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ミシマ
皆さんこんにちはミシマ社ラジオです本をあまり読まない人も本好きな人も思わずその本を読みたくなるそんな時間をお送りします
出版社ミシマ社が運営する本との出会いがちょっとだけ広がるラジオです
フジモト
こんにちはミシマ社の三島邦弘です アシスタントのフジモトです
ミシマ
はい 今日はですねあの前回はあの益田ミリさんの『今日の人生3』のことをお話ししましたけれども
実は3月にですね出ている本でもぜひ皆さんに読んでいただきたいそういう一冊がありまして今日はまたゲストをお迎えしております
また社内ゲストなんですけれども今日はスミチハルさんに来てもらってます スミさんよろしくお願いします
スミ
よろしくお願いします
ミシマ
はい スミさん今日は
お手元にある一冊ちょっとタイトル読み上げてください
スミ
はい 青山ゆみこさんの本で『元気じゃないけど、悪くない』
です
ミシマ
このタイトルいいですね 本当に素晴らしいですね
深い 『元気じゃないけど、悪くない』
これね聞いていらっしゃる方もそうかと思っていらっしゃる方多いんじゃないでしょうかね
スミ
そうですよねなんか元気じゃないけどっていうところで一回ちょっとほっとして悪くないで
あそうかってこう視界が開けるような感じがしますね
ミシマ
ちょっとこのタイトルだけでもいっぱいお話したいこと溢れてくるんですがちょっと中身どんな本かちょっとスミさんから紹介してもらえますか
スミ
この本は青山ゆみこさんがご自身の経験について書かれたエッセイとかいうかノンフィクションの本で
青山さんは今ちょうど50代に入られたっていう方なんですけど
ちょうどこの3年間ぐらいですねあの心身の不調にすごく悩まれて
あの本当心がポキッと折れてしまったそのどん底からまさに本当に元気じゃないっていう状態からちょっとずつちょっとずつ
あの足を一歩踏み出して変わっていくっていうそのストーリーを書いてくださった本です
ミシマ
なるほどこれ今回あのスミさんが担当編集されたわけですけどもあのどんな思いで編集されてたんですか
スミ
そうですねあのこれもともとはあの「みんなのミシマガジン」っていうそのウェブマガジンの連載で書いていただいてたんです
であのその時はあのそのすごくテーマが豊富な本でそのその年齢から来る不調のこととか
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スミ
あと家族との関係のこととかあと大事にされていた猫を失ったこととかですね
あとお酒との付き合いとかあの本当にいろんなことをあのテーマごとにウェブで書いてくださっていて
であのそれ自体がのとてもあの面白くてであの一冊の本にしていきましょうってなった時に
あのそのそれぞれの問題というかテーマが青山さんの中で人生でどういう順番で起こってどういうふうにつながっていったんだろうっていうのが
あの気になってでお話ししていく中でこう全部をつなげて書いていただくってことになったんですね
でそうしたことですごいこう一つのストーリーとして『元気じゃないけど、悪くない』という物語が出来上がってきたっていう感じです
ミシマ
まあとにかくやっぱ青山さん上手いですよね文章がね
スミ
そうなんですよ
ミシマ
構成文章あと見出しあのもう僕たちが全部こう教わるような感じというかですね
上手いって思いながら僕もあの今回ちなみに僕は編集アシスタントをしておったわけなんですけれども
スミがメインになって僕は影でいろいろ一緒に読んだりしてたわけなんですが
まあ本当やっぱさすが青山さんすごいなと思いながら僕は読んでました
でスミさんは結構だからグッとこうねあののめり込んでというか作品にもグッグッと引っ張られながら
やっぱ編集してたように見受けられたんですけどそのあたりどうですか
スミ
いやそうですね本当にあの青山さんは編集者としても大大大先輩の青山さんに
すごく引っ張っていただきながら作った本ですごく読んだことのない本を作ってるなっていう気持ちで
あの編集をしていましたね
あのなんかいろんなテーマが出てくるんだけれどもでなんか本その救われた本を書かれてたりとかこういうことをしたっていう
なんかすごい実践書みたいな感じでも書かれてるけど
その最初の原稿が届いたときにまず思ったのがなんか本当にこうそのこの作品の世界に引き込まれてしまうすごい面白さがあって
なんかストーリーが始まっていくみたいなので
なんか実用的だし読むだけでもすごいどんどん引き込まれるし
これはなんか何ができていくんだろうみたいな気持ちでやっていました
ミシマ
そうかそれはやっぱりこう今のこのスミさんの年齢とは違う年齢の話が書かれているけれども
それでもやっぱりそういうふうになっていったっていうそうですね
