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2022-10-28 52:18

第20回『ジョーダン・ピール、確かにここに』

今回は映画監督、ジョーダン・ピール(Jordan Peele)の特集です。
彼が監督した3本の映画……アフリカ系アメリカ人の青年がガールフレンドの実家を訪れ、体験する恐怖を描いた『ゲット・アウト』(Get Out:17)、自分たちと瓜二つの姿をした集団に遭遇した一家に起こる惨劇を描いた『アス』(Us:19)、今年の話題作『NOPE/ノープ』(Nope:22)
を中心に取り上げ、ジョーダン・ピールの作家性、つまりは彼が描き続けているものについて、考えてみました。
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00:00
今回はですね、予告しておりました通り、映画監督、ジョーダン・ピールの作品を特集させていただきます。
よろしくお願いします。 よろしくお願いします。
ジョーダン・ピールね、8月にノープっていう最新作が上映されまして、これがまあほんまに傑作で、ジョーダン・ピールの作品、今3作品撮ってるんですけど、
ゲットアウトと、アスとノープ。なんかちょっとここで一区切りついたんかなっていう感じがする作品でもあったので、ちょっとここで一回取り上げておきたいなと思ってですね、特集させていただきます。
ジョーダン・ピールの作品って結構、考察とかすごいされてるんですよね。いろんな人たちに。もう本当にまあ大人気の映画やし、あらゆるところにまあこのキャラクターはこういう意味があってとか、
この描写はこういう意味があってっていうふうな意図が散りばめられてるから、YouTubeとか記事とかでたくさん考察されてるので、僕らがそれを一個一個考察していくみたいなものは、そこまで必要ないのかなというふうに思ってるので、
今回はそのジョーダン・ピールの作品を一つずつちょっと語っていって、軽い考察とかするんですけど、その中でちょっと見えてくるもの、全部これを通して見えてくるものみたいなものを語れたらいいなと思っております。
なるほど。ジョーダン・ピール、監督作だよね。そうですね。主に。を通じて言ったらジョーダン・ピールの作家性みたいな、まあそこから見えてくるものみたいなのを考えて話していきたいなっていう感じってことですかね。そうですね。ジョーダン・ピールはシャークさんも結構好きな監督と考えていいんでしょうかね。
そうね。一応どの作品も劇場で見たかな。全部見たかな。監督作は。
そうね。なので、まあちょっとそのあたりはね、シャークさんと語り合えていけたらいいなと思っております。よろしくお願いします。はい。よろしくお願いします。
この番組、心のすなじは、様々な文化や日常の築きをヒントに考え続けることで、言葉の記憶装置を目指す教養バラエティ番組です。私、てらだです。
シャークくんです。よろしくお願いします。ということで本日も始まります。 心のすなじ。
だから、この見た瞬間、俺、ランディ・サブエージみたいになってますね。
あんまおらんけどね。派手さ引き出しにランディ・サブエージしてますね。
ランディ・サブエージみたいだよな。
で、やっぱ天竜とランディ・サブエージって試合もいるよね。流れると。
心のすなじ、シャーク。
はい、というわけでですね。まず監督のジョーダン・ピールの説明をね、していきたいと思うんですけれども。
ジョーダン・ピール、1979年、ニューヨーク市出身で、両親は離婚しており、白人の母親から育てられた。
マンハッタンにあるコンピューターの学校に入学し、サラ・ローレンス大学へ進学するも、2年後に中退してコミュニティアンとしての道を選んだ。
03:03
この後はシカゴを拠点に、セカンドシティなどに参加してキャリアを構築。
セカンドシティっていうのは劇団ですね。ちょっと今あんまり良くない方向で話題になってますけど、ビル・マーレーとかソーソー・タルメンツが所属していた劇団ですね。
2001年にコメディ番組のマッドTVへ出演し、セサミストリートのビッグバードなどの声で知られるキャロル・スピニーやモーガン・フリーマン、オレスト・ウィテカーなどのモノマネで人気を博した。
