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2022-02-04 1:10:21

部活動68 カタシロアナザー Case.だう

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Podcastで繋がった仲間たちと新クトゥルフ神話TRPGを遊んでみました!

シナリオ:カタシロアナザー
シナリオ制作者:むつー様

KP↓
朔夜(https://twitter.com/sakuya_naniwadu)
プレイヤー↓
だう(https://twitter.com/namelessyue)
(敬称略)

参考TRPGセッション
【新クトゥルフ神話TRPG】心にいつも推しがいる女の「カタシロ」 #さぱシロ08
https://youtu.be/NTVkDMqE1xo
【クトゥルフ神話TRPG】東北弁ヒロインを愛でる「夢の対価」
https://youtu.be/yNFwg5kAQog
https://youtu.be/ghvmoy6SqPM
PTRPG部では、主にクトゥルフ神話TRPGで遊んでいます。
最近、エモクロアTRPGも始めました!
やったことないけど、気になる方もお気軽にご連絡ください!

メールアドレス podcast.trpg@gmail.com
Twitter: https://twitter.com/PodcastTrpg
ハッシュタグ:#PTRPG部
00:07
はい、オッケーです。録画できました。
はい。
ごめんなさいね、いろいろお願いしてしまって。
あー、いえいえいえ。むしろすみません。
いえいえ。迷惑もかけるかもしれませんけど、よろしくお願いいたします。
はい、よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
カタシロを通過したい人のみ参加できるカタシロアナザーです。
カタシロの世界をさらに楽しんでもらうというシナリオです。
来てくれた人とたくさんおしゃべりをしたいというのがカタシロのコンセプトですので、
今回は私とたくさんおしゃべりをしていただけると嬉しいです。
はい、えっと、これって、えっと、一応なんかプレイヤーとしてじゃないですけど、
その、メタ、前回のカタシロのメタ的なこと言っちゃっていいんですか?
えっとですね、まあ話の流れでわかると思います。
おお、わかりました。
はい、えっと、えー、そうです、かな?
そうですね。
ちょっとじゃあ、ちょっと没頭するために部屋の電気消しますね。
はいはい。ダウちゃん自身でお願いしますね。
はい、では心の準備はよろしいでしょうか?
そう言われると、大丈夫です。
はい。
じゃああまりいじめないでおきますね。
お願いします。
昇進者なので。
はい、大丈夫です。
シンクドルフ神話TRPG、カタシロアナザー始めていきたいと思います。よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
はい、ではシーンを変えます。
はい。
おお。
あなたは目が覚めると病室のベッドにいました。いえ、正確には手術室です。
頭痛がひどい上に、体が思うように動かせず、ぐったりとしています。
シーンを始めてみましょうか。
はい。
え、体が動かん。
はい、そこへ一人の男性がやってきます。
はい。
あ、よかった。目が覚めたんだね。
はい、こんばんは。
こんばんは。
こんにちは。
はい、僕は医者だ。君は落雷にあって病院に運ばれてきた。覚えているかい?
03:01
えー、知らなかったです。
はい、ではここでアイデアを振ってもらいます。
アイデアの数値決めがチャットパレットの一番上に入っていますので、それでアイデアを決めたいと思います。
はい、じゃあ振ります。
はい。
40。
はい。では次、1D100を振って40以下が出れば成功です。
はい。68失敗。
はい。では、強い光を浴びた記憶があります。ですが、それ以前の記憶がありません。
また、常識などの社会的に生きるための記憶以外をすべて忘れていることに気がつきます。
あなた自身に関する記憶がすっぽりと抜け落ちているようです。ではシーンを再開しましょう。
うーん、私の名前ご存知ですか?
あー、いや、それがね、残念ながら君の身分を証明するものが何もなかったんだよ。僕にもわからないんだ。
え、雷で焼けたってことですか?
なのかな。ここに運ばれてきた時には君はその身一つで運ばれてきた。
えー、そんなことあるんですね。
うん。
え、でも、医療費とかどこで払えばいいんですか?体ですか?
いやいや、そんなことはとりあえず今は心配しなくていいよ。大丈夫だ。
ほう、そうですか。
うん。
はい。
じゃあ、どこに住んでいたかとかも覚えていないかい?
そうですね、全く記憶にないです。
そうか。君に関しての記憶をすっかり失ってしまっているようだね。もう少し詳しい検査が必要だな。
体も今のところ本調子ではないかもしれないが、見たところ、もうしばらくすれば動けるようになるだろう。大丈夫だ。
うん。はい。
約束はできないんだけど、きっときっと戻るだろう。大丈夫。きっとよくなるよ。僕がよくいるからね。
うーん、はい。
そんなに信用がないかな。
もう初対面ですからね。
まあ、そうだよね。
はい。
とはいえ、数日は様子を見た方がいいかな。
3日間はここにいてもらうことになると思う。
おー、手術室ですか?ここ?
そうなんだよ。
ものものしくって申し訳ないんだけど、他の部屋が全て埋まってしまっていてね。ごめんね。
えー、いいんですか?こんなとこ汚しちゃって。
いやいや、大丈夫だよ。
06:00
はあ。なんかすいませんね。
いやいや、謝るのはこっちの方だ。すまないね。
おー。トイレとかどの辺にあるんですか?
おー、トイレはね、この部屋の隅っこ、あの辺にあるよ。
隅っこにあるの?
ドアがちゃんとあるけどね。
えー、はあ、そうなんだ。
じゃあ、本気で、本気の清掃室っていうか、本当に清潔な部屋ってわけじゃないんだ。
まあ、清潔じゃないと手術は本当はしちゃダメだけどね。
ですよね。
え、ここ総合病院か何かですか?
そうだよ。
えー、ここ何かなんですか?
とりあえずは、緊急で運ばれてきたから。
うん。
あ、僕の専門は脳外科医だけどね。
あ、じゃあ、私なんか頭おかしくなってたんだ。
そういうわけじゃないんだ。たまたま僕に当たっただけだよ。
えー、ありがとうございます。
いえいえ。
じゃあ、僕の専門分野だから、君の記憶を取り戻す手伝いをしたいと思うんだ。
うん。
僕とちょっとおしゃべりをしようか。
しゃべることで思い出すこともあると思う。
はい。
君のパーソナルに迫るような質問をして、記憶を取り戻すトリガーになればいいと思うんだ。
うん。
いいかな?
