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宮武 徹郎
今週は引き続きっていうところで、もうちょっとその悪役を作る方法っていうか、
まあなんか、これもなんかいい方法っていうのはそこまであるわけではないんですけど、
なんかどういう立ち位置で悪役を設定するべきかとか、
そこら辺についていろいろ話していけたらなっていうところなんですけど、
単純なやり方で言うとその競合先を出したりとか、特定の人を出したりとかするっていうところなんですけど、
なんかそれよりもはるかに複雑だと思っていて、
まあ結局そのストーリーを、エンタメでストーリーを作る時も同じだと思うんですけど、
ただ悪い人っていう前提ではなくて、いろいろバックストーリー与えたりとか、
どういうレベル感での悪役なのかとか、そこら辺のすごい多分考える人たちが多いと思うので、
それも同じようにスタートアップでしたり、ブランドがストーリー化する時には考えないといけない。
で、一旦今日はそこの悪役作りの事例とかそういう話をして、
最後には個人的に気になっているこのIP化するブランドっていうテーマについて話していけたらと思うんですけど、
まずなんかもう早速その悪役の作り方の位置でいきますと、
会社自ら悪役の役割を果たすっていう。
どういうことですか?
これはなんかすごい悪いことをするっていう話ではなくて、
ちょっと悪ふざけ的な態度でしたり性格のブランドを作るっていうところで、
結局これは後々この話をもっと詳細話しますけど、
ビラン役、悪役の方が好きっていう人って結構いると思うんですよね。
ストーリーの中で。
スタートアップ業界も結構ふざけるっていう話ではないですけど、
反抗心を持つっていうのは若干世の中的に見るとちょっとビランっぽい、ちょっと悪役っぽい。
草野 みき
その表現は初めて聞きました。
宮武 徹郎
スタートアップ側から立ってるとヒーロー的な反乱をしてるっていうか、
反抗をしてるっていうことだと思うんですけど、
一般社会から見るとちょっと変な人とかやってるように見えると思うので、
それこそセールスフォースが競合の大きなイベントで講義をして、
嘘のテレビ局を連れてきて報道をし始めるみたいなこととか、
ある意味はすごい反抗的なことで、
ちょっと自分は悪役じゃないですけど、
そこにいる人たちと反対する意思を示してるっていう意味だと、
若干その反抗的というか悪役を演じてるのかなっていうところもありますし、
あとすごい有名な話だと、
WePayっていうサービスがあるんですけど、
そこがPayPalを競合意識していたので、
PayPalのあるイベントでめちゃくちゃでかいアイスブロックを持ち込んで会場に置いてったんですよ。
そのアイスブロックの中に記載されてあった言葉とちょっとお金が入ってたんですけど、
PayPalは口座を凍らせますっていう、
引き出すのがすごい難しくしてるんですよみたいなことを言って、
当時若干そういうのが話題になってたと思うんですけど、
それをでかいアイスブロックの中に入れてそれを出してたっていうところだったり、
あと有名な話ですと、
マック・ザッカーバーグがセコイヤとミーティングする時にパジャマ姿で行って、
我々に投資するべきではない理由のピッチデッグをプレゼンしたっていう話とかもすごい有名だと思うんですけど、
それもまあいわゆる悪役的なものでもあるかなと思いますけどね。
草野 みき
やっぱりブランドのユーモアのセンスが必要みたいな話って結構シェアラートークでもしてると思うんですけど、
アンチとか反対の意見の人をユーモアで打ち返すみたいなのって、
それで言うと悪者っぽいっていうかなんだろうな、カウンター、正当なヒーロー的なやり方ではない感じがして、
そういうことなのかなっていうふうにちょっと思ったのと、
やっぱそういうブランド作りっていうのがなんか最近だと人気だなっていう感じがしますよね。
悪い意見とかマイナスも自分の面白さとかで返事をするというか、
それですいませんとか言わずに逆の対応をするとか真面目に対応するとかじゃなくて、
もっとそれを面白く返すみたいなのって、アンサーソング的なやり方ってすごく面白いなって思います。
宮武 徹郎
さなさんよりインターネットに合ってるやり方かもしれないですよね。
さなさんが言った返信するというか、やり取りをするみたいなことってよりインターネットに向いてるものかなと思うので、
よりみんなが見える公共の場でのそういうやり取りっていう、
そういう意味だとちょっと自虐ネタでしたり、そういうのってどんどん増えてると思うんですけど、
難しいのはしっかりと自分の悪役、ちょっとふざけた悪役だと思うんですけど、
それをポジション持つのってまず勇気がいるっていうところですよね。それをやるっていうのは。
しかもそれをちゃんと突き通してブランドにフィットしてるっていうのもありますし、
それをただただマーケティングっていうか、
ただネタとしてやっているのか、それとも会社としてちゃんとそれを投資してやってるのかっていう違いはあると思うので。
草野 みき
確かに運営してる、そのSNSのアカウントマネージャーの性格とブランドとはちょっと違うパターンもあるかもしれないですね。
宮武 徹郎
たぶん分かんないですけど、僕がそれをやりだしたら、たぶんすごいフィットしないのですごい違和感があったりとか、
たぶん途中ですごい変な感じになっちゃうと思うんですよ、たぶんですけど。
草野 みき
途中で変な、どういうことですか?
