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ながら聴きラジオ
おはこんばんちは、あべまえです。
10月5日水曜日、ながら聴きラジオ『キコアベ』へようこそ。
この番組は、われわれ社会人演劇カンパニーアーベイが、
あなたのための心地よいながら聴きラジオを目指す番組です。
島根の皆様、聞こえてますか?アーベイです。
略して、キコアベということで。
皆様は、島根と聞いて、まず何を思い浮かべますでしょうか?
出雲大社、松江城、島根っこに西こり計算、
丸い器を3段に重ねて盛り付けられた割りっこというスタイルで食べる出雲そば、
しじみの日本一の産地としても有名な新地湖、世界遺産の石見銀山などなど。
島根は出雲地方、石見地方、沖地方と3つの地域に区分されることが多く、
方言についてもそれぞれ異なるそうですね。
とてもを表す代表的な方言は、がいな。
そして、島根は美肌圏の上位にランクインしていて、
お肌のキレイな人が多いとのこと。
そんな島根県の皆様が羨ましくて仕方ない、
私、Aがお送りする本日のくこあべは、Bさんのお豚さん文庫をお送りいたします。
それでは今日も最後までお付き合いいただけますか。
くこあべ、スタートします。
皆様ご機嫌いかがですか。
体調など崩されていませんでしょうか。
ちょっと最近涼しくなりましたので、お体お気を付けてお過ごしくださいませ。
あのー私はですね、今日2日酔い気味でちょっとしんどいんです。
いやー、なんていうか、飲まないと弱くなりますね、お酒って。
先日、ゆうじさんとの対談番組、談話室滝沢でもお酒について触れたんですけれども、
まあ、ほんと最近飲む機会が減ってましてね、
昨日はほんとに1ヶ月ぶりぐらいに飲んで、
実はそんな大した量は飲んでないんですけれどもね、完全に酔っ払いましたね。
もう、家帰って気づいたら寝てました。
とんではなく、リビングでね。
で、明け方に起きたらね、まだ全然残ってましたもんね、お酒。
あのー、今日のですね、ぶたさんぶんこなんですけれども、
私、映画参加をしておりまして、少し長い作品となっておりますので、
03:00
トークはこの辺にいたしまして、早速お送りしようと思います。
いや、別にだるいからってわけじゃないですよ。
いや、それもあるかな。
本日の朗読は、うばすてやまです。
それでは、ごゆっくりお楽しみください。
うばすてやま くすやま まさお
むかし、しなののくににひとりのとのさまがありました。
とのさまは、たいそうおじいさんやおばあさんがきらいで、
あのね、としおりはきたんならしいばかりで、
くにのためにはなんのやくにもたたないよ。
といって、ななじゅうをこしたとしおりは、
のこらずしまながしにしてしまいました。
ながされていったしまには、ろくろくたべるものもありませんし、
よしあっても、からだのふじゅうなとしおりには、
それをじゅうにとってたべることができませんでしたから、
みんないくとすぐしんでしまいました。
くにじゅうのひとはかなしがってとのさまをうらみましたけれど、
どうすることもできませんでした。
すると、このしなののくにのさらしなというところに、
おかあさんとふたりでくらしているひとりのおひゃくしょうがありました。
ところがおかあさんがことしななじゅうになりますので、
いまにもとのさまのけらいがきてつかまえていきはしないかと、
おひゃくしょうはまいにちそればっかりきになって、
はたけのしごともろくろくてがつきませんでした。
そのうちとうとうがまんができなくなって、
むじひなやくにんなんぞにひきずられて、
どこだかしれないしまにすてられるよりも、
これはいっそじぶんでおかあさんをすててきたほうがはんしんだ、
と思うようになりました。
ちょうどはちがつじゅうごやのばんでした。
まんまるなおつきさまがのにもやまにもいちめんにてっていました。
おひゃくしょうはおかあさんのそばへいってなにげなく、
おかあさん、こんやはほんとにいいつきですね。
おやまにのぼっておつきみをしましょう。
といっておかあさんをせなかにおぶってでかけました。
さびしいのみちをとおりこしてやがてやまみちにかかりますと、
せなかにおぶさりながらおかあさんは、
みちばとのきのえだをぽきんぽきんおってはみちにすてました。
おひゃくしょうはふしぎにおもって、
06:00
おかあさん、なぜそんなことをするのです?