はい、お願いします。
じゃあ、君はカルネアデスの船板という試行実験を知っているかな?つまりは覚えているかな?
カルネアデスの船板。
うん。
あれ?テセウスの船じゃないんですか?
テセウスの船?あ、まあそういう試行実験もあるけれど。
えー、似てるんですか?それ。
うーん、だいぶ違うかな?
えー、知らないです。
そっか、じゃあちょっとこれを見てくれるかい?
はい。
お?なんだ?
ごめんね、僕の手書きなんだけどね。
そうなんだ。かわいいですね。
ありがとう。
ピクトグラムみたい。
この話はね、一隻の船が沈んでしまってね、乗っていた人たちがみんな海に放り出されてしまったんだ。
そのうちの一人の男は死を覚悟したが、幸運にも一枚の船板が浮いているのを見つけて、それにしがみついた。
するとそこに、もう一人その板につかまろうとする別の男が現れた。
しかし、二人つかまると板そのものが沈んでしまうと考えた最初の男は、後から来た男を突き飛ばして、水死させてしまった。
これは果たして許されざる行為なのだろうか、ということだね。
09:01
あー、要するに雲の糸的な話と似てる?
うーん、まあそうかもしれないね。
それは許されることなのか、許せることなのか、という話だね。
そうそう、そういうことだ。
やばい今、パッと思い噛んだのはもうどうでもいいということだったけど。
- それはどうしてだい?
- いや、えっと、別に許せること、許せないこと、うんうん、それはもう事実なのであるから、もう別に裁くも何もっていう感じですね。
- なるほど、君はなかなかサバサバした人間だね。
- はい、よく言われるんです。
- じゃあ、そのサバサバした君に、ちょっと意地悪な聞き方をするけれど、君が最初の男の立場だったら、君はどうする?
- あー、そうですね、一緒に、そうだな、えっと、そうだな、もう一人の人に板掴んでもらって、私はその人の足を掴むかな。
- 足かい?
- いや、私多分今中二病なんですよ。
- おー。
- なんで、多分ね、なんかいけちゃう気がするんですよね。
- なかなかそうだね。
- それでもいけちゃう気がするんですけどね。
- この絵を見た感じだと、板に掴まると足が水の中に沈んでると思うんだけれど。
- そうですね、えっと、服は着てますか?
- うん、着てるよ。
- うん、ならまだ浮かべる可能性はある。
- あー、なるほど。じゃあ、板そのものは相手に渡してあげるっていうことかい?
- そうですね、でもその時は交渉を求めますね。
- ほう、どんな交渉?
- あの、掴むから離さんでくれと。
- ほう。あ、君を掴むから離すなってことかい?
- えっと、そうですね。
- 板に掴まった人に君が掴まる。それを振り払うなという交渉をするんだね。
- そうですね。
- なるほど、なるほど。面白いね。
- 中二病なんで。
- いやいやいや、そんなことはない。大丈夫だよ。
- じゃあ、君が後から来た男の立場だったら?
- 後から来た男の立場だったら諦めますね。
- 諦めちゃうのかい?
- でも別に、それは死に行くわけじゃなくて、板一つに固執する理由もないかなということでですね。
12:05
あまり人と関わりたくないんで。
- なるほど。他の板を探しに行くと。
- うーん、そうですね。
- 他に板がなかったら?
- うん、まあ、できるだけ泳ぎます。
- まあ、生きる道を探すっていうことだね。
- そうですね。
- じゃあ、最初の男が、自分は体力があるからこの板を譲るよと手放してくれたらどうする?
- えー、本当ですか?って言いながらもらいます。
- なるほど。
- もらって一緒に進みます。
- ああ、なるほどね。二人で生きる道を模索すると。
- はい。
- なるほどね。君は、はっきり意見を言ってサバサバしているけれど、生きることにはきちんとこだわっているようだね。
- うーん、何ですかね。
- うん、とてもいいことだと思うよ。
- ほう。
- ちょっと君の人となりがわかってきたかな。
- ほう、本当ですか。
- うんうん。僕は君みたいなサバサバした人は好きだけどね。
- ああ、ありがとうございます。
- まあ、こういう他愛のない話がきっかけで思い出していくこともあるだろうし、この調子で行こう。
- はい。
- 無理は禁物だけどね。
- はい。
- 君の体はまだ本調子じゃないだろうし、ゆっくり休んだほうがいい。
- うん。
- 僕は外来の患者に行かなきゃいけない時間だから、そろそろ行くね。
- ああ、お疲れ様です。
- うん。何かあったらすぐに呼んでおくれ。
- はい。
- そう言って医者は出て行きました。
- はい。
- あなたは今手術室のベッドの上にいます。
- うん。
- 頭痛は少しずつ収まってきました。
- うん。
- しかし、体は相変わらず重たく動かせません。
- その場から手に届く範囲のものであれば、気になったものを調べることができるでしょう。
- うーん。えっと、じゃあまずトレイのほう。
- はい。
- いいですか。
- はい。じゃあ右クリックで全体公開をお願いします。
- はい。え、すげえ。台の上には何もない。機械台台の上には何もない。
うん。うんうんうん。はい。じゃあもう片方にも手つけますかね。
- はい。はい。
- 全体公開にする。
- はい。お願いします。
- ベッドサイドモニター。心拍数などを表示する機械だろうか。画面は暗転しており何も映っていない。
え、これ私には繋がってないの?
15:00
- そのようですね。
- えー。自分の体をまさぐります。何かついてますか?
- はい。いえ、何もついていません。
- うーん。血を取られた後も何もない?
- そうですね。何もないですね。
- うーん。えー。私多分このまま寝るな。
- じゃあ寝ようかなと思ってたところに声がかかります。
- はい。はい。
- あ、あのー、誰かいらっしゃいますか?
- うん、かわいい。
- あ、ありがとうございます。あの、私、もうから入院することになりまして。あ、隣の部屋です。
- あ、そうなんですね。こんにちは。
- こんにちは。一人で入院するってなんとなく心細くて声かけちゃいました。物音がしたので。
- え、え、あ、一人で入院。
- はい。
- あー、き、奇遇ですね。
- え、奇遇?
