よろしくお願いします。
以前に悪霊の家に来てくれた秋人くんですね。
そうですね。
この時には小丸さんや水井さん、それから鬼卸さんと一緒に悪霊を見に乗り込んでいったやんちゃ坊主だったという記憶があります。
はい、そういう感じです。
大変申し訳ないんですけど、この子に今から記憶喪失になっていただくんですが、
はい。
私が回す時には片代舞台版に準拠していまして、一つだけ何かを覚えていてもいいということにしています。
はい。
加賀さん、秋人くんは何を覚えているんでしょうか。
そうですね。先ほどしゃべりました家族と親戚、そういうものを覚えているということにしたいと思います。
はい。仲良しでしたもんね。
そうですね。
わかりました。
この片城というシナリオは、作者のリズムさんがいろんな方とおしゃべりをしたいという目的で作られました。
ということで、加賀さんも今回はぜひ私とのおしゃべりを楽しんでいただけたら幸いです。
はい、わかりました。
シナリオそのものはとても有名で、舞台化もされているほどですので、内容をよくご存知の方もいらっしゃるかと思います。
しかし、初めてご覧になる方もいらっしゃるかと思いますので、ネタバレになるようなコメントはご遠慮ください。
また、ツイッターなどで感想をつぶやかれる際は、ブセッターなどをご利用ください。ご協力をよろしくお願いいたします。
それでは前置きが長くなってしまいましたが、そろそろ始めましょうか。心の準備はよろしいですか。
はい、大丈夫です。
はい。
では、シンクトル不神話TRPG、片城、始めていきます。よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
では、地位を変えていくんですけど、秋人くん、あなたは今病院のベッドの上にいます。
いえ、正確には手術室です。
正確には手術室です。手術室で寝かされているという状態です。頭痛がひどい。体が思うように動かない。そこに一人の男がやってきます。
やあ、目が覚めたかい。
ててて、ここは?
大丈夫かな。ここはね、病院だよ。病院の手術室だ。僕は医者だ。君はね、落雷にあって病院に運ばれてきた。覚えているかい?
そうなんだ。全然覚えてないや。
はい、ではここでアイデアを振ることができます。
成功ですね。
成功ですね。そうするとですね、強い光を浴びた記憶があります。しかし、それ以前の記憶がありません。
常識などの社会的に生きるための記憶以外すべてを忘れているということに気がつきます。あなた自身の記憶がすっぽりと抜け落ちてしまっているようです。
うん。なんか強い光が見えたのを覚えてるんだけど、そのことしか覚えてないや。
強い光?それが雷だったのかな。名前は?どこに住んでいたかとか覚えているかい?
名前はさすがに覚えてていいですか?
どっちでもいいですよ。
はい。じゃあ、名前も忘れていることにしようかな。
はい。
名前も思い出せないや。どこに住んでいるかも。考えると頭が痛くなる。
ああ、そうか。頭痛がひどいんだね。
うん。
えっとね、君が救急車でここに運ばれてきた時、君の荷物はほとんど黒焦げに焼け落ちていたんだけど、これだけが残っていたんだよね。
と言って、名前が書いてある何かのカードのようなものがあります。それには広瀬あきとと書いてありました。
広瀬あきと。これが僕の名前かな?
かもしれないね。君のそばに落ちていたみたいだから。
うん。じゃあ僕はあきとって言うんだね。
うん。じゃあ僕からもあきとくんと呼ばせてもらっても大丈夫かな?
うん。ありがとう。
じゃあ君自身に関する記憶を失ってしまっているようだし、頭痛もひどいみたいだし、検査が必要だね。体も本調子じゃないかもしれない。だけどしばらくすれば動けるようになるよ。約束はできないけど、記憶もそのうち戻るだろう。
そうだな。数日、3日間はここにいてもらうことになる。いいかな?
うん。わかった。
ちなみにお兄さんの名前は何て言うの?
お兄さんっていうか、もう年はおじさんなんだけどね。僕はね、めぐろって言うんだ。
めぐろ。めぐろさん。わかった。よろしくね。
うん。よろしくね。
そうだね。あとそうそう、ここは手術室なんだけどね。他に部屋がなくって、なんか物々しくって申し訳ないけど、3日間ここで過ごしてもらうことになる。ごめんね。
うん。わかった。
そうだね。あと君が記憶がないということで、僕、脳外科医っていう脳の専門のお医者さんなんだけどさ、君の記憶を取り戻すお手伝いをしたいと思うんだけど、いいかな?