宮武 徹郎
最初はたぶんぽい言葉使いとかそういうのができると思うんですけど、途中途中たぶん違う面が出ちゃったりすると思うので、
やっぱりこれをやりたい、やろうとするってなると本当にコミットが必要になってくる。
草野 みき
確かに。ちょっとセンス、肯定的につけられるセンスな気もするんですけど、そこのギリギリのラインを攻めるっていうのが大事じゃないですか。
宮武 徹郎
そうですね。
草野 みき
めっちゃファンが喜ぶのとアンチがめちゃくちゃ湧くのと、それをバランスでいつもファンが喜ぶに代多数が50%以上にならないといけない。
それがいかない時がやばいっていう感じですね。
宮武 徹郎
行き過ぎるともうアウトっていう、やっぱりその線をちゃんとわかってるっていうのが、
これってすごい変な話、どんどん次何やるのっていう話になってしまうので、
どんどん前のネタよりもすごいネタを出さないといけないというプレッシャーを感じて、
どこかのタイミングでアウトなものを出してしまうっていうのが一番やりがちなパターンだと思うので、
そこらへんとかすごい気をつけないといけないというところですよね。
草野 みき
難しいですね。やらなすぎるとつまらなくなっちゃうし。
宮武 徹郎
まさに。
今のところはわかんないですけど、我々が収録している時点で、公開している時点には変わっている可能性はあると思うんですけど、
これはたぶん、すごいうまくやってるのがドウリンゴですよね。
自ら、キャラクタードウ君が、ヴィラン役、結構やばいことやってるので、
キャラクターだから許されるっていう部分あるんですけど。
草野 みき
クレイジーなことしてるっていうのが、みんなに認知されると一番やりやすいですよね。
宮武 徹郎
そうですよね。そんなに変に思われなくなるっていうところです。
でも、面白いっていうところなので、
実際にドウ君の今まで犯した犯罪の履歴をあるファンページがまとめているんですよね。
結構すごいですよ。彼が犯した犯罪は。
草野 みき
本当に悪者に。
宮武 徹郎
誘拐、ストーカー、拷問、泥棒、殺人。
草野 みき
やばいですね。
それ見るとやばいですね。
宮武 徹郎
それ見るとやばいですね。動画なので。
草野 みき
ネタなので。
宮武 徹郎
でも、やっぱり自らこのヴィラン役を受け入れてるっていうところは、
まさにドウリンゴはそうだと思っていて、
あるドウリンゴが出したTikTok動画で、
これが自分のヴィランオリジンストーリーだみたいなキャプションで出してる動画とかもあるので、
ちゃんとそれを認識した上でやってるっていうところですね。
なので、ドウリンゴはたぶん一番、
現代だと一番分かりやすい事例かなと思うんですけど。
もう一つ、これ僕も過去ちょっとだけ話したことあるかもしれないんですけど、
自分がすごい好きな車のコマーシャルがありまして、
ジャガーのコマーシャルなんですけど、
たぶんだいぶ前に出したコマーシャルなんですけど、
そのキャンペーンがgood to be badっていうキャンペーン名なんですけど、
そこでイギリスの役者がなぜ映画でよくヴィラン役を演じるのかみたいなことを、
実際ヴィラン役を多く演じたイギリスの役者が解説しながら、
でも全員最終的にはジャガーに乗ってますよねっていう話をするっていう。
草野 みき
ジャガーはあるあるなんですか?
宮武 徹郎
ジャガーはたぶんそこまである。
確かにちょっと悪役っぽい感じはすごいあったりするんですよ。
すごい黒い車で、ジャガーの見た目がちょっと怖いっていうか。
あるので、たぶん実際使われてるケースは全然あると思うんですけど、
その役割をしっかりジャガー側が受け取ったっていうのはすごい良いなと思いますし、
使ったイギリス人の役者も実際ロキ役を演じたトミヒルソンとか、
サーベンキングジーとか、あとマークストロングさんとかを活用してるので、
結構よく見る悪役だったので、それはすごい面白かったなって思います。
草野 みき
確かにみんなが思ってるあるあるを公式でやっちゃうっていうのは良いですね。
宮武 徹郎
そのCMってもうだいぶたぶん10年以上前に出たCMなんですけど、
日本だとわかんないですけど、アメリカですとやっぱりイギリス人が悪役を演じるってすごい多いんですよね。
もしくはイギリス英語の悪役。
草野 みき
それはオッケーなんですか?そのなんか差別的な意味とかは別に許されてるんですかね?
宮武 徹郎
たぶんそこまで指摘されたことがないんですよね。
いわゆるそれが人種差別だみたいな点で。
草野 みき
私もわかんないんですよね。
宮武 徹郎
例えばディズニー見ても結構悪役はイギリス英語なんですよ。
例えば美女と野獣のガストンとか、アラジンのジャファーとか、ポカハンタスのジョンラットクリフジュニアとか、ライオンキングのスカーとか、白雪姫の女王とか、あとクルエラとか、
もう全員アニメ版、英語のアニメ版だとイギリス英語なんですよね。
たぶん日本語で見ると、たぶんそんなに違う別に言葉遣いとかそんなにしてるわけではないですよね。
草野 みき
そうな気がしますし、でも映画を見ると確かにロキとか見るとイギリス英語だな。
イギリス人のパターンとか、北欧の人とかが多い。
