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2022-08-31 20:20

「子供に夢を」プロバスケの課題語る Bリーグ東京Z部長・湯之上聡さん

プロバスケットボール「Bリーグ」は2026-27年シーズンから新たなステージに入る。競技成績による昇降格を廃止し、ライセンスを満たしたクラブが参入できる形になる。新たなB1(1部)は2期連続で平均入場者4,000人以上、売上高12億円以上などの基準が設けられる。かつてB2の熊本ヴォルターズの運営トップを務め、現在はB2noアースフレンズ東京Zの運営に携わる湯之上聡氏に、B1昇格に向けたクラブの課題やBリーグの将来などについて聞いた。

【湯之上聡(ゆのうえ・さとし)】
1978年11月、熊本市生まれ。福岡大体育学部卒業後、2007年に米国留学し、シアトルパシフィックユニバーシティ・バスケットボール部マネージャー。'08年8月、「熊本にプロバスケットボールチームをみんなで創ろう会」代表に就任。09年8月にNPO法人化して理事長に。12年9月、プロバスケットボールクラブ「熊本ヴォルターズ」(現Bリーグ2部)を運営する熊本バスケットボールの代表取締役に就任し、2020年9月に退任。現在はアースフレンズ東京Z(同)のエンターテイメント事業部長として運営に携わる。