脳外科医。戻してくれるなら嬉しいな。
うん。よかったよかった。えっとね、僕と一緒に少しおしゃべりをしてほしいんだ。そうすると記憶を取り戻すきっかけになるかもしれない。
うん。わかった。
えっとね、ちょっと子供には難しい話かもしれないけど、君はなんだかちょっと受け答えがハキハキしていて大丈夫そうだから話そうかなって思うんだけどね。
と、そんなことを言いながら、医者はこんなパネルをにゃろんとどこからか出してきます。これはね、囚人のジレンマっていうゲーム理論で使う表なんだ。囚人のジレンマっていうお話を君は知っているかな?
いや、全然知らないです。
あのね、じゃあ例えば君と僕と話を進めてみよう。君と僕が何か一緒につるんで悪いことをした。そして警察に捕まってしまった。
例えば君が、あ、それでね、そうそう。一番の条件は警察に捕まって君と僕が別々の部屋で取り調べを受けているんだよ。
うん。
そして、そこで君は自白はわかるかな?
本当のことを話すんだっけ?
そうそう、そういうこと。自白をするか黙否、黙ってるかだね、を選ぶことができる。
つまり、どんな悪いことをしたかちょっとわかんないんだけど、僕がやりましたっていうか、僕はやってませんっていうかを選ぶことができるんだ。
もし君が黙っていて、僕も黙っていたら、懲役、えーと牢屋に入れられている時間だね、はお互い2年間だけだ。
でも、君が黙否して、僕が自白した場合、君は10年間牢屋に入れられることになる。そして僕は0年、あー、解き放たれるって言えばいいのかな?
5005面なんだ。
もし君が自白をして、僕が黙否をした場合は、君は0年で、僕は10年の懲役。
両方ともが自白した場合は、お互い5年の懲役、牢屋に入っているってことだ。
ここまではルールはいいかな?
うん、なんとなくは。
その上で君がどの方法を選ぶか。黙っているか、ちゃんと言うかっていうのを選ぶ。
そして僕と同時、せーので言ってみることになるんだけど。できそうかい?
うん、できると思う。
質問あるかい?先に。
なんか黙っていようとか、そういうことはお互いに言ってたりするのかな?
別の部屋に入れられているから、お互いどうしようっていうのは無理なんだよ。
そっか、そうなんだ。わかった。
よし、じゃあせーので言ってみるよ。
うん。
せーの。
自白。
君は今自白って言ったかな?
うん。
じゃあ僕も自白だったから、お互い5年間の牢屋行きだ。
うん。
あきとくん、君はどうして自白を選んだんだい?
何をしたかわからないけど、悪いことはよくないと思うから。
なるほどね。
うん。
君の感じを見ていると小学生っぽいかなって思ってたんだけど。
うん、小学校5年生です。
お、5年生思い出したね。いいね。
うん。
そっか、それぐらいの年の男の子ってさ、なんかやんちゃがいっぱいいて、みんなでつるんで黙っていようぜとか、先生に内緒なってやりそうな気がするんだけど、君は正直なんだね。
うん、まあ学校ではやってたりするかな。
そうかい。じゃあどうして今は自白にしたんだい?
うん、学校の悪いことよりも、もっと悪いことだと思うから。
ああ、学校でやるようないたずらっぽくないなって思ったのかい?
うん、だって学校で悪いことしても牢屋には入らないでしょ。
それはそうだね。
うん。
じゃあ、いたずら程度だったらまあ黙っててもいいけれど、警察に捕まるような重大事件だったらやっぱり自白、正直に言わなければいけないって思ったのか。
うん、なんか先生に怒られるだけじゃなさそうだから。
そうなんだ。誰に怒られるんだい?
おまわりさん。
ああ、おまわりさんとか。
うん、それはちょっと怖いかなって。
怖い人に怒られるのが嫌なのかな。
うん。
君はとっても正直でいいね。
そうかな。
え、じゃあ目黒さんはなんで自白にしたの?
