1. 向井蘭の『社長は労働法をこう使え!』
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2018-03-20 17:18

第137回「質問:休業中の精神疾患の社員が、社員や顧客に異常行動を取っています・・・」

第137回「質問:休業中の精神疾患の社員が、社員や顧客に異常行動を取っています・・・」
弁護士の向井蘭が、経営者の立場に立って、労働法の基礎だけでなく、ビジネスに関する法律の問題をわかりやすく解説する番組です。
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向井蘭の社長は労働法をこう使え 法律のもとで展開されるビジネスの世界
ポッドキャスト社長は労働法をこう使えは、弁護士の向井蘭が経営者の立場に立って、経営者が知っておくべき労働法の基礎だけでなく、
ビジネスに関する法律の問題を分かりやすく解説します。
こんにちは、遠藤和樹です。 向井蘭の社長は労働法をこう使え、向井先生、本日もよろしくお願いいたします。
はい、よろしくお願いします。
今日はですね、質問来ておりますので、ちょっと長いので早速ご紹介したいと思います。
ちょっと立場が、人事の方か経営者の方かっていう感じがします。
精神状態が過度に不安定な30代後半の女性社員がおります。
5年ほど前に精神疾患だと診断され、本人も自覚があり、業務にも支障が出始めたため、一度休業することにしました。
その後、復帰と休業を何度も繰り返しています。 現在は給食中なのですが、社内のみならず社長経営人、
大事な顧客にまで電話やメールをしていることが分かり、どのようにしているものか頭を悩ませています。
顧客からも、Aさんから変な連絡が来た、どうなっているんだ、などと不安と不審を感じるような連絡もあり、
会社としては正直被害を囲むようになっています。 配偶者や両親と同居しているようで、何度か何度も面談を行ってきましたが、
今回のことで再度面談をいたします。 これらを踏まえた上でアドバイスをいただけないでしょうか。
大変ですね。
大変ですね、生々しいですね。 これちょっと私的に言うとですけど、こういう結構本気相談じゃないですか。
あんまり慣れてないんですが、こんな感じですか?普通ですか? こんな普通です。
え、遠藤さん、前大企業にいらっしゃった時、こういう方、社員でいませんでした?
もちろん、いっぱいいましたよね。 いっぱいいたんですか?
私、昔の会社行ってないですよね。だから大丈夫です。 なので、はい、いらっしゃいました。
え、いっぱいいたの? いやいや、本当は良かったですよ。
特にやっぱりね、その辺が流行ったっておかしいですけど、言葉も流行りだしてた時期にやってたんで、相当いましたよ。
ですが、そうですね、その頃思い出すと確かにこういうのありましたね。
単に具合が悪くなるだけだったらね、まあよくありますけどね、ちょっと課外、営業妨害、もしくはちょっと他人の業務を邪魔するところまで行くと、ちょっと別の問題が生じますよね。
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でもまさにそういう状況になってしまってますよね。 ですよね。
ただ、なんかこう退職の方にとか、退職勧奨とかそっちの方をする感じもちょっとしないですよね。本当にどうしようっていうのはどうなんですか?
あのちょっと私素人なのでわからないんですが、前同じような案件があって、それは送局性障害といって、昔でいう相打つ病と言われておりまして、
季節によってちょっとこう精神状態が変わって、場合によってはすごくこう気持ちが高ぶって、
突然寝ないでずっと行動したり、すごいメールをいろんな人に打ちまくったり、
社長さんに直接ズゲズゲ物を言ったり、誰かを攻撃したり、そういうことが結構ある方がいらっしゃって、
それは突然その方辞めましたけども、やっぱりそのプロセスで会社を占ってまして、その後訴訟になりましたね、辞めた後に。
その辞められた方が会社を打たれたんですね。
やっぱり内容はちょっと言えないですけど、いろんな会社からすれば迷惑行為をなさっていて、
訴訟よりも迷惑行為を起きないようにどうしたらいいかっていうのがすごく深刻な問題でしたね。
今回も結構その事案と似ていて、今はまだ辞めてないので、辞めさせるために何か不責を移ったよりは、
どうやったら止められるかということなんですけど、一つはよくあるやり方なんですけど、
配偶者、家族に電話したりあったりして、ちょっと止めてくれないかっていうことをやる場合があるんですけど、
会社の方が、その方の家族に相談して。
これはほとんど失敗に終わってますね。
家族からしたら、あんまり現状を認めたくないんですよ、そのまま。
自分の家族とか、息子娘とか旦那さんとか配偶者の方が、そういう状態になっているっていうことを認めたくない。
会社のことをそのまま受け取って、会社の思う通りにその方の行動を制限したり止めたりしてくれる人ってほぼこれまで、
私が相談を受けたり担当した案件では皆無ですね。
むしろ配偶者はね、本人に仮誠するわけじゃないんだけど、存在感が薄いですよ、大体の事案は。
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透明な存在とは言わないですけど、存在感がない。
だから本人を止めるわけでもなく、会社を攻撃するだけでもなくて、言われたことをそのまま本人に言う。
本人から言われたことをそのまま会社に言う。
もうどうしていいかわからないんだと思うんですよね。
すごく苦しい感じですよ、身内であれば。
会社も苦しいから、何とかしてくださいよと言うんだけど、そんなに会社の思う通りには動かないですね。
どうするかってなると、比較的やっぱり規模はある中小企業でも産業員の先生がいらっしゃるから、
産業員の先生にお願いするんだけど、産業員の先生もここはやっぱり引きがちですよね。
引きがちという。
ひかつ、あんまり関わりたくない、そんなに積極的に関わりたくない。
関わりたくない?
