ほんとざっくりですけど、こんなところかなと思います。
具体的に後半の話に入っていきたいと思います。
まず、1932年のことなんですけれども、この物語の中心人物である細川という男は、満鉄を退職することになります。
これは、四川太王城での単行襲撃、中国人による単行襲撃が原因で、その往復で村を一つ滅ぼしてしまったという、この満鉄の上層部というか、現場との食い違いというか、いろんな思惑があってそういう決定をしてしまったんですけれども、
そのやり方が許さないということもあり、彼は他と満鉄の中でも衝突が起こるようになってしまったので、満鉄を退職します。
その結果、この都市計画というのは、細川などの個人的な考えというよりは、軍の意向ですね。軍がこうしたいという意向を後押しするような流れになっていきます。
細川は、戦争構造学研究所というのを立ち上げます。
それはですね、戦争と結果を物理学のように予測する学問のことで、細川独自の言葉を名付けられた学問になります。
彼はこの後はそのに傾倒していくような形になります。
ちょっと時は流れて、1934年、孫悟空都会で孫悟空と呼ぶ、孫悟空が経営している千里眼ビルがあるんですけれども、
そこでですね、戦争構造学の研究所の設立宿泊会が行われました。
ここでですね、細川が次論を展開します。地図と拳というテーマで講演をするんですけれども、
細川の講演によると、世界の未来は地図、国を定めること、国の形を地図上で表すことと、拳、戦争とか暴力によって決まると。
この講演が結構この小説の、もちろんタイトルにもなっている部分でもあるので、
ちょっとここの細川の講演というのは結構重要な要素を含んでいます。
一方でですね、日本に戻っている明をですね、大学で建築を学び、そこで仲間たちと建築を議論するという日々を送っておりました。
ここで後のストーリーにも大きく変わる石本や長川という人物たちと出会います。
仲間が増えていき、青年建築家同盟というのを結成し、帰還し青春というものを発行します。
ただこの青春なんですけれども、左翼の思想が強いということで、国から目をつけられることになり、
さらに内部で金銭的なゴダゴダもあって、長くは続かなかったという形になります。
青春の編集長だった石本が、ある党の活動により逮捕されてしまいます。
この石本なんですけれども、交流されていたんですが、細川が急に現れて、
彼をですね、戦争構造学研究所に分ける仮想内閣というものを作っているんですけれども、そこの日銀総裁役というのに指名します。
細川はこの戦争構造学研究所で、10年後の未来を予測するために、この仮想内閣というのを作っていました。
この仮想内閣というのは、知性と意欲のある若者たちを集めて、日々国際情勢や選挙を見て未来というものを議論するという研究所です。
仮想内閣なんで、それぞれ役割が与えられています。総理大臣とか。
この中で石本が仮想内閣の日銀総裁というのを務めているという形になります。
ここのところでは、やっぱりこの細川が作った仮想内閣っていうのが面白いですよね。
最初、突然細川が石本の前に現れて、日銀総裁になれって言うんですけども、読んでて一体何なんだって思ったんですけどもね。
仮想内閣を作って、それで未来を占おうっていうすごい面白い取り組みがあって、
それが作中でも結構細かく説明されていて、仮想内閣の仕組みというか、
内閣総理大臣とかなんとか大臣とか、すごいいろんなポジションがあって、議論している様子とかもすごい読んでると面白いところでしたね。
そうですね。この仮想内閣なんですけど、デュナミスかっていう選択肢を考えるあって、
課題が与えられるんですよね。こうなった時どういう閣議決定をするかっていう課題が与えられて、
それに対してみんなでそれぞれの役割の立場から発言していって、合意を得て閣議決定するっていう流れなんですけど、
その役割に当たっている人たちは、例えば陸軍側の意見とか、そういう近しい考えを持つ人たちが集められているので、
かなり現実的な状態に近い閣議決定がされます。やっぱりそういう流れでこういう意思決定をするんだなっていうのが、
