1. プロジェクトの秘訣を探る Project Design Room
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2024-05-21 21:27

#11-3 屋久島の自給ライフは創意工夫の塊 | 環境再生医 田中俊三(aperuy 家主)

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起業家や科学者、クリエイター、新時代を導くプロフェッショナルの原動力に迫るインタビューシリーズ。「プロジェクトデザイン」の視点から5つの質問を投げかけ、プロジェクトを成功させる秘訣を探っていきます。

第11回目のゲストは、環境再生医の田中俊三さんです。

<ハイライト> #サステナブルは我慢ではなく工夫の宝庫 #多様性があるって整理整頓されていることではない #人口が多いほど都市の環境がよくなる逆転発想 #見聞きだけではなく行動して意見を持つことが原動力 #不足はみんながつながる理由になる

<5つの質問> #1 VISION・暮らしの指針 #2 CHALLENGE・集団で挑戦することの難しさ #3 RESOURCE・壁を乗り越えるための資源 #4 CORE・困難の中でも貫くコア #5 COLLABORATION・自然と都会の協働

■aperuy aperuy(あぺるい)とはアイヌ語で「火が灯(とも)る」という意味です。私たちは心に火をともしながら、夢や希望をつかむ旅をしてます。

aperuyは2008年に自然と調和したサステナブル(持続可能)な暮らしを実践するために、その地を屋久島と決め、探究し続けています。その過程で確信を得たさまざまな考えや暮らしの知恵を「実体験」を通してお伝えることを生業としています。

パーマカルチャーをベースに、薪暮らし、米づくり、無農薬の野菜作り、廃材と自杉を使った家づくり、塩づくり、廃油を利用した天ぷらカーの使用、養鶏、ヤギ放牧、ガイド、森のようちえん、フリースクール、ゲストハウスと多岐の分野を有機的にミックスさせて、多くの人の心にワクワクした火が灯るような場を創造中です。 ⁠https://aperuy.com/⁠

