1. レイ・イナモト「世界のクリエイティブ思考」
  2. #107 注目のクリエイティブ 〜..
2025-01-14 34:43

#107 注目のクリエイティブ 〜大統領選挙の勝敗を分けたブランディング〜

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第107回は、レイ・イナモトがブランディングの観点から、アメリカ大統領選挙の結果を分析。ブランディングにおける「5つの不都合な真実」とは?クリエイティブ思考を武器に21世紀を生き抜くヒントを紹介します。


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サマリー

大統領選挙において、トランプ氏の勝利は彼のブランディング戦略に起因しています。彼のシンプルで一貫したメッセージは人々の心を動かし、心理的な影響を与えています。エピソードでは、2020年の大統領選挙におけるトランプ氏とバイデン氏のブランディング戦略を分析し、神話の力がどのように人々の思考や投票行動に影響を与えているのかを探ります。また、データと直感、メディアの役割についての考察が行われ、特にポッドキャストの影響力が増していることにも触れています。このエピソードでは、大統領選挙の勝敗を左右するブランディングの重要性が論じられ、トランプ氏やハリシー氏のキャンペーン戦略が選挙結果に与えた影響が焦点となっています。

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This is ReinaMoto's Podcast. 世界のクリエイティブ思考
Hi everyone, this is ReinaMoto. 皆さんこんにちは、ニューヨーク、東京、シンガポールを拠点にするグローバルイノベーションファーム
I&CO 共同創業パートナーのレイ・イナモトです。 目まぐるしいスピードで世の中が変化する中、この番組は日本人が世界で必要不可欠な存在となるためのヒントを探ります。
今回は注目のクリエイティブをお届けします。 今日一緒に番組をお届けするのはこの番組のプロデューサー竹村いこさんです。
レイさんよろしくお願いします。 今回は大統領選挙の勝敗を分けたブランディングについてお届けします。
大統領選挙の結果とブランディング
いやー今回の大統領選挙、ずっとトランプ氏とハリス氏の接戦だという報道されていたんですが、なんと蓋を開けてみればトランプ氏の圧勝でしたよね。
アメリカに住んでいるレイさんはこの結果予想してましたか?
僕のビジネスパートナーはアメリカ南部出身の白人の男性なんですけど、僕とその世の中に対する意見とかは結構似ている人ではあるんですけども
いやーこれはトランプが勝つねっていうふうには1週間ぐらい前に言っていたんですね。
僕はそれをすごく微妙にそうかねみたいな感じで見てたんですけども、結果はそうなってしまって、いろいろ勉強になったタイミングでもありました。
やっぱり大統領選挙っていうのはそのブランディングがすごく大事なんですよね。
売ってるって言うとちょっと言葉が違うかもしれないんですけども、結局はそのどういう印象を与えているか、そしてどこまで人の心を動かせるのかっていうことを勝負する場でもあるので、もう本当にブランディングの戦いっていうことだと思うんですよね。
では早速聞きましょう。
レイさん、今回トランプ氏はどんなブランディング戦略で大統領の座を勝ち取ったんだと思ってますか?
今回のこの大統領選でいろいろ事後に考えてみて、いくつかの気づきがあったんですね。
5つの不都合な真実ということで、ブランディングって気をつけないと非常に危険な武器にもなってしまうと思うんですね。
1つ目、理想よりも単純。
2つ目、誠実性よりも一貫性。
3つ目、真実よりも神話。
4つ目、データよりも直感。
そして5つ目、正しいよりも面白い。
この5つが今回のトランプ氏の勝利、そしてどうやって人の心が動いたっていうことの裏側に、こういう5つの不都合な真実があるんだなってことに気づきました。
なるほど。では1つ目、理想よりも単純ということですが、これはどういう意味ですか?