- いや、私も一人。でも何が何だかわからずなんですよ、今。
- はい。
- え、隣の部屋ですか?
- そうです。
- えー、え、こっちに来れますか?
- いや、私、今とっても体が重くて、ちょっと動けそうにないんです。
- あー、そうなんだ。あ、私もなんですよね。
- え、一緒ですね。
- はい、そうなんですよ。
- あ、私、片山真代って言うみたいです。あなたの名前は?
- これ、記憶ないんですもんね、自分の。
- はい、そうです。
- あー、推しの名前と同じなんだけどな。そっかー、え、わた、私は、だ、ダウです。
- あー、ちがう、言えないんだよ。
- そう、言えないんだよ。すいません。
- 言えてる?
- 名前はまだない。
- 名前がない?
- 忘れてるんですよ。ちょっと、記憶喪失なんです。
- え、お隣さんも?
- そうなんですよ。え、お隣さんも?
- えー、そうなんです。私も記憶がなくて、先生から名前を教えてもらったんです。
- あ。
- 気にとこなくて。
- えー、あ、え、え、そ、え、そうなんだ。
- え。
- えー。え、な、なんで入院してるかは知ってるんですか?
- 先生が言うには、雷に撃たれたって。
- 同じじゃん。
- え、ほんとですか?
- え、え、どの辺で撃たれたかは記憶ないんですか?
- わからないんです。私も全然記憶がなくて。
- え、え、もしかしたらこれ、あの、同時に雷に撃たれて、え、私たち体が入れ替わってるの、あれじゃないですか、もしかして。
18:02
- なんかそんな映画はあった気がしますよね。
- ね、ありましたよね。だって、だって雷に撃たれるって言ったら、もう私たち焼け死んでますよ。
- ほんとですよね。
- ほんとに、いや、え、ワンチャンありますね、これ。
- ちょっと。
- お隣さんと話していると安心してればいいじゃないんですけど、ちょっと安心してきました。
- あ、よかったです。
- お怪我はないですか?
- 怪我ないんですもんね。
- はい、ないです。
- はい、いや、ありがたいことにご体満足なんです。
- あ、よかった。私もないんです。不幸中の幸いかな。
- ねー。
- なんかほっぺたとか雷の模様入ってないかな。
- そんな映画もありましたよね。
- ねー、ありましたよね。
- 何でしたっけね。
- 何でしたっけね。
- えー、あらあら、そんな仲間がいるんですね。
- ねー。え、どれくらいで退院できるんですか?
- あー、なんか3日くらいで、ここの病室は出られるとは聞いてますね。
- えー、それも一緒です。
- あーら、あら、あら、じゃあその時には会えるかも。
- そうですね。
- ですね。
- ね、仲良くなれるといいな。
- えー、なんかドキドキする。
- 本当?
- はい。
- ほー。
- あー、そうそう、先生と変な話しました。
- うん、何ですか?
- えっとね、囚人のジレンマ?とかゲームの話。
- えー、蒸気が堂々のやつですよね。
- あ、お隣さんご存知なんですか?
- は、はい。
- えー、すごーい。私には難しくて。
- 何て答えたんですか?
- えっとね、黙秘って言いました。
- 黙秘…あー、黙秘すれば…どうなんだったっけ?
- 自分には利益が来るか…だっけ?利益が来るか接班できるかだっけ?
- うーん、なんか難しすぎてよく聞いてませんでした。
- あらあらあら。まあでもね、嘘つくくらいならね、正直でもないけどな。
- うん、なんか先生には、君は明らかんとしているねって言われちゃいました。
- そうですね、なんか声の感じからもすごいそんな感じがしますね。
- そっか、じゃあそういう人だったのかな?
21:00
- うーん、いやどうでしょうね、もしかしたらめちゃめちゃギャルだったかもしれないですよ、ましろちゃん。
- ギャルかー。そっか、それも楽しそう。
- えー、え、何歳?
- え、わかんないんですよ。
- かわいいお声だけど。
- あー、えへへ、ありがとうございます。
- 自分の体の大きさはわかるの?感覚的に。
- そうですね、手とか腕とか見てる感じは大人かなって思いますけど。
- えー、あ、ましろさんであったか。
- そうかもしれません。
- すみませんでした、それはそれは。
- いえいえ。
- えー、いいなあ、私もそんなかわいい大人になりたかった。
- えー、お隣さんの声もとってもかわいいですよ。
- いやー、いやー、私そういう、そういう褒めに弱いんです。
- じゃあ、お二人とも照れ屋さんってことですね。
- そうなりますね。
- ね。
- あははー、うふふー。
- はい、そんなきゃきゃうふふの話をしていると、抗いがたく眠たくなってきて、あなたは意識を手放してしまいました。
- すやー。
- ごめんなさい、シーンが。
- あ、いいです。
- ふんふんふん。
- あなたは昨日と同じ手術室のベッドの上にいます。目が覚めて間もなく男性がやってきました。
- はい。
- おはよう、入ってもいい?
- はーい。
- 調子はどうだい?
- うーん、あれ、体を動かせるんでしたっけ?
- そうですね、少しは動かそう。
- 自分の体を。
- ふんふんふん。まあ、昨日よりかはまだマシですかね。
- あれ、なんか、
- うんうん。
- あ、あ?
- え、え、ど、どうしたどうした?
- あ、目が変です。
- 目、目が?
- はい。え、あなたの綺麗な白髪が、あれ?
- え、僕の白髪、え、染めてはいないんだけど。
- あれ、なんかクリーム色になってる。
- クリーム色?
- 僕の髪だけが違うかい?
- いや、全体ですね、なんか、
- 彩度が落ちてる感じもしますね。
- あー、なるほど。
- 四季角の調子がおかしいってことかな。
- なるほど。
- そうですね。
- そうか。あ、大丈夫だよ。
- 後でしっかり検査して対処しよう。
- 今はちょっと、検査機器を他で使っていてね。
- ちょっとの辛抱だ。
- 気分が悪いようだったら、寝てしまっても構わないからね。
- あ、はーい。寝ます。
24:02
- あ、脳の機能が急いで回復しようと頑張ってるんだろう。
- 思神経もその一つだよ。
- 今までにない事例じゃない。
- 大丈夫。必ず良くするよ。
- うーん、ありがとうございます。
- 記憶の方はどうだい?