細川はですね、それを見て確信を持つというか使ってますね。結局やっぱりほぼ同じ流れが現実で起きます。
この仮想内閣で確立されたものと同じ流れが現実でも同じように時間が経つとなっていくので、
ここの精度というのはかなり高くて、そこもちょっと見てて読んでて面白いところではありましたね。
そうですね。この仮想内閣では内閣総理大臣が、そのマサオさんの長男ですね。
アケオのお兄さんが内閣総理大臣を務めていて、そのマサオっていうのがすごい常識人というか、
本当にすごく頭もいいし、常識的な物事を考えれる人なんですけども、
そのマサオが判断すると逆にそうじゃないと言われるんですよね。
中国の事情とか戦争をよく知っている大臣とかが、
真っ当に考えるとそうかもしれないけども、いやでも中国はこういう事情があるからそうはならないとかね。
結構この辺の議論っていうのがすごい一筋縄じゃいかなくて、面白かったですね。
面白いですよね。これはちょっと戦争っていうすごいシビアな話をしていると思うんですけど、
これなんか企業の戦略会議にも似ていて、どういう市場でどういうふうに動いていくかみたいなのにもすごく似ていて、
この話を聞いていると結構知的好奇心みたいな、知的興奮みたいなのがあるパートでもありましたね。
確かに。ではここからですね、ストーリーの続きを話していきたいと思います。
ここからも一気に最後まで説明をしようと思っています。
この時代は1937年ですね。
日本にいた阿弥陀なんですけども徴兵によって満州に行くことになります。
学生時代に一度満州に渡っていたんですけども、それ以来ですね、一回日本に戻っていて学生生活を送っていたんですけども、
大学卒業してまた今度は兵隊として満州に渡るとなります。
そこで阿弥陀が5年前の話になるんですけど、かつて集落で写真を撮った時にすごく笑顔の素敵な少年の写真を撮って、
それをちょっとね渡しそびれてしまったので、もう一度その集落に行って少年の写真を撮ってあげようと思ってね、
集落に向かうんですけども、その道中でチョンリンと偶然にも再会して、
チョンリンっていうのはこれも5年前ですね、ダンスホールで出会って、もうその1日だけの出会いだったんですけども、
それを阿弥陀が覚えていて、何年の何月何日何時にどこで出会ったっていうところを阿弥陀がもう完璧に覚えていて、
チョンリンにそれを言うんですが、チョンリンはちょっとポカンとしてしまっていて、そんな一話があったんですが、
ただそこでですね、チョンリンから阿弥陀が以前写真を撮りに行ったその集落っていうのがすでになくてですね、
それはちょっと日本軍がその集落を滅ぼしてしまったっていうのをちょっとそこで知らされるというですね、
ちょっとそんなこともありました。
今日はですね、センタオチョンで都市づくりというのを主な仕事としてやっています。
その都市づくりの中で結構中心部に空間があって、それをどのように活用するかというので、
いろんな経緯はあったんですけども、最終的に阿弥陀のアイディアが採用されることになって、
それがですね、公園を作るというアイディアです。
この以前の村だったリージャジェン公園というですね、
いう名前の公園を作るという、そこにちょっと阿弥陀は取り掛かることになります。
かつて小さかったリージャジェンと、今はねちょっと発展したセンタオチョン、
それをつなげるというですね、意味が込められた公園で、
その開発というのは進んでいって、あとはですね、その公園を象徴するモニュメントが完成すれば、
もうね、これで世にお披露目できるというところまで進んだんですけども、
その直前でモニュメントにですね、使われる重要なパーツが盗難されるというですね、
そんな事件が起きてしまいます。
それでですね、ちょっとその公園があと一歩というところで、
ちょっとなんて言うんですかね、お披露目が見送られたということになります。
一方ですね、チョンリンの方に話を移すと、
チョンリンがですね、中国の日本に抵抗するための軍ですね、