スミ
本当に読み物としてすごく引き込まれるし
あとやっぱり青山さんがちょうど私の母ぐらいの年代なので
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スミ
あのなんて言うんですかね
その家族の話を重ねて読めたりですとか
あとこれそうなんであとはそのなんて言うんですかね
その自分も年を重ねていったら
たぶんその身に降りかかってくるだろうなっていうその人生の問題というか
そういうのをなんか先輩の背中を見せていただいているような気持ちではい読んでおりました
ミシマ
面白いなぁ
僕はですねもうね徹底的にね職人として今回読んでたんです
できるだけ世界に入らないように
これねやっぱねそうじゃないとねグッグッとね引き込まれてしまうんですよ
もうあの年齢も結構近いっていうか
そのこの『元気じゃないけど、悪くない』ってタイトルになりましたけども
最初仮タイトルでは絶賛リハビリ中というタイトルだって
それもすごい惹かれるものがあったんですね
なんかやっぱりこの心身の不調とかですね
あとこの特化の段階で人は変化をしないといけないっていう
やっぱこう年を取れば取るほど
やっぱそこは当然難しくなってくる部分もあったりするんですけども
そういうところをですね
まあ青山さん一つ一つ言語化していくっていうこの
なかなか常人ではできない作業をやっていらっしゃるんですけれども
一個一個僕も一緒にこうグーッと入り込んで共感していってしまっては
このアシスタントの役目を果たせないということでですね
もう冷静に一つ一つの文章をこの気持ちと完全に切り離した形で
もう作品として良くなるっていう読み方しかしないように
実は心がけていたんですね
でそうなんですでも出来上がって
やっぱりこう本当にもう出来上がってしまってからはね
もうそういう風な読み方必要ないんで
やっぱねこの今目の前にもう一冊あるんですけども
小田嶋隆さんの『上を向いてアルコール』っていうこの本
まあこれ僕がメインで作った本なんですが
小田嶋さんのこの本をやっぱこの青山さんの本
見本ができた時パッと思い出しまして
この2冊はついでセットで読んで欲しいなっていう風にも思っているんですね
あのそうなんですそれどういうことかっていうと
少しだけ説明というか僕の捉え方を言うと
この前大谷翔平選手の通訳の方が突然解雇というか
その賭博をしていたというギャンブル依存症だったというニュースが出て
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ミシマ
まあその日僕結構一日ショックだったんですね
そんなことがあるのかということで
でまあその依存症についてっていうことに関して
やっぱ小田嶋さんがこのアルコール依存
まあ「元アル中」コラムニストの告白っていうサブタイトルつけてますけども
直接僕は何度もお話を聞いていて
やっぱほとんどの人はまあリバウンドするんだっていうのをおっしゃってたんですね
でそれを自分のこれまでルーティンとしてあった日常としてあった
その仮に4つの部屋があるとしたら
1つの部屋をまるまる使わないっていう
そういう生活になるようなものなんだっていうこと言うんですね
それが極めて不自然な行為
である部屋を自分の中にある部屋を
絶対にそこの扉を開けないっていうのって
なかなか相当な理性と知性がないと無理なんだっていうことを
小田嶋さんはそこはすごいこう
まあ小田嶋さんならではのジョークでですね
俺ぐらい頭良くないって無理なんだみたいな感じでおっしゃっておられたんですけども
でも実際そうでほとんど戻るという中でも小田嶋さんは戻らなかったっていう
そこの大変さがこの本にいっぱい込められているんですが
やっぱりあの時僕はすごく楽しく本を作っていたんですけれども
今この青山さんが書かれているこの50を前にしてっていう
まさに自分がその年代になってくると
なんかやっぱりこういろんなことを変えるっていうことっていうのが
なんかとても難しいことなんだなっていうことを
やっぱこの『上を向いてアルコール』を作ってた10年以上前のあの段階よりも
すごい今僕自身も身に染みて思っていまして
だから青山さんがこうして書いていることの困難さっていうのは
実はあのこのさらさら面白く読めてしまうんですけども
実際は相当大変なことだっただろうっていうのを
こうやっぱ小田嶋さんの言葉と重なって
まあほんと掛け算になって今僕自身は感じているんですね
はいなんでぜひちょっとこの2冊一緒に読んでいただけると
さらに別にこの何かの依存症っていうか
誰しも何かの依存症であるっていうこともありますけれども
まあねあの実際仕事依存症っていう方もいらっしゃると思いますし
はいでもそのまあ依存症っていう
あそうですね依存症っていうことで言うと
