00:01
日本人の俳優が日本語で日本の題材をやるという、この3つのどれかを捨てないといけないじゃないかと思う。
日本人以外の俳優が50%以上出るとか、日本語じゃない、英語でやるとか、日本の題材じゃない、というような日本映画を生み出していかなきゃいけないんじゃないかと思う。
それは今後の課題ということですね。
そうしないと、結局日本語をしゃべる人たちの市場だけを相手にしていく。市場が少なくなって、市場が少なくなるとやっぱりそれに避ける予算というのは少なくなる。
黒木瞳の映画ここだけバナシ
こんにちは、黒木瞳です。ポッドキャストを聞いていただきありがとうございます。
今日も映画に携わる様々なジャンルの方々とここだけ話ししていきます。
今週のゲストは山口雅俊さんです。よろしくお願いいたします。
もう本当に闇金牛島くんとか、それから何は金融堂とか、もう本当にヒット作を出されている映画監督そしてプロデューサーでいらっしゃいますけれども、
山口さんは今後、お金より愛にシフトしていくか、どちらに価値があるか、こういったことを最終回の今日はしていただきたいと思うんですけれども。
僕本当はラブストーリー大好きでですね、本当はラブストーリー作りたいと思ってですね。
ラブストーリーって何歳ぐらいのラブストーリーがお好きですか?10代?20代?
何歳のものでもどんな高年齢差があろうと若かろうが、お年を召したラブストーリーだろうが、とても興味はあるんですけどね。
どういったところに?
基本的にやっぱり貯めたお金が愛に流れるというか、愛に浪費されるその様がすごく。
どうしてもお金から離れられないですね。
貯めたお金が愛に流れる?
結局はよく言われるのはですね、貯めたお金が女に流れるというかですね。
パパ勝つとか?
パパ勝つとかですね。
なんか変な感じの資本の流れ、資本主義の中でのキャッシュの流れがすごく不思議で。
愛があるからお金が流れるってこと?
愛されたいという幻想に流れていくというかですね。
愛されたいという幻想に流されていくから?
その幻想にお金が浪費されていくという感じがあるんじゃないかと思います。
そういったドラマにシフトされていくんですか?
そうですね、ラブストーリー。
03:02
一応藤原達也君と香川照之さんで作った新しい王様の中にはラブストーリーとかもあるんですけど、
基本的には香川照之さんのやるエッチューという役は基本的にはお金で買えないものがあるかという考え方なんですけど、
それのライバルの藤原達也が演じる秋葉原田っていうのは基本的にはお金が全てではないと。
だから基本的には大事なのは何を経験したか、何を感じられるかっていうセリフがあるんですけど、
お金が全てなのかどうかそれ以外に大切な価値があるんじゃないか。
礼節であったり勇気であったり愛であったりっていうようなその価値に、より価値があるんじゃないかっていうのは友情であったりですね。
なんとか表現していければなと思うんですけど。
でもお金だけでもダメだし愛だけでもダメですよね。
ダメですよね。
どっち取ります?山口さんなら。
お金か愛か。
愛ですね。
僕子供が小さいので自分の子供のことを考えると本当に娘のことを考えるとやっぱり愛かなと思ったりするんですよね。
お金っていうのは本当に道具に過ぎないものなんで、
人間を究極的には幸せにしないんですよね。
究極的には幸せにしない。
しないのではないか。
お金持ちを見ててあんまり幸せそうな人はあんまり知らないからかもしれないですけど。
この日本映画で大きな可能性がある作品、何があるかっていうのがあるんですけど、
ちょっと黒木さんに質問したいんですけど、
日本映画って、例えば中国の映画って中国語を喋る人って世界中に14億人くらいいると思うんですよ。
花京を見れたら15億人くらいいるんじゃないかと思うんですけど、
この大きなマーケットに対して日本映画って何かっていうと、
やっぱり今言った中国映画がマーケットにしてるマーケットに比べてすごく小さいですよ。
そうですね。人口もね、比べて。
日本人が、日本の俳優が日本語で日本の題材をやるっていうのが多分日本映画なんですけど、
これのどれかを捨てないと日本映画って未来がないんじゃないかと思うんですけど。
どれかを捨てる?
つまり日本人の俳優が日本語で日本の題材をやるっていう、この3つのどれかを捨てないといけないんじゃないかと思うんです。
例えば、日本人以外の俳優がかなり出る。50%以上出るとか。
日本語じゃない。英語でやるとか。日本の題材じゃない。
だから日本の題材をやるにしても、日本人以外の、例えば韓国人とか中国人とか、
06:06
ヨーロッパ人とかアメリカ人とかアフリカの方々とか、そういう俳優さんがミックスして出られて、
日本語は2割ぐらいで、それ以外は例えば英語であるとか、
っていうような映画を日本映画っていうのを生み出していかなきゃいけないんじゃないかと思うんですけどね。
それは今後の課題ということですか?