これはですね、ある仕事の場で日本人のチームといろいろ議論をしていて、戦略を書いている時があったんですね。
戦略って結構難しいことなんで、どうしても使う言葉が難しくなっちゃう傾向があるんですけども、
その日本人の同僚の人がトランプみたいにすごくIQの低い言葉を使うっていう風にしたらどう?みたいなことを半分冗談で言ってたんですね。
はい。
で、それをそのまま鵜呑みにしてしまうといい言い方ではないとは思うんですけども、
確かにそのトランプの使う言葉って、ただシンプルなだけじゃなくて、すごく単純なんですよね。
でも本当に難しい言葉は使わないですし、彼が演説がうまいのかっていうと、もういろんなとこに右行ったり左行ったりしてしまうので、何を言ってるか分かんないことよくあるんですけど、
でも使う言葉が非常に単純なんですよね。
で、彼の言ってることって、一番最初、それこそ2016年、15年に大統領に立候補したときに、「いや、俺はニューヨークの5番街で人を打っても、それでもみんな投票してくれるよ、母!」みたいなことを言ってたんですけども、
それって理想では全くないじゃないですか。というか、理想よりもめちゃくちゃかけ離れたことで。
そんなこと起こってほしくないですよね。
起こってほしくないですし、そんなことをしてしまったら、これはもう犯罪者に完全になるんで、よくないことなんですけども、でも言ってることは、合ってるか合ってないかっていうことは置いといて、すごく単純なことを言ってるんですよね。
トランプがずっと言ってたかけ言葉が、そのMake America Great Againっていう言葉があるじゃないですか。
やっぱりその組織とか大統領選とか、あと企業っていうところを考えると、その企業にもそのスローガンとかキャッチフレーズとかかけ言葉があるんですけども、世界で一番有名な企業のタグライン、スローガンって何だと思います?
私は2つ思い浮かびます。
はいはいはい、何ですか?
Just Do Itと、あとThink Different。
おー、なるほど。
近いですか?
まさしくそこを僕2つ考えたんですけど、これは事前に打ち合わせをしてないことなので、今ここでリアタイムに聞いてるんですけど、どっちも、今竹村さん英語でおっしゃったじゃないですか、あれって世界中で英語がその各国の言葉に訳されてないんですよね。
確かに、そうですね。
普通その企業のブランディングとか企業のタグラインってその国の言葉とかその言語に訳されることが普通じゃないですか。
なんですけど、訳しにくいっていうのもあるし、なかなかそれに合った言葉で表現ができにくいっていうところもあるので、英語のままなんですよね。
ただ、どっちもその、竹村さんは英語が喋れるので普通の人とは違うかもしれないですけども、でも英語が分かんない人でもそのJust Do Itっていう言葉知ってる人少なくないと思うんですよ。結構いると思うんですよね。
本当に中学生でも理解できる感じですもんね。
なんとなく感覚で分かるじゃないですか。
で、そのトランプがずっと使ってるMake America Great Againも、まあ英語ができない人でもだいたい感覚的に分かるっていうのがあるんですけども、
それってすごく単純な言葉だから。
確かに。
で、もう一つおっしゃる、そのAppleのSyncDifferentって、SyncDifferentって聞いた時にどういうことを思い浮かべます?
なんか奇抜なアイディアとかそういう感じがしますね。
でですね、ちょっとこれは感覚的な裸なんですけど、Just Do Itの方が知られている率が全然高いと思うんですね。
SyncDifferentよりも。
で、もうSyncDifferentもう20年以上ずっとある言葉なので、結構寿命は長い言葉なんですけども、Just Do Itの方が世界中で知られてるし、説明のしやすい言い回しなんですね。
確かに。
で、それって、そのMake America Great Againみたいに、もう感覚で考えなくても、もうそれ思ったりやればいいだけだよねみたいな、そういうところがすぐ直感的に伝わってくる言葉なんですけども、
それって理想的なことを言ってるだけじゃなくて、単純なことを言ってるから。
だからそのトランプ氏の言うことって、もう本当に単純でわかりやすいんですよね。
その彼の言ってることに賛成するか賛成しないかを置いといて、もう長い演説でもすごく単純な言葉で、本当にわかりやすい言葉で彼は伝えてる。そこが強いんじゃないかなと思います。
そして二つ目、誠実性よりも一貫性ということなんですが、こちらはどんな意味なんですか?