もう今ほとんどの人はスマホ依存症なんじゃないかなとは思いますしけれど
スミ
ちょっと私も怪しいかもしれない
ミシマ
ねでも例えばだからそれをこうどうなんだろう
10分の1の時間にしようって言ったら
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ミシマ
なかなか難しかったりすると思うんですね
だからそういう意味で皆さんもあの一言ではなくて
なんか自分の本だというふうに思って読んでもらうといいのかな
なんて思ってるんですがどうですか
スミ
まあ何かに依存してしまうとか心がちょっとしんどくなるとかって
多分何が原因なのかとかはっきりわからないくて
でどうすればいいかっていうその特効薬みたいなものが
多分見つけるのが難しいんじゃないのかなと思うんですよね
それをすごくこんがらがってしまったものを
青山さんがそのあの手この手で解きほぐしていかれて
そうなんですよ
だから自分っていうもの自体をすごくちゃんと認識するっていうのはものすごい難しいことだけど
それをこういろんな手でやっていかれて
その時にその悪くないっていう言葉を指針にされたっていうのが
この本のすごいメッセージだなと思います
ミシマ
つい僕たちというか僕なんかはすごくいいというか
とてもいいっていう状態を基準にしがちなんですね
そっからちょっとこういまいちだなとか
もっとうまくやれるはずなのになってなりがちですけども
『元気じゃないけど、悪くない』っていう
そっから始めたらいいわけですよね
あのすごくいいっていうところから今の自分が欠けてるっていう風になってくると
もうストレスしか溜まってこないんで
なんかこの本が出来上がった時になんか改めて
あそうかこう立ち位置を変えないといけないなっていうことも
すごく思えたんですね自然に
なんかそういう風に人それぞれなんかこの本の思い方
捉え方生かし方ってあるんじゃないかなっていう風にも思うので
はいあのそうで3月に出ている本で言うと
まあ仲野徹先生の本もあの『この座右の銘が効きまっせ!』っていう
効くっていう言葉を使ってますけども
僕もこの本もすごく効くっていう風に実は思っているんです
で3月間の2冊はどっちも効きますよみたいなことを僕はなんかちょっと書いたんですけども
まあその意味はちょっとそういうことでもありましたというのをちょっと今日発表しております
スミ
そうですねあの生活がその自分から変わっていくような本で
あの今の季節にもすごくいい本だなと思いますし
本当にあの引き込まれて読んでいける本だし
その体とか心とかケアのことっていうのを
私もそうですけどこれまであまり触れてこなかった方でもグーッと読める本ですので
あのぜひお手に取っていただけたらと思います
ミシマ
はいフジモトさんはいかがですか
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フジモト
実はちょっと読み始めておりまして
最初の方を今読んでるんですけど
なんか人の経験を知るっていうのはなんか人生これから先輩の声を聞いてる感じがして
すごくなんかいよいよいなと思って
なかなかやっぱりいろいろ人生ある中でこうやって一冊にこうしてくださってるので
ミシマ
なんかこれからまたちょっと読み進めたいなと思ってます
本当そうですよね
なんかだからいいこととかうまくいったことばっかり記録
まあそういう記録がいっぱい残ってるでしょうけども
そうじゃなくて本当につらかったところとかをやっぱこうして残してくれてるから
やっぱり響いたり参考にできたいっていうことでいっぱいあると思うんで
それをこうやっぱこう読みやすくスラスラと自分に入ってくるっていうのは
まあなんかすごいいいなと思いますね
はいじゃあ青山ゆみこさんの『元気じゃないけど、悪くない』絶賛発売中です
ぜひお手に取っていただければなと思います
えっとスミさんはあの今猛烈に忙しいみたいですけども
どんな本をやってるんですか
スミ
えっと今はえっと7月にちょっと緊急で作ることになった本がありまして
はいこの話はもうしてしまって大丈夫でしょうか
ミシマ
どうだろうね
あの自分でふっときながらあれですけども
『中学生から知りたいウクライナのこと』っていうのを2年前出しましたけれども
あれの続きになるような一冊を進めております
詳細はまたこのラジオで数ヶ月後お伝えできればなというふうに思いますね
スミ
なんかあの本もすごくたくさんの方に読んでいただいて本当に反響いただいたんですけれども
あの先生方とさらに新しい先生とで新たな座組で
スミ
さらに歴史の見方をぐーっと変えていくような本ができる予定ですので
お待ちいただけたらと思います
ミシマ
今日はスミさんありがとうございました
みなさんありがとうございました