そこに所属していたんですけども、そこにですね、新しい司令官で、
フォアンという男が着任します。
これまではですね、中国のチョンリンがいた軍というのは、
日本人の妨害をするようなことをですね、しかしてこなかったんですけども、
そうじゃなくて、この新しい司令官のフォアンは、
日本軍に勝つというのをですね、勝てるというですね、
そういうのをですね、叩き込んでいって、
この辺りからですね、情勢もまた風向きが変わったりするんですけども、
中国側の意識というのは、この日本を妨害してやろうとかじゃなくて、
もう本当日本軍に勝って、この地を支配していこうという、
そういう動きになっていきます。
ちょっと時代は、これは少し進んで1939年ですね。
細川が作っていた仮想内閣が、1939年の時には国際的に日本が結構不利な状況にあって、
それはその満州だけじゃなくて、もう世界各国の国際情勢の中で、
日本がですね、このままいろんなところで戦争とかしていくのってちょっと厳しいんじゃないかと、
そういう不利な状況を脱するための秘策として、
実はアイディアを持っていて、それが人工石油の開発でした。
その人工石油さえ開発できれば、日本はまだ戦っていける見込みがあるというですね、
ちょっとそういう思惑で、仮想内閣というのは議論を進めていたんですけども、
実はですね、その人工石油の研究そのものがですね、
その企業が虚偽のデータを使っていてですね、
その虚偽のデータによって成り立っていた研究であったということがわかります。
で、ここでですね、もう細川はそうなると資源の問題とかですね、
そういうのでもう日本に勝ち目がないということを確信するようになります。
で、細川もちょっと次第にこの仮想内閣というのに関心をなくしていくというかですね、
そこへの関わりというのがだんだん薄くなっていきます。
で、そんなある時ですね、細川が秋男とマスズリを勝負しようと言ってですね、
湖に誘います。で、勝ったら相手の指示に従うというね、
で、まぁ魚釣りなんて秋男は軽い気持ちでいいですよって言うんですけども、
細川がですね、その釣りに命をかけて、
すごいね、冬の寒い中だと思うんですけど、川に入ってね、
もう本当凍結して死んでしまうんじゃないかというね、
心配をされながらもね、ギリギリ魚を釣って勝利するんですけど。
で、そこで細川が秋男に命令をしたこと、指示を出したことっていうのが、
満州を離れてソ連国境付近の要塞に赴任するようにということを言います。
で、秋男はですね、細川がどういう意図でその命令をしたか、
わかんないんですけども、賭けに負けたんで仕方なく命令に従って
満州を離れます。細川の言うことなら仕方ないなという感じで。
で、そこでですね、秋男は何をやったかっていうと、
その要塞を維持していったり、その要塞が仕入れている材料というか資源とかですね、
そういったのを管理する役割では非常に合理的にコストカットとかしていって、
スリム化ですね、設備の。そういったことを任されていきます。
で、秋男はいろんな地域を点々として、
そういう要塞とかの資源とかっていうののコストカットっていうのをどんどん行っていきます。
というですね、ところで話がですね、ちょっと一気に進みまして、
1944年ですね。で、これはもう大日世界大戦が始まっていて、
日本もですね、戦争の部隊っていうのがちょっとその太平洋に移っていて、
で、もうそこに戦力を集中させるために、
満州の軍隊というのも主に太平洋の方に移されていました。
ですので、センタウチョンですね、の都市は結構その日本軍っていうのはもうかなり少なくなってきて、
実質ものけの殻となっていたという状況です。
で、そこで中国側のチョンリンがね、
所属する軍が襲撃をかけてね、
満州を都市を取り戻そうとしたりするね、そういう攻防が展開されたりします。
そこでもですね、秋男が活躍したりとかね、そういうことがあって、
日本軍が一旦は防衛に成功はしたりするんですけども、
ただ本当日本の軍事力っていうのはもうこの満州の中にはほとんどもないという、
