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どうもみなさん、パーソナリティのKudoです。
Kudo's Radio 第4回目の放送です。
今回は、以前の放送で言っていた朗読に挑戦したいと思います。
なので今回は、単純に私が朗読をしたいというだけの回なので、
私の朗読を聞いてみたいという方がいれば、ぜひ聞いていただきたいなというふうに思っています。
それでは早速いってみましょう。
本日もよろしくお願いします。
この番組は、フリー台本サービス、筆先の世界の提供でお送りします。
改めまして、パーソナリティのKudoです。
早速、朗読を始めていきたいんですが、今回朗読するのは、
フリー台本サービス、筆先の世界さんから、
初春のさんすくみという台本をお借りしまして、
そちらを朗読させていただきたいと思います。
だいたい3分から5分くらいの朗読になると思うので、
ゆっくり聞いていただきたいなと思います。
それでは始めていきましょう。
古臭い紙袋の匂いが立ち込めるその箱の中身は、
5キログラムのトマト、それから形の悪い野菜。
贈り主は田舎の母である。
乾いた泥のついた白菜を手に台所へ。
今日は寒いから鍋にしよう。
夏見はそう思ったのだが、季節は春。
冬の厳しい寒さがやっと和らぎ、
少しずつ暖かくなり始めた頃。
それでもまだ、時折冬を思わせる寒さが襲ってくる日があるもので、
今日はそんな夜だ。
夏見はさっくりと丸々届いた白菜へと歯を立てる。
半分は冷蔵庫へ、そう思っていたのだが、
その思考すら田舎の冬の大地のように真っ白になった。
いたのだ。白菜の中に、先住民が。
その先住民は、「やあ。」というわけでもなく、
ただただ、おとなしい。
白菜の白さにうまくなじむような白い体は、
夏見の親指ほどの大きさにも見える。
夏見はその芋虫へ向け、
ひぃーと悲鳴じみた挨拶を飛ばす。
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もはや包丁を握ることすらできない。
間違えれば、この先住民は一刀両断していたかもしれん。
中途半端に切った白菜をそのままに、
すがるような気持ちで携帯電話を手に取る。
ワンコール、ツーコール。
こんなことで連絡しても仕方ないかと、
冷静さを取り戻しかけたその時、
聞き慣れた声が横斗する。
荷物は届いたか、と。
お母さーん。
夏見の声は今にも泣き出しそうである。
何事かと問う母に、
ことの一部指示をアクセクト説明する。
それを聞いた母は、
ふん、と電話口で浅く笑った。
その笑いには、
大事でなくてよかったと安心する気持ちがこもっていたのだが、
夏見には伝わらない。
そこだけ捨てて残り食べたら?
母は強しとはよく言ったものだ。
子供を持つまでは夏見と同じように
先住民におののいていたはずだが、
母として夏見を育てるうちに、
子供の方がもっと恐ろしい生き物だと知ったのだ。
もちろん恐ろしいと言ってもいい意味でだが、
一方その頃、白菜の先住民は命の危機を感じていた。
暖かい葉の布団が裂かれ、
突然に外気に触れた表面。
冷えるような気がするが、
よく知った北の大地の冷えではない。
助けてと母に電話をかける夏見の声を聞き、笑う。
助けてほしいのはこちらの方だ。
本来ならば羽を得て大空を舞うはずだったのに、
それはきっとかなわない。
そろそろ春も本番だ。
雪どげた水がさらさらと流れ、
かざむしい枝の先からは新芽が芽吹く。
恐ろしいのは夏見か、母か、
それとも白菜の先住民か。
密かなる初春の三つ組みに気づくものは誰もいない。
工藤's RADIO エンディングのお時間です。
工藤's RADIOでは皆様からのお便りを大募集しております。
意見、感想、質問、アドバイス、何でもいいので送っていただけると嬉しいです。
今回の放送いかがだったでしょうか。
今回は初めて朗読というものに挑戦させていただいたんですが、どうだったでしょうかね。
今回朗読は初めてということだったんですけど、楽しんでいただけましたかね。
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こんな素人の朗読を聞いて楽しめたという方がなかなかすごいなと思うんですけど、
これからもこういう感じで、自己満足ではあるんですけど、朗読とかやっていけたらいいなと思っています。
お便りとかも大募集しているので、読んでほしい作品とかあればいくらでも読みますので、
ジャンジャン送っていただけると嬉しいです。
はい、というわけで本日の放送はここまで。
それでは皆さん、次回の放送でまたお会いしましょう。
お相手は工藤でした。
バイバイ。
この番組は、
リービージン・ムズムズと
ドーバシンドロームの提供でお送りしました。