草野 みき
多いってか、見かけるなって感じがしますね、確かに。
宮武 徹郎
多いです。ジットヘッドスターも多いと思います。
それからスターウォースとか、ダースペイダー役は確かアメリカ人ですけど、それ以外のカウントドゥークっていう人も、クリスタファーDさんってイギリス人でして、
パルパチンって大元の悪役の人とかもイギリス人だったりするので、
いろんな映画、別にアニメだけとかディズニーだけではなくていろんなところでそうなってますし、
それこそ先週、アップルの1984のCMの話をしたと思うんですけど、
それのビッグブラザー役、画面上に出てた、あれもイギリス人なんですよ。
草野 みき
なんでなんですかね。
宮武 徹郎
でも、一般的な悪役、ハリウッド映画とかでよく見る悪役って、
イギリス英語か、あとはだいたいロシア系の英語か、あとスラブ語、
その中でよくドイツ語とか、あとアラブ語の英語とかを見ると思うんですけど、
まず前のものだと共通としてあるのが、アメリカと敵対ししたことがある国っていう。
これは実際あると思っていて、やっぱり戦争のタイミングでプロパガンダとか、
相手が悪いみたいな話をするために、映画でそういうキャラクターを悪いっていうのを表さないといけないので、
そういうところで使われてたりすると思うので、それは実際あって。
クサノさんが言う北欧っていうのは、最近確かに松見キルシェンとか、
彼確かデンマークだと思うんですけど、そこはちょっとそこと外れちゃうんですよね。
アメリカ北欧系と戦争になったことないと思うので。
草野 みき
そこは確かに。
宮武 徹郎
そこはちょっと特別っていう話かもしれないですけど、
もう一つイギリス英語に特定すると、ヒーローとヴィラン役の、これ過去にもオフトピックでも話したと思うんですけど、
役割っていうか、あってはならないものとあってはいいものの一つで、ヴィランは計画を持つべきなんですよ。
ヒーローは計画を持つべきではないんですよ。
計画を持つっていうことは、やっぱり何かしら知的である、エリートでしたり、頭がいいっていうところを表すのに、
実はイギリス英語ってすごい、それを連想する人が多い、アメリカでは。
草野 みき
サウンドとしてってことですか。
宮武 徹郎
サウンドとしてですね。
やっぱりイギリス英語を聞くと、これは全員ではないですけど、多くのアメリカ人はロイヤルファミリーとか、
そういうエリート層をすごい思い浮かぶので、
例えばダウンタウンアビーとか、そういうドラマみたいなものを想像するので、
そうすると、やっぱりどうしても頭がいいっていうところに連想がつくっていう。
草野 みき
なるほど。
そうなんですね。
宮武 徹郎
逆に言うと、アジア系の人って、いつもちょっとポンコツ。
コミックリリース的な。
草野 みき
そうですね。コミック、お笑いキャラみたいなパターンが多いですよね。
宮武 徹郎
もちろん全部ではないですし、だいぶ変わったっていうのはあるんですけど、やっぱりそういう立ち位置の人は多かったですね。
これはたぶん一部、ちょっと面白い英語に聞こえたかなっていう話だと思うんですよね。
草野 みき
よくあるパターンが、シリコンバレー、ドラマのシリコンバレーに出てくるアジア系の男性の俳優方いるじゃないですか。
ああいう、英語喋るかわからないけど、みたいな場面の緩急として、
本当にコミックリリースで面白ポイントで出てくるみたいなパターンが多い。
宮武 徹郎
めちゃくちゃ多かったですよね。
それはすごい同感です。
だいぶ変わったっていうのは良いことかもしれないですけど、やっぱりそういうイメージっていうのはすごい。
でもそういう意味だと、日本語アクセントのものがそこまで悪役として、ここたぶん2、30年そこまで出てないっていうのは、わりとすごいことかなと思います。
もともと敵対してた国同士だったので、そういう意味だと、だいぶ変わったんだなっていうところですね。
ヒーローとヴィラン役の関係性っていうのがすごい重要っていうか、それこそストーリーテリングの中でもすごい重要になってくると思うんですけど、
本当に昔ですとスーパーマン的な、スーパーヒーロー的な役割って、やっぱり新しいことはしない?
逆に新しいことやるのは、悪役のほうで、ヴィラン役で、なんか世界を変えようとしてて、それを基本的に悪い方向性に変えようとしていて、それを止めて元通りに戻すっていうのがヒーロー役だったんですよね。
草野 みき
日常に。
宮武 徹郎
日常に戻すと。今まで通りに戻しましょうと。
なので、やっぱり、ヴィラン側がやっぱり計画的であったのを考えると、スタートアップブランドとしては、昔のヒーローとヴィラン役の関係性はあまりたぶん望ましくないかなと思うんですよ、ストーリーテリングする上で。
スタートアップ側が変えようとしてるので、世界を。
宮武 徹郎
なので、あまりヒーロー役になれないっていうところ。
なので、結局、あとはもう一つすごい重要なポイントであるのが、昔、それからスーパーマンって親近感がほとんどないんですよ。
草野 みき
どういう意味でですか?
宮武 徹郎
完璧すぎるんですよね、人として。
草野 みき
それキャラクターの中でってことですか?
