今回は漫画特集ということで、石井久市先生のROCA、キッコアロカストーリーライブという作品を取り上げたいと思っております。
はい。
で、これがね、去年、2022年の8月に、自費出版っていう形で出てて。
で、石井久市ROCAとかで調べたら、その特設サイトがあって、そこから今も多分通販で買えるし、東京だと一部書店とか、中野のタコシェとかでも買えるし。
あとは、先月からKindle版が配信されまして。
で、これKindle Unlimited対象なんだね、チラッと見たら。
そうですね。
なんでKindle Unlimited入ってる人だったら見放題で読めるしっていう、なかなかお得な感じのやつで。
今回取り上げるんだけど、僕、いろいろこの作品の選定の時に、これはある程度、評論とかある程度の人がいいよって言ってくれてるやつは避けよって思ってんのよ。
うん。
いいやつっていっぱいあって、それを当たってないものにちゃんと当てよっていう感覚が結構あるんだけど、いろんな漫画を話してきた中で、石井久市先生の話も、
さくらん桃子の特集の時にギャグ漫画の歴史みたいなんで、ちょろっと名前を出したりはしてるんだけど、今やっといた方がいいなっていう感覚と、
僕たちがこの作品についていろいろ話せることっていろいろあるんじゃないのかなって思ったりとか、そういうことを思ったので。
はい。
中野ヤベさんとかが宇多丸さんのアトロクで紹介してたりとか、文化人メキキたちがいるんですけど、漫画読みの。
さくまさんとかもいるし、スカートのベイアンとかさ、いろいろいるんだけど、その辺の人らみんな出た時からヤバいって言ってて、
多分濃い漫画読みはなんとなくチェックしてるかなって感じだと思うんだけど、いかんせん手に入りにくさとか、そういうのもあったりするんで、
ただ今Kindleで配信されたっていうタイミングもちょうどバッチシっていう感じなんで、その辺も含めてぜひとも読んでほしいし、
この魅力をいろいろ語っていきたいなというふうに思ってやろうかなと思ってます。
はい。
ざっくりいつも聞いてるんですけど、寺田さん今回読んでみていかがだったでしょうか、石被災地ロカ。
そうですね、本当に落ちに行く時のこの急スピードみたいなものがあるんですけど、
本当の最後のラストの落ちね。
そこ行くまでっていうのが、それまで積み上げてきたもの全ての重みが急に乗っかかってくるような感じじゃないですか。
だから、それまでの4コマってわりと石被災地、僕は新聞に載ってた野野ちゃんとかで馴染みがあったんで、
どういう作風の人かっていうのは簡単には知ってたんですけど、
石被災地さんの4コマなんだなーぐらいで読んでたものが、急にスピードを変えてこっちに突っ込んできた感じがして、
なんで、ちょっと石井被災地について調べたいなっていう人は、この川での総特集1-1を読むのが一番、大体の情報が載ってるっていう感じかな。
でもその1冊しかないっていうのはすごいね。
そうね。
なんか作風からそんな感じの人っていうイメージがあんまなかったですね。
なんかちょっとシャイっていうか、そういう高齢を持つタイプの人じゃないっていう感じなのかな。
で、この寄稿してるメンバーですよ。分かりやすい名前だけちょっと挙げていくんですけど、
井原清美孝、尻上琴吹、鳥巻、吉田専写、埼原理恵子、東清彦、大友勝博、宮嶋美雪、っていうのがそうそうたる。
そうですね。まあでもしっくりはくるメンズかも。
うん。まあ初めの方とかは、いわゆるこの4コマとかね、ギャグ系の流れの人らだよね。
井原先生とか尻上先生とか。
うん。
で、まあ埼原さんとかもそうだし。で、まあちょっと気になるところで言うと、やっぱみんな大友勝博だろうね。
まあそうですね。そこだけちょっと意外かも。
そうそう。でも大友勝博って、日本の漫画の新しい世代っていうのが、70年代後半ぐらいから80年代ぐらいまでに出てくるのね。
うん。
その、いわゆる時和装手塚治文化圏の人らとか、あと劇画の人たちとかが出てきた後に、
なんかその漫画表現を更新することが多分ないだろうと思ってたら、大友勝博の登場とかとともに、
え、もっと新しいもの出てくるん?っていうところを総称してニューウェーブって呼んでたんですよ。
へへ。あ、そうね。漫画界にもニューウェーブってこともある。
ニューウェーブがある。まあこれはあの、それこそ当時パンクの世代とほんまにほぼ一緒なんで、そっから取ってきてるんだけど。