同番組で共演した同じくコメディアンのキーガン・マイケル・キーと意気投合し、2012年からはキーと共にコンビを組んでキー&ピールというコメディ番組を制作している。
まあそもそもまずコメディアンとして結構世に出てきた人なんですけど、お笑いやってた子のジョーダン・ピールっていうのを僕一応動画チラッとは見たんですけど、
結構見れるもんね。そうそう。youtubeに上がったりしてて、まあちょっとそれは見たんですけど、
勝手になんかこのシニカルなスタンドアップコメディーみたいにやってる人やったんかなと想像してたんやけど全然違ってて、めちゃめちゃ警戒な動きで動きを張ったりとか、
なんか鉄鍋ぶん投げたりとか、結構ドタバタコメディーな感じやって、意外でしたね、その中には。
オバマのモノマネとか結構そういうモノマネ系が割と有名なネタらしいよね、そういう。そうですね、この相方のキーガン・マイケル・キーっていう人もモノマネで売れてて、
ジョーダン・ピールもモノマネで結構出ててって感じなんで。 キーガンの方はなんかスヌープドッグのモノマネとか結構するらしいですね。
あとはやっぱあれだね、ニューヨーク出身だし、 白人コミュニティのとこで育ってるっていうのが結構ルーツ的には割と大きいのかなっていう感じはするよね。
そうですね、もうガッツリブラックの人たちのコミュニティっていうわけではないんでしょうね、おそらく。撮ってる作品とかもおそらくそういう経験が元なのかなっていうシーンはありますし。
そういう中で感じた疎外観みたいなものとかもあったのかなというふうには思いますね。
確かにね、知った時になるほどなーって思ったなぁ。
そういうコメディアン時代がありまして、俳優としての活動も継続させていたんですが、2017年に白人家庭に招かれた黒人青年が体験する恐怖を描いたホラー映画
ゲットアウトの脚本を執筆ということで、初監督作品で、初脚本でアカデミー脚本賞を取るっていうめちゃくちゃ花々しいデビューをしてるわけですね。
ちょっと待って、たぶん脚本はキアヌが先じゃないかな。
あ、そっかそっか。初監督作品で脚本賞を取った。脚本は別で書いてますね。はい、失礼しました。
そうだね。
監督としてのデビューとしては、一発目からアカデミー賞を取るっていうめちゃくちゃすごいデビューをしてまして。
06:02
そうだね。
ゲットアウトは当然シナリオもめちゃくちゃ面白いですけど、なんかインタビューとか読んでるとゲットアウトは結局作らせてもらえるかどうかっていうのがギリギリまでわからなかったらしくて、
なんかそういうのもあって、ゲットアウト以降、言い方悪いけど変な作品が多いなと僕は思ってて、奇抜な設定の作品とかが。
なんかその辺りはお金が使えるようになって、より自由に作れるようになったんかなっていう感じがしますね。
そうね。もう制作から入ってるっていう感じになるもんね、明日からはね。
ここからちょっと結構バンバンネタバレしていくので、映画を見てない方はね、ぜひ映画を見てから聞いていただけると嬉しいです。
というわけで、一作目、ゲットアウトをちょっと語っていきたいと思います。
ゲットアウト2017年ですね。
あらすじを先に説明します。
ニューヨークに暮らす黒人青年のカメラマン、クリス・ワシントン。
黒人の恋人、ローズ・アーミテージから実家に招待されるが、彼女の両親は娘の恋人が黒人であることをまだ知らず不安を隠せない。
しかしいざアーミテージ家についてみると、「全く心配ない。」というローズの言葉通り、家族みんなクリスを温かく歓迎して来れた。
それでも、使用人として働いている黒人の姿に妙な胸騒ぎを覚えてしまうクリス。
翌日、亡くなったローズの祖父を讃えるパーティーが開かれ、多くの招待客が集まる中、白人ばかりに囲まれ、居心地の悪さを感じるクリスだったが、
もちろんストーリーとしてもめちゃくちゃ面白いホラー映画なんですけど、ゲットアウトの僕が一番すごいなぁと思うところは、
これまで多分ホラー映画が一回も描いていなかった恐怖体験っていうのを描いた作品だなぁというふうに思っていて、
