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スピーカー 1
ということで、今回は車輪と円、特に円周率の話をしたいんです。
スピーカー 2
はいはいはい。
スピーカー 1
これがけっこう、この科学史シリーズの中で、古代ギリシャまでの話をけっこうしたんですけど、
だいたい車輪の期限ってそれよりもっと前で、
もっと前から古代ギリシャぐらいまでの話を中心にしたいのと、
あとは、この円周率って人間どこまで理解できてんのかっていう話をね、今回します。
はい、お願いします。
じゃあ、まず車輪の期限なんですけど、これいつぐらいにできたと思いますか?
スピーカー 2
車輪の期限?
ていうか、一番初めの車輪ってどういう形だったんだろう?
形っていうか、何に用いられてたんだろう?
だって今だったら自転車とかさ、自動車とかいっぱいあるけど、
やっぱ一番初めは馬車?
スピーカー 1
あー、でもいいとこだ。
スピーカー 2
うん、とか人力車とか?
スピーカー 1
そうね。
スピーカー 2
うん、そういう系だよね、たぶんなんかアナログなね。
スピーカー 1
そもそもなんか何を目的にしそう?車輪。
スピーカー 2
重いものを持つときかな。
スピーカー 1
あー、そうだね。
スピーカー 2
だからなんかすごい、なんだろうな、ピラミッドとか作るときとかに、なんか石とか運ぶのに使ってそう。
スピーカー 1
あ、まさにそう。
スピーカー 2
あ、そうなの?
スピーカー 1
聞いたことある?それ。
スピーカー 2
うーん、あるかもしれないし、ちょっと、でもそれを思っていったわけではないけど、そういうこと?
スピーカー 1
まあでも、そういうことです。
スピーカー 2
うーん、ピラミッドのときか。
スピーカー 1
そう、ピラミッドぐらいまで、ピラミッドよりもっとかな?
もう少し時代的にはさかのぼるんだけど、5500年前とかにさかのぼるんだけど、
まあ、メソポタミア文明とかエジプト文明よりちょい前ぐらい。
まあ、だいたいそれぐらいからって思ってたらいいかなと思ってて。
で、その車輪ができる前って、人がものを運ぶときって、全部ソリみたいに引きずって移動させてたの。
スピーカー 2
それだと思うよね、結局ね。
スピーカー 1
そうそう、めちゃめちゃ摩擦力かかっちゃって、もうものを持っていけない、そんな遠くまで。
っていうのなんだけど、これあるときから、まあ車輪の証拠というか、
一応、最古で見つかってる車輪はスロベニアで5150年前の木製の車輪っていうのが見つかってるんだけど、
これがおそらくね、手押し車みたいなものだったんじゃないかなと考えられているということなんですよね。
さっき言ってたエジプトのピラミッド、これも丸太を並べて、その上に石を載せて、石を押してコロコロコロって丸太が回って、
で、進んだ先にどんどん丸太を追加していくというか、いいイメージできるかな。
丸太10本ぐらい、例えば綺麗に並べて、石載せて、コロコロ動かして、
で、移動したら、また後ろに行った丸太を前に持っていって、みたいな感じで運んでいく。
スピーカー 2
丸太を10本並べて、石を上に乗っけるっていうのは、石が丸太の間に挟まっちゃいそうだけど。
スピーカー 1
ん?
スピーカー 2
ん?どういうこと?
スピーカー 1
丸太を10本横に並べるじゃん。
スピーカー 2
横に並べるよね、こうやって。
スピーカー 1
そうそう、で、その上に石載せるじゃん。
スピーカー 2
石ってどういう石?石コロコロいっぱい乗っけるってこと?
スピーカー 1
違う違う、でっかい1個の石。
ピラミッドとかってでっかい石でできてるじゃん。
スピーカー 2
なるほど、なるほど。
ちっちゃいコロコロの石を上にふりかけみたいにかけるのかと思った。
違う違う違う。
なんにも動かないやんって思ったけど。
スピーカー 1
いや、それでピラミッド作れないだろ。
スピーカー 2
でも石って聞いたらそうじゃん。
スピーカー 1
そっか、まあまあでっかい石だね。
スピーカー 2
でっかい石ね。
スピーカー 1
でっかいレンガみたいなのを想像したらいいかもしれない。
スピーカー 2
なるほどね。
スピーカー 2
なんか切断されてなきゃ無理じゃない?
スピーカー 1
そう、なんかそこにさ、ちゃんと神経通って血液も流れてみたいな機構って、まあ無理なんじゃないかなって思うんだけど。
スピーカー 2
うんうんうん。それがなんか理由な気もするね。
うんうん。
神経とか通したらもうほつれちゃうよね。
ほつれる。
ほつれる、なんていうんだ?