とたずねましたが、おかあさんはだまってわらっていました。
だんだんやまみちをのぼってもりをぬけたにをこえて、
とうとうおくのおくのやまおくまでいきました。
やまのうえはしんとしてとりのさわぐおともしません。
つきのひかりばかりがこうこうとひるまのようにてりかがやいていました。
おひゃくしょうはくさのうえにおかあさんをおろして、
そのかおをながめながらほろほろだみだをこぼしました。
おや、どうしただ?
とおかあさんがたずねました。
おひゃくしょうはりょうてをちにつけて、
おかあさん、かんにしてください。
おつきみにといってあなたをさそいだして、
こんなやまおくへつれてきたのはことしはあなたがもうななじゅうになって、
いつしまながしにされるかわからないので、
せめてむじひなやくにんのてにかけるよりはと思ったからです。
どうぞがましてください。
といいました。
するとおかあさんはおどろいたようすもなく、
いいえ、わたしはなにもかもわかっていました。
わたしはあきらめていますから、
おまえははやくうちへかえって、
からだをだいじにしてはたらいてください。
さあ、みじにまよわないようにして、
はやくおかえり。
といいました。
おやくしょうはおかあさんにこういわれると、
よけいきのどくになって、
いつまでもぐずぐずかえりかねていましたが、
おかあさんにさいそくされて、
すごすごとかえっていきました。
みちみちすててあるきのえだをたよりにしてあるいていきますと、
ながいやまみちにもすこしもまよわずに、
うちまでかえりました。
なるほど。
さっきおかあさんがえだをおってすててあるいたのは、
わたしがひとりでかえるとき、
みちにまよわないためのようじんであったか。
と、いまさらおかあさんのなさけが
しみじみうれしくおもわれました。
そんなふうで、いったんかえりはかえったものの、
えんさきにすわってひとりぽつねんと
やまのうえのつきをながめていますと、
もうじっとしていられないほどかなしくなって、
なみだがぼろぼろとべどなくこぼれてきました。
あのやまのうえで、
いまごろおかあさんはどうしていらっしゃるだろう。
こうおもうと、
09:00
もうおひゃくしょうはどうしてもこらえていられなくなりました。
そこで、よふっけにはかまわず
またさっきのしおりみちをたどって
あえぎあえぎおかあさんをすててきた
やまおくまであがっていきました。
そこについてみると、
おかあさんはちゃんとすわったまま
めをつぶっていました。
おひゃくしょうはそのまえにすわって、
おかあさんをすてたのはやはりわたくしがわるうございました。
こんどはどんなにしてもおそばについておせわをしますから。
といって、
おかあさんをまたおぶってやまをくだりました。
それにしてもこのままおけば
いつかやくにんのめにふれるにちがいありません。
おひゃくしょうはいろいろかんがえてあげく
ゆかのしたにあなぐらをほって
そのなかにおかあさんをかくしました。
そしてまいにちさんどさんどごぜんをはこんで
おかあさん、ごきゅうくつでもがまんをしてください。
といろいろにいたわりました。
これでさすがのやくにんもきがつかずにいました。
それからしばらくすると
あるときおとなりのくにのとのさまから
しなののくにのとのさまにてがみがきました。
あけてみると
はいのなわをこしらえてみせてもらいたい。
それができなければ
しなののくにをせめほろぼしてしまう。
とかいてありました。
そのくにはたいそうつよくって
せんそうをしてもとてもかつみこみがありませんでした。
とのさまはこまっておしまいになって
けらいたちをあつめてごそうだんなさいました。
けれどだれひとり
はいのなわなんぞをこしらえることを
しているものはありませんでした。
そこでこんどはくにじゅうにおふれをだして
あのね、はいのなわをこしらえてさしだしたものには
たくさんのほうびをやるよ。
とつげしらせました。
すると、なにしろはいのなわができなければ
いまにもこのくにはせめられてほろぼされてしまうというので
くにじゅうのおひゃくしょうは
よるとさわるとこのはなしばかりしました。
だれか、はいのなわをこしらえるものはいないか?
はいのなわじゃ、はいのなわをこしらえるものはおらんのか?