どういうことかというと、個人ではなくて、自分の持っている属性に対して好意を向けられることの気持ち悪さ、怖さ、疲れることが怖いみたいなところですよね。
そのパーティーでいろんな人たちが来て、主人公のクリスに対してものすごく好意的に接してくるんだけども、
ゴルフはするのか、肉体がどうだとかいう話とか、個人ではなくて自分の持っている属性をみんなが好きって言ってくるんですよね。
この不気味さというか気持ち悪さ、シャークさんが最近よく使われる言葉として消費するっていう言葉があると思うんですけど、
消費されることの怖さみたいなものをめちゃくちゃうまく体験させてくれる映画だなというふうに思ってるんですよね。
このジョーダン・ピールが撮ってる映画がホラー映画なのかっていう話でもなってくると思うんだけど、これがホラーなのかどうかっていう。
てらだの今の話としては、そこを一、恐怖として考えると、そういうジャンルとしてのホラー映画みたいなものが描いてきたものからはちょっと違うよねみたいな。
09:00
そういう性質的な怖さみたいなことを描いてるよねみたいな感じでも捉えられると思うし。
そうですね。
これってさ、恋人の実家に招待されて、そこで差別の問題とか多分彼が経験してきたいろんなこととかがあって、嫌がるやんか。
その実家に行くんが嫌みたいな、相手のパートナーの実家に行くんがちょっと嫌とか、実際行ったらやっぱり気まずいみたいなんとかは、そこの生理的な感覚はすごくよく分かるっていうか、
そのパートナーとかの親類とどういうふうに付き合っていいか分かれへんとか。
単純にそういうあるあるな気まずさみたいなのもあるよね。
自分の家とかの親類とかでもあるかもしれないけども、親戚とかが集まってるパーティーとか、
冠婚葬祭でのあの、なんかこう座りの悪い居心地の悪さって結構経験するものでもあると思っていて。
うん、確かにね。
ああいう親戚の集まりの嫌さみたいな、あの居心地の悪さみたいなのを映画としてキャプチャーしてるっていうのはすごい、そこが恐怖だって寺田が言ってるのも分かるし、
俺からすると、ホラーっていうよりはそういう居心地の悪さみたいなのを描く作品として捉えると、そういうモントも取れるなっていう感じがあって。
でもそこを描いてるっていうのは多分共通して多分面白いっていうか、
映画としてなんか、本当に見てて座りが悪い感覚?
僕は実際ブラックでもないんだけども、なんかこの差別されてる、変に懲られる感じも嫌やしみたいな。
ある種それは差別意識の裏返しみたいなところにも取れると思うし、
あの座りの悪さ?
なんかその親戚とかになんかこう、行ってる大学とかを褒められる感じとか、なんか嫌だったりせえへん。
なんかね、あの表面上のコミュニケーションみたいなのばっかのね。
そうそうそう、とか会社どういうとこで働いててみた、すごいなーみたいなんとかっていろいろあったりすると思うんだよな。
なんかその嫌だみ?みたいなのを映画にしてるっていうとこでもあるっていうかね。
そうね。なんかそこがやっぱり結構最初、序盤のあたりは強く出てて、
なんかそこでうまくさ、カモフラージュされてるんだよね。さっき言った消費されることの部分がさ。
だから、なんかやっぱそのところに気づきにくいようにうまく作ってあって、
我々がその経験する親戚同士、親戚の中に入れられるなんか気まずい感じと、
自分の黒人としての体とかを見てくる人たちのこの気まずさっていうのがうまくこう重なり合って、
なんかそこらへんがやっぱりどういう展開になっていくんだっていうのをね、
よりぼかしてるからこそ怖いっていうのはあるんですよね。
あとなんかこれから話す2作にも共通してるんだけど、その居心地の悪さみたいなのを絞って、
例えばこれがドラマシリーズとか、ジョーダンピールが影響を抗原してるトワイラートゾーンとか、
12:05
そういうもんだったらそこまででバシッと切れると思うんだよな。
居心地の悪さからそういう大心地の部分というか、のとこまで飛んで、バシッと終わりみたいな感じでいけると思うんだけど。
ジョーダンピールの映画見てていつも思うんって、ここからどこ行くねんっていうさ、
後半のどこ持って行かれるか分からん気持ち悪さみたいな。