■Yakushima Film ⁠https://yakushimafilm.com/

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スピーカー 2
それでは、引き続き、田中俊三さんにお話を伺っていきます。
環境再生医っていう、環境を再生する医者の医ですね、という肩書がすごい珍しくて、結構興味を持ってしまったんですけど、どんな仕事なんですか?
スピーカー 1
お医者さんの医がお医者さんの医だから、治療するみたいなイメージを持ってる方が多いんですけれども、広く言うと、壊れた自然を良くするっていう資格なんですけれども、
自然を良くするって、植林するとか、それも多分再生医の一つなんですけれども、例えば植林して自然が良くなるかっていうと、貧しくて貧困のせいで木を切って売らないといけない人たちがいると、いくら植えてもどんどん森はなくなっていくじゃないですか。
そうすると貧困をどうにかしないと、途上国では自然は豊かにはなっていかないと思うんですね。
なので、何て言うんですかね、やることは多岐に渡るんですよ。
だからこういうことをする人が再生医っていうのは、ちょっと一概には言えなくて、僕の場合は家族単位でどういう暮らしをしたら自然に負荷がかからないよっていうのを提示するのも再生医の仕事の一つだと思っています。
それを実際に宿に泊まってくれた方に体感してもらったり、壊れていってしまっている自然がどういう状態だったらすごいいい自然なのかって、もはやわからない人の方が多いと思うんですよね。
ほとんどの自然は、特に日本は人の手が入ってしまって、元気な自然、健全な自然って何?って聞かれたときに、
答えられない人多いと思うんですよ。
スピーカー 2
確かにわかんないですね。
よく引っ越しとかするとき現状復帰しなきゃいけないとかって言って、昔の写真を見たりするけど、その元がわかんないってことですよね。
わかんないですね。
スピーカー 1
それが薬師間って奇跡的に山の中心部には残ってるんですよ。
スピーカー 2
山歩きさせてもらったんですけど、これまで他を批判するわけではないですけど、すごい綺麗に整った山だなと思って歩いてたあの山、この山が、実はめちゃくちゃ植林でできてた。
ある意味人の手で作られた自然だったんだみたいなことを思わされるぐらい薬師間カオスですね。
ある意味くっちゃくちゃだし、だけど爆発してて面白いというか、めちゃくちゃ多様ってこういうビジュアルなんだみたいな感じがしますよね。
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スピーカー 1
まさに再生医の定義として、生物の多様性をしっかり維持するっていうのが自然の豊かな指標になってるんですよ。
だから多様性があるって整理整頓されてないと僕も思っていて、もうやっぱ薬師間の森から学ぶとぐちゃぐちゃですよね。
でもすごい生き物はいて、森は何千年と持続して続いてるので。
スピーカー 2
きっと生物の種の数とか、そういうこともむちゃくちゃ、僕目に見えないところも含めて直感的には感じるんですけど、
すごい爆発して多そうだし、関係者の数めっちゃ多そうですよね。
その循環とか生態系の中も。
そうですね。
だからものすごいある意味僕はプロジェクトっていうものがいろんな関係者の構図をうまく整えながらバランスとってやっていかなきゃいけないっていつも思ってるんですけど、
そういうふうに見てしまって森のことを。
誰かがいなくなるとなんかバランス悪くなってダメになっちゃうところがあるのかなとか。
でも面白いですね。現状復帰の現状がちゃんとあるから、ここで環境を再生していく、元に戻していくみたいなことがやっていくにはすごく理にかなった場所なんだなっていうのは分かりましたね。
スピーカー 1
そうですね。本当に薬師間はいいフィールドだと思ってますね。
スピーカー 2
なんか一つ駿沢さんからもらったエピソードで僕大好きな話があるんですけども、ここは山から少し離れた里っていうふうに呼ばれてるエリアだとは思うんですけれども、
ここに家を建てて家族として暮らしてるんだけれども、
実はここに何かコンクリートを打つと、ものすごい離れた、でも目には見える山の綺麗な山並みの途中でピョコンって木が1本2本なくなって歯抜けみたいな状態になると。
でもこれをどう直すかは実はここの離れた里の暮らしに関係してるみたいなことを聞いたときに結構びっくりしたんですけど、
あれってもう少し深かったらどういうことなんですか?繋がってるっていうのは。
スピーカー 1
山から海まで川で繋がってますよね。それはよく目で見えてるから川っていうものが理解しやすいと思うんですけど、
実は川にはなってないけれど、土の中に水って網細血管のようにたくさん流れがあるんですよ。
だからそれが例えば地下に潜って湧いてくると湧き水、それもやっぱり川にはなってないんですけど、地下にはたくさんの水の流れがあるんですよね。
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スピーカー 1
その水の流れっていうのは本当細かい、管ではないんですけど隙間なんですよね、土と土の。
そういう隙間が結局アスファルトとかで締め固められると、そこのラインがやっぱり血液で言うと血栓になって止まっちゃうんですよね。
なので、止まっちゃうといくら上が隙間があって水が流れる余地があるとしても、水が下で滞ってると動かないんですよ。
よく例えるのが、ここの家から山までの数キロあるラインにストローがあったとして、ストローの片方を閉じるといくらストローが空洞でも中、水入ってこないじゃないですか。
その現象が今たくさんアスファルト舗装とかで起きてるっていうことですね。