そうしないと、結局日本語を喋る人たちの市場だけを相手にしていると、
日本語を喋る人間というのはどんどん相対的に少なくなってくるので、市場が少なくなって、
市場が少なくなるとやっぱりそれに避ける予算というのは少なくなるかなと思います。
でも字幕もありますし、日本の伝統文化とかみたいなものも大切にしなきゃいけないので。
日本の伝統文化をやればいいと思うんです。ただそれを日本語だけで説明しようとしない方がいいんじゃないかと思うんです。
ある程度わかんないですけど、
日本映画としてすごく可能性があるのは、日本映画ではないけれども、
ベストキットみたいな映画は日本人の日本の武道とかをモチーフにしているけれども、
全編映画で英語で作られ、ハリウッドで撮られ、日本人以外の俳優が出ている。
最初のベストキットってラルフマッチョともう一人、二人の役者がやったんですけど、
日本人、純粋な日本人ではないわけで。
そういうものを日本映画界が生み出していかないと、
本当にすごくおいしい弁当を食べてもらいながら、
常識的な労働環境で働いてもらうという日本映画界っていうのはもうなくなってしまうんではないかと思うんですけどね。
そこまでの危機感をお持ちだということですか。
ということはタレントメーカーも日本、アメリカ、カナダ、中国って大変ですね。
本当ですよね。オーディションも英語とかでやらなきゃいけなくなるかもしれないし。
ある意味で日本もインターナショナル化していかなきゃいけないっていうような、ざっくり言うと。
ラストサムライみたいな映画を日本で作るような風にならないと、
日本の映画っていうのは将来が先恐れになっちゃうんじゃないかと思うんですよね。
誰かやりますかね。誰かやるんだったらお手伝いしたいですけど。黒木さんがやるんだったらお手伝いしたいですけど。
いやいやいや、まず壮大ですよね。
ただ日本の方々が考える企画っていうのは独特で面白いから、
やっぱり牛島くんにしても海外でリメイクしてるじゃないですか。
09:03
その企画の強みみたいなものは残っていくと思うんですよ。
なのでそこに何かエッセンスを加えていけばいいというようなことですね。
うどん文化一つに至ってものすごく可能性ありますでしょ。
うどんの映画とか作れると思うんですよね。
うどんってやつね。
フランス語でやるとかね。
フランス人とか大好きだと思う。
そうですね。パリにありますよね。おいしいところがね。
大国屋でしたっけ。違う。国虎屋だ。国虎屋。
これはおいしいですね。
そういうようなことも今後、手を伸ばしてというか、挑戦していかれるってことですね。
黒木さんも考えておられると思いますけど、どうですかね。
何かそんなことを考えませんか。
いやいやいや。私は、何でしょう。
そんなふうには考えたことなかったので、
衝撃的な日本映画の育成というか、未来、末広がりに広がるためにはそういうようなことをしなきゃいけないんだっていうふうに今気づかされましたけど。
でも何か海外の役者さんと一緒にやるっていうのは面白いですよね。
何かそういうふうな演出とかを本当に勉強していかないと、
何かやっぱり日本人だけで本当に居心地のいい中でやっていかないほうがいいんじゃないかと思ったりします。
どうなんでしょうね。
でもきっとやっぱりそうやって言葉の力というのがあるので、
そうなっていきたいって思いが山口さんの中であれば、それを叶えてくれる人材たちがきっと集まってくるはずなので、
言い続けるっていうことは大事かもしれませんよね。
人材って大事ですよね。黒岸さんはスタッフっていうのは、最初の嫌な女の場合はプロデューサーを含めてスタッフを集めていったの?衣装部とか。
最初はスタッフィングは私はできなかったんです。
で、2回目ぐらいからはスタッフィングと。
黒岸組で。
私は人見組で。
人見組で。
有名な黒岸監督いらっしゃるんで。
はいはい。
人見組と。
人見組。素敵ですね。
ネーミングを打ってますが。
なるほど。
でもその、もちろん気心の知れた、こう言えばこうやってくださるっていうのも大事ですし、新しい方と組むっていうのも大事なことなので。
12:10
女監督が言うこと聞かないとかっていうのはすごい大好きで。
好きなんだ。
うん、すごく大事です。説明しても分かってくれないという状況がすごく大事です。
そうなんだ。
監督だけが孤立したりするじゃないですか。
はい。
役者とか現場にいて自分がこっちに離れていると、監督の言ってること分からなかったりするっていう状況がすごく大事で。
その、なんかこう、全部スムーズにいかない方が僕はすごく好きですね。
とは言ってもやっぱり全部スムーズにはいきませんよ。気心知れたスタッフとやってても。やっぱ何らかしら。