なんか後半なんか長く感じて、まだあんのかまだあんのかって毎回思うんだよな。
あー、確かにね。
うん。
ここがオチじゃないんかっていう感じがね、どんどん。
そうそうそうそう。
まだ行くんやまだ行くんやみたいな感じが、ジョーダンピールの映画にしかない感覚だと思ってて。
そうやね。特にあとゲットアウトもさ、結局その体乗っ取られるっていうことが分かった後もなかなか長いもんね。
もう何段もオチがあるっていうか。
うん、そうそうそう。
これでオチでなんか悲惨な目にあって終わりじゃないんやみたいなさ。
その映画のその間でそれが続いていくから。
で、あとその拷問というかさ、そういう嫌なことされるシーンがすげー長いにくく感じるんだよ。すげー嫌。
うん。
確かにな。縛り付けられるところとかもさ、なんかこう、催眠で眠らされて映像を見さされて、なんかまた眠らされてみたいなさ、長いんすね、なんかね。
そう、あっこはね、ちょっとやっぱドラッキーだしね。
あー、そうね。
落ちていく感覚みたいな。
それはそうですね、あの、枕の中にね、落とされて、その上の方で人の声が聞こえるみたいな。
だし、なんかそこの感覚的にわかる居心地の悪さもあるし、そういう映像的なこう、嫌な感じっていうのもあるし、その暴力をこう感じてる感みたいな感じ。
いわゆるその、ミハエル・ハネケとか、ラス・ホントリアとかがやってるような、こう、露悪的な悪さみたいなも、こう、もっとこう、ポップってあるような感じがするけど、そういう感じも結構ねじ込んである感覚がしてて、結構、その間は割と嫌な感じがするよね。
そうですね。まあ特にそういうようさ、ゲットアウトとアースは強いかなって感じがしますね。
うーん、そうだね。
うん。
そうですね。まああとちょっと残りね、2作品語るのにあたって、これはなんかジョーダン・ピール、こういう描き方よくするなっていう中の一つとして、今回はその黒人っていうものが、そうなんですけど、ちょっと同等じゃない、差別されている対象っていうものは、人間ではない、なんかその動物と同じっていう、その動物をかなりモチーフに使うのが多いなと思ってて、
ゲットアウトだと、まあわかりやすくは、最初に跳ねる鹿っていうのが、主人公のクリスのお母さんを跳ねたっていうところとリンクしますし、クリスが縛り付けられているところの目の前にある鹿の白精っていうのは、まあそのままクリスの表現とリンクしますし、一番最初に黒人が襲われるシーンで、ラン・ラビット・ランっていう、なんか結構オールディーズな曲が流れるんですけど、
なんかその辺りはまあそのまんま、ウサギがパイにされるから逃げろっていう歌なんですけど、まあそのウサギと黒人っていうところがリンクしてますし。
15:07
なるほどね。まあ以前寺田さんと取り上げた話だと、あのロブスターとかね、もう近いような表現をしてるよね、ヨルゴス・ランティモスの。
そうですね。ヨルゴス・ランティモスも動物をよく使うんですけど、まあギリシャ神話的な文脈で使ったりね。結構やっぱこういうバイオレンスな映画とかで出てきがちな動物なんですけど、まあこれの使い方でちょっと監督の癖みたいなのがわかるっていうありますね。
まあ俺たちはみんな動物ですわみたいな。まあちょっとここのニュアンスが違うかな。ヨルゴス・ランティモスはもうちょっとこうそういう感じがするやん。いやもう俺らもう動物ですわみたいな。
人間も動物やからみたいな感じで使ってますね。
うんうん。そうそう。
うん。ジョーダンピールの場合は自分と同僚とは思われていない存在みたいな感じで使ってるなっていう印象がありますね。
なるほど。
次の作品、アス語っていきたいと思います。ゲットアウトの2年後2019年ですね。まずはあらすじを紹介します。
幼い頃にふと迷い込んだ遊園地のミラーハウスで自分とそっくりな少女に遭遇した。という恐怖体験がトラウマとして残るアデレード。
今は夫と2人の子供たちと幸せな家庭を築いていた。そんなある日、夏休みに家族と共に幼少期に住んでいたカリフォルニア州サンタクルーズの家を訪れた彼女は、ある出来事をきっかけにかつての恐怖が蘇り、説明のつかない不安に襲われる。
その夜、家の前に自分たちとそっくりな4人家族が現れたかと思うと、突如アデレードたちに襲いかかってくるのだった。