これもトランプ氏が言った言葉につながるんですけども、その一番目に話したMake America Great Againっていう、彼が最初からずっと使っている、2015年に大統領選に出たとこからずっと使っている言葉があるじゃないですか。
はい、もうみんな知ってる。
みんな知ってる。実はですね、あの言葉ってトランプ氏が考えた言葉じゃないんですね。
誰が考えたんですか?
実は1980年に当選したロナルド・レーガン大統領、彼がキャンペーンをやった時にLet's Make America Great Againっていう言葉を使ってたんですね。
へー、そんな昔からある言葉なんだ。全然知らなかったです。もうトランプ氏のイメージしかないです。
ないですよね。レーガン大統領ってアメリカの中でも結構尊敬されている共和党の大統領なんですけども、尊敬されていて。
で、この言葉Let's Make America Great Againっていうのは、レーガン大統領の後もクリントン氏も使ったりとか、何回かちょこちょこと使われている言葉なんですね。
あ、そうなんですか。知らなかった。
そう。で、ここでトランプ氏がすごくうまいのは、この言葉がいいと。で、調べてたら誰も商標を取ってなかったんですって。
おー、そうなんですね。
そう。で、2015年の11月、これはもう大統領選が始まった時なんですけども、誰も商標を取ってなかったっていうことを調べてわかったらしくて、
トランプチームがそれを商標を取ってMake America Great Againっていうのを正式なタグライン、キャッチフレーズとして登録したっていうのが、実は2015年に行われてたんですね。
へー、知らなかった。
で、それって2015年のトランプ氏が立候補したときからずーっと同じ言葉で今も使われてるんですよね。
おー。
で、この言葉ってその一番目につながる、すごく単純で分かりやすいじゃないですか。
で、これ誰が聞いても、まあそうだよね、間違ったことは言ってないよねっていう、Just Do Itじゃないですけども、言ってないよねと賛同しやすいと。
ちなみに、その民主党のクリントン氏、オバマ氏、それからバイデン氏、そして今回ハリス氏もいますけども、彼らが言っていたキャッチフレーズって何か思い浮かびます?
いくつかあったんですよ。
いや、そうそう、なんかいくつかあった気がするけど、なんか一個も思い出せないですね。
で、ハリス氏も、なんかWhen We Fight, We Winとかいくつかあったんですけども、これぞって言ったのが、とかWe're Not Going Backとか、まあそこそこ思い浮かべる、そして覚えやすい言葉はあったんですけども、一貫性がなかったんですよね。
なるほど。やっぱりコロコロ変えない方がいいんですね。
そうなんですよ。だからその言ってることは、誠実性の高いことだったり、誠実なことを言ってはいたんですけども、一貫性がなかったんですよね。
なるほど。
で、トランプ氏のことを見ると、そのMake America Great Againっていう言葉もあるんですけども、他に関することも、コアなところは、もう結構こう変えずに一貫性を持ってずっと言ってるんですよね。
なるほど。誠実さよりも一貫してるかどうかなんですね、やっぱり。
で、やっぱり一貫してることがブランドになっていくんですよね。それは良くも悪くもですけども。
なるほど。すごいな。しかも商標登録してるってことは、トランプ氏がかぶっている帽子とかにMake America Great Againって書いてあったら、もうそれでお金がいっぱい儲かるっていうことなんですね。さすがビジネスマン。
そうなんですよ。だからその辺のブランディングっていうのがすごい上手いなと思います。
神話の役割と影響
そしてでは3つ目ですが、こちらは真実よりも神話。これはどういうことでしょう。
歴史的にその人間の進化を見ると、実は7万年から10万年ぐらい前と言われてるんですけども、人間の脳みそが飛躍的な進化を遂げるんですね。
それ何かっていうと、脳みその進化したことによって言葉で物事を考えて、そしてあとその口でそれを言葉にして伝えるっていうことができるようになったのがそれぐらいなんですって。
