ワラビスタンに集まるクルド人
スピーカー 2
イギリスの哲学者、ジョン・スチュアート・ミルは言った。
自分は今、幸福かと自分の胸に問うてみれば、途端に幸福ではなくなってしまう。
始まりました。大人の近代史、よろしくお願いします。
スピーカー 1
よろしくお願いします。なんか深い言葉だよね。
スピーカー 2
そうだね。なんかあれだね。やっぱ幸福ってさ、意識したりとかさ、願ったりするとさ、
それってもうその時点で、今幸福じゃないよねっていうことでもあるよね。
スピーカー 1
なんか難しいこと言ったな。
スピーカー 2
だからなんかさ、幸せな瞬間ってさ、後で振り返って、ああ、あの時幸せだったなって思うことはあってもさ、
その時気づかないよねって。
スピーカー 1
まあ当たり前になってる幸せとかもあるわけだからね。なんか後々考えるとあれは良かったなとかさ、は多いんじゃないかな。
スピーカー 2
ね、その自分が逆に苦しい時とかって、そこでハッと気づくみたいなね。
ああ、あの時やっぱ幸せだったみたいな。
スピーカー 1
ああ、そうだね、確かに。
スピーカー 2
そんなことでいいのかな。
スピーカー 1
いいんじゃないの?
スピーカー 2
まあ、じゃあということで、今日は長丸が誰の胸を想像して幸福になるのか楽しみです。
スピーカー 1
ああ、小片郎の回だっけ今日?
スピーカー 2
いやいや、長丸の回。
スピーカー 1
え、だってほら胸を見て喜ぶのは小片郎でしょ?
スピーカー 2
いやいや、そんなことは一切ございません。
スピーカー 1
いや、嘘嘘嘘嘘、俺知ってるから大丈夫だよ。
なんだよ。
えっと、今日はあの、ワラビスタンに見るクルド人問題をやりたいと思います。
スピーカー 2
え、ワラビスタン?
スピーカー 1
そう。
スピーカー 2
え、知らない。
スピーカー 1
いや、ワラビ知ってるでしょ?
スピーカー 2
ワラビ?
スピーカー 1
ワラビ市。
スピーカー 2
ああ、ワラビ市、市名か。
スピーカー 1
そうそう、埼玉県民だったら多分、ワラビ市って言ったら、ああ、ワラビ市ねって感じじゃん。
スピーカー 2
うん、ワラビスタンっていうの?
スピーカー 1
そう、ワラビスタンっていう言葉があるのよ。
スピーカー 2
あ、そうなんだ。
へえ。
スピーカー 1
で、ちょっとワラビスタンはちょっと1回置いといてたけど、ちょっとワラビ市っていうのが、
まあ、これ一応全国というか、なんなら海外の人も聞いてるからちょっと簡単に1回解説すると、
ワラビ市っていうのは、その埼玉県の南東部にある、いわゆる東京のベッドタウンみたいな街なんだよね。
スピーカー 2
ああ、はいはい。
スピーカー 1
そう、で、ワラビって、ちょっとごめん、あのデータがもしかしたら古いかもしれないけど、
確か日本の、なんかその人口密度ナンバーワンとかだった気がするんだよね。
スピーカー 2
ああ、そうなの?