そうだね、僕もまあ悪いことをしたら言わなきゃいけないかなっていうのと、
そうだね、僕もビビリだからね、君と同じかな。捕まっちゃったらビビリ散らかしちゃってさ、すぐ言っちゃうかも。
いや、一緒だね。
一緒だね、僕たち似てるかもしれないね。
うん。
よし。
でもまあ君がとても正直で、学校ではちょっぴりいたずらもしているけれど、
すごく悪いことをしたら、ちゃんと言わなきゃねって思ってる正直な子だっていうのがよくわかったよ。
うん。
こんな調子で少しずつ記憶を取り戻していこう。5年生だっていうのもわかったしね。
そうだね。
これで全部戻るのかな。
そうだね、ちょっとずつ取り戻していこう。
じゃあ僕は外来の患者さんを見に行く時間だから出て行ってしまうけれど、いいかな。
お願いします。
ではまた情報に出していきます。
ベッドのそばには患者の心拍数や血圧などの異常を教えてくれる装置がある。
このような器具が出されているということは非常に危ない状況だったのだろうか。
97と98という数字が画面に表示されている。
その数字が何を意味しているのかはわからない。
こちらも何かしらの技能で調べてみることができます。
そうですね。
97と98が何なのかというアイディアで思いつくとかできますか。
はい、いいですよ。
はい、調べます。
こちらも素晴らしい成功。
数値が出ているということは何かにつながっていてそれを調べているというはずなんですけれど、
この機械がどこにもつながっていない。
秋戸さんにもつながっていないし、どこにもつながっていないということがわかります。
これ動いているってことですもんね。
もう動いていないんですよ。
動いていないんですよ。表示だけ97と98という数字だけが表示されている。
つながっていないのに電源が入っているってことですね。
そうですね。
わかりました。
秋戸くんがなんだこれって思いながら見ていると隣の部屋から声がかかります。
誰かいるの?
こっちこそ誰か。誰?
ごめんね。隣の部屋で入院しているの。
そうなんだ。
じゃあ僕と一緒ってことかな。
そうなんだね。お名前聞いてもいい?
うん、知ってる。
僕の名前は広瀬秋戸さん。
広瀬秋戸さん。
声は私と同じくらいの年かな。
今年で小学校5年生。
じゃあ一緒だ。私も多分5年生くらい。
そうなんだ。あなたの名前は?
私ね、目黒あきら。
目黒さん。
じゃああきらって呼べばいいかな。
呼んで呼んで。ありがとう。
僕のことも秋戸って呼んで。
秋戸ね。秋戸くん?秋戸?
秋戸、秋戸くん。秋戸でもいいし。
やった。あのね、私ずっとここに入院してるから暇なんだよね。話し相手になってくれないかな。
いいよ。
うん、いいよ。
やった。秋戸はどうしてここに入院してるの?
うーん、それが入院する前のことが思い出せないんだ。
え、そうなの?
うん。目黒さん、あのお医者さんには雷に打たれて運んできたって言われたけど。
雷?秋戸も?
うん。あきと、あき、あきらも?
うん。あのね、私はね、あの交通事故にあっちゃってさ、結構大きな事故だったんだけど。
その部屋に入る人みんな雷に打たれてきたっていうの。あと記憶がないって。
みんなってことは、いっぱい来てるってこと?
うん。なんか今までにいーっぱい来てるよ。
そうなんだ。あきらはずっとここにいるの?
そう、もう何年も。
うーん、そうなんだ。
ほんとね、1年生の時に交通事故にあって、今たぶん5年生。
1年生?
うん。
すごい前だね。
そうなの?もうずっといるから暇で暇でさ。
そっかー、それは嫌だね。
うん。でもこうやってさ、お隣に来る人もおしゃべりしてくれるし、お父さんもいっぱい頑張っておしゃべりとか私を直そうってしてくれてるし。
あ、そうなんだ。お父さんなんだ、目黒さん。
あ、そうそう、あの白髪のチャラいおじさん。
うん、そっかそっか。
お父さんはね、名医だからあきとのこともきっと直してくれるよ。
そっかー。
私のこともね、ずっと直そうとしてくれてるんだ。諦めないで。だから私がここでぐずぐず、暇だーとか泣き言言うわけにいかないんだ。
うーん、そっかー。大変なんだね、あきら。
うん。でもなんか慣れちゃったかな。あきとは?お外では何してた?あ、覚えてないのか。
うーん、そうなんだよね。何も覚えてないんだ。
そうなの?お家の人とかも?
家族は今思い出せるかな。お父さん、お母さんに。
うん。
お兄ちゃん。あと、お母さんの妹で、サラお姉ちゃんってのが仲がいいんだ。
サラお姉ちゃん?へー。
うん。
そのお姉ちゃんと何して遊ぶの?