それで何が起きたかっていうと、人間が物を語る、そしてストーリーを作るっていうことができるようになって、なおかつそれに共感をするっていうことも人間が脳みそでできるようになったって言われてるんですね。
そうなんですか。
そうしたことによってその人間と動物の決定的な違いっていうのが起きたのは、それまでは動物でもそれこそ魚とかアリとかでもこう群れって作るじゃないですか。だから集団になれるんですよね。
ただそれは物理的に同じ場所にいないとできなかったことなんです。でもストーリーで物事を伝えて、それを聞いた人がまた別の人に伝えてっていうことになると連鎖反応が起きて、それまでは動物と動物、もしくは同じ場所にいた人と人、例えばその集落とか村とかにいた人たちが群れてはいたんですけども、
人からストーリーになったことで、そのストーリーが一人歩きして、同じところにいない人でも同じ考えを共有して集団になるっていうことが可能になったんです。
へー、そうなんですね。
それが人間の脳みその中で起こった進化の中で一番大きい進化と言われていて、そこが決定的にその動物と人間と違うところだと。だから地球を支配しているのは人間になったっていうのが言われてるんですけども。
これをした時に、その真実とか情報とかファクトを伝えるっていうことよりも、いかに相手の共感を得るかっていうところが大事で、それってストーリーであって、そして神話であるんですよね。
確かに、なんかすごい印象的な話だと、他の人にちょっと聞いてよみたいな感じで話したくなるから、そうやってバーって広がっていくっていうのはあるかもしれないですね。
そう、だから今回の大統領選で見ると、一つトランプ氏そして共和党が勝った大きな理由として経済があると、インフレがあるんですけども、データで見ると、2019年トランプ氏が大統領だった時と、今バイデン氏が2020年大統領だった時を見ると、データ的に見るとインフレも今はだいぶ戻ってきましたし、就職率も同じぐらいだし、
GDPで見ると、2019年よりも2020年の方が高いんですね。上がってるんですね。
そう。
なるほど。
そうやって見ると、真実を見ると変わらない、もしくはそれよりかは良くなってるっていうところがあるんですけど、そのトランプ氏がずっと言ってたのは、いや、今の経済はひどいだろう。バイデン氏はもうこれを破壊しちゃった。で、それを直すのは俺だけだ。
で、俺が4年前に大統領の時だった時は、皆さんの生活はその時の方が良かったでしょ。そこに戻せるのは俺だけだっていう風に、そういう神話をずっと言ってきて、まあそうだよねっていう。
確かに、僕でも生活とか物価とか見ると、確かに2020年より上がってるんですよ。ただそれがバイデン氏のせいだったかっていうと、それよりかはインフルエンザの理由は、例えばコロナで物流がめちゃくちゃになっちゃってっていう、バイデン氏には関係なく誰が大統領でも絶対こうなってたんですよね。
そうですね。あと、ウクライナ振興によってエネルギー価格が上がっていることもあって、インフレっていうのはアメリカだけじゃなくて、まあ日本でも起きてますし、世界中で起きてることなので、あまり大統領のせいっていうことではないんですよね。たまたま運が悪かったみたいな感じですもんね。
だから、前回の2020年の大統領選でトランプ氏が落ちたのもコロナの影響が大きかったじゃないですか。
そうですね。
それはそれでアンラッキーなことで、彼のコロナに対する対策はいろいろ問題はあったし広かったですけど。
今振り返ってみればそうですけどね。
でもやっぱりそこは真実よりも神話が強いっていうのは、いいこととは思わないですし、いいこととは全く言えないんですけども、そこは否めないいいところなのかなと思います。
データと直感
いやー、みんなインパクトのある作り話は他人に広めちゃうっていうことですね。
神話が広がっていくように広めてしまうっていう。
そうなんですよ。
なんかこう、人間の本能的なところにアピールできてるっていうことなんですね。
そうです。
わかりました。
そして4つ目、こちらはデータよりも直感ということですが、こちらはどうでしょう?