スピーカー 1
うん、あの狭いんだよ、なんかそのエリアとしては。
ワラビ市っていうあの範囲が狭い中に、人口が7万5千人も住んでるっていうような市なんだよね。
スピーカー 2
うんうん。
スピーカー 1
で、これちょっとワラビスタンの方に戻るけど、
そのうち、外国人の人口が、まあ7千そこらいるんだよ。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
人口7万5千人に対して外国人が7千人ちょこっといるってことはさ、
まあ約10人に1人が外国人なんだよね。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
で、そのうち、クルド人が2千人程度いるって言われてんだよ。
スピーカー 2
いやすごいね。
スピーカー 1
そう、だから7千のうちのさらに2千はクルド人。
だから、まあ結構な割合でクルド人が住んでいるのがこのワラビ市なんだよね。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
だからクルド人のことをクルディスタンって言うから、
それにちょっと名前をこうね、もじってワラビスタンなんて呼ばれたりもするんだよ。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
で、このワラビスタンっていうのがまあ問題になっているっていうところがまず1個あって、
ワラビスタンっていう言葉を聞いたことがないってことは多分問題を知らないんじゃないのかなと思うんだけれども。
スピーカー 2
そうだね。
スピーカー 1
うん。
ワラビの隣って川口なんだけど、
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
川口ってさ、まあ川口っていうか今西川口かな。
あの正確に言うと駅の名前で言うと京浜東北線の。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
西川口って言ったことある?
スピーカー 2
西川口、いやないかも。
スピーカー 1
あのね、俺西川口の物件売ってたことあるから、
あの結構、まあ結構でもないんだけど言ってたんだけど、
まあそんな長いスパンじゃないけど、
すごいんだよ、中華街なんだよあそこ今。
スピーカー 2
ああそうなの。
スピーカー 1
そう、めちゃめちゃ中国人住んでて、
で、その物件売ってた時もやっぱり中国人のお客さんめっちゃ多かったのよ。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
っていう感じで、
まあその埼玉のその辺りのエリアっていうのはとにかく外国人が多くて、
で、かつワラビっていうのはそのうちにクルド人もめちゃめちゃ多いっていう、
そんなところなんだよね。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
で、この在日クルド人っていうのは、
まあ多くはあれなんだよね、
語弊がある言い方をちょっと先にすると、
この人たちは結構不法滞在をしてる人が多いんだよ。
スピーカー 2
ああそうなんだ。
スピーカー 1
うん。
まあどういうことかっていうと、
普通だったらさ、例えばさ、
まあ就労ビザとかで来て、
で、働きながらまあ永住権資格を取って、
なんか永住してみたいな感じ。
流れが多分その一般的な外国人が日本人の永住権を手に入れるパターンなんだけど、
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
この人たちの多くっていうのは観光ビザでまず来日してるのよ。
スピーカー 2
うんうん。
スピーカー 1
で、観光ビザなんて大した日数いられないから、
で、その間にこう難民申請をしたりとか、
して、なんとか日本での居住を認めてもらおうと頑張るんだけれども、
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
これ先に言っとくと難民認定っていうのは、
基本的に日本は通らないって思っていいんだよ。
クルド人の身分の不安定さ
スピーカー 2
あーすごい厳しいって聞くよね。
スピーカー 1
そうそう。
欧州とかって年に数万単位で結構難民受け入れとかやってんのよ。
ヨーロッパの方って。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
日本っていうのは、
2000何年だっけな、ちょっとごめんデータがちゃんとはっきりしないけど、
2022年とかそれぐらいのデータで言うと、
だいたい70人ぐらいしか難民認定してないのよ。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
まずまず日本で難民認定は通らないって思っていいと思うんだよね。
そういう意味で言えば。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
そう。で、これ特にクルド人に対しては、
ほぼ通らないんだよ。
通らないというか、うん。
ほぼ通らないというか、通ったことあるのかな?
ちょっとごめん、あの通ったことあるかどうかも分からないレベルなんだけど。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
これは何でかっていうと、
日本は取ることの関係を考慮して、
あのクルド人を難民として認めないっていうスタンスを取ってるわけよ。
スピーカー 2
あーそうなんだ。
スピーカー 1
そう。ちょっと取ることの関係は後で話すけど、
だから、過去ビザできて、ビザ切れちゃって、
それで要はビザなしで、
身分として保証するものが何もないようなクルド人っていうのが多く暮らしてるんだよね。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
で、この身分がさ不安定になると、
どんな弊害があるかっていうと、
例えば結婚はまずできないわけよ。
スピーカー 2
うんうん。
スピーカー 1
で、家を借りるっていうのも厳しくなるんだよね。
スピーカー 2
はい。
スピーカー 1
あとはもう単純なところで言うと、
就労はやっぱり難しいし、
で、同時にやっぱり健康保険とかに入るのも、
まあほぼほぼ無理になるっていう感じ?