- 記憶はわかんないですね。全然。
- じゃあ、今日も少しお話をしようか。
- 気分転換になるかもしれないし。
- あ、お願いします。
- 君は、水槽の脳という試行実験を知っているかな?
- つまりは、覚えているかな?
- 水槽の脳?
- うん。
- 水槽の脳。文字通り?
- そうそうそう。文字通り水槽の脳だ。
- あ、知らないです。
- ちょっとこれを見てよ。これ。
- はい。あ、かわいい。
- この試行実験はこういう話でね。
- 今、僕とか君とかは、現実をこうして普通に生きているというのを疑ってないけれど、
- 実はもう脳みそだけの存在になって、水槽の中に入れられていると。
- あーはい。
- そこに超すごいコンピューターがつなげられてて、なんかもうバーチャルな現実を体験しているだけかもしれないんじゃない?っていう話。
- めっちゃ嬉しそうじゃないですか。
- そうだね。ちょっと楽しくないかい?
- あーまあ、確かになんか、そうですね。あ、映画見た記憶とかもなくなっているのか。
- あ、あってもいいですよ。
- あってもいいです。今なんか、まあまあ、攻殻機動隊とかでもね、脳だけ別の体にとかもありますからね。
- そうだね。君はなかなか映画好きだね。
- うーん、そうなんです。
- 君のパーソナルがちょっとわかってきたね。
- そうですね。
- でね、実はこの試行実験の本来の意味とは違うんだけど、ちょっと僕気になることがあるんだよね。
この試行実験って前提として、自分イコール脳みそなんだよね。
- あーはい。
- 自分という言葉が指し示しているのが脳みそっていうVだってことさ。
この試行実験は水槽の脳っていうタイトルだけど、本当は水槽の人体とか水槽の腕とかでもいいはずなんだ。
- うーん。
- だけど水槽の脳なんだよ。
- あー、自分の腕は果たして本当に自分の腕と言えるのか、そこに意志はないからということですね。
- おー、意志なんだね。なるほどなるほど。
- この試行実験を考えた人は前提として、自分という個人が作られるのは脳であると無意識に思っているはずなんだ。
27:00
- うんうんうん。
- じゃあ、君に聞きたい。自分って一体何だと思う?どれが自分なんだと思う?
- どれが自分?
- 何を指し示して自分だって言えるんだろう?
- あー、物理的にどれを自分と言えるのか。
- うんうん。
- あー、うーん。
- ないのかい?
- そんなもの。
- え?
- まあ、電磁波というか、霊的に言うと電磁波じゃないですか?
- 電磁波?
- これは私が中二病のせいだから。
- いやいやいや。
- 何が?
- ハニア信仰の内容的に考えても全ては空であるから。
- うんうんうん。
- でもそれはなんとなく、なんか幽霊とかは実は電磁波の塊でどうのっていうのは聞いたことあるから。
- ほうほうほう。
- 電気信号っていうのは脳がつかさどってて、だから脳自体ではなくて、脳の中を走ってる電磁波が自分なんじゃないかとは思うんですけどね。
- あー、すごい意見だね。
- だから目に見えるはずもないんですよ。
- そうか、自分は目に見えないものなんだ。
- はい。
- 見えぬけれどもあるんだなってやつだね。
- そうですね、ただそこにあるだけみたいな。
- じゃあこの水槽の脳でいうと、自分で電気信号を作ってないじゃないか。
- うん?
- コンピューターから映像を送られてきてしまっているわけだから。
- あー、そうなるのかな。でもそれに反応してるのは、えっと、二次的なものになってきますよね、そうなると自分って。
- おー、なるほど、二次的。
- うん。
- 言いたいことはわかるよ。
- はい。
- じゃあ君自身は二次的なのかい?
- まあ、二次的であってもいいかなとは思いますけど。
- うん。
- まあでも私は今、どっかに繋がれている感覚はないので。
- うん。
- 自分の感覚だけを頼りにするので言うと、一時的なものなんじゃないですかね。
- だから水槽の脳も多分自分は一時的なものであると思っているはず。
- なるほど。素晴らしいな。君の思考力はとてもいい。
- あら、本当ですか。
- うん。とても頭の回転が早い人だなって僕は思ったよ。
30:02
- おー、人一番遅いって言われ続けた記憶のある私が。
- えー、本当かい。
- じゃあちょっと、また今日も意地悪な聞き方するんだけどさ。
- はい。
- 体に甚大なダメージを受けて脳は無事なAさんと、脳に甚大なダメージを受けたが体は無事なBさん2人がいる。
このままでは2人とも命が危ないから、Aさんの無事な脳とBさんの無事な体をそれぞれ移植しあったところ、手術は成功した。
目を覚ました1人は、果たしてAさんだろうか、Bさんだろうか。
- えー、それはフュージョンしたABさんなんじゃないですかね。
- でも、脳を持ってる方の意思にはなっちゃいますけど、
でも、なんか昔どっかで聞いたことあるけど、腎臓移植した先の人の性格が、すごいなんか移植され、
なんて言うんだろう、提供したドナーの性格っぽくなったみたいなことは聞いたことあるんで、
それこそ本当にフュージョンされたようになるんじゃないですかね。
- なるほどね。AさんでもBさんでもない人になると。
- そうですね。
- なるほどね。
いやー、君も知識も深いね。
- いやー、それほどでも。
- おっと、さあ、外来の時間になってしまった。
君の目については夜、隅々まで検査させてもらうとして。
じゃあ僕は行ってくるんだけど、何かあったらすぐに呼んでほしい。
- うーん、はい、わかりました。
- じゃあ、またね。
- はい、お疲れ様です。
- そう言って、医者は出て行きました。
あなたは相変わらずずっしりとした体の重さは感じるものの、
少しくらいなら歩いて動けそうです。
本日はこちらを調べることができます。
- まあ、ちょっとじゃあ、見て回ろうかな。
まず暖房の方に行きます。
暖房、空調。
はい、全体公開にします。
えー、あ、加温装置か。
温風で体温を適温に維持するための装置。
生ぬるい温風が吹き出している。
体温を適温に…あ、ダメだね。
メタ的なことはダメだね。
- あ、まあいいですよ。
- いや、まあ、体温を適温にって、
まるで自分が高温生物じゃないようだなと思いました。
33:00
- ああ、なるほど。
- 頭がいい。
- じゃあ、次。
いや、でも、本当は私であればずっと
加温装置のとこに背中くっつけて丸まってるんですけどね。
まあまあまあ、離れ難いけど、
じゃあ、なんか黒いとこに置こうかな。
なになに?