なんか黒岸さん、映画監督として最もこれが一つのエポックになるほどの大変だった、最も大変だった経験って何ですか。
一番大変だったのは何待ちか分からなかった時。監督が。
なるほど。
結局それは何待ちだったんですか。
トラック待ちでした。
トラック待ち。
それはレールをお願いしますって。
美打ちも何回もやってる。レールをお願いしますって言ってるのに。
レール運んでる気配もないし、女監督に言っても、あ、今準備してますって。
何待ちだろうなと思ってからその街の、ちょっと海辺だったんで。
海辺のおじちゃんとかとずっと喋ってて。
で、その時は、車が来た時はもうびっくり行天しました。
なるほど、トラック。
なるほど荷台に乗せてレールの代わりに取るんだっていう風に思って。
それは素直に従いましたけれども。
でもね、そういう経験をしたからすごく良かったです。
何待ちか分からない自分が危機だっていうことですね。
何待ちか分からないその監督、本来全てを把握してるはずの監督が何待ちか分からない自分がいるっていうその危機的状況ですね。
たまたまその時役者がいなかったので良かった。
役者さんを不安にさせるっていうのが一番ダメなんで。
役者の方がいらっしゃらなかったから良かったんですけれども。
そういうようなこともありましたし。
ロケハン行って誰も私についてこないで、女監督行くと全員がカメラマンについて行って。
あっちから撮らないのになーとか思ってたりとか、そういうのも経験しましたし。
15:02
でも今笑い話で言えるっていうたくましさはちゃんと地肉になってます。
監督はそういう時に何待ちかっていうのをここで聞いちゃっていいんだろうかっていう現場の厳しさってあるじゃないですか。
プロデューサーは基本的にはもうプライドなんていらなくて、基本的には予算内で素晴らしい作品を完成させることが仕事だから。
プロデューサーにプライドなんていらないんですよ。
そうするとプロデューサーって何かを解決するときに、僕よくソメノスケ・ソメ太郎さんみたいなのがいいなっていう。
例えばスタジオで、主演女優がこのセリフがおかしくて読めない。監督がそれを説得できないっていう時に、最後プロデューサーがどっかフラフラしてるときに呼ばれるじゃないですか。
プロデューサーどうやって入っていくかっていうのがあって、もちろん一番かっこいいのはそこで黒木さん、このセリフはこういう意味合いが後々あってとにかく読んでください。
じゃあスタートっていうのが一番かっこいいけれども、そうはいかないときがあって。
そのとき大体プロデューサーっていうのは現場で即対応しなくていいから、おつなずしても勝っていって。
これは実話ですけれども、浅野悠子さんと浅野篤子さんがおられて、「悠子さん、篤子さん、今日も美しいおつなずしをお食べください。私は皿を回してご覧に入れまする。」っていうソメノスケ・ソメ太郎的芸でいいわけですよね、プロデューサーって。
でもやっぱり監督はそうはいかないから、やっぱり黙って待って、「あ、トラック待ちか。トラック待ちだったか。でもまあ作品はよければ。」っていうそのプライドがすごい大事で。
プライドというか、純の静点ですかね。っていうのと知らない世界に飛び込んだみたいな、怖いもの知らずみたいなところもありましたのでね。
やっぱり監督とプロデューサー何が違うんですかってよく聞かれますけど、今黒岸さんがおっしゃったようなことっていうのがやっぱり監督の孤独であり、監督のキョウジみたいな感じかなと思ったりする。
まあでもね、両方やってらっしゃるわけですからね、山口さんはね。やっぱりその両方をご存知なわけですから。
駒回したり、寡黙になったり、孤独になったりするわけですね。
駒を回す、傘を回してご覧に入れます。
でもまあこれからもまたそうやってお金にまつわる社会というんですかね、そういうフレームを切り取った愛、お金、社会、いろんな働く人たち、いろんな人たちに結局は希望が持てるというか喜んでいただけるみたいなものを作りになるんですね。
18:09
そうですね、神戸の冴えない高校生がデートで見てよかったなと思えるような映画を作ってきて。
下見コースみたいなデイがあってもいいですね。
そうですね。
レディースデイがあるようにね、下見デイみたいな。
みんなね、やっぱり劇場で映画見ていただきたいので、皆さん是非ね、本当に劇場に行って、映画をご覧になってほしいと思っております。
2週間続けてたくさんの話を伺いました。
お金と社会が絡み合う感じ、とても興味深かったです。
次回からのゲストは私の仲良しというか、だちの俳優の吉田幸太郎さんです。
山口さん、先週に引き続き今週もありがとうございました。
はい、とても楽しかったです。ありがとうございました。