たまに家に来てくれるから、そうなのね。よくゲームしたりしてたかな。
へー。
あんまり細かくは思い出せないんだけど。
うーん、そっかー。
星の近いお姉ちゃんなの?
ううん。お母さんの妹だから、結構離れてる。
へー。でも仲良くしてくれるんだ。いいね。
うん。お姉ちゃんみたいな感じなんだ、本当の。
へー。お兄ちゃんもいるんでしょ?
うん。
いいなー。私一人っ子だから、そういうのすごく憧れる。
そうなんだ。
うん。
お母さんは?
うーん、えっと、事故で死んじゃった。
あ、そっかー。
うん。
ごめん、言っちゃって。
いいのいいの。しょうがないもんね。
じゃあ、お父さんといつも一緒にいるって感じなのかな?
うん、そう。
うんうんうん。そっかー。
はい。そんな話をしていると、強烈な眠気があなたを襲います。
まだ体力が戻りきっていないようだ。泥のように眠りに落ちる直前、隣の部屋から
おやすみ、という声が聞こえた気がする。
2日目です。
目が覚めた。あなたは相変わらず手術室にいる。
だが様子がおかしい。視界が白黒になったり、ちらついたりと正常ではない。
一体どうなっているんだと思っていると、医者が来ます。
コンコンコン、入ってもいい?
はい、どうぞ。
やあ、調子はどうだい?
なんか、目がチカチカする。
目がチカチカする。
えっと、頭が痛い感じ、見た感じが変っていうこと?
うん、頭は昨日とあまり変わらないんだけど、なんだろう、白黒の世界、目黒さんもなんか、チカチカしてる。
ああ、そうなのか。それは困ったな。今、検査の器具を外来で使ってしまっているからね。
外来の時間が終わったら、検査を借りてくるから、その後で君を見てみようか。
うん、お願い。
うん、まあ、心配しなくてもよくなるよ。記憶がなくなった人はよくあることだから、脳がびっくりしてるんだと思う。
そうなんだ。
あとはどうかい?体はちょっとは動く?
うん、動くかな。ほら、と言って手を振ったりします。
じゃあ、それはにこーっとして。じゃあ、今日も記憶を取り戻すおしゃべりをしたいんだけど、いいかな。
うん、わかった。
じゃあ、まあ、見づらかったら一瞬見て、また目をつぶって話だけ聞いててくれてもいいからね。
はい。
そうすると医者はにょろんと、また暴動を出してきます。
これはね、テセウスの船というパラドックスのお話だ。知っているかな。
パラドックス。
うん、パラドックスっていうのは、そうだな、矛盾しているお話っていう意味かな、簡単に言うと。
うん、うん、うん、そうなんだ。
テセウスっていうのはギリシャ神話の英雄なんだ。
彼が乗っていた船はいろんなところへ冒険に行った。
海をいっぱい渡って船で移動しているから、古いパーツや壊れてくるパーツが出てくる。
それをちょっとずつちょっとずつ変えていった。
その結果、すべてのパーツが新しいものに変えられてしまったとき、その船は同じテセウスの船と言えるのかどうかっていう話だ。
君はどう思う?
この船がちゃんと動いているなら、それは同じ船なんじゃないかなって思った。
動いていればいいってこと?
動かなくなったら違う船?
動かなくなっちゃったらそれはもう壊れた船だから、船じゃない気がする。
そうだね、船自体じゃなくなっちゃうね。
例えば一番最初のテセウスの船があって、
頬柱ってわかるかな?頬を立てる柱。
このまっすぐのやつ?
そうそう、まっすぐの棒のやつ。
これが嵐とかでぼっきり折れちゃったから、新しく同じような柱を立てた。
これ絵だと頬柱3本あるから、3本とも取り替えた。
船の床とか、横のところとかもだんだん木が古くなっちゃったから、新しく取り替えた。
テセウスが乗っていた船なんだけれど、新品同様のぐらいになっちゃった。
これもテセウスの船かい?
うん。
これもテセウスの船かい?
うん。
これもテセウスの船かい?
うん。
乗ってる人は一緒とかなんだよね。
そうだね。乗ってる人ももしかしたら変わっちゃうかもしれない。
でも見た目が一緒なら、外から人が見たら同じ船かなって思うと思うな。
なるほどね。船を見ている人がテセウスの船だって分かったらいいってことか。
うん。
なるほどね。面白いな。見ている人が大事っていうことかい?
