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向井蘭の社長は労働法をこう使え
法律の下で展開されるビジネスの世界
ポッドキャスト社長は労働法をこう使えは
弁護士の向井蘭が経営者の立場に立って
経営者が知っておくべき労働法の基礎だけでなく
ビジネスに関する法律の問題を分かりやすく解説します。
こんにちは、遠藤和樹です。
向井蘭の社長は労働法をこう使え
向井先生、本日もよろしくお願いいたします。
はい、よろしくお願いします。
さあ、いろいろ向井先生のお話聞きたいんですが
今日質問が長いのでね、早速ご紹介していきたいと思います。
かなり濃厚な内容なんですけれども
なるべく割愛しつつ読みたいと思いますので
お付き合いいただけたらなと思います。
いつも楽しみに拝聴しております。
向井先生が経営者側の弁護士の先生ということは
存じてあげているのですが、
どうしてもお聞きしたいことがあってメールいたしました。
長文になりますがよろしくお願いいたしますということです。
過去の話のようなんですが、この方、パワハラがきっかけで
ある上場企業を退職したそうです。
私は修行の資格を持って入社したため
直属の上司である取締役は重要な仕事を全て私に押し付けて
定時後はすぐに飲みに行っていました。
帰りはいつも朝になってホテル生活をするような日々でした。
ホテル代は地払い。
残業は早めにタイムカードを切らされていたにもかかわらず
毎月180時間ほど土日も出勤していたそうです。
通常業務文書に与えられている仕事以外にも
お茶だしや掃除などの雑用、その他経営関連の資料など
様々な仕事をさせられておりました。
取締役の方はあいつらに任せても遅いし
全然思うように資料が出来上がらないと
あなたが重要だということで
資料に関しては全て私に振っていました。
何度も少し早めに指示を出してほしいという要望などをしたのですが
取締役の方は君がいてくれてよかった
こんな仕事誰にも任せれないよと
私もその言葉には少し嬉しさもあり頑張ろうとしていました。
その状況をよく思わない方がおりました取締役の秘書の方です。
当時私は20代、相手の秘書の方が50代
取締役の方が私にばかり仕事を振って
私が作った資料を褒めているのを見て
とても不快に思ったようです。
時には挨拶しても返さないのはもちろんのこと
私がその人宛の電話を繋ごうとしても
出てくれずに勝手に切ってしまったり
取締役の方のお客様へお茶だしをしようとすると
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あんたが淹れたコーヒーなんてまずいんだから捨ててきなさいと大声で言われ
会社の購入していたドリップなのでまずかったとしても
私のせいじゃないのですかといったような
いろいろと嫌がらせのようなものを受けていたようです。
社内では私の根も葉もない噂を封じをしたり
悪口を堂々と言うような形になっていました。
とはいえその方は社内でも一目置かれており
その人に目をつけられると若い女性が
これまで何人も病気でやめたという実態もあったようです。
そんな私はいじめを受けても強い気持ちでいようと
最優秀は笑顔で対応していましたが
連日の残業による睡眠不足や体力低下で
心も弱ったこともありある日ポキッと折れてしまいました。
いじめが始まって数ヶ月後に人事に相談いたしました。
ちなみにこれまで産業医や相談窓口に相談しても改善しなかったので
取締役本人にも直接相談したことがあるのですが
俺があいつにお前をいじめるなと言ってやる
俺が守ってやるからと行きまいていたため
これではさらに状況が悪化すると判断し
人事に相談することにしました。
人事に相談したところかなり深刻だと受け止めてくれた担当者は
弁護士や内部監査など部長も入れた上でヒアリングをしてくださいました。
私は今までのことを洗いざらい話
それにびっくりした役員たちは絶対に改善すると約束をしてくださいました。
その時秘書の方にアプローチをする際くれぐれも私から聞いたとは言わずに