という、自分たちの分身が襲ってくるっていう映画なんですけども、当時ゲットアウトが好きな人たちは、なんかちょっと思ってたのと違ったなっていう感想をみんな酔ってた印象がありますね。
なんとなく僕も今回見返して思ったんですけど、ゲットアウトとは全然違う恐怖要素、ホラーと呼ぶかあれなんですけども、そういう表現が全然違うなぁと確かに思ってて、ゲットアウトっていうのはめちゃくちゃ不穏さっていうのを全部後で綺麗に回収してくれるんですけど、
アスっていうのは、最初に起こった不穏なことっていうのが結構概念的な感じで回収されていく。まあ要するに格差社会のメタファーの映画なんですけど、そういうメタファーの部分に回収されてしまうんで、そのあたりが多分なんかここの最後に伏線回収してくれるんでしょっていう期待で見てた人たちからしたら、ちょっとちゃうかったなって思われたんかなと思うんですけど。
18:01
僕は全然面白いと思うんですよね、アスは。
僕も…まあそうね、一番アスが好きかなぁ。
そうなんよ、意外ですね。アスが一番嫌いかと思ってた勝手に。
なんかアスが一番好きかなぁ。
なんか、なんていうかな、ちょっと言ったらこう陰謀論的なものを題材にしてるところもあるやんか、そういう想像力をこう使ってるもんで、こういうんで見ちゃうと、結局ちょっとそういう陰謀論的なノリやなっていう感じがしちゃうやんか、そういうもんを楽しく使ったなって感じがするんやけど、
なんかそういうもんを使いながらも、こういうふうに映画に落とし込んでるもんってなかなかないっていうか。
あー、確かにね。
うん。俺その辺が多分好きなとこでもあるし、あと俺は多分一番アスがポップなんじゃないかなって思ってて、それこそエム・ナイト・シャマランの映画のようなところもあるじゃないですか。
あー、そうですね。なんかシャマランっぽいっていうのはよく言われてますよね、アスはね。
そうそう。なんかそこの映画としての面白さみたいなところも含めて、まあ予算もね、ゲットアウトのところに比べれば全然使ってるし、っていうところとかも好きだし、あとまあ途中なんかゾンビ映画っぽいノリみたいなところもあるやんか。
あー、まあそうやね。その襲われたところから逃げ出して、別の家に行って、まあ街に出てみたいな感じでね、こうどんどん広げて、開けていく感じっていうのはゾンビ映画っぽいかもしれない。
そうそうそう。あの感じもなんかこう、どこ連れてかれるんだろうかみたいなのが、すごいあの辺のところは面白いっていうか。
うーん。これがどの規模で起こってるのかっていうことが、まあどんどんこう。
もう完璧にゾンビだよね。なんだけど、なんかその感じ、なんかすごい面白いなって思ったし。
そうですね。なんか僕も確かにこの映画が一番ホラー映画のお決まりっていうのかな。ホラー映画好きな人らを喜ばせるギミックがいっぱいあるなと思ってて。
うーん、そうだね。まあジャンルムービーとしてのなんか、まあそう要素だけこう話していくと確かにベタやなーと思うんやけど、でも質感としては変な映画みたいななーってすぐ思ったんだけどなー。これは何でなんだろうな。
うーん、そうですね。
まあ多分、なんだろう、絵作りなんかなショットを、あのやっぱバレエのさ、ラスト付近にあるバレエのショットみたいなあれやん、こうクロスする。
うんうん、踊りながらね。
あれとかやっぱちょっとね、忘れられへん感じがしたなー、当時。結構ショックな、すごい、もう見てるなって感覚あったんだよなー、そことか。
うーん、確かにね。なんかその辺り、やっぱそのテザードたちの、あのクローンたちね、テザードたちのモチーフがすっげー変なんすよね。この赤い服を着て、ハサミを持っててみたいな。
21:11
一個一個のモチーフが強すぎて、あんまりそのベタな映画に見えないんすよね、やっぱり。
そうだねー。
でもなんかそこはやっぱり、結局その下にいたアデレイズのクローンたちが、ハンザークロスアメリカっていうチャリティーイベント、後でちょっと詳しく説明しますけど、のTシャツ1枚をこう返して、なんかそれをちょっとこう、宗教的な感じで、統率してたっていう。
まあそこのちょっと陰謀論っぽい感じなんですけど。