めっちゃあるやん。資料?
- 全部読まなくていいので、ゆっくり読んでください。
- 名前と重し着物が収められている。
一乗、なんて読むんだろうこれ。
スバル?キメラギ?キメラギ?
え?
アブド・アル・ハカム。
めっちゃ聞いたことあるな、この名前。
あれ?
あれ?
あれ?
あれ?
なんかめちゃめちゃみんな聞いたことある名前。
あれ?待って。
あれ?
メクロ前がいるぞ。
適正率。
そうですよね。
まあまあまあ。
これはなんかリアルさんチェックが必要だな。
あれ?
あれ?
なんかずいぶん数値が異様に低かったり異様に高かったりの感じがしますね。
なんだこれは。
そうですね。
片山真代ちゃん。
真代ちゃん。
真代ちゃんさんの名前が書いてあるけど10%、12%。
適正率はそんなに高くないみたいだな。
でもなんだろう。
メクロ前だけ異様に高いのはなんでなんだろう。
なんで高いんだろう。
ていうか一番上の94%、13%のところ名前ないけど何なんだろうこれ。
というところまで思うでしょう。
はい。そんなことを考えていると隣から声がかかります。
こんばんはーって言いながら、これ目の前に見えてる扉ですよね。聞こえてくる方向。
そうですね。
じゃあその横にある感音装置のところに背中くっつけます。
はい。
科学者は方向音痴。実材と嘘の境界線が防衛種なんです。
あ、もう一回言ってもらっていい?
PCは分解する前、私は同じアイドルのCDで、誕生日はピンクのマンモスですよね。
あー。うーん。分かる分かる分かる。
氷山の一角にアイドルのCDあったからね。
ちょっとそれを借りてきたんだけど、聞いたら結構サイケデリックな内容だったんだよね。
魚類アレルギー。
可愛いね。
耐えられない今は11時45分14秒ですか?
うーん。耐えられても今は13時56分ですね。
非常口は縛られたカップを悲鳴に上げる鎖は繋がれたまま電気屋の正体を暴いたらしくて、専門家によれば仏壇はホットケーキを内蔵した狐を所有しているんですって。
36:11
ほう。脊椎言語か。
ましろちゃん大丈夫?
方向音痴な非科学理論だとは思いますが、改札機でサーモンの三つ編みもしくはドス黒い階段が警察で拷問を受ける気がします。
え、めっちゃ気になるその話。
え、詳しく聞かせて?
ブルドーザーの身代わりである百花寺殿の兄弟は鎌切りを搭載しており、警察官はハッカーと呼ばれる黒船に変身することもあるんじゃないでしょうか。
おーおったらいいですね。
はい、では聞き耳を振ります。まずは答えを決めましょう。
1、2、3、4を振ってください。
はい。
2、3、4。
ヤバ。
これでもリアル技能としては最適なんじゃないですかね。
右から左へ流れるし。
クリティカル出しましたよ、はい。
時値が25ですので、25にさせてください。
25。
以下が出れば成功です。
はい。
20、やった成功。
1繰りしないと成功しないのかと思った。
ノーソンゲームね。
隣の部屋の扉が開く音、あなたを担当している医者の声がかすかに混じって聞こえます。
うん。
特別に片山の声が聞こえます。
うん。
たくせん、ためて、ためて、たくせん、たくせん、ためて、百葉箱!
わー!
たくせん、ためて、たくせん、ためて、たくせん、ためて、百葉箱?
百葉箱って両面スクナが入っていった、あ、違うか。
まあ、百葉箱、はいはいはいはいはい。
はい。
はい、短い片山の悲鳴を最後に、あたりは静かになりました。
ふーん。
昨日まで普通に話をしていた人が、全く話が通じなくなってしまったこと、隣の部屋で何かが起こったこと、2つがあなたの精神を蝕みます。
正規ドロールを行います。まずは3値を決めましょう。3D6×5を振ってください。
39:01
はい。
31。
出目としてはいいんですけどね。
これがね、1D100で振った、振った値だったらいいんですけどね。
ですけどね。
はい。おかしいな。
では、1D100で3値を行ってください。
低いんごね。64。失敗してる。
はい。失敗。1D6です。
はい。
まあ、リアル発狂してるんだかな、でもな。5、結構、待って、一時的凶器じゃん。
一時的凶器ですね。どうしましょうかね。
じゃあ、1D10振ってください。
はい。これは自分で入れるのね。
はい。すいません。
4。
4。
どこだっけな、凶器表が。
えーとですね。
早口でブツブツ言う意味不明の会話もしくは多弁章。
でもさっきやってた気がするので、もう大丈夫です。
はい。やった。先に発狂してたか。やった。
ぴったりでしたね。
ぴったりでしたね。
はい。じゃあ、3値30から5を引いて、残り25ですね。
はい。
はい。では、あなたはとてもびっくりしてベラベラと喋っていたかもしれませんけれども、
それを上回る抗いがたい強烈な眠気があなたを襲います。
体力が戻りきっていないということもあるのでしょう。
あなたはいつの間にか意識を手放してしまいました。
はい。たぶんカオン系のとこに足の甲をくっつけてますね。
寒いと思うから。
なるほど。
あなたは目を覚まします。変わらず手術室のベッドの上にいます。
視界がかなりクリアーになっています。
体の調子も昨日よりさらに良くなっていて、ノックの音と男性の声がしました。
はい。
おはよう。入っていい?
はい。おはようございます。
今日も元気だね。調子はどう?
目は良くなりました。
良かった。ちゃんと見えるかい?
はい。
良かった。
白髪ですね。
そうだね。白髪っていうかロマンスグレーって言ってくれよ。
ロマンスグレー?海外の方なんですか?
日本人だけどね。
ハーフとかそういうわけじゃなくて?
