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皆さん、こんにちは。今日も明日も授業道、黒瀬直美です。この番組では、中学校・高等学校の国語教育、働く女性の問題、デジタル教育について、ゆるっと配信しています。
今日は、道徳の時間で、ジェンダーの問題について扱ったことを報告したいと思います。
そもそも、ジェンダーをやろうと思ったのは、夏休み前にリフレットが送られてきて、デートDVのリフレットだったんですね。
これは、生徒に早くから知っておいてもらって、女性に対してきちんとした対応ができるように、そういう意味を込めてデートDVをやったんですけど、
これは結構生徒に刺さりまして、やっぱり自分たちの身近な問題なので、いろんな問題点を動画によって改めて認識し直して、あるべき姿をこれから考えていこうねということで終わったんですけど、
その繋がりで、ジェンダーについて、つまり男女共同参画についてもそのリフレットに書いてあったので、その次の時間は男女共同参画についてやりました。
その動画の中で、どうしても女性の方に家事や育児の分担が多くなってしまうという動画を見せたんですね。
実態としては、厚生労働省の調査によると、2022年の全国家庭動向調査によると、平日で1日の平均家事時間は妻が4時間7分、夫が47分。
どうですかこれ本当にびっくりなんですけど、夫が47分、妻は4時間7分も家事に費やしている。
そして育児時間の1日平均は妻が7時間34分、夫が1時間57分というわけなんですよね。
もう本当に日本というのは圧倒的に家事育児の格差が男女で激しいですよね。
そんなことを動画で流していたので、これはいいわと思ってこれを採用して生徒に見せまして、いろんな生徒の意見を聞いて、
やっぱり家事育児は共働きだったら平等にしないといけないということを言うわけですよね。
そういう思いを持ってもらったのはいいんだけど、私はその中でついつい生徒にこぼしてしまいました。
こんなに女性が家事育児を一点に担うっていうんだったら、このままいったらやっぱり私はもう一度生まれ変わったら絶対結婚はしないって熱く語ってしまったんですよ。
まあね教室はシーンってなりましたね。
びっくりしたんでしょうね。現実に女性がそんなことを考えてしかも結婚しないっていうことを言い切っちゃったんで、
将来結婚ということに夢や希望を抱いている14歳の中学生男子としては純粋なだけに結婚を家事育児の負担が多いからといって全否定するおばさん先生を目の前にして何の言葉も出てこなかったんだと思うんですよね。
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私は言った後ちょっと後悔して、もうちょっとオブラートに包んで言えばよかったかなと思ったんだけど、私もそういった時代に生まれてきた女性としては家事育児と仕事の両立にすごく悩んだり苦しんだりしてきたんで、思わず本音が出てしまったんでしょうね。
でもね、後悔はしたんだけど、現実に生徒がこれからの男女共同三角社会を生きていくに際しては、そういった女性の本音っていうものが身近に聞けたっていうことは大きかったんじゃないかなと思います。
生徒の親御さん保護者もね、やっぱりそういったしんどさを抱えながら生きているんだけれど、子供にはそういうところを見せてないと思うんですよね。
子供にはやっぱり夢や希望を持って健全に育ってほしいわけですから、そういった育児面のしんどさとか生きる上での苦しさっていうのは、保護者の方はなるべく子供には負担をかけないように見せてないと思うんですけれど、
そんな中、私がそういうことをずべっと言っちゃったもんだから、生徒はどんびきというか、しーんとして受け止めてましたね。
ということで、道徳でジェンダーということについて、こういうことをやってしまった、やらかしたっていう報告なんですけれど、
私が中学生の頃は、男女共同で家庭科をやるっていう、男女教習の実験校だったんで、男子と一緒に家庭科をやったりしてました。
それから男女混合名簿にもなっていった時代でした。
そんなふうなことからだんだん男女平等ジェンダーの問題が意識化されていって、今の生徒たちは本当に私たちの頃とは違って、だんだんとそういうジェンダーについてフリーな考え方ができるような素地ができてきたと思います。
そんな社会になってきたんだけれども、まだまだ現実の結婚生活では家事育児の分担に非常な格差がある社会です。
こういう社会をどうやっていったらいいのかということについては、一応動画でスウェーデンとかの例を示しながら解説していったけれど、
生徒がこれから社会の仕組みとか働き方とか、それから政治参画についての男女の平等性とかを担保していくとかそういったことについて、
これからを生きる生徒が少し視点を持って生きていってほしいな、職業を選択していってほしいな、社会で活躍していってほしいなと思うという思いを込めて道徳をやりました。
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でも一回やったんじゃダメなんで、また檻に触れて何かの機会があれば、女性の生き方、男性の生き方、
共に助け合いながら生きる社会というのをどういうふうに作っていったらいいのかについては、何度も何度も繰り返し、
さざ波のように押しては引くさざ波のように、何回も何回も海のように穏やかに優しく繰り返し繰り返し教えていくことが必要なんじゃないかなと思いました。
でも教育ってそういうもんじゃないかなと思いますね。何度も何度も繰り返し、生徒に優しく檻に触れてしみじみと考えさせるようにやっていくというスタンスが大事なんだろうなと道徳の授業を通して感じましたね。
それでは今日はここまでです。聞いてくださりありがとうございました。またお会いいたしましょう。