なって思った。見てる人だったり、使う人。
なるほどね。
君は結構お返事とか考え方がはっきりしているね。
うん。よく先生に言われる。
そうかい。スパッて答えて、短い言葉でダラダラ喋らないでさ、結論スパンっていう感じで気持ちのいい感じだよ。
ありがとう。お父さんとかお母さんがそんな感じだから。
あ、そうなんだ。お父さんとお母さんは思い出したの?
うん。思えてる。
どんな人とか分かる?
えっと、あんまり詳しくは思い出せないんだけど、僕よりもっとはきはきしてるような人だったかな。
そうなんだ。はきはきした家族はいいね。
いいね。
自分のことエドッコエドッコって言ってた気がする。
あ、お家の人がかい?
うん。
そうか。じゃあ君がはきはきしてるのもエドッコなのかな?
そうなんだと思う。
いいな。僕はそういう気持ちのいいのが大好きなんだ。
うん。
そうやってちょっとずつ思い出していけるといいね。
うん。
よし。じゃあそろそろ外来の時間だから僕は行っちゃうけど。
あ、目のことは心配しないで。ちゃんと終わったら機会を持ってくるからね。
お願いします。
はい。じゃあねー。と言ってまたひらひらと手を振って行ってしまいます。
今あなたは手術室のベッドの上にいます。
相変わらず体は重いのですが、昨日よりは動けそうです。
歩いて気になったものを調べに行くことができるでしょう。
ということで今回はこちらを2カ所調べることができます。
はい。
どちらから行きますか?
モニターの方から行きます。
モニターの方から。はい、わかりました。情報に送ります。
長いので全部は読まなくてもいいんですけど、上2行かな?ぐらいだけ読んでもらっていいですか?
はい。
資料。少し歩いた先にある棚には、以下のような患者の名簿と思わしき資料が納められている。
はい、ありがとうございます。すっごいページにいっぱいの名前が書いてあります。
はい。
はい。
こちらも調べるのにふさわしい技能を何か成功すると情報が出ます。
どうだろう?じゃあこのパーセントが何か考えてアイデアを振ってみます。
はい、どうぞ。あ、失敗ですね。
はい。
目がチラチラして、もう見るの嫌ってなったかもしれませんね。
うん、確かに。
どうしましょうか?もう1個の方見てみますか?
そうですね、はい。
ではもう1つの方の情報も出します。
はい。
過温装置。ベッドから少し離れた位置に温風で体温を適用に維持するための装置がある。
はい。こちらも情報が何かしら調べることができます。
はい。
うーん、アイデア。
アイデア。
はい。
はい、どうぞ。
失敗。
やっぱりもう目がチラチラしてると嫌ですよね。
体調も悪いんでしょうね。
ね。
はい。
あーって思っているとまた声がかかります。
アキトくん、アキトー。
アキラ?
うん、調子はどう?
うん、なんかすごい今目がチカチカするんだ。
え、目がチカチカ?大丈夫?
うん、あのー、めぐろさんは大丈夫って言ってた。
あー、そうなんだ。
そうだね、お父さんが大丈夫って言うなら大丈夫と思うんだけど。
うん、後で直してくれるって。
あ、そうなんだね。
あー、そういう症状は初めて聞いたなー。
そうなんだ。
これまではね、頭がぼーっとするとか、あんまりお話が通じないとか、
あと変な言葉ちゃーちゃーちゃーって言う人が多かったかなー。
変な言葉?
うん、なんかピンクのマンモスがなんとかかんとかーって。
うーん。
人によって全然違うんだね。
ね。なんかね、運び込まれた日は平気なんだけど、
次の日2日目になるとちょっとおかしくなる人が多くて、
だからアキトもそうなっちゃうんじゃないのかなって怖かったんだ。
うーん。
でも最終的にはみんな帰ってくるんだよね?
そうそう、なんか次の日またすぐに治っちゃって、みんな3日ぐらいで出てっちゃう。
うーん。
そうなんだ。
目黒さんが頑張って治すのかな、みんな。
じゃないかなー。
うーん。
例えばここに、たぶん今まで来た人と思う、
なんか名前が書いてあるものがあるんだけど。
へー。
全部で6人名前が書いてあるんだけど、
こんなにあった人って。
6人?もっといっぱい今までいたけどなー。
あった。
うん。
うーん。
こっちからなのかな?