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【制作】産経新聞東京本社・運動部
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産経新聞のポッドキャストでお送りする、スポーツここが知りたい。担当する産経新聞運動部の田中光鶴です。
今回は、プロバスケットボールリーグ、BリーグのB2、アースフレンズ東京Zで、クラブ運営に携わっていらっしゃいます。
井上聡さんにBリーグにおけるスポーツビジネスの課題と将来性についてお話を伺いたいと思います。本日はよろしくお願いします。
井上さんのご経歴を最初に簡単に紹介させていただきますとですね、1978年に熊本でお生まれになって、大学卒業後にアメリカに留学をされ、その後地元の熊本でプロバスケットボールチームを作ろうということで団体を設立されています。
実際にBリーグの熊本ボルターズを設立されました。2020年に退任後は、早稲田の社会人大学院で修士課程を取得されています。
今、井上さん東京にお住まいということで、どうですか、東京での生活というのは。
出張でよく来ていたイメージで、滞在するということもあまりなくやっていたんですけど、本当にいろんなものがあって、毎週家族と旅行気分でいろんなところに行っています。
どんなところに行かれたり。
上野動物園とか。
お子さんは大喜びですね。
そうですね。先日はジブリ、三鷹の森にある美術館に行ってきました。
なるほど。井上さん、修士論文のテーマでも、Bリーグチームの課題について執筆されているということなんですが、
Bリーグと言っても、なかなか一括りではないところがあると思うんですが、ちょっと簡単にBリーグというものを説明いただけると幸いなんですが。
Bリーグは2016年に誕生して、それまではJBLとBJリーグというバスケットのリーグが2つに分かれていた状態を一本化したようなリーグでスタートしました。
現在はB1、B2合わせて36クラブ。B3はもう多分十何クラブになって、また来年も増えるという風になっていますので、全部で51クラブです。
なるほど。47都道府県を上回るぐらいの数ですかね。
そうですね。はい。
なるほど。B1からB3までかなり広いものになるんですけど、やっぱり全然クラブのレベルなんかも違ってくるんですか。
はい。私が所属していた熊本デオも感じていましたけど、B1とB2では全然違いますね。
B3は今、新しくできてくるところもあるんですけど、スタートは必ず1回のリーグからというところでスタートしていますので、必ずしも戦力的にB3だから弱いとかということではないと思います。
03:18
なるほど。将来的には確実にB1に上がってきそうな強力なスポンサーがあるようなチームもあったりするんですか。
そうですね。はい。
なるほど。東京で言いますと、アルバルク東京と三陸活渋谷B1で、これに対して井上さんが今運営に携わっていらっしゃるアースフレンズ東京ZはB2ということで、熊本なんかもB2ですよね。
実際に井上さんが携われたB2リーグを中心に、今B2の現状の課題とか将来性についてお話を伺いたいなと思うんですけども。
スタートから熊本ではB2所属でやってきて、私たちは熊本では親会社のないクラブでした。
年々売上も経営的にも良くはなってきてたんですけども、やはりその上のリーグに行くためには非常に資本的には苦しかったというのが実情のところで。
現在所属させてもらっているアースフレンズ東京Zも親会社のないベンチャー企業ですので、その辺りは非常に苦労をしています。
B1とB2だと、例えば年間のチーム運営費というのはどれぐらい違うものなんですか?
ちょっと正確な数字まで覚えてないんですけども、もう2026年にB1リーグがまた再編されて、売上高が12億円という経済的なハードルが設けられています。
B1で達成している、昨年の2020、2021シーズンの財政的に達成しているクラブがまだ6クラブかな、国家6くらいなので非常に高いハードルですけれども、
B2に関しては平均がおそらく3億円くらいなので、非常に差はあるなというふうに思っています。
逆に言うと、売上規模が3億円くらいのチームを作ることができれば、プロチームとしてBリーグに参入していけるという部分でもあるわけですか?
そうですね。
基本的にJリーグでもJ2、J3くらいになってくると、地方でも割と小規模な都市なんかでもホームタウンを持ってますけれども、そういうイメージで参入のハードルとしては低くはなっている?
06:05
Jリーグ野球と比べると参入のハードルは低いかなと。財政的な。
一方で、強化とか集客とかスポンサーを獲得していくという部分においては、3億円とはいえ並大抵のことではないと思うんですけれども、プロ野球もありますし、Jリーグもありますし、B1もありますし、
そういうところと比べて、B2で今、実際にアースフレンズのほうで、そういったところに携わっていると思うんですが、獲得していく難しさというのはどういうところにあるんですかね?
私が担当しているところは、集客の部分なんですけれども。都会ということで、子供と一緒に行くような娯楽がたくさんあるという意味では、非常にライバルが集客の面では多いなという印象があります。
今、ホームタウンは大田区ですかね?
はい、大田区です。
大田区のユノヤさんの視点で行くと、家族で上野動物園に行くか、アースフレンズを見に行くか、そういうライバル関係。
そうですね。娯楽がいっぱいあるというのは、非常にライバルが多いなという感じですね。
大体、今、1試合平均でどれくらい?
コロナ前は、平均で1500人くらいの集客数だったんですけど、今期に限っては600人いかないくらいなので、非常に苦戦しています。コロナの状況ということもありますけど。
B2ということですけど、ユノヤさんの理想としては、どれくらい入ってほしいというのがあるんですか?
今後の2026年のB1の新しい参入基準として、平均観客動員数が4000人というハードルなので、今、アースフレンズ東京Zはそこに向けて活動していますので。
B1参入ということですね。
そこを目指してやっています。
コロナ前が1500人で、今600人ということで、それを4000人というところまで上げていくためには、強化、スポンサーの獲得で、この辺と並行してやっていくところになるんですよね。
そうですね。同時進行でやって、全部レベルアップしていかなければ、クラウドとして成長していけないなというのがあるので。
それぞれに、今は担当部長が存在して、それぞれの目標に向かって動いているような状況です。
なるほど。どうですか?
集客面においては、いろんな娯楽がある都会で獲得をしていくために、どういうところに工夫を今されているんでしょうか?
09:00
今、私が所属させてもらって3ヶ月、ホームゲーム数でいうと十数試合を経験させてもらったんですけれども、このコロナの状況とはいえ、ちょっと子どもたちの数が少ないかなということを感じています。
ファン層の?
そうですね。やはり子どもたちに夢を持ってもらいたいとか、東京ゼットとしては世界に通用する人材を育成していきたいという思いがありますので、そこの子どもたちをたくさん見に来てもらう取り組みは今後していきたいなというふうに思っています。