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
そんな感じのクルド人がめちゃめちゃ多いんだよね。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
じゃあそもそもなんでこんな人たちが、
ワラビに集まってくるのかっていうところなんだけど、
ちなみに理由はなんでだと思う?
スピーカー 2
えー?
なんでワラビなんだろう?
スピーカー 1
これ別になんでワラビかって言われるとね、
ワラビじゃなくてもいいんだと思うんだよ。
ただ、そうなっちゃったからっていうのが理由なんだけど。
スピーカー 2
あーそうなの?
スピーカー 1
まあ多分これは特段理由はないんだよ。
ワラビに集まっているっていう理由は特段ないはずなんだけど、
たださ、先行してきたクルド人っていうのがいるわけじゃん。
スピーカー 2
あーそうだね。
スピーカー 1
例えば2000人がいっぺんに日本に来てさ、
難民申請とかってやってるわけじゃなくてさ、
こう、まあ1人2人とかっていう、
ポツポツポツポツ来て今2000人いるみたいな、
そんな状態なんだよ。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
で、要は先に来た人っていうのは、
あのなんだかんだ日本で永住権を手に入れたりするわけよ。
カリフォーメンとしての扱い
スピーカー 2
あーそうなの?
スピーカー 1
そう。で、そのクルド人の友達、家族、親戚、
まあ何らかの繋がりがある人が、
そのクルド人を頼ってくるんだよ。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
で、結局そうすると、
例えばワラビにその永住権を持ったクルド人がいたら、
そこにこうどんどん集まってくるわけじゃん。
ネズミこう見たくなっちゃうけどさ、
1人集まって、でもう1人来たら、
その1人からまたさらに広がってみたいな感じで、
こうどんどんどんどんそこで集まってきちゃったみたいな、
そんな状況らしいんだよね。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
だから別にワラビじゃなくてもよかったんだと思うけど、
まあ集まったのがとりあえずワラビだったっていうところなんだよね。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
で、さっきも言ったけど、
この永住権をすでに持っているクルド人を頼るメリットっていうと、
永住権持ってるからさ、
家を借りたりすることができるわけよ。
スピーカー 2
あーそうだね。
スピーカー 1
うん。何なら家買うこともできるしね、ローン組めれば。
スピーカー 2
うんうん。
スピーカー 1
そう。だから永住権持ってるクルド人の名義で不動産借りてあげて、
要はちょっと身分が不安定な、
スピーカー 2
ビザーが切れちゃってるようなクルド人がこう住むみたいな。
はいはい。
スピーカー 1
で、それがどんどんこう天体がこうね、
どんどんどんどん天体天体って感じで、
スピーカー 2
なっちゃうっていう状況になってんだよね。
スピーカー 1
あーそうなんだ。
そう。
あとワラビっていう土地柄もあるんだけど、
さっき西川口めちゃめちゃ中国人多いって言ったじゃん。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
だからさ、西川口とか、
まあ別に西川口じゃなくてその隣の川口でもいいんだけど、めちゃめちゃ中国人多いのよ。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
だからさ、あんまり外国人っていうのがさ、いっぱい過ぎて、もうそこまで違和感がないんだよね。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
まあ、とはいってもさ、中国人とクルド人じゃ見た目がさ、もう全然、
なんだ、中国人はどっちかっていうと日本人にこう外見は近いじゃん。
スピーカー 2
うんうん。
スピーカー 1
クルド人はさ、クルド人を日本人と見間違えるってことは多分ないような外見してるじゃん。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
どっちかっていうとあのイランとかさ、あのトルコ系のこう顔してるからね。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
そう。だから、まあそういう違いはあるけれども、
とりあえず外国人に対してちょっと慣れっていうか、
日本人側の慣れがある地域でもあるんだよね。ある程度。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
だから、まあ偏見なんかも少ないんじゃないかっていう風には言われてるんだけど。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
で、ちょっと話をそのクルド人の方に戻すと、