42:00
こういうさ、洒落たイケオジのような白髪のことをロマンスグレーって言うんだよ。
そうなんだ。イケオジですね。
自分で言ってるけどね。ありがとう。
目が良くなってるんだったら本当に良かったよ。
夜に検査に来たんだけどさ、君は加温装置のとこですっかり寝てしまってたからできることをやっといたんだけど。
良くなってるなら本当に良かったよ。
ありがとうございます。
体ももう結構その場でジャンプしてみます。
飛べますか?
飛べます。
飛べますね。
元気だ。あとは記憶だけだね。記憶はどうだい?
うーん、なんか分かんないです。
そっか。じゃあ今日もおしゃべりをしようか。
はい。お願いします。
君はミニョネット豪事件を知っているかい?
ミニョネット豪事件?
知らないです。どこの国ですか?それ。
これはね、19世紀のイギリスで起きた実際の事件なんだよ。
展示で試行実験にもなっているような話。
へー。
今回は客観ではなく主観として話そう。
主観として?
そうそう。君を救った3人を乗せた船が相談した。
なんとか救命艇で脱出して20日間。
助けはいつ来るか分からない。
持ってきた食べ物も毒に底を尽きているし、限界が近づいている。
その時、3人のうちの1人が渇きをしのぐために海水を一気に飲んでしまって、体が衰弱した。
海水を飲むと逆に脱水症状を起こしてしまうからね。
あーそっかー。確かに言えてる。
それを見たもう1人が、この人を殺して血を飲み、肉を食べれば2人だけでも生き延びられるだろうと提案してきた。
それを聞いた君はどう答える?という試行実験だ。
えーと、とりあえず海水飲んじゃった人に聞くかな、食べてもいいか。
あとその間に私はたぶんさりげなくスネ毛の毛とかをね、スネ毛をちょっとチェックしたりしますね。
あ、その弱った相手のってことかい?
そうですね。火もなかったらなんか毛食べるの嫌なんで。
ニワトリの気を抜いた感じだね。
なるほど。じゃあその相手が、じゃあ僕を食べて何としても生き延びてくれって言ったら?
45:06
あー、食べると思います。
あれ?なんかこれ前なんだっけ?なんか無人島にラグビーグッズ部下なんかが漂流して…だっけ?
なんか部下…なんだったっけ?なんか無人島でなんか友食いした的なの聞いたことあったけど、
その時もなんか俺を食べてくれ的な感じで差し出してくれた人がいたんだよな。
でなんかそれは捕まったんだっけ?捕まらなかったんだっけ?
まあ思い出せないですけど、食べるかな?
じゃあこの人が嫌だって言ったらどうする?
あー、食べないです。
でももし真ん中のこいつを肉にしようぜっていう人が私を肉にしようとしてきたら、私は容赦なくその人を殺しますね。
私のことを襲ってきたやつは殺しますね。
ほんとに清々しいぐらいにサバサバしているな。
なるほどね。
いいことだと思うよ。
はい。
いや、この事件ね、3人とも仲間で実際に食ってしまったんだ。
あら、どうしたんですか?
この後1週間後に助けが来た。
裁判にかけられて裁かれるところだったんだけど、セロンに押されて刑務所からは出されたんだって。
まあ水飲んでる状態だったら13日くらい持つって言うけど、そっか水ないから1週間はきついか。我慢するのはしょうがないんじゃないですかね。
なるほどね。
君はなかなか生きることに対してもサバサバしているね。
そうですね。
それは悪いことじゃないさ。僕たちが生きるっていうことは、命をいただいて生きてるし、それはエゴだしね。
そうですね。
なんとなく君っていう人がわかってきた気がするな。
本当ですか?私は自分のことわかんないんですけど。
まあそうだね。君のデータ的なこと?名前とかどこに住んでいるとか、そういうことはまだわからないんだけどね。
うーん、そっかー。お医者さんの名前聞いてなかったよ。
48:07
僕かい?僕はゆずきだ。
ゆずきさん、下の名前?上の名前?
どっちだろうね。
上から読むか下から読むか、ゆずきさんですね。
うーん。
あ、そうだ。
まあいいや、後で聞こう。
ゆずきさんから見た私ってどういう人間なんですか?サバサバしてる以外に。
サバサバしていて、とてもね、生きることに真摯になっていると思うよ。
真摯と言えるんですか、それって。全然悩んでませんでしたけど。
それがいいんだ。
へー、なんで?
だって自分が身を惹かねばならないとか、あと自分を犠牲にしてとか、そういうことが美徳って今はよく言われるけれど、
僕はそれをあまり見たことは思わない。
まあそれは同感ですね。
だから、君自身が生きることに真摯な人だなって思ったんだ。
へー、なるほど。
なるときはなるっていう感じですよね。
そうだね。本当にサバサバしてていいな、大好きだよ。
ありがとうございます。生きよじれにそんなこと言われると照れちゃいますね。
生きよじって言ってくれて、こっちも照れちゃうな。
そうそう、昨日の夜隣の部屋で、真白ちゃんと友達になったんですよ。
真白ちゃん、すごい脊髄で会話してたみたいになってたんですけど、
その後、先生の声も部屋から聞こえてきたんですよ。
何の話してたんですか?
記憶をなくした人って、時々脳の言語屋っていう言葉を司るところにダメージが行くことがあってね。
かなり錯乱状態だっただろう?
そうですね。
だから、ちょっと鎮静剤を打たせてもらったんだけどね。
えー、でもそれでバチバチって音言うかな?
バチバチ?
なんかあれですか?真白ちゃんなんか、あれですか?
注射打たれる時に錯乱しすぎて、どっかの電球引っこ抜いたとか。
んー?そんなことあったかな?
え?私がおかしい?
君がおかしいかどうかもわからないけれど、僕は鎮静剤を打たせてもらっただけだ。
えー、あらあらあらあら。
その鎮静剤はどのくらいで切れるんですか?
51:02
そうだね、そんなに量もたくさん打ってないから、5、6時間かな?
んー、そっか。
んー、起きた後声は聞こえてない気がするけどな。
うん、朝早くは起きて普通にしていたよ。今は寝てるみたいだけど。
あ、そうなんですね。そっかそっか。
安心してくれていいよ。
はい、じゃあ安心します。
あともう少しで記憶が全開だ。
記憶についてもこれだけ考えることができるなら、いい傾向だろう。
焦らないで実行。
やったー!
この調子だったら、そうだな。記憶はまだ戻りきっていないけれど退院もできるだろう。
んー、どこに行けばいいんだ?