ゴリゴリに作るノリだよね。
そういう、なんか一個の思想を持ったやつら感っていうのがやっぱり、普通のホラー映画とはちょっと一線を隠す表現なんかなって感じがしますよね。
なんかそのゾンビとかみたいに、ここが自由じゃないというか、なんか明らかに何かの意思を持ってやってきてるっていう感じが。
そういうとこではちょっと宇宙人っぽいかもしれないですね。
そうですね。で、ちょっとね、またジョーダン・ピールの手癖的な話をすると、ジョーダン・ピール、今回のこのアスからですね、今後も対応する表現として、ジョーダン・ピール自身が個人体験として、なんか怖くないみたいなものを入れ込んでくるようになったなっていうふうに思ってて、
それは序盤のミラーハウスのシーンとかもそうなんですけど、ミラーハウスっていうもの自体は全然怖くはないけれども、ミラーハウスのシーンがめっちゃ怖いんですよ。
そのものは怖くないけど、なんか怖くねっていう。たぶんこれ一番共感される対象ってピエロとかになってくるんですけど、ピエロはもう結構ホラーのイメージ付いちゃったんですけどね。
個人的に怖いなと思ってるものっていうものを入れ込んでくるっていう手癖があって、その中の一つとしてさっきテザードが団結するために使ってたハンザーク・ロスアメリカっていうのも入ってるのかなと思ってて、
これ実際この映画の格差社会っていうところに直接的に繋がってくるモチーフでもあるんですけど、それ以前にこのハンザーク・ロスアメリカのこの人間が手を繋いでる映像っていうのが、ジョーダン・ピールが当時7歳の頃に見たときに、
すごい怖かったって言ってて、単純に絵面が。そういう絵面の怖さみたいなところで引っ張ってきてる要素でもあるんですよね。
それはすごいな。
そこから上手いことですね、この格差社会のメタファーっていうところに繋げてきてるっていうのがあって、ハンザーク・ロスアメリカって僕も正直この映画を見た当初はそんな詳しくは知らなかったんですけど、
調べてるとチャリティーイベントで、その当時ビー・アー・ザ・ワールドとかライブエイドとかね、ライブエイドはクイーンの映画で知ってる人も多いと思いますけど、
そういうチャリティーブームだった頃があって、
80年代ね、ありましたね。もちろん生まれてないですよ、ありましたねって言いましたけど。
24:01
そうですね、僕らは全然生まれてないんですけど、そういうブームがあって、ビー・アー・ザ・ワールドとかは皆さん知ってると思いますけど、
その辺りってのは結構成功してて、ライブエイドだと1億2500万ドル寄付金が集まったりとか、ビー・アー・ザ・ワールドだと6300万ドルとか、
結構ものすごいお金が集まってたので、そういうブームでハンザークロスアメリカって言って、アメリカ合衆国でこう、人々が手繋いで人間の鎖を作ろう、
で、それに参加するのにお金がいって、そのお金を寄付金にしようっていう企画があったらしいんですね。
それがだいたい当初、1億ドルぐらい寄付金を集めようっていう目標でやったらしいんですけど、結局集まったのが3400万ドルぐらい。
で、そのイベントを行うために経費差し引いて1500万ドルしかチャリティーに当てられなかったらしいんですよ。
ていうこともあって、このハンザークロスアメリカっていうのは、アメリカの中では結構そのチャリティーっていうのが結局ブームに過ぎなかった。
でまぁ引いてはまぁちょっと偽善的だった。あくまでブームでやってて、なんか偽善的だったじゃないかっていうのが、露呈してしまったっていうイメージもあるみたいなんですよね。
なるほどねー。日本でも色々ね、あったけど、ホワイトバンドとか色々あったんですけど、そういうあれなんかなぁ。
そうですね、漁金してあのバンドとか結構身につけるものとかでね、PRするっていうのが流行った時期ありましたけどね。
まあそういった印象があって、でジョーダンピール的には、当時は7歳だったけど大きくなって、
まああのハンザークロスアメリカぐらいから結構そのアメリカ社会の貧富の差が激しくなった印象があるっていう風に言っていて、まあそれで題材にしたのかなっていう感じなんですよね。