まあその風貌滞在っていう言い方はちょっとあまり良い言い方じゃないから、
ビザが切れて、あの身分がこう安定していないクルド人っていうのは、
普通だったらこれ強制召喚されるわけよ。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
でもこれは、ほぼほぼ野放し状態になってるのね。
スピーカー 2
あーそうなの。
スピーカー 1
そう。これ一応用語で言うとカリフォーメンって言うんだけど、
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
まあなんか、なんて言えばいいんだろうね。
人道的な部分で言うと、
ちょっとこう強制召喚するのもかわいそうだよなーみたいな感じで、
で、かといって永住権あげたりとか、
クルド人問題の背景と自治体の対策
スピーカー 1
まあ何のビザでもいいけどなんかあげたりとかっていうような感じにはしたくないなっていう。
だから、とりあえずちょっと見なかったことにしようみたいな、そんな状態ってこと。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
で、国はとにかくそのクルド人たちを強制召喚とかしないで、
カリフォーメン状態にしてて、
野放しなんだよね。何にも対策を取ってないわけ。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
で、だから自治体がもうとにかく、
じゃあ何らかの対策を取らなきゃいけないっていう、
もうほんと自治体に丸投げされてるような状態になっちゃってんだよ。
まあとはいっても別にクルド人にもさ、もちろんさピンキリだからさ、
あの悪いクルド人もいればいいクルド人もいるしっていう感じで、
もう全然あるあるの話なんだけど、
たださ、生活習慣はさ、とりあえず違うわけよ日本人とは。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
だから結構そういう文化的摩擦っていうので、
結構こう住人とトラブルなんかも起きているっていうのが、
まあこのワラビスタン問題になっていくんだけど、
スピーカー 2
はい。
スピーカー 1
まあそんな感じの問題がワラビスタン問題なんだよね。
もうちょっと広い問題はあるんだけど、
ちょっと今簡単に説明しましたと。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
で、今度は話をちょっと世界の方に持っていくと、
クルド人の特徴とサラディン
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
クルド人問題って多分名前ぐらいは聞いたことあるじゃん。
スピーカー 2
あるね。
スピーカー 1
そう。
で、ちょっとクルド人ってじゃあそもそも何なのっていうところを説明してなかったので、
ちょっとクルド人を簡単に説明すると、
クルド人っていうのは、
さっきイランとかトルコみたいな系の顔してるって言ったじゃん。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
そう。大体その辺りに住んでる人たちなのよ。
地理的に言えばね。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
だから国で言うとトルコとかシリアとかイラクとかイラン、
この4カ国の地域にまたがって、
クルディスタンっていう地域があるんだけど、
そこに住んでいる民族をクルド人って言うんだよね。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
で、クルド人はイスラム教を信仰してるのよ。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
で、クルド人の何と言っても特徴っていうのは、
世界全体に大体クルド人って3000万人ぐらいいるって言われてるんだけど、
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
国家を持たない世界最大民族って呼ばれ方するんだよね。
スピーカー 2
あー、国家がないんだ。
スピーカー 1
そう。クルド人の国家ってないんだよ。
スピーカー 2
へー。
スピーカー 1
だからまあいろんな言われ方するよね。
世界最大の民族、世界最大の難民とかさ。
まあ要は国を持ってない民族だから。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
ちなみに多分小片郎でも知ってるクルド人で有名な人物がいるんだけど、
歴史上のね。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
誰だと思う?
スピーカー 2
いや、わかんないな。
クルド人?
スピーカー 1
うん。あの世界史をやってた人はね、絶対知ってる。
スピーカー 2
そうなの?
スピーカー 1
うん。そんぐらい有名。
まああの辺の人だ。
で、有名な人たぶんあげればすぐ当たると思うよ。
スピーカー 2
あー、イラックとかイランとか?