そうだよね。
え、一緒に行ってくれないんですか?
困ったら立ってくるから大丈夫だよ。
そろそろ外来の患者を見なければならない時間だ。僕は行くね。
会ったらすぐ呼んでくれ。
はい、お疲れ様です。
そう言って、医者は出て行きました。
今日はあなたはかなり体力が戻って歩けるようになっているので、
こちらに行くことができる。
メスとか他にないんですか?周りに。
何にもないですね。台の上にも何もなかったですからね。
行くしかないのか。
あ、鏡ありますか?
ないです。
ないのか、ガラスはありますか?
ガラスはまあありますね。
自分の顔を反射して見れないですかね?
ちょっと見えないようです。
そっか、行きますわ。
全体に後悔するっていいのかな?
はい。
扉ごとガランガラン。何かに当たってつまづいた。何かが足元で倒れた。
ほお?
はい。ベッドから降りたところで、あなたは何かに当たってつまづきかけました。何かが足元で倒れます。
ほお。あ、出てるね。
はい、見ます。
はてな、はてな、はてな。なんだこれは。
あなたはつまづいた見たことのないものを拾い上げます。
うん。
両手で抱えるような大きさです。
おっと。
大げさな機械がついていますが、そんな危機に混じって今やだいぶ見なくなった公衆電話の受話器が垂れ下がっているのが何とも不気味です。
一体何に使う機械なのでしょうか。あなたは心臓が跳ねるのを感じます。
54:05
ほお、ほらドキドキすっぞ。受話器を取って何か話しかけます。
もしもーし。聞こえますか。もしもーし。もしもーし。
シリンダーが光を反射して自分の顔が映り込む。その映った顔は何でしょう。
記憶がないかと言ってしまえばそれまでですが、見たことのない顔に感じます。
でも、そういうものだったろうと思えば、そうだったような気持ちもどこかにあります。
あなたは大切な何かを思い出さなきゃいけない気がする。
あなたは大切な何かを思い出してはいけない気がする。
あなたは大切な何かを思い出さなきゃいけない気がする。
あなたの本能が、これは自分の今後の人生を決めるほど重要な決断だと警鐘を鳴らしています。
自分は、私は、僕は、うちは、俺は、大切な何かを思い出すべきだろうか。
今考えて決めてください。決まったら教えてください。
思い出します。
あなたはその瞬間にまさに稲妻に打たれたかのように思い出す。
この顔は自分の顔では決してないこと。
あなたは重大な交通事故にあって、目は見えなくなり、体が動かせなくなって長い間入院していたこと。
今、自分の生体から出るこの声は、同じ入院患者であなたの話し相手になってくれていた目黒舞さんと同じ声であること。
この記憶は正しい。正しいはずだ。しかし、だとするとこの状況に説明がつかない。
なぜ目黒舞さんの声が自分の口から漏れているのか。
一体、自分はどうしてしまっているのか。
正規ドロールを行います。成功1D、失敗1D20です。
まあ、そうですわな。失敗しました。
1D20ですね。
はい、2。
2?
3、2、残り23。
強かった、思ったより。
あなたは自分の名前を思い出します。何でしょう。今、自由に決めてください。
じゃあ、赤花ライカで。
はい。
57:00
ライカちゃんなんですね。
はい。
ライカちゃんカタカナでしたね。
そうですね。
また、自分を担当してくれていた男はどうして忘れていたのだろう。自分の父親であることも思い出します。
扉が開く音がします。
大きな音がしたけど、大丈夫かい。何かあったかい。
パパ。
あ、そうか、思い出してしまったんだね。
もしかすると、もう二度と思い出すことはないかもしれないと思っていたよ。喜んでいいのか、悲しんでいいのか。
うーん、え、で?
君は、いや、ライカ。僕の大切な大切な娘。君は悲惨な事故に遭った。
身体は見るも無残な姿になって、脳だけで生きながら得る存在になってしまった。その筒はライカの脳が入っていた筒だよ。信じられないかもしれないけどね。
えー、どのくらいシワ入ってました?自分の脳ってあまり見れないから、結構シワ多かったですか?
普通に多かったよ。
あ、普通か、そっか。
目黒さんはどこに行ったんですか?
目黒さんかい?
はい。
彼女は君に身体を譲って、そして僕は目黒さんに寸分たがわぬ機械の身体を渡した。その機械の身体に目黒さんの脳を入れて、彼女はどこにいたいって言う。
うーん、目黒さんは納得したんですか?
うん。
そうだ。
まあ、それならいいかな。
そうか。
まあ、逆に目黒さんの身体を手に入れて自分に何か、なんだろう、自分の考えだとか思考の変化があるんだったら、それはそれで新しい発見だよね。
なるほど。さすがライカ。サバサバしていていいね。
ふふふ。表の感情が恐怖だからさ。
僕はね、君に、僕にとって君はライカは全てだ。死ぬまでの緩やかな時をずっと暗闇の中で生かされ続けることは苦痛でしかないと思った。だから代わりになってくれる身体を探したんだ。
うーん、ざん、ごめんなさいね。これから言うことは私が自分の親に対して思ってることですからね。
1:00:10
はい。
別に私はお父さんが死んだところで泣かないと思うけどな、悲しいとは思わないと思うけどな、お父さんと私は違ったんだね。
嘘かい。
でも、違っていい。これは僕からのお願いだ。その体で生きていてほしい。僕はライカが生きていてくれればそれでいいんだ。その体で生きていくことは簡単ではないだろうし、辛いことも苦しいこともあるだろう。
だけど、このバケツ一杯にも満たない窮屈な世界で僕としか触れ合えないより遥かに広い世界に出られる。僕のことはどう思ってもらっても構わない。だからどうか、その体で生きていってはくれないか。
あー、まあ、えっと、何だろう、行政上の手続きとかは大丈夫ですか?
そのあたりは大丈夫だ。彼女のメンテナンスもちゃんとやっていく。
うーん、まあまあまあ、それなら別にいいですね。
そうかい。
まあ、責任だけ取ってくれるなら。
そうか、よかった。実はね、この話をライカにするのは二度目なんだ。
え、そうなの?