絡まる。
あ、そう、絡まる。
スピーカー 1
逆だ。
そうね。
だから、そういう自由に回転する機関みたいなのって、そもそもやっぱ動物とか作れなかったんじゃないかっていう感じだよね。
スピーカー 2
確かにね。
うんうん。
スピーカー 1
だったらな、よっぽど足で歩いたほうがね。
うんうん。
っていうことなんですけど、だからある意味車輪っていう構造を考えたホモサピエンス、やっぱすごいなみたいな感じはする。
スピーカー 2
そうだね。自然界では起こり得なかったものをね、ちゃんと作って。
スピーカー 1
そうそうそう。で、こういう車輪のやつ、最初はまあ物を持ってくみたいなものだったわけだけど、
これって水車みたいな感じで使えたり、それからまあやっぱ歯車みたいな使われ方もやっぱできるわけじゃない。
例えばそういう歯車でなんか組み合わせて、ある一定の動きをするものとかが農業に使われたりとか、みたいなかたちで、
ただ単にタイヤ的な車輪だけじゃなくて、いろんな使われ方をしていくんで、応用がすごい幅広い。
まあこの荷物を移動させるみたいなやつも戦車とかに使われて、やっぱ戦争とかに使われると。
っていうので、まあすごい普及したりもするんだけど。
なるほどね。
で、まあ車輪を見つけたわけだけど、人間は。
じゃあこの車輪ってどういうものなんだろうっていうのをやっぱ知りたくなるわけじゃないですか。
例えばさ、この1個の車輪がこれぐらいのサイズで作ったらどんだけの距離進めますとか。
なるほどね。
これってまさにその円の性質を調べることで、ある直径を持ってる円が1回転したときに進む距離。
これは一定の比率だよっていう法則を見つけるわけですよ。
だから例えば大きさ1メートルぐらいの車輪を作ったとして。
スピーカー 2
直径?
スピーカー 1
直径。で、それを1回転させると大体その3倍ぐらいの長さ進みますみたいな。
これってまさに円周率ですよね。
スピーカー 2
そうですね。半径がRだったら、なんだっけ、外周って2πRだっけ?
スピーカー 1
そう、2πR。
でもその時はπなんて概念ないから。
スピーカー 2
直径かけるπか。
スピーカー 1
直径かけるπだね。
スピーカー 2
それが円周率の定義?
スピーカー 1
そう。この割合。
スピーカー 2
割合?
昔東大のニュースで、円周率が3.14であることを証明せよみたいなもんで。
スピーカー 1
出た出た。
それを今思い出した。
あったねあったね。
でもそんな感じの疑問を持つわけですよ、人間。πってどんぐらいの大きさのものなんだろうみたいな。
一定比率になるってことは、古代のエジプト人もわかってた。
直径と円周の比率は一定です。
だけど完璧な円って作るの難しいんだよね。
これ円のイデアみたいな話ですけど。
どうしてもちょっと歪んじゃったりするから、大体3倍ぐらいみたいなのはわかってたと。
だけどそれ以上はなかなか難しい。
エジプト人の限界は杭を地面に打って、そこからロープをつないで、
スピーカー 1
そうだね、無限にはできないからな。
96なんて、でももう円に見えんじゃないかなって思うぐらいの、96角度あるってね、ほぼ円だよね。
まあでもこれはね、やっぱ石文とかない時代にね、思いついてやっちゃうのはほんとすごいなと思って。
で、このアルキメデスはね、そういう結構発想がぶっ飛んでる人なんですよ。
ちょっとね、詳しくはね、この次の回でアルキメデスちょっとやろっかなと思って。
前ちょっとアルキメデスやんないって言ってたけど、やっぱやりたくなったんで今喋ってるんですけど。
結局ちょっと古代技術者の最後みたいなので残ってるのをやってるんですけど。
最初に言った車輪の延長で歯車ありますよって言ってんのも、歯車を最初に使ったとされてるのもアルキメデスだし。
スピーカー 2
歯車ってすごいよね。
スピーカー 1
歯車すごい。
よく思いつくよな。
で、そういう、まあ多分ね、今で言うエンジニアっぽい感じだよね、アルキメデスって。
だからそういうの使って、石をめっちゃ遠くに伸ばす機械とか作ったりするんだよね。
スピーカー 2
遠くに伸ばす?
スピーカー 1
飛ばす。
飛ばす?
スピーカー 2
投石機。
スピーカー 1
これ使ったら、言ったらさ、もう現代で言う大砲みたいなもんすよ。
だからめちゃくちゃね、軍隊それで強くするとかやってんの。
とか、あと滑車ってわかる?
スピーカー 2
滑車は滑車?普通に車みたいななんか。
スピーカー 1
車というかまあ、
スピーカー 2
なんか引くやつぐるぐる。
スピーカー 1
そうそうそうそう。
なんか手で引いていく系の車。
車輪にロープとかついてて、それで回し、ロープ引っ張ったら動くってやつですけど。
スピーカー 2
あの滑るに車の滑車?
スピーカー 1
そうそうそう、滑るに車の滑車。
で、あれを使って、たとえば港にめちゃくちゃでかい滑車の、かぎ爪がついた滑車みたいなのつくんだよね。
結構これ説明むずいんだけど、滑車の引っ張るところは地面にあって、すごい高いところにその車輪みたいなついてて、
で、そのロープの先にかぎ爪みたいなのがついてて、それが海の方に行ってるみたいなイメージできる?