ない。
先生が意見を取っているところもあるんじゃない?
いやいや、通りっぺんのアドバイスをするだけで、こうしろあしろっていうのははっきり言わないですね。
となる。
となると残っているのは何でしょうか。
家族ダメ。
ダメ。
産業員ダメ。
ダメ。
弁護士の先生。
もっとダメみたいな。
もっとダメって、そんなことはないです。
え?
医者。
うん、医者。
はい。
もう一人いるじゃないですか、違う立場の。
主治医。
そう。
この先生がキーポイントなんですよ。
一番本人のプライベートな悩みとか健康状態を知っているのは主治医の先生なんですよね。
だいたいかかりつけのお医者さんが決まっていて、診断書を出す際の作成意思はだいたい決まっているので、
いかにしてその先生にアクセスして意見をもらうかっていうのがポイントなんですよ。
これは裁判例でもありまして、名前は言っていいと思いますけど、マガジンハウス事件っていうのがあって。
雑誌社の有名な。
ちょっとやっぱり同じような病気にかかっているような案件で、
ちょっと迷惑行為を休職期間繰り返してる案件で最終的に解雇したんですけども、
その中で休職期間中にこういう行為をしちゃいけないんじゃないかと、
おとなしく安静にしてないといけないんじゃないかっていう論点があって、
マガジンハウス側は療養専念義務っていう言葉を出していて、
それは有名な法律事務所の、私と同業の有名な法律事務所の先生も関与されてると思いますけども、
そういう義務に違反してるんじゃないかっていうことになったんですが、
裁判所はその言葉を使うからさておき、やはり主治医が認めた範囲ではそういう義務あるよと。
主治医の先生は組合の外線活動とかは控えなさいっていう診断してたんですよ。
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診断書があったのか面談で聞いたのかちょっとわからないんですけど、ちょっと忘れましたが、
なんでやっぱり裁判所も主治医の先生の診断には乗りやすいんですよね。
なのでやっぱり主治医の先生にまずは話を聞かないことには、話なんて聞けるんですかったら話してくれます。
話してくれる。ただ一つ条件があってそれはご本人が同席している場合ですよ。
ご本人が同意している場合。
ご本人が同意して一緒に行けば何かしら話はしてくれます。
で、文章よりもやっぱりあった方が全然違います。
主治医の先生も知ってるから。本人のその症状とか。
だから面談によってはやっぱりやめましょうねと。
その休み中は仕事に関係する人に連絡するのはじゃあやめましょうかと。
私としてもそれは同意しますと言ってくれればこれは法的義務になって
これにやっぱり度重なる違反を繰り返した場合は懲戒処分できますね。
ここまで行くとねやっぱり休職期間満了でそのようなことを繰り返している場合はやっぱり業務に復帰できないと判断して
休職期間満了、解雇、自然退職。これは有効になる可能性が極めて高いですね。
まずは主治医の先生にアクセスするっていうのが大事で厚生労働省はここから逃げてるんですよ。
厚生労働省のあの復職支援の手引きからは主治医っていうのはやっぱり副次的な位置づけなんですね。
あくまでも産業医なんですよ。
だけど実際じゃあ産業医の先生全部知ってるか知らないから本人の本当のことは。
主治医がポイントになるんですね。この辞める辞めさせないって話になると。
裁判所もやっぱり産業医の先生も重視しますけど主治医が一番重視する傾向が強いんですよ。
そこにアクセスしないことにはなかなか居得地がないですね。
ああそういうものですね。
これはもう一貫した傾向です。
だけど法律にも書いてない。厚生労働省もはっきり言わない。
裁判所の判決とか労働審判とかの心理で僕らがひしひしと感じてることなんで。
ここはちょっと主治医の先生に会ってくださいと。
会っても無駄だと。やっぱり会わないとわからないんですよ。
事実をまず揃えるって意味でも一番持ってるのが主治医の先生ってことですね。
フラットな見方での。
本人も大体ね自覚症状ある程度あるはずなんで。