宮武 徹郎
キャラクターの中で。
しかも、人間じゃないので、彼は。
エリアなので。
そもそも、完璧であっても別にいいじゃないですか、外から来る人なので。
でも、そうすると親近感が湧かなくて、どちらかというと、自分より感情的になったりとか、より完璧じゃないヴィラン役の方が親近感があったりすると思うので。
だからこそだと思うんですけど、スーパーマン的なスーパーヒーローからちょっと進化したと思うんですよね、スーパーヒーローの在り方が。
スパイダーマンとか、例えばバットマンとか見ますと、子供の時にトラウマがあったりとか、育ったタイミングですごいいじめられたりとか、いろんなミスをし続ける人たちの方が親近感があったりするので。
で、実際スパイダーマンを作ったスティーヴ・ディットコさんとスタンリーさんは、やっぱりそのスーパーマンっていうスーパーヒーローエンジンを変えようとした。
そして有名で、やっぱりなんか外部から来るスーパーヒーロー的な存在から、その街中に住んでる子供で、アンダードック。
で、スーパーマンも人間として、そういう時はクラーク・ケントとして生きてますけど、基本的にクラーク・ケントって無視されるんですよね、彼が。
草野 みき
メガネかけて。
宮武 徹郎
そうですね、メガネかけて。
それが誰もわかんないっていうのが前提としてあるんですけど。
草野 みき
わかるだろうって。
宮武 徹郎
それは置いて、それは置いてですよ。
誰か気づけよっていう話なんですけど。
メガネだけで。
そこについてツッコミ始めたら、多分終わんないですよ。
進まないですね。
いろんなスーパーヒーロー映画が多分終わっちゃうと思うので。
クラーク・ケントは気づかれない人なんですけど、ピーター・パーカーって気づかれて、別にスパイダーマンとして気づかれるっていうよりも、人として気づかれて、すごいいじめられたりもするので。
そこもすごい違いがあったりとかするので。
でも、個人的にやっぱりこのヒーロー作り、スタートアップが自分をヒーローとして見立てたいのであれば、すごい重要な立ち位置って、アンダードックになることだと思うんですよね。
アンダードックだと、日本語だと噛ませ犬みたいな話になっちゃうと思うんですけど。
大きな敵、ヴィラン、悪に対して、自分の力だけだと足りないっていうのを多分見せるべきだと思うんですよね。
これってスーパーマンの役割とちょっと違うじゃないですか。スーパーマンって、いわゆるみんながスーパーマン待ちなんですよ。
スーパーマン来て、全部助けてくれます。以上ですっていうのが基本スタンスとしてあると思うので。
草野 みき
それではなくて、ファンが一緒に支援しないと、そもそも悪を倒せない。
宮武 徹郎
一緒に、それこそこの商品を買ってくれるとか、お客さんになってくれないと、我々として大きくなって、こういう課題を解決できないっていうところだと思うので。
だから、そういうより参加型なストーリー設計っていうのが必要になってきて、それをやる上で、やっぱりこのアンダードックっていうストーリーラインってすごいいいかなと思うんですよね。
これは多分すごい上手くやっていて、実際すごい大きな会社になったのが多分ショピファイ。
草野 みき
これはもうすごい有名な話ですけど、CEOのトビー・ラテキーさんが言った名言で、アマゾンは帝国を作っていて、ショピファイは氾濫者に、氾濫軍に武器を与えていると。
宮武 徹郎
その武器っていうのがこのショピファイっていうツールです。
っていうところで、実際ショピファイも全体のECC上とかの26%のシェアを今では持っていたりするんですけど、それを成し遂げるために460万ショピファイ店舗がある。
まさにこのみんなで一緒に対抗しようっていうのを実現できているっていうところですね。
宮武 徹郎
アンダードックっていうか、氾濫者みたいなのを作るっていう意味合いですと、もう一社すごい良い事例があると思っていて、
それがバンディットランニングっていう会社なんですけど、すごい簡単に言うとランニングブランドですと。
ランニングのウェアとかを作るようなブランドになるんですけど、
そこが今年のオリンピック予選、特にアメリカの予選のタイミングで結構話題になっていて、
アメリカ予選を、楠さんちょっと見たのかわかんないですけど、基本的にみんな自分のランニングウェアを着て走るんですけど、
その中で真っ黒なTシャツとか、ユニフォームじゃないですけど、ウェアを着てるランナーっていたんですよ、その中で。
結構やっぱり黒を着るとすごい目立つんですよね。
他の人たちが違う色とか、しかもナイキとかアディダスとかロゴ入りのものを着てるので、
でも、黒を着てる人たちはロゴが入ってないんですよ。
なので、ロゴなしで黒を着てるっていうのが、実はバンディットのキャンペーンで。
彼らがやった、これ何回かすでにやってるキャンペーンで今年はさらに大きくしたんですけど、
彼らがやっぱり一つランニング業界で気づいた課題があって、それがお金の問題。
ランニング業界のトップ中のトップの人たちはめちゃくちゃお金もらえるんですよね。
例えば2015年にカナダのランナーのアンドレ・デグラスさんという方が、
PUMAから11ミリオンぐらいの契約を締結して、大体年間2.3ミリオンぐらいの契約を締結したり、
あとウセインボルトさんとかもPUMAと年間10ミリオンぐらいの契約を締結して、
彼らは他のスポンサーとかもいたり、あとシャーカリー・リチャードさんという方も、
5年で20ミリオンのスポンサー提携をNikeとやっているんですけど、
なのでこのトップ中のトップの人たちは何かしら大型スポンサーを受けますと。
他のランナーもなんとなくフットウェアブランドから何かしらの支援をもらったり、
よく靴をもらったりとかそういうことはあったりするものの、
やっぱりイベントのトップ3、もしくはオリンピックのトップ3とか決勝戦ぐらいに出ないと、
そもそもスポンサーしてくれないんですよ、なかなか。
ほとんどのスポンサーの人って年間80Kから150Kぐらいもらえる感じになるんですけど、