今まで多くの社員が辞めたり体調を崩した人がいるからという点でアプローチしてほしいと
そうじゃないとまたいじめられると思うと伝えました。
そこにいた誰もがそれは当然のことだと
君に辞められたら絶対に困るからそんなことはしないと言ってくれたので
私は安心しておりました。
翌日その秘書の方にあるところで呼び止められ
言われた言葉が
まさかという気持ちでしたが結局しゃべってしまわれたようです。
それを話を人事にしたところ
ごめん私が別の役員に話したらその役員が全部話しちゃったみたいだとのことです。
とても軽い謝罪でした。
こんなに軽々しく扱われて私は本当に悲しい気持ちでした。
もう何も信じられなくなり私はそこから数ヶ月会社を休む選択をしましたが
結局居心地の悪さから退職を決めたということですね。
今は現在は別の仕事をして楽しく暮らしているというふうにおっしゃっております。
ただあの時のことが若干トラウマのようになっていていまだに夢を見たりします。
あの時私はどうすればよかったのかとよく思い悩む次第です。
色々な問題がはらんでいた職場でした。
私はまず誰に相談すればよかったのか
仕事を押し付けてくる取締役への対応、秘書への対応、人事への対応
一体こういった状態で労働者はどのように自分を守って良いのか分からない人も多いと思います。
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私がやった方が良かったこと、やっていたらどれか変わったこと、訴えることも含め
何か向井先生の方でアドバイスいただけないでしょうか。
回答をお聞きして行動することもありませんが
自分の中でこうすればよかったんだという結論が欲しいですということですね。
結構生々しい情報が多かったので
少し撮影して本人の方がバレないようにというのもあって
若干省略してしまったところもあるんですが
これはドラマじゃないですか。
言葉を失う、もっとすごいですからね。
言文はね。
柔らかく表現してみました。
過去のこととはいえ、こんなご相談していただくなんてありがたいです。
これはどうですか。
よくあるなと思うのは、まず一つは
報復ですね。
壁ドンして
あんたは私のことをパワハラだと言ったらしいねというのは
よくあります。
普通、これ聞いてても
あいつじゃねえかって思うぐらいに色んなところである話ってことですか。
今はパワハラ面の加害者は最後にメンタルするんですけど
くれぐれも犯人探しとか
威圧的威迫的な言動はやめてくださいと
それだけで
服務規律違反懲戒中に当たりますよと
言うように言ってくださいと言ってもやるからね。
やらない人いない?
やらない人は少数派でしょうね。
いないとは言い過ぎですけど
半分以上の方は頭に血が残ってやるから
よくあるなと思ってそこは聞きましたね。
あとは人事の人は口が固い方が多いんですけど
喋っちゃったんですね。
ただ役員に喋るのはしょうがないですもんね。
役員の方が喋っちゃったって話は人事の問題というよりも
しょうがないですね。
喋るとは思わなかったんでしょうからね。
認識がちょっと軽い役員の方だったんですね。
ですよね。
あとバレますよね大体。
私のことが言ったとは言わないでくださいっていうのは
大体バレるんですよ。
もうそんなに接触する人が多いような人とは限らないから
大体2人3人くらい候補の人が浮かぶんでね。
大体バレますね。
犯人探しもするし。
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そんな中において。
じゃあこのすごい大変だったと思うんですけどこの方。
とはいっても一旦ちょっと客観的にこういった事例というのは
意外と珍しくもないってことですか?
うん。このパターンは珍しいね。
これは珍しい。どこですか珍しい?
要は直属の上司じゃない秘書の方が
ネタンで嫌がらせしてくるってのは珍しいですよ。
直属が多いんだ。
直属が多いですよ。
ネタで嫌がらせをしてくるっていうのは珍しいと思いますね。
ただ取締役の方ももうすでにパワハラをやっていて。
ん?この時点で?
この時点で。
取締役の方がパワハラ問題がある?