あー、なるほどね。うん。
で、大友勝博、高野文子を代表的な作家としていろんな人がいっぱい出てきてるんだけど、
そん中の一人に石井久市もいたと言っても過言ではないかなと。
そのニューウェーブの4コマの人っていう、ギャグの人っていうのと石井久市も言えるかなっていうところで。
あ、そんな存在なんや。そっか。
うん。で、大友勝博って言うと多分みんなもうアキラのイメージなのよ。
そうですね。
今の大友勝博のイメージって。ただ大友勝博って初期は、それこそ金のない下宿生とかがマージャンずっとし続けてるだけとか、
そういう自分の青春のちょっと何もない感じみたいなのを結構描いた作家だったんだよね。
意外と日常を切り取った作もやってた。
うん。はじめはそう。
へー。
そうそう。で、多分ドームっていう作品で評価をガラッと変えたっていうか、そこら辺からSFのイメージになってアキラになるという感じなんだけど、
初期の大友勝博ってほぼそういう感じなんだよ。
うーん。
で、やっぱり僕も初期の断片集とか読み返したけど、石井被災地が初期描いてたものとかなりやっぱりかぶってる内容としては。
大友勝博が描いてたものと石井被災地が描いてたものっていうのは。
へー、そうなんや。
うん。だから多分そういう同世代っていうか、多分年で言うと石井先生が3つぐらい上だと思うんだけど、なんかちょっとこうシンパシーもあったらしくて、
唯一大友さんは若手の時に一回わざわざ大阪まで来て会いに行ったらしい。
うーん。ああ、そういう結構ちゃんと繋がりというかね、友情があるんや。
そうそうそう。あって、そうそうそうとかで、でも一時期は寝る前にいつも石井被災地を読んで寝るっていう時期も結構あったっていうぐらい大友勝博にもめちゃめちゃ影響を与えている。
そうそうそう。だからみんな多分今石井被災地のイメージってまあ、俺たちの親父世代とかはがんばれタブチ君なのよ。
がんばれタブチ君。えー、僕ちょっと知らないですね。
うん。パロディーの漫画があってタブチっていう体がでっかい選手とかいるんだけど、そこをこう、まあいい感じに野球のパロディーみたいな感じの漫画を描いてたので、それとかアニメとかになってすごいヒットして。
うーん。
親父とかの世代に聞いたら多分みんなあーって知ってるっていうぐらいのやつなんだけど。とか、あと今だったらもちろん朝日新聞でずっと野野ちゃんをやってるから、あー野野ちゃんの人ねっていうイメージが多分あると思うんだけど。
うんうん。
その野野ちゃんが朝日新聞に載ってるってことがめちゃめちゃヤバいことっていう。
そうですね。僕は知らなかった。ほんとに野野ちゃん入りやったから、ああいう4コマをちょっと描き続けてる人なんやなーっていう。
そうそう、もちろんそうなんだけど、その野野ちゃんみたいな尖ったもんが載ってるっていう状況がすごいのよ。
なるほどねー。
うんうん。
まあでも知り上がり先生とかも書いてたしね、新聞で4コマ。
書いてる、ゆうかんはね。
うん。
そうそうそう、とかなんで。だからあの4コマが割と尖った作家がやってんのは、石井久市のせいですって、西原理恵子がこの気候の漫画に書いてるんやけど。
あーなるほど。
なんでこんな日本の新聞はこんなシュールなもんが載ってんだみたいな。って言ってるぐらい。
いいことですよね。
うーん、ていう。で、まあ僕ら世代で4コマって一番人気があるっていうところと、まあ寺田さんも好きなところで言うと、やっぱどうしても吉田戦車になると思うんですよ。僕ら世代の4コマとか尖ったギャグっていうのって。
まあ今にも通じる感じがね、一番あるし。
そうそうそう。やっぱその一世代記者になる。ちょうど12個くらい記者なんだけど、吉田戦車が石井久市の。63年生まれなんで。吉田戦車がやっぱ変えたと思ってたんだけど、僕らその4コマの何かみたいなのを。
うんうん。
でもやっぱ吉田戦車もどう考えても石井久市フォロワーっていう。
うん、確かにね。それを感じる部分がいっぱいあるかもね。
そうそうそう。だし、今回の文芸別冊石井久市にも吉田戦車が記事漫画を描いてて、その中で本当にデビュー作ぐらいの戦い軍人くんっていうのは、吉田戦車って名前だからちょっと戦争物っぽいやつ描いてくれよって言われて描いたんだけど、そういうので石井久市しかないなと思って、石井久市の戦争ネタのやつを参考に描いたって言ってたり。