2015、16年、やっぱりデータサイエンスっていう言葉がかなり主流になってきて。
そうですね、2005、6年ぐらいからだと思うんですけども、やっぱりそのインターネットがここまで伸びて、その人々の行動が数値化されるようになって、そこからいろんなことが予想とか予測できるようになった世界じゃないですか。
そうですね、ビッグデータっていう言葉もそのぐらいから聞くようになりましたよね。
これはですね、もう7、8年ぐらい前の話なんですけど、マーケティング業界でちょっと1つ話題になったのが、あるアメリカの大手のデパートがですね、メルマガとか送るじゃないですか、プロモーションとかで。
それでですね、ある人にメールを送って、そのメールの内容が、お子さんが生まれますね、おめでとうございます、こういう商品はどうですかっていう内容だったんですね。
で、それが送られてきた時に、その送られた本人は、まだ自分が妊娠してるってことを知らなかったんですって。
で、テストしてみたら、妊娠してたっていうのがあって。
すごい偶然。
で、偶然なんですけども、それもデータにちゃんとこう基づいていて、その人がこういろいろ見てるものとかで、あ、これは例えばその赤ちゃん用のものを検索してるんだろうなとか。
おー、なるほど。
妊活してるんだろうなとか。
そういうところから、この人は妊娠する確率が高いっていうのを予測して、まあそれは人間じゃなくてそのデータが勝手に予測をして、そういうメールを送ったんですね。
えー、なんかでもちょっと気持ち悪いかもしれない、そうやって聞くと。
ね、あのなんか会話してることをこうFacebookが聞いてるんじゃないかとかみたいな話、よくあるじゃないですか。
うん、でも確かにあのショッピングリストで、あの妊娠にいいサプリメントとかを大量に買ってたりしたら、あ、この人は妊娠を目指してるんだなとか、想像できることはきっとあるでしょうね。
そうそう、だから今もうそのデータで自分が知らないことも予測できちゃうっていう世界なんですよね。
なるほどー。
でも今回の2020年の大統領選を見ると、これまあボトにもあの話しましたけども、もうそこら中のマスメディアが、そしてそのビッグデータとかデータ分析をしている人たち、そしてデータサイエンティストと言われている人たちが直前までもうわからない。
ゴブゴブでわからないっていう風に言ってたんですけども、蓋を開けるともう明らかに明確でどっちが人気あったかっていうのが一目瞭然だったわけじゃないですか。
で、その2016年にトランプ氏が当選した時も、その当日にある大手の新聞が85%でヒラリー・クリントン氏が勝つっていう風に言ってたんですけども、結果を見たらトランプ氏が勝っちゃったみたいな。
ただあの時は人気投票ではヒラリー・クリントン氏の方が上回ってたんですよね。
でも今回は人気投票もトランプ氏に行っちゃったと。
でですね、データから見ると直前までもうゴブゴブでわかんないって言われたんですけど、実はこれもちょっと別のデータではあるんですけど、今ここ1,2年、英語で言うとprediction market、日本語で言うと予測市場っていう市場の動きに対して賭けをするっていうサイトとかツールが今すごく伸びてるんですね。
ここ数年なんですけど、サイトとかアプリとかでも、例えば有名なところで言うとポリマーケットっていう、polymarketっていうサイトがあって、それ何かっていうと、いろんなこと、未来に起こることを予測して、それにこっちになるかAになるかBになるかっていうのを賭けるっていうサイトなんですけども。
で、例えばその天気がどうなるかとか、例えばスーパーボールどっちが勝つかとか、あと大統領選で誰が勝つかとか、いろんなことに対して、もう自分で賭けを作って投票してくださいってことをできるツールなんですけど、実はそのprediction market、予測市場っていうのが未来を予測する一番正確なツールなんじゃないかっていうふうに言われてるんですね。