はい。
そこなの?まずポイント。
過剰な業務量を命令するっていうのは
実はパワハラの一類型に当たるんですよ。
ただこの取締役の方はちょっと上手というかね
人の使い方というか口が上手いというか
なんだけどこれが本当だとしたら
この長時間労働が本当だとしたら
これ自体がパワハラに実は当たってるんですよ。
残業代早めに切らされて毎月180時間の残業。
人事が深刻に受け止めたというのは
ここも受け止めてるんです実は。
だけど人事の方も会社員ですから
なかなかね取締役の方がパワハラをしてるということを言いづらいな。
そうですよね。
そっかそっか。
それで困っちゃって
これどうやって解決したらいいかなって悩んだんだと思います。
ですので今更私が言うのもなんですが
実はこのこなせないような業務量
しかも泊まりがけのね
ホテル代自腹って書いてある。
自腹の業務量はこれ自体パワハラなんですよ。
体調不良になって休んだのも
これも労災申請すれば通っちゃうレベルなんですね。
個人的な病気じゃなくて業務上災害になっててもおかしくないんだけど
この方とても言い方というか非常に優しい方なんで
むしろ良い方に捉えて今日まで来ましたけど
実はこの段階で会社を辞めるか改善してくれるかを
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人事なりに言わないといけなかったですね。
秘書の方のこれは何て言うんですかパワハラに近いんですね。
ハラスの前に
まず薬品の方取締役の方のパワハラ問題があって
取締役の方の態度も非常に問題がありますよね。
1時間2時間残業するレベルじゃないったらもう分かっているのに
次から次へと仕事を回しているっていうのは非常に問題があって
私であればこの時点で自分の仕事が
私であればこの時点で人事に言って業務量が非常に問題があるということで
4割取締役に言ってくださいと改善できなければ辞めますと
これは効き目抜群だから
辞めるって言うと辞めた後何するか分からないから
会社のコントロールに効きませんから
本気になって取締役に話すと思うんで
退職カードってあんまり切っちゃいけないんだけど
本当に辞めるんだったらはっきり言って
今の環境であれば別に大げさじゃなくて辞めますと
この環境を人を増やすなり業務量を減らすなりしてくださいと
そうでないと辞めますとこれは脅かしでもなくて
事実なんでただ会社は好きなんでぜひお願いしますと
言うともしかしたらこの取締役の方との関係が悪くなるかもしれないですけども
そうだったらそのレベルの上司だということで辞めた方がいいですね
この秘書の方のそもそもの取締役の方のパワハラによる
絶対勧告的な話と
そんなんだったら辞めた方がいいじゃないかって話の中で
やっぱりとはいっても精神的に追い詰めてこられた秘書への
どっちかというと感情的な怒りというかそれもあるじゃないですか
なす術なしなんですかこの環境下においてこういう方に対しては
なしでしょうね
ないんですか
秘書の方はもちろん問題なんですけど取締役は非常に問題がありますね
そっちに目線いくんですね岡井先生は
非常に問題があるわざと意図的にやってる可能性が高いので
だからその時点で辞める覚悟で改善に動いて改善しなければもう辞めると
こういうことをやっていれば
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今ご質問は過去どうしてればよかったですかってご質問なんで
ものすごい量の残業が改善されなければ辞めるべきであったと
その時点で辞めればその後の秘書の方との圧力もないですから
そういうことか本当に早い段階でということですね
早い段階でうまく相手を褒めておだてってパワハラやるっていうのはあり得るから
頭いい人は怒鳴ったりしないんだよね
むしろ怒鳴ったりする人の方が単純でやりやすい時が多いんですけど
頭いい人はこうやって動かすから人を操って
なのでこの時点でもう考えるべきだったかなっていうのが僕のアドバイスで
秘書の人についてはこれ最近ベストセラーに載ってる本があって
頭にきてもバカと戦うなっていうのなんですよ
なんかドラマになったやつですか
ドラマにもなったのかな
映画ですか
頭にきてもアホとは戦うなと
頭にきてもアホとは戦うなと
田村幸太朗さんという元国会議員の方の本
