今日は、私が先日夫と議論したトピックについて、皆さんにシェアしようと思います。
そのトピックはですね、悪気はないんだけど、相手を傷つけてしまったり、
嫌な気持ちにさせてしまった時、その言葉を言われた人は怒ってもいいかどうか?
怒るべきかどうか?こんなトピックです。
これだけじゃちょっとわかりづらいと思うので、例をあげたいと思います。
例えば、これ皆さんもね、きっと経験あると思うんですけど、
ちょっと簡単な日本語を話しただけで、
日本語上手ですね!ってめっちゃ褒められる。
あとは、お箸を使ってご飯を食べていたら、
すごい!お箸持って食べられるんですか?
お箸上手ですね!って褒められる。
あとよく聞くのが、ハーフ、ミックスの人に対する言葉で、
ハーフだから〜〜だよね。
例えば、ハーフだから背が高いんだねとか、
ハーフだから目が大きいねとか、
そういう見た目について決めつけることを言ったり、
あと行動に対してもありますよね。
なんだろうね、ハーフだから敬語が苦手なんだねとか、
これちょっと悪意があるかもしれないですけど、
あと、悪意がないとしたら、
〜人の血が入ってるからスポーツが得意なんだねとか、
やっぱりアメリカ人の血が入ってるからフレンドリーなんだねとか、
こういうのって悪気は全然ないですよね。
バカにしてるわけじゃないし、
相手を嫌な気持ちにさせようと思って言ってるわけじゃないんですよ。
でも、言われた側からしたら、
ハーフだから〜外国人だから〜って勝手に決めないで!
人それぞれ違うよって感じると思うんです。
もしね、ハーフの人でアイデンティティが日本人だった場合、
なんで自分を日本人として見てくれないの?
なんでハーフとして見るの?って思うと思うんですよね。
すごく悲しい気持ちになると思う。
外国人に対して、日本語上手ですね!
箸使えるんですね!すごいですね!って、
この言葉の裏には、外国人だから日本語が話せるわけがないとか、
箸が使えるわけがないっていう気持ちがあるかもしれないですよね。
で、それを言われた人は、
え?バカにしてるの?とか、
え?私、見下されてる?とか、
そうやって嫌な気持ちになったり、イラッとしたりすることも多いと思います。
見下すっていうのは、相手を自分より下に見ることですね。
自分が上の立場、相手が下の立場、
こういう風に見るのを見下すと言います。
でね、実際ね、結構そういう話を聞くんですよ。
私の生徒さんからも聞くし、
あと、SNSとかでそういう経験談を見たりします。
こういうのをマイクロアグレッションって言いますね。
私は数年前にこの言葉を知りました。
最近はニュースとか記事でもよく見ます、マイクロアグレッション。
相手に悪気はないんだけど、
実はその言葉の裏には、
差別とか偏見の意識、無意識の差別偏見がある。
で、言葉を受け取る側は嫌な気持ちになる。
これがマイクロアグレッションですね。
このマイクロアグレッションの難しいところは、
悪気がないということなんですよ。
明らかな差別偏見じゃない。
だから、相手が嫌な気持ちになるなんて思ってないんですよ。
だから、知らないの。
その言葉が差別とか偏見につながるっていうことを知らない。
で、その時にね、言われた側が怒ったりイラッとするのはどうなの?
いい反応なの?
っていうことをね、夫とね、めっちゃディスカッションしたんですよ、この間。
で、私と夫の意見は全然違って、ちょっとお互い分かり合えなかったんですけど、
これね、それはそうだと思います。
だって正解がない話だと思うんですよ。
人それぞれの意見があると思う。
だから、ぜひ皆さんの意見を聞きたいと思っています。
夫の意見としてはね、
マイクロアグレッションをした人は、知らないわけじゃないですか。
自分の言ったことが相手を傷つけてるっていうことを知らない。
本当に悪気がない。
なのに、急に相手が怒るのはフェアじゃない、と言っていたんです。
もし、相手に悪気があって言ってきたら、それは怒るべきなんだけど、
相手が知らないで言ってきてるなら、相手に罪はない。
だから、言われた側はそれを受け流すべきだ、っていう意見だったんですね、私の夫は。
だから、ポイントは悪気があるかどうかっていうことね。
まあ、確かにね、それも悪気があるかどうか、
っていうことね。
まあ、確かにね、それも一理あると思います。
一理あるっていうのは、確かにそうだっていうことですね。
一理ある。夫の意見も一理あると思うんだけど、
でもね、私はね、結局、相手を嫌な気持ちにさせちゃってる、その事実があるわけじゃないですか。
だから、もう私は、そこにもう罪があると思うんですね。
言ってしまった側の罪があると思う。相手を傷つけちゃってるから。
わかりますか?難しいテーマですよね。
これ、今日のテーマは、日本語としても難しいと思うし、テーマとしてもめちゃくちゃ難しいテーマだと思います。
知らないは罪っていう言葉がありますよね。
これ、有名なギリシャの哲学者、ソクラテスが言った言葉らしいです。
知らないは罪。知らないことは罪だ。
私はこの言葉に賛成するんです。
エピソード99で、アイデンティティについて話しました。
そのエピソードの中で、私が知らなかったせいで、相手を傷つけてしまったという話をしたんですね。
私は本当に悪気はなかったんです。知らなかった。
やっぱり、知らなかったとはいえ、どう考えても私が悪いと思うんですね。
その言葉が、偏見とか差別につながるってことを知らなかった。
でも、結果的に相手のアイデンティティを否定してしまったということがあるんです。
やっぱり、知らなかったとはいえ、どう考えても私が悪いと思うんですね。
だから、知らなかったからしょうがないじゃんとは言えないんですよ、私は。
じゃあ一方で、夫はどうして罪はないって考えるかというと、
夫の性格がね、普段は全然怒らない人なんですよ。
相手に嫌なことを言われたりしても、全然怒らない。
なんでかというと、
いつもね、相手が嫌なことを言ってきたときに、自分側の原因も考えるんだって。
そして、それと同時に相手側の状況も考えるらしいです。
その人の言った、その言葉じゃなくて、その人自身を見て考えるってこと。
その人自身を見て、悪気があったかどうかを考えるっていうことです。
もし、仕事の同僚が嫌な態度を取ってきたり、嫌なことを言ってきても、夫は怒らない。
なぜかというと、普段はその人はいい人だから。
だから、自分を怒らせようとか、傷つけようなんてしてこないはず。
だから、たぶんその人は、今すごく仕事が忙しくてイライラしてるとか、
他の場所で嫌なことがあって、ちょっとメンタルが良くない状況だから、八つ当たりしちゃったとか。
そういうふうに考えるんですって。
だから、その人の言った、その言葉ひとつで起こるんじゃなくて、
その人との関係性とか、その人の背景、その人の今の状況を想像して、
その言葉に悪意がないんだったら、もう何も起こるポイントはないと言ってました。
すごいですよね。
すごい冷静っていうか、客観的っていうか、穏やかだなーって思いませんか?
神様か何かですか?って私は思ったんですけど。
だって私、そこまで冷静に考えられないんですよ。
なんか、嫌な言葉を向けられたら、何この人失礼だなーってすぐ思っちゃうし、
そんな深いことまで考えない。
どう?皆さん、どうですか?
人間がみんなね、夫みたいな人だったら、世界は平和になるんだろうなーって思うんですよね。
喧嘩とか争い事とか、絶対起きないだろうなーって思うんですよ。
そう、だからね、私と夫で全然その感じ方が違うように、