一度目は、この話を聞くとライカはとても動揺し、混乱し、憔悴しきっていた。突然突拍子もない話を聞いたせいもあるだろう。僕の伝え方や順序も悪かったんだと思う。ライカは、この移植手術に強く反対して筒に戻せと言って聞かなかったんだ。
へー、純粋な頃だったんだ。
だからね、ライカ。僕は君の記憶を一度消したんだ。もう一度考え直してもらうために。
あー、それはお父さんがやったことだったんだ。
そう。僕は未来家。
でも、うん。
何だい?
いや、私の意思決定力は変わってました?記憶が。亡くなる前と亡くなった後では。
意思決定力はわからない。ただ、今君がこの体を受け取ってくれそうな感じがして、ちょっとほっとしてはいるけど。
あー、まあ。まあ、今ここにある自分が自分ですからね。ありのままを、はい、まあ、まあ、はい。
そうか。ありがとう。では、ここでシーンを一回聞きます。
お、はい。めっちゃ壮大な音楽だな。
1:03:10
では、やりたい後日談を考えましょう。直後の話でも、数日後でも、数年後でも構いません。やりたいシーンがありましたら、おっしゃってください。
うーん、私は借りた音に対してはとりあえず礼を言わなければ、そのことについて終わらないと思うから、とりあえずメグの前探しますね。
はい。
はい。もう一人の僕!っていう感じで探しに行くと思います。
なるほど。そのシーンどうしましょうか。
うーんと、じゃあベッドからむっくりと起き上がって、
はい。
とりあえず、メグの前の、あー、メグの前を自分なりのメグの前になるために散髪に行きます。
はい。散髪に行きました。はい。
はい。もう全て無言で。
はい。
はい。行きます。ターンエンドだ。はい。
マイさん見つけました?
はい。
あー、見つけたんだ。見つけたんだ。
見つけてもいいですか?
見つけてもいいです。あ、あ、あ、メグ、メグロさんですか?こんにちは。こんにちは。
こんにちは。
え、覚えてますか?
もしかして、ライカさんかい?お嬢さん。
そうです、そうです。あ、あ、お久しぶりです。いやー、会えてよかった。
会えてよかった。
よかった。元気になったんだね。
うん、いや、本当です。その説は本当にありがとうございました。
いやいや、よかったよ。
いや、本当、え、大丈夫だったんですか?
うん、大丈夫。
えー、え、え、え、具体的にどんな体に?
うん、なんか、自分にもよくわからないけれど、機械の体だって先生は言ってるし、なかなか今までの体よりも強くてね、嫉妬に入ったよ。
ほー、貴様。あ、だめだな。ここはちょっとなんか変わっちゃうかな。
そ、そうか。でも、そうだね。もしかしたら、もしかしたらあなたは第二の草薙素子になれるかもしれない。
あー。
攻殻機動隊の世界の第一歩だよ、これ。
そうだね。彼女みたいな強い女になりたいな。
いや、いや、本当ですね。え、いや、いいな、憧れるな。
同じ体だ。君もなれるよ。
え、でも私機械じゃないんで、まあ今から変われないですからね。
1:06:02
この機械の体に?
はい。
うん。先生は君の脳とこの機械は合わなかったと言っていたよ。
あー、そうなんですか。あら、残念。
残念だけどね、お嬢さん。
そっかー。え、ちょっとしばらく、しばらくじゃないや、ちょっと今後文通でちょっと状況報告してくださいよ、気になるんで。
うん、もちろん。文通じゃなくて、こうやってお嬢さんとデートをするのも楽しそうだ。
やっぱ姉貴は違いますね。
そうかい?
いやいやいや、本当にありがとうございました。
うん、こちらこそありがとう、受け取ってくれて。
いや、もう本当に大事にしますわ。
本当、私みたいなもう性根が腐ってる奴がこんな体ね、もうもう本当に強くてたくましい体をいただけて本当にいいのだろうか。申し訳ないくらいですわ、本当に。
私が渡したかったんだ、あなたにね。
惚れますわー、ありがとうございます。
という感じでもう多分ひたすらめぐる前のことを褒めますね、私は。
はい、じゃあやり尽くしましたでしょうか。
はい。
はい。
お疲れ様でしたー。
ごめんなさいね、勝手にキャラクター使って。
あーいや、大丈夫ですよ。でも嫉妬には入んないですよ、めぐる前は。
なんでなんか途中で貴様めぐる前ではないなとか言おうかなと思ったんですけど。
そう、ちょっとね。
えーどっちと迷ったんですか?
嫉妬にね、入れるか入れないか入ろうかなって悩んでるって言おうか。
あー。
なんですけど、入らないですね。
そうですね、もうそこはもう理屈的に。
そうですね。
はい。
はい。
はい。
はい。
はい。
はい。
はい。
はい、もうそこはもう理屈的に、もうはい。
なるほど、それは失礼いたしました。
ほー、私がめぐる前。
いかがでしたか?
いや、なんか思ってたより、全然なんか、来なかった、いやこれ言い方が変だな。
思ってたよりなんか、腹立ったりはしませんでしたね。
あ、それならだね。
はい。
結構ね、あの、お医者さん嫌われがちで。
あー、ですよね、なんかみんな、なんかすごい、切り散らかしてる的なこと言ってたんで、なんか大丈夫なのかなって思ったんですけど。
私結構短期だから。
いや、でも全然よかったです、普通に。
よかったです、ほっとしました。また嫌われたらどうしようかと思う。
1:09:03
いや、そこは安心してくださいよ。
はい。
えー、あ、これがアナザーか。あ、そっか、そっか、自分が逆の立場になったらどうなるかっていう。
そういう。
あー、なるほど。
あー、これ、確かになんか、エモロールしそうな人はすごい、涙べちゃべちゃ出ますわな。
そうですね。
そっかー、終わったらちょっと巡回しに行こう。
ぜひ。あの、今のところ2つ出て、あとサッパちゃんのと3つ分出てて、ぜひ見てみてください。
はい。
はい、じゃあ録画はこれでおしまいにしますが、一言感想を割って終わりたいと思います。
はい、え、ん、ん、ん、え、バカですみませんでした。
そんなことないです。
バカもいいって思ったのは事実ですから。
本当ですか、え、え、え、照れちゃうよ。
いやー、普通に楽しかったです。ありがとうございました。
はい、ありがとうございました。では、これで録画を切ります。
はーい。
01:10:21

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