そういうところですね。
その翌年ですね、1945年の8月に日本は敗戦します。
天皇陛下の漁港放送が流れて、その満州にいる人たちも日本が敗れたということを知って、
で、もう満州から引き上げていくと、
もう日本に戻ろうというですね、そういう流れになっていきます。
で、もう最後の方ですね、日本で向かう船の中で秋男が細川と再会して、
戦後どのように生きていこうかという話をして、
一旦その日本の戦争というのはここで終わりを迎えてしまうと。
で、一方ですね、張林の方ですね、張林の元にお父さんの孫悟子が現れて、
で、これはもう昔ね、ほんと住んでいたみすぼらしい家に突然現れて、
その孫悟子から未来を書き込んでいた手帳を燃やすように言われます。
手帳に書かれたことをね、張林が読んで、で、読んだらそのページを破って燃やすというですね、
そういうことをしていって、最後のページを破って、で、もう手帳ごと燃やすんですけども、
未来を書き込んだ手帳がなくなると同時に孫悟子もですね、
なくなるというですね、そういうことになります。
というのでこの小説は一旦終わりを迎えまして、で、最後の終章というのがあって、
そこで10年後ですね、10年後の舞台で一幕描かれて、そこでですね、最終的には終わるんですけども、
長い話としては、もうこの戦争が終わったというところで一旦区切りがついたというところですね。
そうですね。ちょっと今後半部濃いところだと話があったと思うんで、
ちょっと情報処理がしきれないと思うんですけれども、実際これね、読んでてもだいぶ詰まってるんで、
結構もうハラハラしながら読んでましたね。
そうですよね。
細川のこの日本が勝てないというところの確信というのは結構ね、絶望に近い、近いんだけど、
それを正しく認識しているものと、なんかもう全然認識できない人っていうのがやっぱり、
部の中にいて、その両方の立場からちょっと話が展開したりするんで、そのときは結構面白かったりしますね。
最後はこの戦闘長、その前はリージャジェンという名前だったんですけども、
そこの終わりとともにソン・ウーコンも終わるっていう、
なんかその100年の孤独に重なるような終わり方っていうのは最後もね、
ちょっとね、やっぱり悲しさというのはあるんですけども、
でもなんか一つの大きな物語がパタンと閉じられたっていうこの感覚は、
こういう小説あれば読んでてすごく良いなって思います。
ラストはこの手帳燃やすとこも結構私好きで、灰が残らないんですよね、燃やしてもこの手帳。
そうですよね。
ちょっとマジックレアリズムが入ってきて。
そうですよね。
おーって思ったとこですけど。
あとは本当最後に地図の話とかも出てきて、これはこの小説の謎、伏線回収の部分ですね。
一番最初前編にスノーが清流島っていう地図には書かれてるけど実在しない島があって、
その謎解きにすごい夢中になってたんですけども、その答えが最後出てくるっていうそんなところもあったりして、
この辺もすごい上手く最後まで書かれてるなと思いましたね。
結構ほぼ全て伏線を回収しますね。
そうですね。
疑問点があんま残…疑問というか不思議な点は残らなくなっていくかなって感じですね。
その畳み方は結構上手くて、ラストは本当に感動しましたけど。
そうですね。ちょっと人物の最後、その後がどうなったかとかはすごい気になるところはありましたけど、
最後は終章、ここでは一切触れないですけども、これこそ本当のやっぱり読んで10年後の1955年かの話なんですけど、
なんか読んでみてもらえたらなーって思うとこですよね。
感動するんじゃないかなと思います。ラストのこの終章とその前でしょうか。
そういう話は結構だいぶ感動しましたね。
読めばわかるんですけど、本当最後、圧巻のラストで、本当すごいこの600ページ読んできて、
もう本当すごい濃い小説だったなと思う。
そうですね。やっぱり読むと、もっと続きが読みたくなりましたね。
この一冊完結はちょっともったいないなって。
確かに。
それだけやっぱすごい面白くて。
この話が終わってしまうのがちょっともったいないなって思って、