で、それを僕事前に見てたんですけども、圧倒的にトランプ氏の方が勝つっていう方が投票率が高かったんですね、予測率が。
なるほど。
近づいて6割4割ぐらいになったんですけども、もう1ヶ月ぐらい前から7割ぐらいで、そのサイトはトランプ氏が勝つっていう方に賭けてる人の方が多かったんです。
本当に今となってはすごい当たってるなみたいな感じですよね。
で、そこに賭けてる人たちって別にそのデータサイエンスがほにゃらだとかっていうことじゃなくても、完全に爆知なんで、もう本当直感で賭けてる人たちが多いんですよね。
この大統領選って白黒がすごくはっきりしていて、当てる確率はゴブゴブなわけじゃないですか。
プラス、こんだけたくさんの人が投票するわけだから、データの数はめちゃくちゃあるんですよね。
確かに。
そうなのに、ビッグデータを専門にしてる人たちがわからないってずっと言ってるっていうのがあまりにも矛盾してて、結局直感が勝ったっていう。
なんかアナログがデジタルに勝つこの時代ってすごいですね。
だからやっぱりそのブランディングっていうのも、もちろんデータを活用してパフォーマンスマーケティングと言われてますけども、データ活用することは必要ではありますし、そこからグロースできたりとかビジネスにつながるっていう場面もすごく多々あるんですけども、
何かやっぱり大きく変えなきゃいけないとか、常識を外れるようなことをしなきゃいけない時は、やっぱりそこ直感っていうのはまだまだ大事なんだなっていうのは、そのブランディングという観点から言うと、今回改めて思わされたポイントですね。
ポッドキャストの台頭
そして最後の正しいよりも面白い。これはどういうことでしょうか。
これはですね、選挙その4年ごとに起こるんですけども、メディア、いわゆるマスメディアだったりとかインターネットだったりとか、そのメディアと人間、社会の関係性がすごく浮き彫りになるんですね。
例えばちょっと古い話で言うと、2008年にオバマ氏が大統領選に当選した時って、あの時の大統領選ってフェイスブック選挙って言われたんですね。
確かにフェイスブックがすごい流行ってた時ですもんね。
フェイスブックをすごく活用して、そして投票を集めたっていうのがあったんですけども、今回2024年の大統領選はポドキャスト選挙だっていうふうに言われたんですよ。
日本ではちょっと正直わかんないですけども、アメリカではそのポドキャストがここ数年ですもすごく伸びていて、なおかつトランプ氏が出てたジョー・ローガンっていう人がやってるポドキャストがあるんですが、それがめちゃくちゃすごい人気なんですね。
そのジョー・ローガンのポドキャストの特徴はですね、このジョー・ローガンってもともとは芸人だった人で、コメディアンですね、今たぶん60いってるかぐらいのおじさんなんですけど、毎回のエピソードが対談形式でゲストを呼んでするポドキャストなんですが、2時間とか3時間話すんですよ。
それですごいみんなに人気ってすごくないですか。みんな2時間聞きたいってことですもんね。
編集もほとんどしてなくて、たぶん裏表がないことをセキュララに語ってるポドキャストなんじゃないかなっていうふうに思うんですね。
そのポドキャストを聞いてる層って、もう圧倒的に男性が多くて、8割ぐらい男性のリスナーで、それも若い人たち20代30代、大学生高校生ぐらいから20代30代の人たちが聞いてるっていうふうに言われてるんですけども、
大統領選挙が行われる数週間前にトランプ氏もそれに出演をして、イーロンマスク氏もそこに出ていて、2時間とか3時間とか話すわけですよ。
で、カマラ・ハリッシュはそれ出なかったんですね。
なるほど。