基本的にランナーからすると、ランニングでお金儲けするのってスポンサーぐらいしかないんですよ、お金が。
草野 みき
そうですね。
宮武 徹郎
やっぱりプロリーグがないので、なので基本的にもうそこからしかもらえないっていうところで、
オクタインでもらえる人は本当に数十人とかっていうレベルでしかないので、
実際にオリンピック出てる人とかでもスポンサー受けてない人も全然いるんですよね。
なので、ほとんどのランナーは実際普通の仕事をしながら、レースに行くとか参加するためのお金を払ったり、
トレーニングするためのお金を払ったり、ホテルとかコーチとかも採用するのに結構お金がかかるので、
年間に30ショックもらうだけではフルタイムのアスリートとしては生きていけないんですよね。
なので、やっぱりそのスポンサーがついてないアスリートだと、どのギア、どのウェアを着るかで判断するときって、
もうすごい限られてるんですよね、チョイスが。
結局いいウェアって、作ってる会社ってすごい限られているので、
基本的にそれってメジャーブランドだったりするわけになるんですけど、
やっぱりそのメジャーブランドとしてはロゴが入ってるので、なんかもう無料で宣伝しちゃってる。
ブランド側からするとすごいんですけど、アスリート側からすると、
サポートしてないのになぜか宣伝しないといけない、みたいな感じになっちゃうのがあまり良くはないと。
自分のマネタイズには繋がらないっていうところなので、
宮武 徹郎
アンダードックを応援するっていうのをしっかり役割を果たせたブランドなのかなっていうところですね。
草野 みき
ある意味、どのスタートアップもアンダードックとして始まるんですよね。
やっぱりシリコンバレーのカウンターカルチャーとアンダードックって文脈近しいのかなっていうのは、
草野 みき
今までの価値観とか文化とか規範みたいなものに対抗していくみたいな、
宮武 徹郎
新しいものを作っていくみたいなのは、今そういう言い方がされてきたのかなっていうのはちょっと思いました。
しかも、大体何か立ち上げるときに何かしら競合はいたりするので、
基本的にゼロからスタートしてるわけなので、
どのスタートアップも最初はアンダードック、より小さいプレイヤーから始まるパターンが多いですと。
スタートはアンダードック精神みたいなのを受けやすいっていうか、
そもそも本当にアンダードックなので、それを活用しやすいと思うんですけど、
スタートアップがどんどんスケールするタイミングでアンダードックさがどんどんなくなっていくんですよね。
当然ながら。例えば、今Googleがアンダードックかというと、アンダードックではないですよね。
Appleも、例えばAmazonとか大手テック企業は基本的にアンダードックではないと思うので。
難しいところで、アンダードックであれば明確に敵がいるわけじゃないですか。
凶暴とか市場とか、自分のサービスに対して反対する人とか。
その人たちをやっつけて、より市場を取るとか、より大きくなるっていうのがわかりやすいストーリーラインだと思うんですけど。
それがどんどん達成していくと、いわゆるヒーローがどんどん敵を倒すのと同じで、
ラスボスを倒してしまったらどうするのかっていう。
なるほど。
そこの、また違う悪役を作るのか、実は影にもっとすごい悪役がいたのかっていうストーリーにするのか、
自ら悪役みたいなのを演じるのか、違うやり方があるのかっていうところが、たぶんすごい、その設計をするのがすごい難しい。
草野 みき
なんか、それで思いつくのは、K-POPのアイドルとか、
例えば、ハイブってめちゃくちゃでっかいじゃないですか。
もうBTSいて、いろんなアイドル、ニュージーンツールスラッフもいて、
でも、めちゃくちゃ大手企業で、で、なんかアイドルが失敗とかなんだろうな。
アイドルに対して何か悪いことがしたら、運営が敵になるみたいな。
ハイブ何やってんの?みたいな風になるみたいなのって、
面白い構造だなと思うんですよね。
なんか、同じ会社の人だけど、だけど、まあ違う、ちょっと文脈が違うかもしれないですけど、
なんか、日本でも例えば、お笑いの吉本とか、もう日本で言ったらもう、なんていうか、
ハイブぐらいめちゃくちゃでかい、それよりももしかしたら大きいかもしれない、
もうエンタメ系コンテンツ、クリエイターと言うべきではないと思うんですけど、
そういうコンテンツを作ってる芸人さんの、芸能事務所、最大手なんですけど、
芸人さんは、吉本の事務所、何やってんだよ、みたいな、うちの事務所、良くないから、みたいな、
なんか、こういうところが良くない、みたいなのを言って、
なんか、その社内の人と運営してる人の中で、そっちを敵にするみたいな言い方って、
すごい不思議だなっていうか、不思議だし、カウンターであり続けることができるというか、
なんか、それってすごく面白い構造だなと。
草野 みき
でも、ソフトウェアでそれができるかっていうと、分かんないんですけど、
でも、例えばディオリンゴが、ディオくんが批判されるような立場になった時に、
ディオリンゴ、もうちょっとなんかしっかりしてやれ、みたいな、なんかそういう、なんか構造になる。
その中にいる人たちが、とか、もしくはサービスがファンについていて、運営会社になんかちょっと批判が来るみたいな構造みたいなのだと、
悪役が、もうもっとHQっていうか、もうヘッドクォーターに悪役になってもらって、サービスはヒーローみたいな。
宮武 徹郎
でも、それは確かになんかいい設計ですよね。そのヒーローがどんどん大きくなっても、同時に本社側も大きくなるので。
草野 みき
そうなんですよ。
宮武 徹郎
結局そのループは絶対消えないっていうところですよね。
悪役は永久に大きくなるっていうか、い続けるっていうところなので。
草野 みき
い続けるし、それをサイクル回してるのも大元っていう。
宮武 徹郎
確かに確かに。
それは確かに、例えばHPOとかですと、ジョン・リバーとかも、よくHPOの良くないところとかをしっかり言ったりとか、
