーは嗅覚に優れた動物なんですね。
聴覚、視覚、嗅覚によって共通の点的である肉食獣の接近にいち早く気がつくことができて、
別種の生き物からなるチームとして生存率を高めることができたということなんですね。
ちなみにダチョウの視力は40メートル先を歩いているアリの動きがよく見えるほど優れているそうで、
ヌーよりも眼球の方が大きいんだそうです。視力に全振りしているんですね。
クワッガ的にも頼れる相棒だったんじゃないかなと思います。
で、ここまではほぼほぼ他のシマウマとも共通している生態なんですけども、
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やっぱり何と言っても特徴的なのは半分しかないシマ模様ですよね。
なぜクワッガには半分しかシマがないのか気になるわけなんですが、
それを考えるには逆になぜ普通のシマウマには全身にシマ模様があるのかを考える必要があるかなと思います。
これについてはこの番組でもよくご紹介させていただいているポッドキャスト
生物をざっくり紹介するラジオ仏作のシマウマ界で非常に詳しくご説明されてまして、
内容的にもすごく面白いのと、僕の弟のゆうすけのお便りも読まれたりしているので、
概要欄にリンクを貼っておきますので、ぜひ聞いていただければと思うんですけども。
で、シマウマにシマ模様がある理由は、いろんな仮説が唱えられてきたんですが、
最近かなり有力なほぼほぼ定説となりつつある説がありまして、
それはシマ模様だと吸血媒に刺されにくくなるためというものです。
アフリカ全土に生息している吸血媒は、吸血時にアフリカ睡眠病という病気の原因になるトリパノソウマという寄生虫を媒介するんですが、
アフリカに住むシマウマ以外のウマ科の動物はこの病気にかかりやすいんですね。
ただ、シマウマは他のウマ科の動物に比べると遥かにそのアフリカ睡眠病の感染率が低くて、その原因は長らく謎とされていました。
実はこの病気の原因となる吸血媒が色が均一な面を好み、シマ模様を嫌うという実験結果が出ているそうなんですね。
別の研究では、全身シマ模様のシマウマが歩くことで、吸血媒からは複数の物体が高速で動いているように見えるのではないかと、そういう説も唱えられているんですね。
吸血媒がどういうメカニズムでシマ模様を嫌うのかは、まだまだこれから研究の余地がありそうなところなんですが、
どうやら吸血媒がシマ模様を嫌うこと自体はほぼほぼ確定なのではないかと、そういうところまで来ているんですね。
で、そこでクワッガなんですが、吸血媒を避けるためにシマウマがせっかく進化させてきたシマシマ模様をどうしてあえて退化させる必要があるのかと思うんですけども、
クワッガが住んでいた地域は、この吸血媒の生息密度があまり高くない地域だったようなんですね。
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吸血媒が少ないということは、他の地域よりもシマ模様のメリットが少ないということになるので、
シマ模様の重要性が低下したために、他の地域のシマウマよりもシマの面積が減っていったのかもしれないですね。
で、そんなクワッガがなぜ絶滅してしまったのかなんですけども、
アフリカ大陸の南部にはケープタウンという西洋人によるアフリカ大陸入植の拠点だった場所がありまして、
アフリカ大陸の中でも最も古くから西洋人による植民家が進んだ地域だったんですね。
クワッガは肉や毛皮のために狩られ、もともと生息域が限られた個体群だったこともあり、短期間で絶滅に追い込まれていくことになってしまいました。
野生の個体は1878年までに絶滅したと言われています。
シマウマはユーモラスな外見とは裏腹に、馬よりも気性が荒く、家畜化に向かないとされてるんですが、
クワッガは比較的人に慣れやすくヨーロッパに持ち込まれてバッシャーを引いていた個体もいたそうです。
飼育科の個体による繁殖も試みられたようなんですが、個体数が少なすぎたためうまくいかず、
最後の飼育個体は1883年にアムステルダムの動物園で死亡し、クワッガは絶滅してしまいました。
そんなクワッガなんですが、実はこのクワッガを復活させようというプロジェクト、その名もクワッガプロジェクトという計画がありまして、
クワッガのDNAを分析したところ、実はクワッガは原生のサバンナシマウマの亜種、
ざっくり言うと遺伝的にはかなり近い存在であるということがわかりまして、
で、原生のサバンナシマウマの個体にも他の個体に比べてシマが薄い個体というのがいるんですね。
クワッガプロジェクトでは、かつてのクワッガに近い、シマが薄いシマウマ同士を掛け合わせていくことで、
限りなくクワッガに近い個体を作り出せるのではないかという発想から、1987年にスタートしたプロジェクトなんですね。
このプロジェクトの意義や良し悪しについては、僕はうまく語ることができないんですが、
このクワッガプロジェクトの公式サイトを見ると、30年以上にわたってクワッガの復活を夢見て追求してきた人たちの執念や情熱はすごく感じますね。
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サイトでは、飼育中の個体の写真も掲載されていて、すごくシマが薄い個体の写真もあって、やっぱり不思議な気持ちになりますね。
この公式サイト英語版しかないんですが、最近はブラウザの翻訳機能も充実しているので、概要欄に貼っておきますので、ご興味があれば見ていただければと思います。
セミラジオではお便りを募集しています。 概要欄のフォームやツイッターでハッシュタグセミラジオでご感想いただけると嬉しいです。
今日はクワッガというかつてアフリカに生息していたシマが半分しかなかったシマウマについてお話しさせていただきました。
ご視聴ありがとうございました。
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