スピーカー 1
あ、そうそうそう。あの辺の地域に。
スピーカー 2
へー。ジョージ・クルーニー?
スピーカー 1
ジョージ・クルーニーそっちの人だもん。
違うでしょ。
えっとね、サラディンだよ。
スピーカー 2
あー、オサマ・ビン…
スピーカー 1
え?
スピーカー 2
オサマ・ビン・ラディンじゃなくて。
あ、ごめんごめん。サラディン。
スピーカー 1
サラディンだよ。
なんでビン・ラディンが出てくんだよ。
ビン・ラディンって、あれアラブ刑事でしょ?
スピーカー 2
はいはいはい。
スピーカー 1
サラディンね。
アイユー部長の創始者。
スピーカー 2
え、わかんないな。
スピーカー 1
だから第3回十字軍のイスラム側の超英雄ってされてる人だよ。
スピーカー 2
あー、そうなの?
スピーカー 1
そう、エルサレム奪還して十字軍とは手を結んでっていうかさ、仲直りしてとか結構、
イスラム教国の王様って結構こうなんだろう、残虐な人が多いみたいなイメージあるかもしれないけど、
サラディンはめちゃめちゃ寛容でさ、っていうところでも有名なんだよね。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
このサラディンがクルド人なんだよ、実は。
トルコ政府の姿勢とPKKの影響
スピーカー 2
えー、そうなんだ。
スピーカー 1
うん。だから誰もが知ってるクルド人なんだけどね、サラディンって。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
そう。で、ちょっとクルド人問題の歴史的背景のところに今度入るんだけど、
もともとクルド人が住んでた地域っていうのは、当時そのオスマン帝国が統治してたんだよね。
当時っていうか、割と近代に入るまで。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
で、第一次世界大戦でそのオスマン帝国っていうのは負けるんだよね。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
で、負けたことで、当時のオスマン皇帝メフメト6世は、
自分の保身のために連合国とセーブル条約っていう条約を締結するんだけど、
とにかくオスマン帝国っていうものの領土はほとんどもういらない。
だけどこの部分だけは残してくれっていう感じで、あとはもうあげるあげるみたいな感じで、
めちゃめちゃ自分だけが何とか管理できる範囲だけを残して、
あとはもう好きにしてくださいみたいな条約を結んじゃうんだよね。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
で、この時に実はクルディスタンの独立って約束されたのよ。
スピーカー 2
あー、そうなんだ。
スピーカー 1
そうそう。でもここでアタテュルクが出てくるのよ。
スピーカー 2
アタテュルク?
スピーカー 1
うん、ケマルね。ケマル・アタテュルクね。
スピーカー 2
わかんないね、俺。
スピーカー 1
トルコ共和国建国の父だよ。ケマル・アタテュルクが出てきちゃうのよ。
スピーカー 2
あー、そうなの。
スピーカー 1
そう。で、ケマルが、いやいやふざけんなメフメトロクセイって感じで立ち上がって、
あ、そもそもケマルってもともとそのオスマンの将軍ね。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
で、セーブル条約をもう一方的に破棄して、
ちゃんとトルコっていう国を作りましょうってなって、で、
今のトルコの範囲をトルコ共和国っていう国にしたわけよ。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
実際ね、ほんとにメフメトロクセイがその結んだセーブル条約だと、
今のトルコの、たぶんね、10分の1ぐらいしか領土ないのよ。
スピーカー 2
うんうん。
スピーカー 1
そんぐらいちっちゃい地域しかもう残んないっていう状況だったのを、
このケマルがもう一方的に、こんなん認めないっつって、
まあ革命を起こしたから、今のトルコの領土っていうのはあるんだよね。
