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みなさん、こんにちは。今日も明日も授業道、黒瀬直美です。
この番組では、中学校・高等学校の国語教育、働く女性の問題、デジタル教育についてゆるっと配信しています。
今日のタイトルは、高等学校の国語の教科書について現場の先生が語るというタイトルでお送りしたいと思います。
先日、学校に教科書会社の方が来られまして、その時は副教材の営業に来ていらっしゃったんですけど、副教材についてあれこれお話ししているうちに、その方が教科書についてちょっとコメントをいただきたいということだったんですね。
それで教科書についてのいろいろな思いをその時語ったんですけど、非常に熱心に聞いてくださって、ちょっと嬉しかったなと思います。
なかなか現場の先生って忙しくて、じっくりじっくり教科書会社の方とお話をするということがあまり時間取れないんですけれど、その時はたまたま私の方でもいろんな思いがありまして、
教科書会社の方と15分か20分くらい語ってしまいました。なので今日はそのことについていくつかポイントを絞ってお話ししたいと思います。
まず最初に、現場の先生ってとても忙しいので定番教材を使いたがる傾向があるんですね。
私もいろんな学校に勤務してきて、教科書をどれにするかという国語の会議に何回も何回も立ち会ってきましたけれど、意外とやっぱり皆さん定番教材を好まれるんですよね。
新しい教材を私は結構好きなんで推薦するんですけど、みんな苦い顔をなさって、やっぱり教材研究の手間が省けるっていうので、何回も何回もしてきた定番教材が入っている教科書を希望される先生が多いですね。
なので、どうしても定番教材が入っている教科書を採択する先生が多いということは教科書会社の方も、売上を考えると定番教材を掲載された方が多分売上に結びつくんじゃないかと思います。
実際、新しい教材にチャレンジして、もっと授業を豊かにする必要があるんですけれど、現場の忙しさというのはそんなもんじゃありませんので、本当に売上を考えるんだったら定番教材は必須だと思うし、定番教材もやっぱり人気があって、教材研究も安定していて、非常に教えやすいような、そういったものが入っているといいんじゃないかと思います。
1年生だったらラショーマンとかね、木の先にいてとか、それから三月期、心、舞姫とかね、ああいった小説の定番はもちろんのこと、ミロのビーナスとかも鉄板ですよね、であることとすることとか、もう鉄板中の鉄板が入っていると、現場の先生は教材研究の手間が省けるというので、実は喜んでおられると思います。
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それから最近の教科書は、私が高校生だったときと全然違っていて、とても興味や関心を持たせるような工夫がしてあります。
例えば教材に入る前のちょっとした扉の工夫とか、それから脚柱の工夫とか、何よりビジュアルに訴える工夫、図版が多いというところもあって、最近の教科書の丁寧な作りっていうのは本当にありがたいですよね。
ちょっとしたことを説明するのも教科書にかなりきれいに書かれてあるので、とても便利です。という意味でも、ビジュアルに訴える工夫が私にとってはありがたいですね。
それと最近は健康の学習指導要領に合わせて、探究型に寄せてもらっている工夫があります。
例えば、問いを作ってみようとか、課題を設定してみようとか、そういったコーナーもありましたし、それから調べるということについても、ちゃんとアシストできるようなそういうコーナーもあったりして、
実際の授業時間数というのは、社会とか理科の影響で国語の単位数も削減されているから、探究型の授業をしたいと思っても時間数の制約で、実際ガチの探究的な展開というのは難しい状態にあるわけですよね。
なので、教科書で探究型に寄せてもらっている工夫がしてあるのは、ちょっとした探究型の授業を少しやるという点でもいいかなと思います。
だけどもっとありがたいのは、定番教材と読み合わせてできる短い文章があると大変ありがたいですね。
しかもそれが生徒にとってとても親しみやすいとか、それから生徒の生活に近しいといった内容がありがたいですね。
特に私が今教えている論理国語は、生徒の生活実態とかけ離れているような文章が多いので、短い小説とか本とかと読み合わせるということが、この短い単位数の中でできる探究型に寄せた授業になると思うので、そういった教材との読み合わせが効果的だと感じています。
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なので教科書に読み合わせ教材の短めのものを何種類か、生徒のいろんな実態に合わせて選べるような、読み合わせ教材の複数配置ですね。それが本当にこれからあったらいいなと思っています。
それから教科書の内容以外にもですね、実際に現場の先生というのは指導書が使いやすいかとか、付属している問題演習の内容の質の高さ、そういったものを結構見る先生も多くて、
特に生徒の実態に合っているか合っていないかとか、そういったことを見ますね。特に付属の問題集で問題が答えにくい問題だったりすると、もうそれだけでやめようかという話が出たことも過去にありました。
どんな問題が好まれないのかというと、例えばやたらと問題をポンと投げて実質制限もなく記述で答えさせるという、そういう丸投げ方式の出題というのは好まれませんね。
生徒自身がそれを自分で自己採点できないし、先生もそれを答え合わせするのに複数答えが出るというので、非常に授業で処理するのに困ります。
ということで、ある程度客観的に採点できるような、それでいて質がある程度確保されるような問題演習の質の高さというのが決定題になることもありますので、
そのあたり実際現場の先生の声を本音をきちっと聞くといいと思うんですけれど、なかなか教科書会社の方もそこまで現場の先生の本音を聞き取るのも難しいかなと思います。
ということで、教科書会社の方に語ったお話はこんな形なんですけれど、最近は本当に教科書の教材も軸を重ねられて、とてもいい文章がたくさん載っているなと思います。
その文章もやっぱり教材研究の時間が確保されないと活かしきれないと思うんですよね。
なので、現場の先生の課重負担がどんどん年々増す中、教科書に新しくて、それから取り組みがいのある素晴らしい文章をいくら入れたとしても、
先生の教材研究の時間が確保されない限りはそれを活かしきれないというジレンマがあると思います。
ということで、教科書の文章を生かすには、やっぱり先生方の働く時間の確保、働き方改革と、
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先生方の教材研究を少しでも助けるような、そういう教科書会社の方のサービスというのがとても重要になるかなと思っています。
ということで、結構真面目な話になりましたけれど、
そろそろ教科書会社の方も改定が入るということで会議が開かれるんじゃないかと思いますけれども、
少しでも参考になれば私としても嬉しいです。
それでは今日はここまでです。
聞いてくださりありがとうございました。またお会いいたしましょう。