スピーカー 2
そこを少し通るような加工をしてあげると、数キロ離れた山の木がぴょこっと再生して歯抜けがなくなるみたいな話って、
そこの最後また再生がなされることで、つながってるんだ本当にみたいなことがちゃんと実感に変わる、そういうところを伝えていくのもすごく大事な。
僕もそこまで捉えられてなかったんで、面白いなと思って、環境再生すごいなと思いましたね。
スピーカー 1
僕もやっぱりそうで、教えてもらって確かそれが腑に落ちてなったんで、
今の現代人って小さい範囲でしか見れてないと思うんですよね。もっとダイナミックに関わりながら環境も人間も生きていて、
つながりがやっぱり急須になってわかんなくなってるんで、つながりを知ってもらうことも環境再生の仕事の一つになってますよね。
スピーカー 2
結構お仲間もいるんですか、環境再生医っていう単位で見ると。
スピーカー 1
単位でいうと、薬師マンには今2人いて、今年その環境再生医の人たちを薬師マンに招いて、
やっぱりその本物の自然っていうのがわからない、わかりにくいので、
スピーカー 2
それを伝えるリトリートというか研修会みたいなのをその仲間とやるまで。
いいですね、そういうのが増えていくといいなとも思いますし、
あと今回僕滞在の中で少し寄り道させていただいたのが、
住む薬師マンっていう、あれも重環境を作っているところで、すごく興味深かったなっていう、
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スピーカー 2
ちょっとそこのお話も触れさせていただきたいんですけれども、
住むから住むっていう名前なのかなと思ってたら、住めば住むほど住み渡るっていうことをコンセプトにしてるっていう風に聞いて、
すごい面白いお話でした、あそこの。
要はその自然ってそのままである状態が一番良い、なのでそこに何も建てない方がいいみたいな話ではなくて、
意外とここには人が住んであげた方がさっきの滞りとか血栓みたいなものが抜けて、
すごく風も水も通りやすくなってくんだよねみたいな話を聞いて、
逆に人ってマイナスじゃなくて自然にとってプラスを埋めるような、そういうピースにもなれるんだなっていうのを感じたんですけど、
スピーカー 1
そういうことが起こってる薬師マンってすごい良いですね。
そういう風に思ってる人が年々増えてきて、
日本の里山って普通の森とかより生物多様性があるって言われてるんですよ。
スピーカー 2
逆に。
スピーカー 1
だから日本の里山って、原生の自然よりもいろんな生き物が生きてて、すごい生物層が豊かって分かってきてるらしいんですよ。
たぶん里山の資源だけで生きてた先祖の人たちは、やっぱりその資源がなくなると生きていけなかったんで、
やっぱりよりその環境から恵みをいただけるようにちょこちょこ整備してたんですよ。
だからちょっと洩漏というか溶水炉みたいなのが詰まってくると土風さらいっていうので工事作業でみんなで土化したり、
空気が通りにくくなって矢深されたところはやっぱりみんなで切って風通しを良くしたりとか、
そういう地域の作業がそれぞれの地域であったと思うんですけど、
今やっぱり本当に人間の大事な食べ物とエネルギーっていうものが外から無限のようにお金さえ払えば無限にやってくるじゃないですか。
そうするとやっぱり自分たちの住んでいる地域をより良くしようっていうのはやっぱり気を付けになると思うんですよね。
スピーカー 2
確かにな。なんか今朝の出来事ですけど、うちの次男坊がちょっとスープお腹いっぱいになっちゃってもう食べませんっていうことになって、
いや普通なんか食えよみたいな、お残ししちゃいけないんだよみたいな話になるところが、
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スピーカー 1
いやあのこれ鶏が食べるからその後卵になって戻ってくるからいいよみたいな話であったりとか、
スピーカー 2
人が住んでてちょっとそこで出た余分なものみたいなものが自然の中にまた帰っていって、
なんか普通の野生の鶏よりもいい暮らししてる鶏が例えばそこにいてみたいなことって、
それってやっぱり里でしか起きないことだったりするのかなって思うと、
確かに人間も一つの循環の中のピースとして機能する、
実際そういう光景を朝から見たなっていう感じがあって、今の話にもつながりそうですね。
すごい面白いですね。
今僕はそれこそ薬師間にいながら収録をしてるわけなんですけれども、
実際この環境再生的な活動って逆にやっぱり都市にこそ必要なんじゃないかなっていうふうに思ったりしていて、
その点何か考えられてることはありますか。
スピーカー 1
都市でですか。
スピーカー 2
都市なのか、今僕が住んでるとこでいうと湘南のエリアになるわけですけども、
スピーカー 1
鶏があってでも人もたくさん住んでるみたいな。
そういうところで環境再生の発想みたいなものって生かされるところありそうですかね。
そうですね。
薬師間の里が都市部だと想定した場合に、
ここで各家族で持続可能な暮らしを作ってる僕がいるけれども、
15年経ってある程度システムができて、
ある程度循環できるようになってきたときに、
世界を見ると15年前より地球の自然環境って逼迫してるイメージなんですよね。
なので結果的に自分たちはこのままあと15年同じようにやっても、
世の中って自然環境良くなんないっていう結論なんですよね。
だから僕らは月でずっとこの暮らしはしてきますけど、
次のステップは人と協力してやっていかないとどうにもならないっていうところなんですよ。
例えばこの流域に関しては、
僕らがいかに環境再生で水脈を通したり空気の通る道を作ったとしても、