親会社をからかったりとか、いじったりとかするっていうのは、一つループの一例としてですよね。
確かにそういう、永久にい続ける悪役を作るって、ソフトウェアだとどうするのかっていうのはいろいろあると思うんですけど、
でも、例えばそういう構造を考えるとかって、多分あまりソフトウェア業界とか、
それこそ普通のリテール系のブランドでもそうだと思うんですけど、あんまり多分考えられてないので、
そういう構造をエンタメ業界では割と存在するのに、それを活用してないっていうのは若干もったいないなって思いますよね。
草野 みき
ソフトウェアだと、例えばこういう新機能早く出してほしいみたいなの言って、コミュニティマネジャーの人が、
そうですよね、ほんとやめてほしいですよね、みたいなちょっと中間役みたいなのがいて、
やってくれました、みたいな、いろいろ調整してやってくれました、みたいな、ちょっと違う関係、小さなそういう関係性ができてるって感じが。
宮武 徹郎
でも、そこら辺はすごい重要だと思っていて、これからちょっとピクサーの話もしたいと思うんですけど、
やっぱりストーリーを作る上で、特にいいストーリーほど、すごい必ずしも一人の悪役がいるわけではないですし、
より複雑な設定とか設計になることって多いなと思っていて、
それを通して、よりヒーローが育つとか、ヒーローが世界を救うっていうのができるのかなと思うので、
例えばピクサーとか見ると、ピクサーのヴィラン役の作り方ってすごい面白いと思っていて、
そもそもピクサーって、ヒーロージャーニーっていう設計でストーリーを書くことが多いと思うので、
より悪役よりもヒーローを中心のストーリーが多いと思うんですけど、
全部のケースではないですけど、悪役が本当にいるのか、
その悪役っていうのはヒーロー自ら悪役なんじゃないかという説もあったりするんですよね、ピクサーだと。
すごいわかりやすい事例が多分トイストーリー1のウッディーで、
ウッディーってもちろん良いヒーロー役でもありながら、最初は割と悪役なんですよ。
バズ、どこまで意図的だったのかわかんないですけど、殺し損ねたので。
草野 みき
自分の中で買い主じゃない。
アンディですかね。
アンディ、持ち主のポジションを奪われる、人気のおもちゃのポジションを奪われるっていうことですよね。
宮武 徹郎
そうですね、嫉妬するっていう。
バズを窓から突き落としちゃうっていう、そういう事件があるっていうところなんですけど、
トイストーリーだとやっぱりシド役、シドが近くにいる子供が悪役としてよく見られてしまうんですけど、
実際のビランはヒーロー自身なんじゃないかっていうところで、
これって結構、1980年代と90年代のディズニーの黄金時代と呼ばれてるアニメ作品が出た悪役とだいぶ違うじゃないですか。
それこそ、ジャファーとかスカーとかウルスラとか、明確に悪者じゃないですか。
草野 みき
確かに。
宮武 徹郎
最近ですと、もうちょっとバックストーリー加えたりとか、いろいろしてると思うんですけど、
やっぱり、ちょっとそことは違う立ち位置。
ヒーロー中心になってたり、カール爺さんでしたっけ?
カール爺さんと空飛ぶ家、アップ。
アップでも知ってるので、アップのカール爺さんとかは過去に取り残されていたりとか、
カーズだとライトニングマックイーンは傲慢であったりとか、
インサイドヘッドだとジョイは自分のことしか考えてないとか、
やっぱりその欠点を、欠点そのものがビラン役を一部演じてる部分があるのと、
あと実際にビランみたいなキャラクターがいるときは、
割と共通した役割の人たちで、
基本的にリーダー役なんですよ。
なので、ウォーリーですと王と、トイストリー2ですとプロスペクター、
トイストリー3ですとロッゾ、アップですとチャールズマンズとか、
最初は良いリーダーみたいな感じで見せて、後々実は悪かったみたいな話がピクサーの定番のやり方だと思うんですけど、
それプラスさっきのヒーロー自身がビランを演じてるっていう話を考えると、
ピクサーって2つのレイヤーでのビランの構想になってるのかなっていうところを思えて、
まずは1つはリーダー役の人たちがビランを演じて、
それによってピクサーは誰を信じるべきかみたいな、ちゃんと疑いましょうみたいな話をして、
2つ目のレイヤーがヒーロー自身っていうところで、
一番最初のビランのレイヤーと呼ぶのかわかんないですけど、リーダー的な存在は、
それに対しての反乱、アンダードックとの立ち位置作り、
それによってお客さんとか周りのキャラクターが一緒に何か、一緒にその悪を倒そうってなりますと。
基本的にリーダーなので、明らかに相手は上のポジションにいる中で、やっぱり自分が下にいるのでアンダードック的な立ち位置が作れますと。
2つ目はキャラクター、ヒーロー自身のビランなので、それがどんどん進化していて、
未来を変えて親近感を作る、そういう役割なのかなと思っているので、
それを具体的にスタートアップが同じように作るべきかっていうのを置いてるんですけど、
ここのすごい重要なポイントって、より複雑であることで、場合によっては複数のレイヤーのビラン役が必要になってくるっていうところだと思うんですよね。
それこそ、さっき草野さんが言った、KPOPの事務所とのアイドルとか、事務所とお笑いタレントの関係性って、
それって常に存在するビラン役だと思うんですけど、それ以外に例えばライバルグループを作るとか、
そういう複数レイヤーを作ることによって、事務所をいじることって毎回できるわけじゃないじゃないですか。
毎回やっても多分面白くなくなっちゃうので。しかも毎回やると、そろそろ何かやれよってなっちゃうと思うので。
なんで、そこのストーリーを作る上で、常に大事なビラン役を作ってしまうとカロリー高すぎるんですよね。
ファン側っていうか、ユーザー側が追いつくのにすごい大変で。絶対的な悪の組織を作ってしまうと、少なくともスタートアップですと、5年以上やっつけられないので。
草野 みき
大平 スタートアップで言うと、より複雑になる。
宮武 徹郎
いわゆる競合を倒すのに時間かかるじゃないですか。なんで5年間を待ってくれっていうのって結構辛いことなので、ファン側からすると。