だからトルコじゃ、あの、建国の父って呼ばれてるわけなんだけど。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
で、まあこれがローザンの条約っていう条約を締結して、
このことによってトルコの領土はさ、今の領土が保持されたわけよ。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
ただ、これによってクルド人の骨格創設っていうのはもう夢になったんだよね。
夢のまた夢みたいな。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
セーブル条約だとクルディスタンの独立っていうのは約束されてたわけじゃん。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
でも、トルコ共和国ってなってローザンの条約を締結したことによって、
クルディスタンのその土地もこうまたがってトルコになっちゃったから、
建国の夢がもう破れちゃうんだよね。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
で、ちなみになんだけど、
トルコの人口ってまあだいたい8500万人ぐらいいるんだよ。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
そのうちクルド人っていうのはなんと20%もいるんだよね。
スピーカー 2
あーそうなんだ。多いね。
スピーカー 1
そう。だからまあだいたい人数で言うと1500万から2000万ぐらいって言われてんだけどトルコ国内に。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
だからさ、決して少数民族って呼べるような人数じゃないわけよ。
割とマジョリティ、まあマジョリティって言うと違うけど多いんだよ。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
で、トルコにはそのクルド人の議員もいるし、クルド人の党もあるしっていう感じで、
とにかくクルド人は政権にもちゃんと参加してたりするわけよ。
だからいわゆるそのなんだろう、少数民族でなんかめちゃめちゃもう差別されているかっていうと、
まあ決してそこまで、もちろん多少あると思うんだよそういうのは。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
日本だって別に外国人いてさ、外国人は全然差別されませんってことないでしょきっと。
スピーカー 2
うんうん。
スピーカー 1
同じ日本人同士だってさ、多少なんか顔が悪かったら差別されたり、
背が低かったら差別されたりとかさ、なんか俺のこと言ってるみたいだけどさ、
スピーカー 2
なんかそういうこともあるわけじゃん。
どんだけ地逆なんだよ。
スピーカー 1
だからそう、言いたいことは要は、この世にだから差別っていうものは必ず存在しちゃう以上は、
あの、だからクルド人だから差別されるっていうのもあるし、
クルド人じゃなくたって差別はされるんだよ。
スピーカー 2
だからそれはまず事実としてあるじゃん。
はいはい。
スピーカー 1
なんだけど、トルコの姿勢っていうのにもちょっと問題はあるんだよ。
トルコ政府としての姿勢って言えばいいのかな。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
トルコとしてはクルド人はいないっていう認識なんだよね。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
すべてトルコ人っていう認識なのよ。
スピーカー 2
あー、はい。
スピーカー 1
で、これただ、あのもちろん民族が違うっていうのは分かっててこう言ってんだけど、
トルコ人っていうのは、例えば日本に住んでたらみんな日本人だよねって言ってるようなイメージ。
スピーカー 2
あー、はいはい。
スピーカー 1
そう。だから、例えば帰化してる人でさ、全然さ、民族的にはさ、
欧米系の人だったりとかさ、アフリカ系の人だったりとかわーわかんないけど、
色々いるわけじゃん。帰化してて日本に。
でも、その人って日本人でしょ?