こういってさわぐばかりで
いっこうにいいかんがえはでませんでした。
12:00
おひゃくしょうはふと
これはことによったらうちのおかあさんが
しっているかもしれない。
と思いつきました。
そこでそっとあなぐらへいって
おふれのでたことをくわしくはなしますと
おかあさんはわらって
まあ、それはなんでもないことだよ。
なわによおくしをぬりつけてやけば
くずれないものだよ。
といいました。
おひゃくしょうは
なるほど、これだからとしよりはばかにできない。
と、こころのなかでかんしんしました。
そしてさっそくいわれたとおりにして
はいのなわをこしらえて
とのさまのごてんへもっていきました。
とのさまはびっくりして
ごほうびのおかねをたんとくださいました。
とてもできまいと思ったはいのなわをだして
わたされたので
おとなりのくにのつかいは
へいこうしてにげていきました。
しばらくすると
またおとなりのくにのとのさまから
しなののくにへおつかいが
ひとつのたまをもってきました。
いっしょにそえたてがみをよむと
このたまにきぬいとをとおしてもらいたい。
それができなければ
しなののくにをせめほろぼしてしまう。
とかいてありました。
とのさまはそこで
そのたまをてにとって
よくごらんになりますと
たまのなかにごくちいさなあなが
まがりくねってついていて
どうしたって
いとのとおるはずがありませんでした。
とのさまはこまって
またけらいたちにごそうだんなさいましたが
けらいたちのなかにも
だれひとり
このなんだいをとくものはありませんでした。
そこでまたくにじゅうへおふれをだして
まがりくねったたまのあなに
きぬいとをとおすものがあったら
たくさんのほうびをやるよ。
とつげしらせました。
これでまたくにじゅうのさわぎになりました。
けれどやはり
だれにもかわったちえのもちあわせはありませんでした。
するとこんどもおひゃくしょうは
あなぐらへいって
おかあさんにそうだんをかけました。
おかあさんはわらって
なんでもないことだよ。
それはたまのかたかたのあなのまわりに
たくさんはちみつをぬっておいて
きぬいとにありをいっぴきゆわいつけて
べつのあなからいれてやるのです。
するとありはみつのかおりをしたって
15:00
まがりくねったあなのみちをとおって
さきへさきへとすすんでいくから
それについていとも
こちらのあなからむこうのあなまで
つきぬけてしまうようになるのだよ。
といいきかせました。
おひゃくしょうはそうきくとこうどりをして
さっそくとのさまのごてんへいって
しゅびよくたまのなかへきぬいとをとおして
おめにかけました。
とのさまはびっくりして
こんどもおひゃくしょうにたくさん
ごほうびのおかねをくださいました。
おとなりのおつかいはきぬいとの
りっぱにとおったたまをかえしてもらって
へいこうしてにげていきました。
そのつかいがかえってくると
おとなりのくにのとのさまもくびをかしげて
しなどのくににはなかなかちいしゃがあるな。
これはうっかりせめられないぞ。
とかんがえていました。
こちらでもさすがにこれでてきもあきらめて
もうこないだろうと思っていました。
ところがしばらくすると
またおとなりのくにのとのさまから
しなどのくにへおつかいがてがみをもってきました。
てがみといっしょに
にひきのめうまをつれてきました。
いったいうまなんぞをつれてきて
どうするつもりなんだろう。ねえ。
とびくびくしながら
とのさまがてがみをあけてごらんになりますと
にひきのうまのおやくをみあけてもらいたい。
それができなければ
しなどのくにをせめほろぼしてしまう。
とかいてありました。
とのさまはまた
つれてきたにひきのうまをごらんになりますと
おおきさからけいろまで
うりふたつといってもいいほど
よくにたうまで
おなじようなげんきではねていました。
とのさまはおこまりになって
またけらいたちにごそうだんをなさいました。
それでもだめなので
またくにじゅうにおふれをまわしまして
だれかうまのおやくをみわけることをしってるか。
うまくみわけたものには
のぞみのほうびをやるよ。
うん。ね。うん。
とつげしらせました。
またくにじゅうのおおさわぎになって
こんどこそうまくあてて
ごほうびにやりつこうと思うものが
ぞろぞろとのさまのごてんへ
おとなりのくにからきた