宮武 徹郎
でもそこの小さい別のレイヤーの悪役がいて、それを一個一個倒していきますっていうのを見せると、別の話かもしれないですし、そこの構造っていうのが多分すごい重要になってくる。
草野 みき
大平 ハリーポッターで言うとマルフォイと。
宮武 徹郎
まさにそうですね。学校レベルだとスネープ役ですよね。最終的にハリーポッターなので、たぶんなんとなく皆さんストーリー分かってると思いますけど、最初はスネープ役が学校レベルの悪役を務めて、魔法界全体で言うとボルデモートを務めてるっていうところなので。
しかもなんかそれがすごい簡単で言うとその3つのレイヤーがあるんですけど、それ以外にもすごいなんかちょっと敵みたいな人っていっぱいいるじゃないですか。
マルフォイも家族で敵になったりするので、なんかそれこそそのハリーポッターの最初の本、賢者の石とかですと、だいたい10人ぐらいの悪役が出るって言われてたりするので、なんかそういう一つの敵を作るってすごい簡単だと思うんですけど、なんか実はそれをみんな期待してるわけではない。
より複雑なマルチレイヤーのヴィラン構想を作ることによって、より楽しめて、よりバリエーションを作れるっていうのが多分ストーリーを作る上ではすごい重要になってくるかなって思いますね。
草野 みき
なんか前回だから、私も好きな悪役いますか?みたいなのも、宮武さんは結構マーベルとか通ってきてると思うんですけど、そこ見てなくて、あとアニメも私はあんまりそこまで見ないので、最近の映画とかになると、なんかこの人が悪役みたいなパターンってあんまりなくて、個人的な多分思考なのかもしれないですけど、
なんか、いろんな人になんか悪い部分もあって、いいこともあって、で、悪役なんだけど、めっちゃ悪役ってわけじゃなくて、みたいなパターンが多くて、なんかそこの部分はすごく複雑になったなっていうのは思いますね。
ちょっと憎いっていう感じですよね。
で、その憎いのもなんかわかるっていう、共感できるように設定されてるから。
宮武 徹郎
こういう理由で、なんかこういうキャラクターになったんですよっていう、なんか解説なり、なんとなくその育ちが見えるっていうところですよね。
そうですね。だから、誰だろうと思ってたら、自分を検索してみて、なんか有名なヴィラン映画みたいなの調べたら、結構でも昔の映画が多くて、最近だとあんまり、あんまり使えますね。
最近だと、スーパーヒーロー系だと、もう6期になっちゃいますよね、多分。それでもだいぶ前になって、10年以上前に、そうですね、10年以上前に多分なると思うので、やっぱりちょっとヴィランのあり方も変わったっていうところはあると思うので。
あとなんか、悪いヒーロー的な役割も増えたと思うので、ブレイキンバッドとかもそうですし。
ザ・ボイスとかもそうですね。
ザ・ボイスとかもまさにそうだと思うので、そこら辺もちょっと変わっているのかなと思います。
草野 みき
逆に言うとヒーロー像も変わってきたってことなんですかね。正当な、まっすぐなヒーローみたいなのって、特になんていうか、ヒーロー物ってすごくアメリカ人気じゃないですか。
そこもなんか変わってきてるんですかね、アメリカでも。
宮武 徹郎
なんかその、スーパーヒーロー映画ですと、やっぱりなんか、ちょっとダークな部分入れたりとか、そういうのは絶対あるかなと思いますけど、なんかそれはなんか、それが3、40年前と変わったのかっていうと、そこまでかなと思うんですよね。
なんかもうちょっと遡ると、そもそも、なんか人を殺してはダメっていう、なんか鉄板ルールがあったらしくて、アメリカの映画業界では。
なんでヒーローが、例えば悪役でしたり違う人を殺した場合は、ヒーローが最終的に死ぬんですよ、その映画って。
なんか、まあ自ら、なんか自分を犠牲にしたりとか、したりでもいいんですけど、なんかそういうなんかルールがあったらしくて。
でもなんか、そこからは変わっているんですけど、なんですかね、なんかすごい変わってるとは思わないんですよね。どちらかというと、ヴィラン役の方が複雑化してるのかなっていう。
宮武 徹郎
うーん、なるほど。
それはそれで面白いですけどね。
草野 みき
面白いですね、確かに。
宮武 徹郎
この全体のストーリーの作り方って、ブランドもこういうIPものを見るとか、IPものをベースにストーリー設計をするっていうのは全然いいと思うんですけど、やっぱり今の世代ってどういう形でストーリーを伝えるのかって考えたときに、やっぱりいろいろ大変だと思うんですよね。
草野 みき
大変です。
宮武 徹郎
まあ、テレビとかインスタとかで広告出すだけだと、多分ストーリーって十分に伝わらなくて。
しかも、すごい競争環境が激しくなってるわけなので、やっぱりプロダクト中心のブランド作るのってどんどん難しくなってると思うんですよね。
プロダクト自身もコミュニティ化もしているので。
いろんなブランドと話すと、やっぱりTikTokで大きくなりたいですと。
やっぱりショートフォーム動画が認知に一番つながる手法なので、そこでバイラルするようなアイディアとかシリーズみたいな案ってないですか?みたいなこと聞かれることってあるんですけど。
若干このTikTokの扱い方が間違ってるって言うほどでもないですけど、ちょっと勘違いしてる部分があるのかなと思っていて。
TikTokをもっとテレビとして扱うべきかなと思っていて。
これも過去にちょっと話したところだと思うんですけど、YouTubeとやっぱりあっという間に違うのが、YouTube…
もうちょっとTikTokっぽいですけど、YouTubeそのものですとやっぱり自分が好きなクリエイターを探しに行って、そこの動画を見るっていうもうちょっとアクティブな体験と比較して、TikTokですと完全に受動的パッシブな体験が強いので、
いろんなテレビを見てチャンネルオーバーって書いてるような感覚なので、今のブランド側のTikTokの扱い方がテレビなんですけど、テレビのすごいインフォマーシャルって分かります?