ページをめくってみるといっぱい載ってます。
あーなるほど。
次のページとかにいっぱいあった。
そうなんだねー。
あそこにいる人たちってことかなー。
でもなんか不思議なことに、みんなに何パーセントみたいなものが書いてあるんだよね。
え、なにそれ怖い。
なんかそういう話ってなかった?
へー、聞いたことないなー。
そっか。
うん。
なんだろうなー。
なんだろうねー。
今度お父さんに聞いてみようか。
それいいね。そうしようか。
うんうん。
どんな本って私も見れたらいいんだけどな。
うん。
ただ私目が見えないからねー。
目が見えない?
そう。目が見えなくって、あと体も動かせないの。
そうなんだ。
うん。
あれは結構大きな怪我なのかな?
そう。だからお父さんがずっと治そうってしてくれてるの。
そっかー。
うん。
でもお父さんも大変だね。
そうだねー。あ、そうだ。
秋人もさー。
うん。
うん。
元気になったら退院しちゃうんでしょー?
多分そうなんじゃないのかなーと思うけど。
うん。秋人が退院して、私がお父さんお尻いっぱい叩いて治してもらったらさ、またお外でも会ってくれる?
うん。いいよー。
ほんとー?わー。
うん。
じゃあ一緒に遊んでー。
うん。そしたらいっぱい遊ぼう。
じゃあ約束だよー。
うん。約束。
楽しみだなー。秋人は何して遊ぶの好き?
えーっとねー。
友達とゲームして遊ぶのが好きだった気がする。
あー。ゲームか。
昨日言ってたね。お姉さんともやるーって。
そうそうそう。
いつも勝負して負けたりするんだけど、悔しくなってついて続けちゃうんだ。
お姉さん強いんだ。
うん。結構強い。
へー。いいなー。じゃあ、えっと、サラお姉ちゃん?
うん。
どうも、私一緒に遊べるかな?
うん。遊べる遊べる。紹介するね。
うん。やったー。楽しみー。
そんな話をしていると、また強烈な眠気があなたを襲います。
歩けるようになったとはいえ、まだ体力が戻りきっていないようだ。
泥のように眠りに落ちる直前、隣の部屋から、「おやすみ。」という声が聞こえた気がする。
3日目です。目が覚めた。あなたは相変わらず手術室にいる。
視界はクリアになっていた。体の調子も昨日よりとても良くなっている。
そこへ、医者の声がする。
コンコンコーン。入っていいかーい?
はい。
音が直らないな。
調子はどう?
うん。目がちゃんと見えてる。
よかった。君が寝てる間に検査をして治療したんだけど、ちゃんと君が見えるかどうか心配だったんだよね。
うん。今日は目黒さんもよく見える。
よかったよかった。いつも通りのイケメンかい?
うん。お兄さん。
ありがとう。ちょっと曲がったけどね。
さあ、じゃあ今日もあとは、元気かな?それ聞くの忘れてた。
うん。元気に段々なってると思う。
じゃあ、あとは記憶を戻すだけだね。今日もお話ししてもいいかな?
はい。
じゃあ、ちょっと物騒な話なんだけどこれを見てくれるかい?
これはね、臓器くじっていう話なんだけど、聞いたことある?
ないな。
うん。臓器くじっていうのは、ある人間を一人積極的に殺して、それより多くの人間を助けることはいいことだろうか?という思考実験だ。
この話にはルールがある。
1.公平なくじを健康な人に引いてもらう。当たりが出たら、その人は殺されてしまう。
2.殺された人の臓器を全部取り出して、臓器移植が必要な人々に配る。
3.移植は必ず成功するものとする。つまり、臓器を配られた人はみんな病気が治るってこと。
4.くじに不正行為はないものとする。
5.これが一番大事なんだけど、人を殺すこのくじ以外に臓器は得られないものとする。今ある臓器移植はないってことだ。
うん。
ルールはなんとなくわかってもらえたかな?
うん、たぶん。
じゃあ、君はこの話についてどう思う?
良くないと思う。
良くない?なるほど。なんで?
人を殺すって書いてあるから、人を殺しちゃうのはダメだと思う。
そうか。殺してしまうのが良くないってこと?
うん。
なるほどね。
例えばだけど、今はこの臓器くじではなくて、臓器ドナーって言ってさ、事故で死んじゃった人とか、もうこれ以上生きられないっていう人の臓器をもらって移植することはできるんだ。
うん。それは何か聞いたことある?