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
そんな感じでトルコもクルド人もみんなトルコ人だって言ってんだよ。
スピーカー 2
あー、はいはい。
スピーカー 1
これはもちろん理由としては、
トルコっていう国は一枚岩じゃないといけないから、
いろんな民族がいるっていうことを認めちゃうことによって、
そこからまた独立とかそういう話が出てきたら大変だからっていう理由なんだよね。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
で、これはもちろんケマルがそういう方針でやってたから、
それをずっとこう踏襲してるようなイメージなんだけど。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
だからそういう意味の、なんだろ、差別っていうかさ、
そういうのはあるのよ、トルコには実際。
だからそれでトルコに居づらいっていうクルド人はいるわけよ。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
で、何が問題なのかっていうと、
このクルド人の中でも、クルド人全員じゃないよ。
クルド人の中のほんとごくわずかな人数で、
クルディスタン労働者党っていう、通称PKKって言うんだけど、
武装闘争を起こしてんのよ。
スピーカー 2
はい。
スピーカー 1
で、クルド人って言うとなんかテロのイメージ多分ある人多いと思うんだけど、
それはこのPKKのせいなんだよね。
スピーカー 2
うんうん。
スピーカー 1
なんかクルド人っつったらなんかどっかでいつもテロやってんじゃねっていうイメージがあるのはこのPKKのせいで、
これ、2013年に一応停戦してるんだけど、
それまでもうすごいね、40年ぐらいね、
トルコでめちゃめちゃ武装闘争がね、やりまくってたのよ。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
だからトルコ政府もそういうクルド人に対しては、もうすごい厳しい姿勢でやってたし、
で、クルド人側もトルコ人をめちゃめちゃ殺してたりするわけよ。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
だから、まあ結構そういう意味でトルコ人とクルド人っていうのは、
結構こう亀裂が入っているっていうのもやっぱ現状としてあるわけね。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
で、最後になるんだけど、
クルド人問題っていうのはさ、まあ今話してきた通りなんだけれども、
クルド人の国家建国の難しさ
スピーカー 1
結局さ、クルド人っていうのは国家を持ちたいっていう思いがあるわけよ。
自分たちの国。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
結局どこ行ってもさ、自分たちはよそ者の民族なわけじゃん。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
日本に来たってそうだし、
まあ別に日本じゃなくたっていいけど、
欧州とかも結構クルド人のこう移民っていうのが多いんだよね。
でも、クルド人は結局クルド人の国を持ってないからっていう、
なんかさ、ちょっとユダヤ人、
イスラエルの問題ともある意味似ているところはあるんだけれども、
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
で、かといってじゃあさ、
クルディスタンにクルド人国家をさ、建国できたとするじゃん。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
じゃあ多分イスラエルと同じ問題起きるよねっていう結局のところ。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
根本が解決してないからさ。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
さっきも言った通り、
トルコ人とクルド人の間には、
まあ少なくともそういう武装闘争とかもあったりして、
お互いがお互いをこう憎むっていうかさ、
そういう感情は必ず、
もちろん全員が全員じゃないよ。
あの、そういう感情はあるし、
別にトルコ人だけじゃないんだよ。
あのクルディスタンってその、
シリアとかイランイラックにもまたがってるから、
それぞれの国でやっぱりそれぞれのクルド人と、
それぞれの民族がこうやっぱり、
国の民族が対立っていう構造はあるのよ。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
だから結局クルド人っていうのは、
クルド人の現状と解決策
スピーカー 1
じゃあ国家を持ったとしてもきっと摩擦はずっと起こる。
まあその変な話、
逆に言うとイスラエルみたいにもっと大きな問題になっちゃう可能性もあるし、
かといってじゃあ国を持たなかったら、
じゃあこのまんま今みたいに、
例えば日本に来てワラビスタンになってみたいな、
そんな感じの解決策しかないのかなっていうところでさ、
なんかこれはすごい難しい問題だなっていうところで、
ちょっと今日のテーマは一応終わりにするんだけれども、
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
でちょっとオガ太郎に最後ちょっと移民問題っていうちょっと大きなところで、
なんか語ってくれればいいかなと思うんだけれどどうかな。
スピーカー 2
なんで難しくすんだ。
スピーカー 1
いやいやまあ別にこのクルド人問題でいいよ。
スピーカー 2
いやいや俺これ本当に知らなかったから、
なんか新たに今回すごいためになった回だったなと思って。
何が。
いやいや、
ワラビスタンってね、
うちらが育った埼玉でそんなところがあったんだっていうことも知らなかったから。
これあれなのかな。
クルド人はその日本に限らずいろんなところに行ってるってこと?