田村さんこんな本出してるんですか
もうでもねこれ見たら4年前
もう5年前ぐらいの本なんですよね
急に紹介されて売り始めて
堀江さんと西野さんが協調でバカと付き合ってましたよね
あんな感じなんですかね
ちょっと分かんない
ちょっと違う
頭にきてもアホとは戦うなと
っていうことなんで
ですから戦っちゃダメなんですよ
戦っちゃダメで
まだ取り締めにくいです
言えば分かるから
戦うっていうのは相手にするなっていう意味だから
日本語は
いいですそれは
だけどこの秘書の方は文面からしても
同じレベルで争ってはダメな人だから
人事に言ったりとか
内部監査室に言うっていう時点で
もうあんまり良くない結論が出るから
だからもう辞める覚悟で
もっと早めに辞めるべきだったということですね
これはすごい一般的にこれ聞いたら
皆さん思う気がするんですけど
この秘書の方は
この人事とかに話が行った段階で
この秘書の方が辞め
どっちかというと変な話で結構パワーあるじゃないですか
という解釈した上で
この方が退職勧告されるとかっていう
ことにならないのかっていう疑問が浮かぶんですけど
いやしたいでしょ会社としては
できない
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できないですか
できないんだ
できない
なんでできないんですか
日本の会社の体質ですね
やっぱそういうもんですか
別に退職勧告ってそんな法的な規制はないですから
こういうことがあって
非常に過去の事例もありますので
会社としてはお辞めいただきたいっていうのは
外資企業だったらすぐ言うけど
すぐはすぐじゃないけど
言うけど
日本の会社の観光というか文化というか体質として
辞めろって言っちゃいけないっていう
そういう会社として文化があるんですよ
そっち言うか
だから僕はおかしいと思ってて
それが本当に人に優しい制度かっていうと
そうじゃないわけですよ
これ見ればわかるけど
まともな人がどんどん辞めていくわけですよ
逃げてるんです
日本人は
人とぶつかり合うとか
そういうことから逃げて
昭和平成と来てるんで
こうなっちゃったんですね
なるほどですね
改めて正義になりますけど
取締役の方のパワハラというところで
まずは手を打つっていうのが
今ファーストステップだったと
その後のこの人の問題に関しては
もう戦わずに
去るという選択肢しか
去るという選択肢を前提に
お手紙を書いて
通知をして
報復とか来たらすぐ辞めるとか
トータルで言うと
この方の退職の結論というのも
向井先生的には
もちろん
もっと早く決断すべきだった
という人事だからね
言えるんでね
大変申し訳ないけど
なんか偉そうに
私だったらどうするかななんて言われると
でも僕そんな仕事できないから
そもそもこんなことになってない
おそらく僕が会社になったら
あいつらできないから
みたいなできないフォームに
言われるタイプなんで
めちゃくちゃ仕事ができるがゆえの
この経験なんですよね
できることなんですよね
前職先では非常に評価されて
今充実されている
で回復されてますね
楽しく暮らしています
ということなんで
ただいい経験になったんじゃないですかね
これからいろんな方と
仕事上付き合わないといけないでしょうから
その時に早く逃げるほうがいいと
チャンス与えて相手に
そのぐらい私は価値があるんだ
ということが分かったんで
いいんじゃない
本当ね
健康は回復してよかったと思いますけど
そのぐらい
いい経験になったと思っていただいたほうが
いいんじゃないですかね
非常にセンシティブな内容なので
このぐらいの柔らかさでしか表現できない
ところもあると思いますけど
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こういった本当に深刻なお話を
向井先生のところに
わざわざこうやっていただいて
非常に嬉しい限りですよね
ぜひとも頑張っていただいて
また何かありましたら
ぜひともお待ちしておりますので
ご紹介させていただきたいと思います
というわけで向井先生
本日もありがとうございました
ありがとうございました
本日の番組はいかがでしたか
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