クレーンみたいなやつが海の方に向いてて、地面側でこのひも引っ張ったら、海側のそのクレーンの先っぽがガーって上がりますみたいな。
で、船が来たら、船の先端にそのかぎ爪が引っかかったら、人がその滑車自体にひもを引っ張ると、かぎ爪がわーって持ち上がるわけじゃん。
そしたら船の先端持ち上がって、その船転覆させられるの。
スピーカー 2
おー、そうだね。
スピーカー 1
そう、ひっくり返せるっていうのをアルキメース作って、これめっちゃ頭いいんだけど。
スピーカー 2
頭いいね、なんかそういう物理の知識を実際に活用してるというか、大砲もそうだけどさ。
スピーカー 1
そうなんだよ。
スピーカー 2
戦争にだけどね。
スピーカー 1
めっちゃ戦争に物理を持ち込んでるみたいなのがアルキメースで、で、それ実際アルキメースのかぎ爪っていう名前がついてるんだけど、その滑車の名前。
で、これは敵の軍隊がわーって船で来ても、どんどん船ひっくり返すと。
スピーカー 2
なんかさ、頭の中で考えたらできそうだけどさ、実際できるのかって思ったけど、できる。
スピーカー 1
うん、実際できてるらしいよ。
スピーカー 2
それ相当なんかさ、なんか性能のいいかぎ爪じゃなきゃできなさそうだよね、なんか。
スピーカー 1
かぎ爪っていうか滑車側じゃないから、そのでっかいその滑車をちゃんと作れるっていうのもすごいし。
スピーカー 2
まぁね、滑車もすごい。
スピーカー 1
とにかくアルキメースはもうサピってるわけですよ、すごい。
うん。
サピり散らかしてるわけなんですけど。
はいはい。
で、アルキメースの詳しい話をちょっとまた今度やるとして、
こういう車輪を応用するみたいなやつも、当時その演習率を割と正確に計算できたりするから、
そのなんか力関係というか、どれぐらいの大きさのものを使ったら船実際転覆されるんだろうみたいな、
そういう計算とかをしてたらしくて。
スピーカー 2
へー、すごいね。
スピーカー 1
だからまあ演習率、当時はだからこのアルキメースが導き出してたぐらいの幅で演習率を使えば、
結構正確に計算できますっていう感じだったらしいね。
スピーカー 2
うんうん。
スピーカー 1
で、これが結構古代ギリシャぐらいまでの時代、紀元前0年付近ぐらいまででここまで来てるって感じ。
で、ちょっとここから演習率、これどこまでわかってるのかっていう、今。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
話をちょっとしたいな、最後に。
はいはいはい。
で、アルキメースは3.14084から3.14286なんで、小数点以下、5桁ぐらいまでは出せてるっていう感じなんですけど、
これ何桁までいけるかっていう勝負なんですよ、もう人類。
スピーカー 2
うんうんうん。
スピーカー 1
これまあ割り切れないんで無縁に続くんですけど、
スピーカー 2
割り切れないってことはわかってるの?
スピーカー 1
まあわかってるっていうか、まあ実際そう、ものすごい桁数も計算してるけど今。
そもそもこれ何で割り切りたいというか、細かく知りたいのかっていうと、
例えば急にちょっと現代に話移すけど、宇宙に探査機とか打ち上げるじゃないですか。
スピーカー 2
はいはいはい。
あ、なるほどね。
スピーカー 1
ハヤブサとかね。
で、それ打ち上げた時に、その探査機をどっかに送って、で、そっから地球に返すみたいな。
その軌道を計算するっていう時に演習率使うんですけど、もちろん。
スピーカー 2
その時にπの値を正確に知ってなかったら、少しでもずれちゃったら、遠くに行った時にかなり位置がずれちゃったりするもんね。
スピーカー 1
そうそうそうそう。
例えばこれ今ねJAXAでは、演習率って16桁までを絶対使いましょうみたいな、決めてるらしいんよ。
スピーカー 2
意外と16桁ってなんかもっと多いと思ってた。
16桁を使いましょうってなってるの?
スピーカー 1
これをね、3億キロの宇宙の旅をさせて帰ってくるみたいな時に使う時の演習率は16桁。
スピーカー 2
16桁でいいんだ。
なんかもうさ、勝手にさ、100桁とかさ、1000桁とかさ、そこまで知らなきゃいけないのかなとか思ってたけど、そこまでではないんだね。
スピーカー 1
実際なんか他、NASAの他のもっと長い距離とか飛ばしてやるんだったら、多分もっと桁数必要になってくるんだと思うけど、今これ3億キロの場合です。
よくわかんねえけど。
スピーカー 2
大きすぎてよくわかんない。
スピーカー 1
よくわかんねえけど、でもこの3億キロでも、例えば16桁のやつを3.14だけにして計算するみたいなことをやっちゃうと、落ちてくる場所が15万キロも変わっちゃうらしい。
全然ね、違うとこ行っちゃうから、やっぱある程度の桁数が必要ですって話なんだけど、これね、今何桁までわかってると思います?