そう。で、彼女は彼女で、もう一つすごく有名で、それもトップ5に入るぐらいのポドキャストで、コウホーダリーっていう、アレックス・クーパーさんっていう、この方はたぶん30歳になって20代の若い女性で、その女性向けのポドキャストをやってる人なんですけども、そのポドキャストにハリッシュは出てて、
で、確かにそれで何百万人っていう人たちが聞いてたはいたんですけども、絶対数で見るとトランプ氏が、まあそのジョー・ローガンだけじゃなくて、どっちかっていうと政治的には右寄りの意見が多いポドキャストに出ていて、で、そのジョー・ローガンっていうのもどっちかっていうとちょっとその右寄りなんですね。
うんうんうんうん。
に出ていて、やっぱそっから得た投票っていうのは少なくないんじゃないかなと思います。
なるほど。
で、それってそのジョー・ローガン氏が対談するときに話す内容って、正しい云々っていうよりかは面白いかっていうことなんですけども、この中でトランプ氏が言ってた言葉で、僕すごく印象的だったのは、彼が大統領とか彼みたいな、ある意味半分エンターテイナーなわけじゃないですか。
うんうんうんうん。
で、この仕事をするにはコメディアンじゃなきゃダメだっていうふうにトランプ氏が言ってたんですね。
えー、自分でそんなこと言うんですね。
そう、そのコメディアン、芸人の姿勢が必要だっていうことを、この仕事をするには必要だって彼が言ってたんですね。
で、それってすごく、なんか彼の仕事に対する姿勢、そしてこの大統領っていうポジションに対する姿勢をすごく表してるなと思ったんですけども。
ブランディングの影響
で、これもこれが正しい、正しくないっていうことは置いといて、その人を惹きつけるっていうのは、やっぱりそのコメディのセンスとかエンターテイメントのセンス、そして何が面白いかっていうことを、さっきの直感のシーンじゃないですけども、直感的にわかっていて、それをもう裏表なくそのまま言っている、そのまま表しているっていうところが強いんじゃないかなと思います。
なるほど。確かにトランプ氏は大統領を経験する前からリアリティショーとかに出て、ビジネスマンっていう肩書きで出てくるんだけれども、まるで芸人のようにどうやったら人を惹きつけることができるか、こういうセリフを言ったらみんなに受けるんじゃないかとか、そういうことを長年考えてきた人でもあるので、人を惹きつけるのはお手のものなのかもしれないですよね。
で、そこを正直どこまで戦略的に考えてるかって言うと、正直全然考えてないと思うんですね。彼の行動とか発言を見るととんでもないことをしょっちゅう言ってるんで、もう本当も自分の直感に頼って思ったことをそのまま言ってるだけだと思うんですけども、それが刺さってるっていうことなんじゃないかなと思います。
なるほど。確かにそう言われてみれば、正しいことを言われるよりも面白いことを言われた方が印象に残るかもしれないですね。
さて、ここまでお送りしてきましたデイナモトの世界のクリエイティブ思考。今回は大統領選挙の勝敗を分けたブランディングについてご紹介しました。
この5つの不都合な真実。1つ目は理想よりも単純。2つ目、政治性よりも一貫性。3つ目、真実よりも神話。4つ目、データよりも直感。そして5つ目、正しいよりも面白い。この5つの不都合な真実がこういう結果を表したのかなと思います。
ハリシー氏が女性で、それも黒人とインド人のハーフっていうマイノリティーの中のさらにマイノリティーで、それで48%、49%の7000万人以上の支持を得たっていうのは、これはすごいことだと思うんですよね。
そうですよね。たった100日ですから。
よくここまでハリシーが来たなっていう見方もあると思います。
もしこれでね、何年も準備にかけられていたらまた別の結果になったかもしれないですね。
そうですね。それもありますし、あと他にも候補者はいたんじゃないかなっていうのは思います。民主党の方で。
