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戦後史開封昭和100年あのとき私は⑨
第9回、「五分でわかる昭和57年」。令和7年は昭和元年から数えて100年目、つまり昭和100年に当たります。
100年にわたる我が国の歩みを1年ずつ切り取って振り返ります。
第9回目の舞台は昭和57年。昭和57年の出来事や世相を12歳の子供の目線でお届けします。
中学生になりたくない。私が行く中学校は校内暴力ですごく荒れている。
よく行く駄菓子屋にもリーゼントや反り込みの怖い中学生がたくさん座っていて入れない。
ダブダブのボンタンに単乱中乱長乱姿。タバコも平気で吸っている。先生を殴った生徒もいて、この春の卒業式は学校にパトカーが来て警察官が見張る中で行われた。
同じような学校が全国に600以上もあったらしい。
うちは私立に行くほど余裕はないし、友達もほとんどこの中学校に行くから仕方ないけど、小学校のクラスの中にはつっぱりに憧れて中学生とつるむ男の子もいて嫌になる。
こういう気分を憂鬱というのかな。 今年は大勢亡くなる出来事が多かった。
昭和57年の悲劇
2月8日に起きたホテルニュージャパンの火災では33人が死亡。 怪我をした人も30人以上いた。
次の日には福岡を出発した日本航空の飛行機が羽田の海に墜落。 24人が亡くなり149人が怪我をした。
2日続けて大きなニュースでびっくりした。 テレビのリポーターも同じ人がヨレヨレになって現場から中継していた。
2つの事故は防げたはずの事故だったらしい。 ニュージャパンはスプリンクラーやいろんな消火設備が少なかったと問題になり、
日本航空の飛行機は機長が逆噴射をしたことが原因だったようだ。 逆噴射という言葉が流行って男子がよく使っていた。
7月には長崎でものすごい集中豪雨があり、 死者行方不明者が300人近くになった。
ある場所では1時間に187ミリの雨を記録した。 どのくらいの量かお父さんに聞いたら、1日でその量でも大変なことになると言っていた。
海外では4月にフォークランド紛争が起きた。 戦争じゃなく紛争と言っているけど、私には違いがよくわからない。
戦争と呼んでいる国もあるそうだ。 世界では時々私のよく知らない国で争いが起きるけど、
今回は有名なイギリスとアルゼンチンだったので驚いた。 こんな大きな国同士の争いは第二次世界大戦以来とニュースで言っていて怖かった。
2ヶ月半で終わったけど、900人以上死者が出たらしい。 私は争いとか喧嘩とかすごく嫌いなので、乱暴でガサツな男子はとても苦手だ。
でもこの前大林信彦監督の天候制という男子と女子が入れ替わる映画を見て、 男子もいろいろと大変だなぁと思うようになった。
普通の男子とはもう少し仲良くしようと思う。 友達からはあなたはクラスのことあまり喋らないからネクラと思われているよ。
もっとネア化にならなきゃと言われてちょっとショックだった。 この言葉は最近流行っていて、周りにうまく合わせてはしゃげる人がネア化。
そうでない人はネクラと呼ばれていじめられたり無視されたりするらしい。 荒れた中学校で周りに合わせてネア化で過ごすなんて私にはできそうもない。
人を2種類に分けるような言葉もとても嫌だ。 でも突っ張りたちだって俺は俺らしくとかカッコつけて言ってるんだからおかしいよね。
私もそこだけは突っ張って自分を変えず自分らしく中学へ行ってみようと思う。
昭和57年その時日本は
終戦から37年 ホテルニュージャパン火災
日光紀羽田沖墜落などの大惨事が相次いだ 昭和57年生まれの人は
2024年に42歳になります 世界ではイギリスとアルゼンチンによるフォークランド紛争が勃発
第二次大戦以降大国同士の紛争は初めてで双方で900人以上の死者が出ました またこの年は全国の中学校などで吹き荒れた校内暴力がピークに
警察官立ち会いで卒業式が行われた学校が数多くありました テレビなどから生まれたネア化ネクラ
ほとんど病気などの言葉も流行語となりました 戦後し開封
昭和100年あの時私は 最後までお聞きいただきありがとうございました
次回第10回は昭和25年をお届けします 案内役は私ナレーターの武井ゆりでした