草野 みき
広告みたいな。
宮武 徹郎
テレビの広告なんですけど、すごいちょっとオーバーな感じのコマーシャルが多いんですけど、必死にアテンションを捕まえようとしすぎてる感覚がありまして、どちらかというとTikTokをテレビみたいな扱いするべきっていう話は、
ブランド自身がもっとテレビ番組を作る感覚でTikTokを考えるべきかなと思っているんですけど、このすごい良い事例がちょこちょこ出始めてるんですけど、その中の一つがあるニューヨークのカーディーラー、これマンハッタンの中ではなくてちょっと外にあるところなんですけど、彼らが作ったTikTokシリーズがすごい人気テレビ番組のThe Officeにすごい似てるんですよね。
彼ら、僕が最後見たところだと11エピソードぐらいリリースしてるんですけど、合計1000万再生ぐらいまで伸びていまして、一番人気のエピソードが300万再生ぐらいいっているんですけど、
アイディア自体は新卒が考えていて、そのカーディーラーに入った新卒で本当に彼女が他の何人かチームメンバーと一緒に毎週作っているっていうところなんですけど、これがまさにテレビ番組化するっていうのすごい良い事例かなと思っていて、
最初は別にすごいお客さんのコンバージョンにつながらないと思うんですけど、ブランドをIP化するっていう意味合いだと、やっぱり未来の需要を作っているところにすごいつながるのかなっていうところで、そう考えるとブランドとしてはTikTokで何かをやりたいって考えたときに、どういうテレビ番組のジャンルを作りたいかみたいなことを考えてもいいのかなっていうところですね。
草野 みき
なんか、どっかのタイミングで、なんかシットコムみたいなのってすごく、今のYouTubeとかショート動画にフォーマット合ってますよねみたいな話とかはちょっと近いのかなとか、あとブランドアーク、ブラウザのアークがやってる番組とかも、なんかそのフォーマット決めて企画決めてみたいな、それあんまりブランドの名前出さずに、
なんか番組としてやっていて、何々byショピファイとか何々byストライプみたいな、なんかそういうくらいのがちょうどいいのかもしれないなっていうのは最近思いますよね。
宮武 徹郎
ここもどこまでブランドを投入して投入しないかみたいなところはすごい難しい判断で、結局最終的にコンバージョンにつながらないと意味ないので、そこら辺をどうするかっていうのは色々あったりすると思うんですけど、なんかこれもジャンルを考えるときって、例えばそのラクジュアリーブランドとかそのヘリテージ歴史があるブランドって、なんかもうすでにこういう取り組みって始めてると思うんですけど、映画とか作ってるわけじゃないですか。
日本語だとなんていうタイトルかわかんないですけど、英語だとここbeforechannelっていう、あとハウスオブグッジとかもそうですけど、それこそシリアートークでも話したように、LVMHもメディアエンタメ系の会社を作ったりとかまでしているので、
すごい大ヒットした事例で言うと、これは別に意図的にこのブランドがやってたわけではないですけど、サクセッションとかによってロロピアーナがすごい人気になったりとか、クワイエットラクジュアリーっていうものがどんどん流行りだしたりとかしていますし、
宮武 徹郎
しかも、よりニッチなコンテンツとかもどんどん流行り始めてるっていうか、よりそれを求めてる人たちも増えてる気がするので、そういう意味でも特定のドキュメンタリーとかもすごい気にする人は出てくるかなと思います。
でも、このストーリーテリングっていうところは正直多分、もっと我々もそうだと思いますし、スタートアップもブランドも大企業もそうだと思うんですけど、やっぱりうまくストーリーテリングできてる会社って結構限られてると思いますし、
このストーリーっていうものは、もちろんエンタメ性があった方がいいと思うんですけど、同時にその会社の倫理とか道徳、モラルみたいなものをしっかり伝えないといけない。いわゆるブランドの宗教性をいかにちゃんと伝えられるかっていう話。
結局、例えば聖書を見ても、あれっていろんなストーリーなんですよね、結局。そこに明確にこれをやれっていうルールを書いてないっていうのは、なんかそれってすごい重要なポイントだと思っていて、エンタメ性があるストーリーの中でしっかりそのモラルとか倫理を伝えるっていうものが聖書の一味方だと思うので、
それと同じような感じで、ストーリー設計っていうのは必要で、その中でやっぱりこのヴィラン役ってすごい重要、必ずしも必要ではないものの、あるとすごいストーリーが盛り上がったりとか、新しい方向性につなげられるっていうところと、ヴィランってやっぱりすごい好きな人が多い。
ディズニーも、もう最近発表ありましたけど、ヴィランランドを作るぐらい。
草野 みき
気になるな。
言ってみたいんですよね。
宮武 徹郎
匂いとかどうなるのかなっていうの若干気になりますけど。
草野 みき
匂い、どうなると思います?
宮武 徹郎
意図的にどう暗くするのかなっていうの思いますけどね。
草野 みき
確かに、黒と緑と紫とみたいなイメージですよね、ディズニーだと。
宮武 徹郎
なんか、外じゃないっていうパターンってあるんですかね。
それはさすがにないですよね、多分。
草野 みき
今、ディズニーシーンのアリエルのエリアみたいなイメージなんですかね、なんか中に入ってて。
ちょっと暗くて、室内で煙が湧いてて、みたいなのができそう。
宮武 徹郎
そこの設計はすごい気になりますけど、なんかやっぱり、このヴィラン役ってすごいみんなが好きな中で、
実はあんまり、いろんな研究はあると思うんですけど、スタートアップ側での研究って少ないと思っていて、
そこら辺をもっと深掘れる人たちがいるんじゃないかなっていうのは思いますし、
なんか全体としてブランドをテレビシリーズとかIPとして見るっていうのは、
すごい必要なシフトになるのかなと思っています。
やっぱり今ですと、過去にこのシリーズの初めで話したナイキの話と似たような感じで、
やっぱり短期的にアテンションを取るスキームを考えているブランドがめちゃくちゃ多い中で、
それプラス長期でちゃんとロイヤリティのあるファンを獲得するっていうところまでつなげるのが、
このストーリーの設計の重要なポイントかなと思うので、
単純に面白いストーリーを作るだけだとブランドとして成立しないと思うので、
ちゃんとそれが会社の良いファンとかよりお金を出してくれるファンみたいなところにつなげられるっていうのが重要なポイントなんですけど、