にひきのめうまをみにでかけました。
ところが
よほどみわきにくいうまとみえて
ならかいばくろうのめいじんでも
18:01
やはりくびをかしげて
かんがえこむばかりでした。
そこでおひゃくしょうは
またあなぐらいへいって
おかあさんにそうだんしますと
おかあさんはやはりわらって
それもむずかしいことではないよ。
なくなったおじいさんにきいたことがある。
おやこのわからないうまは
にひきをはなしておいて
あいだにくさをおけばいい。
するとすぐくさにとりついて
たべるのはこどもで
ゆるゆるとこどもにたべさせておいたあとで
たべあましをたべるのは
ははおやだということだよ。
とおしえました。
おひゃくしょうはかんしんして
さっそくとのさまのごてんへいって
ではわたくしにみわけさせてくださいまし。
といっておかあさんにおそわったとおり
にひきのうまのあいだに
あおくさをなげてやりますと
あんのじょう
いっぴきががつがつしてくさをたべるあいだ
もういっぴきは
しずかにすわったままながめていました。
それでおやこがわかったので
とのさまはそれぞれにふだをつけさせて
さあこれでまちがいないでしょう。
といってつかいにつきつけますと
つかいは
どうもおどろきました。そのとおりです。
といってへいこうしてにげていきました。
とのさまは
これでまったくおひゃくしょうのちえに
こころからおどろいてしまいました。
おまえはくにじゅういちばんのちえしゃだね。
さあなんでものぞみのものをやるぞ。
とおっしゃいました。
おひゃくしょうはこんどこそ
おかあさんのいのちごいをしなければならない
と思って
わたくしはおかでもしなものもいりません。
といいますと
とのさまはみょうなかおをなさいました。
おひゃくしょうはすかさず
そのかわりどうかははのいのちをおたすけください。
といって
これまでのことをのこらず申しあげました。
とのさまはいちいちびっくりして
めをまるくしてきいておいでになりました。
そしてはいのなわも
たまにいとをとおすことも
それからにひきのめうまのおやこをみあけたことも
みんなとしよりのちえでできたことがわかると
とのさまは
いまさらのようにかんしんなさいました。
21:01
うーん、なるほど。
としよりというのもばかにならないものだね。
こんどたびたびのなんだいをのがれたのも
としよりのおかげであった。
はほえをかくしたひゃくしょうのつみは
むろんゆるしてやるし
これからはとしよりをしまながしにすることを
やめにしようかね。
こうとのさまはおっしゃって
おひゃくしょうにたくさんのごほうびをくださいました。
そして
としよりをゆるすおふれをおだしになりました。
くにちゅうのたみは
いきかえったようによろこびました。
おとなりのくにのとのさまも
こんどこそだいじょうぶと思ってだしたなんだいを
またしてもわけなくとかれてしまったので
がっかりして
それなりしなののくにをせめることを
おやめになりました。
ちいさいあきをみつけてみようと思いましたが
どこにもみあたりません。
さむい。
そんなじっきょうしながらきこあべ。
なすはいつたべればいいんだ。
はい、ねるよ。
はーい。
はい、でんきけします。
はーい。
おやすみなさい。
ねかしつけしながらきこあべ。
エンディングのお時間です。
ながらききラジオきこあべ
本日も最後までおつきあいいただきましてありがとうございました。
いかがでしたでしょうか。
本日はBさんのぶたさんぶんこ
プラスA
うばすてやま
お送りいたしました。
いやー、セリフってむずかしいものですね。
役者をやっていても常にそう感じてしまうんですが
声だけで表現する朗読は特にそう感じます。
さあ、次回土曜日のきこあべは
Jさんのファザ特典
何がわるいの?
をお送りいたします。
それではきょうも
お読みください。
母のシワは子育て日記そのものだ。
私を一生懸命に育ててくれた
その喜怒哀楽のすべてが刻まれている。
私の成長を喜んだり
時に厳しく叱ったり
そして心配してくれたり
そんな母と私の歴史が深く刻まれている。
サンキューノブヒコ大林
ながらききラジオきこあべ
ソーダラジオしよう
お相手はいつもいいねコメントをいただき
感謝感激している
あべのえいでした。
次回土曜日またお会いいたしましょう。
それではごきげんよう
ばいちゃん