途中から読んでたので、それくらい面白かった。
これ読むのに時間がかかるっていう点もそうだけど、
50年間っていうのを一緒に議事体験できるから、それでなんかこの場所に住んでるような、
この戦争を目の当たりにしてるような気持ち、
ちょっと戦争に関しては細かいところでもいろんな情報っていうのが入ってくるので、
これは本当に満州にいたんじゃないかっていう気持ちにさせてくれる本ですよね。
そうですね。ラジオで語ってないんですけど、
本当にたくさんの登場人物がいて、それぞれのエピソードがあって、
やっぱり日本の軍人の結構危険な一面ですよね。
日本こそが絶対正義であって、そのためなら命を差し出しても構わないと。
やっぱりそういったところが描かれていたり、
本当あと戦争中の場面ですね、打ち合っているところとか。
そういうのも本当にあって、やっぱり迫力のある小説でしたし。
でもその戦争の手前にはやっぱりこの街が作られてきた歴史があって、
こういうのがすごい絡んでいくところがすごいやっぱり面白くてですね。
戦争のものの骨太な作品ってやっぱりちょっと重たくて読むのが大変なイメージあるんですけども、
その一面あると思うんですけど、それ以上に読ませる面白さっていうか、
この構成だと思うんですけども、
これでもやっぱり著者の小川さとしさんの想像力がやっぱりすごいんだなっていうのを思いましたね。
オフィにはですね、日本SF界の新生が放つと書かれているんですけども、
これに関してはそんなSF要素っていうのは基本的にはなかったなと思いますね。
マジックリアリズムとかですね、架空都市とかというそういう設定はあるんですけども、
なのでSFという視点でなく読んでいけるかなと思いますね。
確かにSF感はあんまないですね。
一般的にイメージされるようなサイエンスフィクション感はないですね。
これは何度も話したけど、このダレないこの作りがすごい。
読んでて全くダレないっていうのがすごい。
これ本当、みなさんが言う通りに全然割愛しちゃってる登場人物の動き多いんですけど、
例えば石本っていう人物が自分の中とか外部から自分の中に竜が住んでるみたいな。
あれなんか結構印象に残るし、出すポイントとかもすごい上手くて、
そういう今までの流れがあって、また違う流れがポンって入ってきて、
またそれによって刺激されて、本当にダレずに読める小説だったなと思うので。
これプロットなしで書いてるんだっていうのもあるかもしれないですけど、
多分最後単行本化するときにだいぶいろんなものを手に加えてるんじゃないかなって思いますね。
ここは相当計算されて最後作ったんじゃないかなっていうのはちょっとわかるんですけどね、まず感じますね。
でもそれぐらい身を任せてればちゃんと連れてってくれる本だったんで。
じゃあ本編はこんな感じにしてですね、最後テーマトークということでいつも通りちょっとやってることをやっていきたいと思います。
今回のテーマは拳についてちょっと話したいなと思います。
ちょっと理解できなかった拳みたいな風にしたいんですけれども、
拳は戦争のことですね。戦争ってちょっとやっぱり自分は理解できてない部分が多くて、
それはその現代に生きていて、世界では他の国では今戦争が起きてますけど、
戦争っていうのはちょっとやっぱり自分にとっては遠いものなんで、
なんかイメージしにくいものではあるんですけれども、
ちょっとこの地図と拳を読むとですね、少し理解できる部分があるので、
ちょっとそのことについて話してみたいなと思います。
そうですね。地図と拳でも明雄とか中川っていう人物とか出てくるんですけども、
一見するとすごいインテリで大学にも行っていて、
戦争とかですね、なんかそういうのにはむしろ反対派なんじゃないかと思う人物がいるんですけども、
でもね、作中では結構ね、そういう人物も戦地ですね。で、勇敢に戦うっていうですね、
そんな場面があったりして。何がね、そういう人たちをそうさせたんだろうと。
もちろんそのインテリだけじゃなくて、登場人物みんなに出ることなのかもしれないですけども。