なるほど。具体策みたいなのはあるんですか?
今、子どもたちを無料で招待するという企画にスポンサーが協賛をしていただいて、広く子どもたちを招待するみたいなことをやっていたので、それをちょっと広げていきたいなということは考えています。
クラブ側としては、そうするとスポンサーから子どもたちの分のチケット収入が得られて、子どもたちは無料で見れるという、非常に魅力的な政策だと思うんですけども。
一方で、昔からよく言われますけども、無料で見れる習慣がついちゃうと、なかなか今度は有料になった時に見に来ないというような課題もあると思うんですけど、その辺りはどういうふうな戦略を立てているんですか?
一応、50人限定ということで1試合あたり。
なるほど、スポンサー枠が。
そうですね、スポンサー枠が。そこに殺到していただければ、それにあふれた方々は有料で、こんな形にはなると思います。
有料でも見てくれますか?
そこが今、課題だとは思います。
何かやっぱり企画したり、楽しんでいただけるようなものがあったり、子どもたちが実際に試合の会場で前座の試合ができるというところでも取り込みをしていきたいなというふうには思っています。
大田区というのは、ミリバスケなんか子どもたちの盛んな地域ではあるんですか?
そういうふうに伺っています。東京都のバスケットボール協会に登録している人数でいくと2万人ぐらいいると聞いています。
子どもたちだけで?
そうです。協会に登録していないバスケットをしている子たちも非常に多い。
12:01
いわゆるストリートとか?
クラブチームだけとか、そういうところでやっている子どもたちも多いと聞いているので、熊本なんかに比べると全然多いと思います。
掘り起こす余地はかなりあるという感じですか?
なるほど。Bリーグは2016年シーズンからスタートしまして、今回プロサッカーのJリーグがちょうど30年を迎えて、今はJ3まで含めると全国にクラブチームが誕生しているわけなんですが、
そのBリーグというと、どうしても後発にはなると思うんですけれども、バスケットという競技の特性なんかを踏まえて、野谷さんはBリーグの可能性というのはどういうところに持っていらっしゃいますか?
私自身、バスケットに携わって自分自身が育てられたと思い、次の世代の子どもたちにいい環境を提供したいと思って動いてきました。
当初立ち上がった時というのは、まあまあマイナーな競技だった。
熊本ボルターズ時代ですね。
Bリーグ以前ですね。お客様もそんなに多くはなかったし、みたいなところから知っている立場からすると、今Bリーグがやはりメディアにも出るようになって、
あとバスケットとしてNBAに橋村選手とか渡辺選手が契約したということで、非常にバスケットの熱とか価値が高まってきているように感じています。
これからアリーナというものが各都市で生きてくる動きが出ていますので、アリーナビジネスというか、非常にマッチしたバスケットボールだと思っているので、非常に可能性はたくさんあるんじゃないかなというふうに感じています。
熊本ボルターズではゼロからチームを立ち上げた経験もお持ちだと思うんですが、若い世代はBリーグに関わらずプロスポーツチームの運営に携わりたいであったりとか、あるいは自分でチームを作って運営してみたいというような人も増えているように聞いているんですけれども、
井上さん、ご自身のご経験なんかを踏まえながら、どういうふうな経験を積んでいくことが経営者になっていく近道になるのかというのを、ちょっとヒントになるようなことをご教示いただければと思います。
私自身、大学卒業した後は教員をしていまして。
もともと学校の先生だったわけですね。
経営とかビジネスとは程遠い世界に行って、思いだけで突っ走ってきて経営者になったという経緯からすると、全く経営に対しても無知だったし、ビジネスってなんだというところから始まっているので。
15:07
最初は結構苦労されましたね。
めちゃめちゃ苦労しました。
どこで一番苦労するものですか?
お金のところですね。
一番大事なところで。
来月500万円足りませんみたいな話とかが毎月のようにあって、それを乗り越えてきていた経験からすると、やはり経営の知識とか経営の数字のこととかっていうのは知っておかないといけないなと。
経験としてもそういう経験を積んでいる人のほうが、プロスポーツクラブでは非常に貴重な人材になるというふうには思います。
実際、大学院なんかで勉強もされていらっしゃいますけれども、大学で経営学とか経済学を学ぶレベルでも助けにはなるというかプラスにはなるものですか?
なりますね。なると思います。
プロスポーツクラブと一般企業の経営って、私は一緒だと思っていて。
商品がいっぱいあるとか関わる人たちが多い、ステークホルダーが多いということぐらいの違いしかないんじゃないかなと。
自身の経験と大学での学びは、自分としてはそういうふうに捉えています。
一般経営学を学んでいる若い世代の人たちでも、プロスポーツクラブで運営とか経営に携われるチャンスはあるんじゃないかなと思います。
先ほど、重いだけではということをおっしゃっていましたけど、重いというのもやっぱり必要?
それはもちろん必要だと思います。
クラブチームでインターンで入ってくる学生さんなんかも多いんですか?
東京はめちゃめちゃ多いです。
どういった大学の学生なんかが多いんですかね?
この間、慶応大学とかの子がいたり、いろんなところから、インタビューにもよく来ますね。
上智慶応、東海とかいろんな大学からバスケットに携わりたい学生と、運営のほうに携わりたい学生と、いろんなタイプ。
若い世代にとってプロスポーツチームの運営というのは、一つの憧れというか目標になってきている?
18:05
と思いますね。
これから、井上さんはEARTH FRIENDS TOKYO Zで、今もクラブ運営に携わっていらっしゃるんですが、今後のご自身の目標というか、何かありますかね?
一応、今所属させてもらっているところが、2026年の新B版を目指してやっている、平均観客動員数4,000人という審査が、もう2年ちょっと後ですね。
2024年の10月に第一次審査が。
なるほど。じゃあ、もうあと2シーズンでクリアしないと。
そこの高いハードルへ向けて、今頑張っているところではありますし、自分自身としてもスポーツクラブ経営というところの経営に非常に楽しみというか、やりがいというか、そういうのを感じているので、
バスケに限らず、これからハンドボールもプロスポーツができるというのもありますし、ラグビーもなっているし、これからどんどん他のスポーツもプロ化していく、そういうところの経営層に携われるような人材に成長していきたいなという風にも思っています。
なるほど、わかりました。ありがとうございます。今回は井上聡さんにお話を伺いました。どうもありがとうございました。
ありがとうございます。
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20:20

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