確かに。私が大統領選挙を振り返って思うのは、やっぱりレイさんもおっしゃってたんですけど、女性が大統領になるってすごく大変なことだと思うんですよ。これはハリシー氏だからとかそういうことではなくて、オバマ氏が黒人初の大統領になった時のように、初めて何かが違ったものが大統領になるってやっぱりすごいハードルだと思うんですよね。
オバマ氏が大統領になった時を振り返ってみると、もう人々の間に熱狂を作り出していたんですよね。
Yes, We Canもそうですし、象徴的なポスターとかもそうですし、やっぱり上手に熱狂というか渦を作り出して、それで選挙を勝ったっていうところがあるので、これからやっぱり女性大統領が生まれるっていう時は、そういう熱狂を作り出した人しか逆に言うと勝てないのかなっていうのはやっぱり思っていて。
なので本当にハリシー氏もよく頑張ったとは思うんですけれども、それにしてもやっぱり3ヶ月とか条件が整わなかったなっていうのは振り返ってみると感じています。
キャンペーンの戦略
あとちょっとこれはですね、僕今回この大統領選を特に最後の数ヶ月いろいろ見ていて、なんかそのブランディングとかマーケティングとかあとそのクリエイティブを作るっていう時に、パリス陣営が結構選挙戦の時にやっていたのが、いかにトランプ氏が悪いかっていうのは相手を悪者にすることをすごく力意識したんですね。
やっぱりそのストーリーを作る時って、こっちがヒーローで相手が悪者にっていうのは、そういうストーリーの作り方ってすごく悪くはない、正しいやり方ではあるんですが、パリス陣営の方は相手は悪い、でなぜ自分たちがいいのかっていうところ、そこが欠けてたと思うんですよね。
それが欠けてた理由は、トランプ支持者たちのことをしっかり理解してなかったからと思います。
だから、その主張するとか応援するよりも大事なのは、やっぱりその相手を知るっていうのはすごく大事だなと思って。
トランプ氏がうまいのは、相手を知るっていうよりかは、オーディエンスが何を好んでいるか望んでいるかっていうところを直感的に分かっていて、聞きたいようなこと、知りたいようなこと、そうなりたいことをそのまま言えるっていうところが強くて、相手を知っているところがあると思うんですよね。
自分の観客のことを。
で、ハリス氏の方はトランプ氏だったりとか、トランプ氏を支持していた人たちのことをちゃんと理解していなくて、キャンペーンを行っちゃっているところが敗北につながったのかなと思います。
いやー、それは本当に言われてみれば納得というか、本来であればハリス氏はトランプ氏のファンのことも自分のファンになってもらうように願えらせなければいけなかったので、理解していないと自分の方に願えてもらうことってできないじゃないですか。
だからトランプ氏を敵に回すのはいいと思うんですけど、トランプ氏のファンまで敵に回しちゃってたら、全然意味がないので自分の方に願ってもらえないので、そういった意味でももっとトランプ氏の支持者の気持ちを理解する必要っていうのはあったかもしれないですね。
はい、今回の話で皆さんのお仕事でブランディングとかそういう観点から仕事、そして組織のあり方、そして外にどう見えるのかみたいなことに今回の話が参考になればいいなと思います。
いやー就任式もいよいよ迫ってまいりました。1月20日が大統領の就任式、本当に間もなくです。
皆さんもぜひ今回のブランディングのポイントを意識して就任式のスピーチ聞いてみてください。
はい、次回はマインシフト発想の転換をお送りします。どうぞお楽しみに。世界のクリエイティブ思考、お相手はりなもとと竹村幸子でした。
デジタルガレージは危険な海に最初に飛び込むファーストペンギンスピリットを創業以来大事にし続けています。
これからくるWeb3、オープンソース時代を見据えたテクノロジーで新たなビジネスを生み出す仲間を募集しています。
番組詳細欄にあるリンクよりぜひご覧ください。
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