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どうも、コウブンです。
栃木県の片田川にある蓮城院というお寺で、副住職をしております。
昨日に引き続き、仏教×現代社会のシリーズをお送りしたいと思います。
昨日は、多様性社会における寺院、といったテーマでお送りしました。
多様な価値観が共存する現代ということで、寺院がどのように社会と関わっていくべきかというお話をしました。
そして、今日は第4回目、そして今回は経済活動と仏教の教えというテーマでお届けしたいと思います。
毎日仕事をしてお金を稼いで消費をする、そんな経済活動は私たちの生活と切っても切り離せないものですよね。
でも、ふと立ち止まって考えてみると、現代の経済活動って本当にこれでいいのかなと疑問を感じることもあるんじゃないでしょうか。
今日は、そんな経済活動について仏教の教えを通して一緒に考えてみましょうということでお送りしたいと思います。
特に今日は、中道という考え方、別の言葉で言うのであればバランスですね。
それをキーワードにお話をしたいと思います。
まずは、現代の経済活動における課題というところから見ていきたいと思います。
皆さん、日々の生活の中でこんなことを感じたことはありませんか。
例えば、ついつい必要のないものまで買ってしまうとか、周りの人が持っているものが欲しくなるとか、
もっとお金があれば幸せになれるのにとかね。
これらは過剰消費や物質刺激といった現代社会の特徴的な現象なんですよね。
再現ない欲望に振り回されたものへの執着が強くなりすぎて、逆に心が満たされずストレスを感じてしまう。
そんな経験、誰しもがあるんじゃないでしょうか。
本当の豊かさというもの、一体何なんでしょう。
また、競争社会の中で他人と比較して焦ったり、不安になったりすることもあるでしょう。
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あの人より出世しなきゃとか、もっと良い成績を取らなきゃとか、勝ち負けにこだわりすぎてなんだか心が疲弊してしまう。
そんな経験も現代社会では珍しくありません。
さらに長時間労働が、長時間労働というのも大きな問題です。
仕事に追われてプライベートの時間が取れない。
心身ともに疲れて、ワークライフバランスが崩壊してしまう。
そんな悩みを抱えている方も多いんじゃないでしょうか。
では、こうした現代の経済活動における課題に対して、仏教の教えはどんなヒントを与えてくれるのかなというところなんですが、
ここでカギとなるのが、先ほどお話しした中道という考え方。
中道というのは、真ん中の中に道と書いて中道です。
つまりバランスということですよね。
仏教では極端な考えとか行動というのを避けて、バランスの取れた状態を大切にする。
これが中道という教えなんですね。
では、消費について考えてみましょう。
中道の視点で考えると、必要以上のものを買いすぎてしまう。
過剰消費というのは極端な状態というふうに言えると思うんです。
逆に何にも買わないというのももう一方の極端な状態です。
そうではなく、本当に必要なものを見極めて、無駄遣いをせずに適切に消費する。
これが中道、つまりバランスの取れた消費行動というふうに言えるんじゃないでしょうか。
仕事においても同じようなことを言えるんじゃないかなと思います。
働きすぎて心身を壊してしまうことは極端な状態ですよね。
一方で全く働かないというのももう一方の極端な状態というふうに言えるんじゃないでしょうか。
自分に合った仕事を見つけて適度に働いて休息もしっかりと。
仕事とプライベートのバランスを取ることがやっぱり人生では大切ということなんです。
中道の考え方というのは仕事と生活の調和、いわゆるワークライフバランスを考える上でとても役立ちます。
競争についても中道の視点で考えてみますと新しい気づきというものがあります。
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他人と競争すること自体は悪いことではないと思います。
でも過度に競争にこだわりすぎると心が疲れてしまいます。
競争と協力のバランスを取る。
時には競い合い、時には協力し合う。
そうすることで自分自身も成長して周りの人とも良い関係を築くことができる。
ではこの中道、つまりバランスの考え方を日常生活で実践するにはどうすればいいのでしょうか。
まず自分の消費行動を見直してみるということが大切です。
買い物をする前に本当にそれが必要なのか一度立ち止まって考えてみる。
消動外を減らすだけでも大きな変化が生まれるということ。
これ本当に必要かなと自問自答する習慣を身につけることが大事ということですよね。
次に仕事とプライベートのバランスを見直してみる。
仕事だけではなくて趣味や休息の時間も大切にする。
意識的にリフレッシュする時間を作ることで心身の健康を保つことができるというわけなんです。
今日はここまでと決めて思い切って仕事を切り上げることも時には必要かもしれません。
特に最近は自宅でできる仕事、テレワークとかいうのもありますし、
あとは個人事業主、いわゆるフリーランスの方、
セルフブラックといっていつまでも仕事してしまうということもあったりするそうですが、
これもやはり今日はここまでと決めて辞める勇気を持つのは大切だと思います。
確かに自分が動かなければ収入が減ってしまう、そういう不安には駆られるのですが、
その収入を得るのはなぜかというところまで仕業を広げてみる。
家族の幸せのために働いているのであれば、やはり健康であるというのは欠かせないというところ、
そこを忘れてはいけないということですね。
そして競争との向き合い方についても考えてみましょう。
他人と比べるのではなくて、昨日の自分と比べて少しでも成長できているかどうか、
そういったことを意識する。
自分のペースで成長すること、それが大切だと思います。
中道という考え方は一見シンプルですが、実践するのは結構難しいです。
しかし日々の生活の中で少しずつ意識していくことで確実に変化が生まれる。
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買い物をするとき、仕事をするとき、人と接するとき、常にバランスを意識してみる。
中道の考え方は私たちをよりよく生きるための大きなヒントを与えてくれます。
さて、今日の仏教×現代社会、いかがだったでしょうか。
経済活動という一見仏教とは関係なさそうなテーマでしたが、
中道、つまりバランスという視点で見ると多くのヒントが得られるということがわかったのではないでしょうか。
今日紹介した中道の考え方を参考に、ぜひ皆さんも日々の生活をバランスの取れたものにする。
そういった意識をしてみてください。
そして、より豊かで充実した毎日を送っていただければ私も嬉しいです。
明日は仏教×現代社会の第5回目、コミュニティの再構築というテーマでお届けしたいと思います。
現代社会におけるコミュニティの歩き方について、仏教の視点から考えていきたいと思います。
どうぞお楽しみにしてください。
では、今日のお話を聞いてよかったと思った方、ぜひともいいねを押していただければ私の励みとなります。
どうぞよろしくお願いいたします。
では、蓮城院副住職の幸文でした。
ではでは、またね。