スピーカー 1
もちろん受け入れてくれる国は行くし、
難民申請通ればもちろんそういう国にはもちろん行くけど、
日本は通ることの関係性で難民申請は通らない。
スピーカー 2
ああそうなんだ。
でもそれでも日本に来るっていうのはなんかあんのかな。
スピーカー 1
単純に日本は安全だしインフラだってもう完璧だし、
スピーカー 2
だから日本の低水準の暮らしって世界じゃもう最高水準じゃん。
スピーカー 1
もちろん地理的に遠いっていうのはあるけど、
それをさっぴいても、
もし頼る人間が、先にワラビスタンの時にちょっと話したけど、
頼る人間がいたら、
やっぱりそこで日本っていう候補地があるんだったら、
日本に頑張って来るっていうクルド人も多いんだよね。
スピーカー 2
ああはいはいはい。
強制的にも追い出されないかもしれないしっていうのがあるのかな。
スピーカー 1
もちろん追い出されるパターンもあるよ。
いつでも追い出せるんだよ状態としては。
ただ一応人道的観点から、
そこはちょっとこう見て見ぬふりしてるっていうのが現状なんだよね。
スピーカー 2
ああそうなんだ。
スピーカー 1
だから実際強制総化されてる人もいるし、
スピーカー 2
で呼び出しくらったらいつ強制総化されるかもわからないって感じ。
スピーカー 1
だから結構ビクビクしながら暮らしているっていう、
ビクビクっていう言い方は、
なんだろうね、日本人からするとちょっとうんってところあるけど、
まあそんな状況っていうところだよね。
スピーカー 2
ああそうなんだ。
なんかあれだね、
そのどこの世界見てもさ、
やっぱりどっかの国の顔色を伺って、
その助けることができないとか、
助けようとしないっていうことって、
やっぱあるなと思って、
それをなんか感じたね。
スピーカー 1
まあ日本はトルコとの関係の方を重視してるわけだから、
やっぱりクルド人を難民としては認めちゃうと、
トルコからしたらクルド人はトルコ人じゃん。
っていうところはあるんだよね。
多分それはそこは難しいけどね、
まあなんか大人の事情になっちゃうからさ、
結局ほら、
例えば中国をさ、
中華人民共和国を中国として認めて、
台湾は中国として認めないとかってなると、
台湾は国家として認めないみたいな、
そういうさ、よくわかんない事情ができちゃうじゃん。
スピーカー 2
ああそうだね。
スピーカー 1
だって台湾ってもう国じゃんどう考えたって。
まあそんなの誰もがわかってるけど、
一応その大人の事情でそうは言えないっていうだけな話じゃん。
スピーカー 2
はいはい。
だから難民の定義って何なんだって思っちゃうね。
確かにそれ思うとさ。
スピーカー 1
ああ定義ね。
スピーカー 2
だってさ、
結局大人の事情でって言ってさ、
なんかそもそもってやっぱり、
どうしようもなく苦しんでる人たちを、
手を差し伸べるっていうイメージがあったからさ。
スピーカー 1
うん。
スピーカー 2
実際はそんな綺麗事じゃないってことだもんね。
スピーカー 1
まあだから日本人がそのなんだろう、
クルド人を助けるってなった時に、
もちろん日本人の中でもそれに対してさ、
え?っていう人多いわけよ絶対。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
だって日本人ですらさ、
今すごい貧困でさ苦しい思いしてる人もいるけど、
そっちは無視かい?みたいなさ。
スピーカー 2
ああはいはい。
スピーカー 1
うん。
だって俺みたいな低賃金で働いてる人間も結構多いわけじゃん。
でも外国から来た人に対してそんな待遇しちゃうのとかさ、
まあ生活保護の問題とかもそうなっちゃうけどさ、
全部が全部。
だから別にさ、絶対文句って出るじゃんこういうのって。
スピーカー 2
まあそうだね。
ていうか長丸は低賃金じゃないからね。
スピーカー 1
低賃金だよ。
平均収入よりも下だもん。
だから低賃金ってみなしていいと思うよ。
スピーカー 2
なんだそれ。
スピーカー 1
じゃあ今回のテーマはクルド人問題でした。
はい。
スピーカー 2
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スピーカー 1
はい、ぜひともお願いします。
スピーカー 2
それでは最後まで聞いていただいてありがとうございました。
スピーカー 1
ありがとうございました。