いやなんかもう、これもなんか読んでて思うんだけど、やっぱ頭で考えて動いて、
結果的に違うものが出てきちゃってみたいな。
でもそうなると、なんかその現地の感情とかプライドとか、
自分たち、例えば日本に対しての猛進みたいなものとか絡み合ってきて、
でも戦争というか、一回武力行使しちゃうともう止まらなくなるものなんだなっていう。
うんうん。
すごい感じましたね。
自分の意思があるとは思うんですけど、ただ、
自分の命は国の命でもあるというような。
だんだんその感覚がやっぱり、人を殺していったりとか、
その経験重ねることに作られていくのかなっていうのもね、
なんか読んでると感じましたし。
やっぱりなんかね、この感覚が狂っ…
現地で兵士として人を殺したり殺されるかもしれないっていう状況を
飼いくぐり続けると、やっぱり人間はちょっと当たり前だけど狂っていくんだと思いますし、
それはなんていうか、もうイメージするしかないんですけど。
ただでもやっぱりその、どっちかっていうとこの本を読んで思ったのは、
やっぱり止められない流れがどう生まれてくるかっていうのは、
なんか結構この本には描かれてたなと思いますね。
なんかその目的のためにいくつかステップがあるけれども、
そのステップを、例えばこれで言うと中国人と衝突するよりはもう、
日本はロシアをどうするかしか考えてなかったみたいな。
でも結局中国との戦いが全然決着しなくて、
それに手こずってしまうみたいな。
で、それってやっぱ中国人を甘く見ていたからだと思うんですけれども、
そういうのとかもね結構、やっぱ当事者になると周りが見えなくなるもんなんだなとか。
だから日米で戦争しちゃったしみたいな。
そこにはなってくると思うんですけど、第二次世界大戦。
そうですね。結構ね、作中でも、
なんで、そもそもなんで日本は戦っているんだろうかとかって、
そういう問いかけが、ホスカワとかしてたと思うんですけども、
最初の目的、大義、名分はあったとして、
それがずっとそのまま生きているのかとか、
状況の変化ってあると思うんですけども、
でもそれが結局は全て国のためというか、そこに集約されてしまって、
そもそもはここの部分の戦いで勝つために資源が確保できたらいいからとか、
拠点を抑えれたらいいから、だからその戦いを始めたけども、
でも状況の変化によって、確かにそうですよね。
俯瞰した見方で修正していくっていうのがやっぱりできなくなるんでしょうね。
仮想内閣だとそういう話をしたけども、
結局はでも、なんかその、
その常識なんていうか、俯瞰して考えた通りにはならないっていうのが、
なんかそうなんでしょうね。なんか動き出したらもう止まらないっていうようなことなんでしょう。
社会、ビジネスの上でも目的と手段があって、
で、気づくとその手段が目的になってしまっているっていうシーンは、
まあ多々あると思うんですけど、
それがこの戦争レベルになるともう悲惨すぎるなっていう、
そういうのもちょっとイメージできる本だったなって思いますね。
現代では今当たり前にはなくなってしまったけれども、
やっぱりこの武力行使っていうのが外交のオプションとして、
常にあった時代っていうのはやっぱり、
その時はそれが正常な感覚だとは思うんですけれども、
やっぱり今50年以上経った我々から見ると、
とんでもないなっていう思い出しかないんですけど、
でもやっぱりこのとんでもないなって一回理解が終わっちゃうところを、
今回私は読んでちょっとその先の理解まで進んだなと思ったんで、
この本は本当ストーリーとしても面白いんですけれども、
その想像力を持たせてくれる一冊でもあったんで、
非常に面白かったですね。貴重な本だなと思いました。
もちろんこれは史実に基づいていることばかりではないので、
フィクションの部分が多いので、
これは一つの答えではしかないと思うんですけども。
そうですね。確かに僕はすごいこの本で良かったのは、
戦争だけじゃなくて、本当にその都市ですよね。
日本からすると支配した都市なんですけど、