今日このご質問者からすいませんとわかってはいるんですけどとかね。
言うとは思いますよ。
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話した内容をまとめて議事録にして取っておくとか。
先生に確認のファックスを送ったりとかして記録化しておいた方がいいですよね。
そういうちょっと難しい問題で。
その上で産業院の先生の意見を聞くと産業院の先生もやりやすいんですよ。
それはやっぱり主治医の先生の言う通りだと。
そっちになびくというか。
だってやっぱり本当に医師として診断してないからね。
踏み込めないですよね。
そうですよね。あくまで産業院。
ちなみにこの方はその話を踏まえた上でご家族と会うことは一旦決まっているというふうに書かれていたんですけど。
いいと思いますよ会うのはね。
ここにおいては冒頭で家族に行ってもなかなか解決するものではないという話があったじゃないですか。
会う上でどんな話をした方がいいとか。
やっぱり期待しないことですよね。
家族が会社の代わりにいろんな止めたり説得したりとかそういうのは期待しない。
情報共有こういうことをしているんですと。
僕らちょっと困ってますと。そのぐらいじゃないですか。
本当にあくまでも情報共有にとどめ。
そのいろいろその別に懲戒にするとかいうことがゴールじゃないと思うんですけど。
いろんなことを整理していく上で一番大事なのはまず主治医に会うということは。
その場合はご家族とかに協力と本人にも協力してもらって。
もちろんそうですね。
診断したいということをお願いするしかないですもんね。
あくまでも本人が拒否。
主治医なんかとんでもないって拒否した場合は
次は会社指定するお医者さんの診断を進めて。
それでも拒否した場合は産業医面談しかないので
産業医の先生の見解が重要になりますよね。
そこまで拒否してる事案は会社の言い分は通る可能性極めて高いですよ。
経験上そうですか。
不誠実だと。
その労働者の態度もね。
まったく会社側として努力してるのに協力しないと。
そうすると産業医の先生の発言は重みを増しますよね。
もう限られた材料で産業医という人はこう思いますと言っていただければ
それに従って本人に対して厳しめの文書なり書文なりはできるようになりますね。
引いてはそうやって積み重ねていくと結果的には
給所期間満了退職ということも可能になる。
ただ怖いのは恨まれると怖いですよ。
恨みが残るっていうのはやっぱりちょっとまずいので
やっぱり何着陸目指すしかないですよね。説得してね。
最後に主人の先生とお話をするときそこまで持っていけたとして
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どういう話すときのポイントがあるんですか?
ポイントは主人の先生と議論しない。
言いまかそうとしない。説得しようとしない。
あくまでも教えてくださいという立場でいくことですね。
警戒してるから。
その教えてくださいというのは現状を?
現状を教えてくださいと
会社として困ってるんですが
本人もいるんですよね?
いるいる。そこは結構難しいけど
でも意思としてそんなに
闇雲、いろんなところに電話したりメールしたり
迷惑行為繰り返してるのいいとは思ってないから
何らかのことは言うはずです。
私からも本人には言っておきますとか言ってくれるから
自由気ままにやるのが治療にいいんだとか
言わないと思いますよ。
私からも安静が望ましいと思ってますとか
口頭でもそういう発言いただいたらいいですよね。
なるほどですね。そこがポイントになってるわけですか。
久々に生々しいご質問だったので
向井先生のご回答も非常に現実的な話で
とても勉強になりましたので
ぜひこの方はこれから苦労もあると思いますが
うまく今の話を活用していただいて
活かしていただきたいですね。
というわけで本日もありがとうございました。
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