上の人たちが遮断してたらどうにもならないので、
協力していかないとどうにもならないですよね。
だから人とどう共同していくかがすごく大事だなと思っていて、
その点でいうとめちゃくちゃ人がいるから、
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スピーカー 1
人も生態系の一員としてそのピースとして機能したら、
良い方に行くっていうのは里山で実証できてるんで、
具体的にこうしたら良くなるっていうのはやっぱりそれぞれの地域で異なるので提案はできないんですけど、
人と人がやっぱり自然はここの海は大事だよね、
ここの山は大事だよねっていうふうに認識を一緒にして、
どうしたらできるかって考えたときにすごいいろんな意見が、
都市の方が人が多いのでできやすいんじゃないか、
その分カオスにはなっちゃうと思うんですけど、
人がどう協力してどう自然とうまく折り合いつけていくかっていうのがやっぱりすごいテーマだと思うんで、
人がいるからやっぱり都会の川は汚れてたり、今はしちゃうんですけど、
人がいっぱいいるからこそよりどんどん良くなるっていう、
ポジティブな方にはいけるんじゃないかなっていうのは。
スピーカー 2
確かに関係者の数が多いからこそテコが効いたときに一気にガラッと変えられる可能性はありそうですよね。
スピーカー 1
そうですね、それはすごく思ってます。
僕は東京で生まれたんで東京でとは思うんですけど、
やっぱり自分の限りある人生の中でそこだけに時間は割けない。
やっぱり好きなサーフィンとか好きな山登りとか自然の中で暮らしていきたいから、
東京で環境再生っていう仕事でやるつもりはないというか、
僕の中ではちょっともう難しいなって、
実際東京久しぶりに最近戻ったんですけど、
いやもうこれどうにもならないなって僕の中で思っちゃったんですよ。
でもそれは僕はこっちを愛してて、
薬師まで自分の短い人生でやれることが限られてて、
ここでしかできないなって思い込んじゃってるんで、
でももし神田川の川をすごい愛してる人が増えれば良くなっていくと思うんですよね。
実際僕、猪頭公園っていう公園があって、そこが大好きで、
高校の時よく休んでそこに行ったりしてたんですけど、
あそこで沸き水がすごい大量に出てて、それがあまりにも美味しいから江戸の方まで運んで、
神田川って人が引いた溶水路なんですよね。
神田川の下の方にはお茶の水っていうとこがあって、
そこはもうお茶立てるのに最高の水が湧いてるからお茶の水らしいんですよ。
スピーカー 2
じゃあ飲めるレベルのものがそこにあったってことですよね。
18:00
スピーカー 1
徳川系としてしたらもう最高の水だったらしいんですよ。
でも今の人は、あれお茶の水ってお茶色してるから、
スピーカー 2
濁ってるからね。
でもそうだったらしいんですよ。
スピーカー 1
僕、まだ今は湧いてるって言うんで飲みに行ったんですよね。
全然薬師場の水と変わんないんですよ、飲んだら。
めちゃくちゃ美味かったんですよね。
ちょっと柵があって入れないようになってたんですけど、
ちょっと僕はそこのそばのお飲み物を飲んでみたんですよ。
めちゃくちゃ美味しくて、僕がよく行ってた頃は、
井の頭公園に餌を、布をあげて、めちゃくちゃ水汚くなってたのが、
久しぶりに行ったら禁止されてて、それが。
水を綺麗にしようって運動が井の頭公園で起きてるみたいで、
絶滅した生き物たちが帰ってきたっていうのが看板に書いてあったんですよ。
確かに昔花見してたときの池より綺麗になってるんですよね、水質が。
だから僕すごい東京行って希望が湧いたんですけど、
やっぱり悪くもできちゃうけど、人がそうやって守ろうってなって、
スピーカー 2
共有認識を持つとできちゃうんですよね。
スピーカー 1
すごいな。
だから自然を愛する気持ちを育む努力があれば、
都会でほど人がこういう暮らししてると本当にマンパワーなんですよ。
自然を良くする作業って手間暇かかって。
今日も二人やってくれてるんで進むというか、
とにかく人がいるんですけど、人がめちゃくちゃいるじゃないですか、都会は。
だからみんなで地球を良くしていこう、この地域を良くしていこうってなったとき、
そっちに人間がシストしていったら、
すごい良くなるのは都会なんじゃないかなって思います。
スピーカー 2
それ面白いですね。
それこそ目に見えない微生物みたいなものが、
じゃあこの土を10センチ動かすのにどれくらいの時間がかかるんだろうとか、
すごい想像しちゃいますけど、
人だったら一瞬でできちゃったりもしますもんね。
そこはさっき言ってたポイントで言うと、
もともとの現状みたいなことがちゃんとわかってるかとか、
あとはさっき言ってた決戦みたいな話ですよね、
途中で血が止まっちゃうみたいなことで、
血がわかってたりとか、森と海は友達で、
そこ繋がってるから森だけで頑張ってもダメ、
海だけでも頑張ってもダメみたいな。
だからそこら辺がわかって、あとは土地の特性を見出しながら、
じゃあこれを右から左に動かしましょうみたいなことがやれていくと、
結構その工夫すること自体もすごい楽しそうだなってイメージが湧きますけどね。
そうですね、ほんと。
21:02
スピーカー 2
めちゃくちゃ大事な職業だと思うし、
それを知ってくれる人が増えるといいなというふうに思ったパート3でした。
ありがとうございます。
次、最後の回ですけれども、
プロジェクトデザインという視点で持続可能性ということについて、
対話を深めていければと思います。
21:27

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