似てると思わないかい?
でも、健康な人って言ってたよね。
うん、そうそう。
うん、健康な人を殺しちゃうのは何か聞いたのと違った気がする。
ああ、そうなんだね。
どこかしら悪くて死んじゃった人とか、交通事故で死んじゃった人とか、
っていうのが対象だからね。
うん、そう言ってた。
じゃあ、わざと殺しちゃうのはダメってこと?
うん。
じゃあ、そうだな。君は家族がいるって言ってただろう?
うん。
その家族が病気になってしまって、臓器が必要だ。
うん。
その家族が病気になってしまって、臓器が必要だ。
だけど、この方法でしかなごらないって言っても反対するかい?
うーん、すると思う。
そっか。さすが江戸っ子、返事がパキパキしてるね。
そうかな。
なんかとてもいいと思う、そういうのって。
白黒はっきりしてるって言えばいいのかな?
うん。でもなんか、通知表に書いちゃった気がする。
そうなんだね。
うん。
最近の通知表って褒め言葉しかないけど、
まあでもそれはとても君のいいところだと思うから、
ぜひこのまま大人になってほしいな。
そうだね。でも寂しいな。
今、そうだね。最後だから、あきらに直接会いに行きたいんだけど、
いいかな?
ほんと?来てくれるの?
うん。
すっごい嬉しいんだけどさ、
私、体大丈夫かな?目が見えないし、体も動かないし、
髪の毛ボサボサとかだったらどうしよう?
全然大丈夫。
ほんと?
うん。病院だからね、そういうことはあってもしょうがないから。
うん。じゃあ、えっと、変でも気にしないでね。
うん。わかった。
じゃあ、扉を開けますか?
はい。
では扉をガチャリと開ける。
部屋の中は薄暗い。部屋の中央がぼんやりと光っている。
そこにはベッドがあった。
そして、そのベッドに横たわっているのは、あなた自身だった。
もちろん、あなたはベッドのそばに立っている。
立って、横たわる自分を眺めている。
では、ベッドで寝ている自分は誰なんだろうか?
どうして自分が、二人いるのだろうか?
異様な光景に、小輝度を失います。
スタンチェックをお願いします。
失敗です。小輝度を1D10失います。
失います。
1D10を振ってください。
5。
5です。
いっぺんに5を失ったので、
狂気?
一時的狂気か。アイデアを振ってください。
はい。
アイデア成功。
はい。じゃあ、どうしようかな。1D10振ってみましょうか。
はい。
3。
一時的狂気、具体的なヒステリーあるいは感情の紛失、大笑いとか大泣きなどとありますが、
今回はね、あってもなくてもいいです。
加賀さんがやりづらいなと思ったらなしでいいです。
はい。わかりました。
今、あなたは立って寝ている自分を見下ろしているという状態です。
はい。
あきと、起きてるの?という声がちょっと奥の方から聞こえます。
うん。起きてるんだけど真っ暗でよく見えないんだ。
え?この部屋暗いの?
うん。
あ、そうか。私、目が見えないから電気つけてもらってないのかな。
えっと、こっちだよって言ったらわかる?
うん。わかる。
こっちだよ。来れる?
うん。と言って、おそろおそろ歩いていきます。
はい。そうするとこのようなものがあります。
ベッドの脇に置いてある機械が付随したシリンダーからあきらの声が聞こえてくる。
このシリンダーは緑の液体で満たされており、中には脳みそが浮かんでいた。
このシリンダーに付いている電話機のような機械からあきらの声が聞こえてくる。
あきと、私のことわかった?
うん。えっと、ここでいいのかな?
うん。あきとの声が近くから聞こえる。
私、変じゃないかな?
うん。変じゃないよ。
よ。
よかった。
すると後ろから声が聞こえます。
もうそんなに動けたんだね。まだ時間がかかると思ったんだけど。
クロスさん。
うん。
こ、これって何?
うん。君には説明をしなければいけない。
あきら。
何?お父さん。
ちょっとあきと君とお話があるから、あきらは寝ててくれるかい?
え?何言ってんのお父さんずるい。私があきととずっと話してたのに、今私が話すば…
いや、悪いね。
これがあきらさんなんですか?
うん。そう。あきらはね、体の原型がとどめられないほどの重傷を交通事故で負ってしまったんだ。
なんとか脳だけは保存できてね。
これはあきらだ。あきらの脳みそなんだ。
そうなんだ。
幸いね、私は交流があったんだ。こうやって脳だけを取り出すっていうことができる種族との交流がね。
ベッドにいるのは君自身の元の体だ。今の君の体は作り物なんだ。人形にね、君の脳みそを移し変えたんだよ。
脳みそ?人形?これ人形なの?
そうだよ。本物そっくりだろ。
黙って手と顔を見つめてます。
本当はね、あきらにこの人形をつけようと思ったんだ。でもうまく接続できなかった。機械に移し変えるには時間が経ちすぎていたらしい。
うまく殉納してくれなかったんだ。でも君の体なら、適性率98%の君の体なら、きっとこの子になじんでくれる。
そしてその人形の体も君になじんでいるだろう。ちょっと目とかの調整は必要だったけど、適性率は97%だったからね。
あのチカチカしてたのって、そういうことだったの?
そうなんだ。なんかロボットみたいだったなって思ってた。
うん。まさしくそんな感じだよ。
で、僕の体はあきらにあげること?
そう、そういうこと。だけど、両方の適性を持つ人が、あきらさんの体を直す時間を続けることになる。
うん。
そう、そういうこと。だけど、両方の適性を持つ人が、なかなかいなくてね。
こんだけ数値が高いのは、君が初めてだったんだ。もう何千人と探していたんだけど。
そうなんだ。同じ年だからかな。
ああ、そうかもしれない。
うん。でも、ちゃんと機械が良くなれば、その必要もなくなるってことだよね。
うん、そうだね。じゃあ、僕は頑張ることにするよ。
うん。
そう言うと、
お父さん、はい。
どうぞ、どうぞ、どうぞ。
お父さんやお母さんも、僕のこと三日もいなくて心配してると思うから。あきら姉ちゃん、兄ちゃん。
そうだね。君の家族が大事な君を探しているだろう。君は帰るんだ。
そう言うと、医者はあなたの顔の前に手を広げる。あなたの意識はだんだんと薄れていきます。
あなたは気がつくと、自分の家に戻っていた。失われた記憶もすべて戻っている。病院での出来事も覚えている。
あれは夢だったのか、現実だったのか。
そう言うと、体のある一部分が、よく見ると分かることだが、他の部分とは違う色になっていることに気がつく。
果たしてその体は本物なのか、偽物なのか。
それがはっきりするのは、もう少し後のことだろう。
最後に一言、あきとくんのシーンを挟んでおしまいにしたいと思います。
あきとくん、どんなことを言っているでしょうか。
目覚めたのはどことかあるんですか。
自分のお家です。
ベッドの上とかですかね、自分の。
覚えてるんですよね、あったことも。
はい、全部覚えてます。
なので、まず目が覚めて、自分の家であることを認識すると、先に体を調べます。
はい、いつも通りのあなたの体です。
帰ってきたのかな、お父さんとお母さんいるかな、と言って、1階にある和菓子屋の方にかけてきます。
はい、お父さんやお母さんとはどんな話をするんでしょうね。
そうですね、3日間もいなかったということなので、そういう事実があったかどうかを聞くと思います。
3日いなかったけど、急に戻ってきてびっくりしたという話をされるかもしれませんね。
なるほど。
あれは実際にあったことなんだなーってぼんやり考えますね。
では、そんな感じで終わっていいでしょうか。
はい。
では、シンクトゥルフシンはTRPG。
片城、俺に絶収幕です。
お疲れ様でした。
お疲れ様でした。
はい、ありがとうございました。
ありがとうございました。
いかがでしたか。
そうですね、こんなにお話しするとは思ってなかったので、びっくりです。
そうですね、いつも割と大人数でわちゃわちゃってすることが多いので。
そうですね。
まあ、初期ロールも1回だけでしたもんね。
そうですね、1回だけ。
うんうん。
そっか、これがかっこいいですね。
うん。
そっか、これが片城なんですね。
そうなんです。どうでしたか。
うーん、なんか、そうですね。
パッキットとして交代しましたけど、
もし他のキャラクターとかだったらどうなるのかなっていうのがちょっと…。
あー、そうですね。
同じ人がやってもキャラクターによって答えが変わってしまうでしょうね。
うんうんうん。
子供だからあんまり難しいことは言えなくていいって言ってたんですけど。
結構なんか、そうですね、それこそ人によって全然違うものになりそうですね。
そうなんですよ。
中の人が変わるともう全然話が違っちゃうので。
うんうんうん。