アスで格差社会のメタファーとして表現している中でインタビューで、ジョーダンピールが言ってるんですけど、アスにおける主題の一つは、我々が特権に預かれない人々の存在をすっかり無視できるということなのです。
私たちが特権を保持している時、他の誰かはそのために苦しんでいるのです。つまり苦しむ人間の存在と富を享受する人間の存在は表裏一体なのです。我々は恵まれない人たちのために戦う必要があります。
っていう風に言ってて、だから要するに特権を持っている人たちっていうのは、特権を持っていない人をまんま無視して生きていけるっていう、これ結構僕らがジェンダーの話をしている時とか、男性特権の話をしている時にもよく言う話なんですけど、
特権を持っている人たちっていうのは、そもそも特権を持っていない人たちが見えないんですよね。いなかったことにしてしまえるということを、もうそのまんま地上と地下でやっているっていう、本当に物理的に見えないっていうね、表現をしている映画なんで、
ハンザークロスアメリカとか格差社会っていう、そこら辺の部分が見えてないと、なかなかこの明日っていうのは、「結局あいつら何やった?」みたいになっちゃうっていう、ちょっとそこが伝わりにくいかなっていうのは確かにあるんですよね。
27:03
そういうことじゃないんだよっていう、あれだからね。
そうですね。そういうところが見えたら最後、結局地下にいたテザードたちが、自分たちがハンザークロスアメリカをやり直すじゃないけど、地上でサンゴって映る映像の爽快さみたいなところっていうのは、よりここら辺を知っている方が、「おお、すげえ映像だ!」ってなるんかなとは思いますね。
なるほどね。
爽快感みたいなものがあるのかなと。
はい、で、ちょっとね、ここまで話して、最後ノープに移る前に、ジョードン・ピール関連の人でね、ちょっと触れておきたい人がいるので紹介するんですけど、マイケル・エイブルス、ゲットアウトとアスとノープの音楽全部担当してる方がいらっしゃるんですけど、
ゲットアウトの最初に流れる音楽、何語かわからない感じのコーラスみたいなフォーギーなギターで入るとか、あと結構印象的なのはアスのウサギのシーンの映像、バックに流れてる音楽とか、めちゃめちゃ怖いし、これまでのホラー映画ってあんまり見なかった音楽だなと思ってて、
あれはなんかスワヒリ語らしくて、ジョードン・ピールが直々にこう、結構こういう音楽を作ってくれっていうのを指定して作ってもらってる音楽らしいんですよね。
なんかジョードン・ピールがスティーブン・スピルバーグに会った時に、直々にマイケル・エイブルスっていう、彼は君にとってのジョー・ウィリアムズになるから今後も一緒にやり続けた方がいいっていうアドバイスをされたっていうぐらい、かなりジョードン・ピールとこれからもおそらく組んでいくであろう人なので。
いい話やなぁ。
なんかね、優れた監督にはそういう音楽のパートナーみたいなのがね、結構ついてることが多いもんね。まあ、それこそスピルバーグ、ジョン・ウィリアムズとかいろいろね、あるけども。
あの、ポール・トーマス・アンダーソンが最近だと、ジョニー・グリーン・ウッドと一緒にやってるとかね、そういうのもあるよね。
そうですね、確かに。そうか。まあ、なんかそういうね、タッグを組んでる人らの一組かなと思います。
はい。あとまあ、ひと作品ちょっと余談で触れておきたいのは、キャンディーマンっていう映画ですね。これはジョー・ウィリアムズは脚本のみを担当してる映画なんですけど。
制作も入ってる。
はい。ジョー・ウィリアムズは制作脚本を担当してますね。すいません。監督はニア・ダ・コスタっていう、ちょっと別の方がやってる。
今度、キャプテン・マーベル撮るよね?
キャプテン・マーベル。
キャプテン・マーベルだっけ?2か。マーベルズ。
うん。自作をね、撮る予定です。ちょっと僕、MCUそんなに詳しくないんであれなんですけど。
うん。
シンシン系の監督がやってます。で、これ2021年に撮られてまして、2021年、主にこのぐらいの冗談ピールがあんまり監督作を出しなかった時期に、
やっぱその、黒人差別っていうものを描き続けてる冗談ピールにとっては触れなくてはならないぐらいの出来事があって、
30:08
皆さんもご存知だと思いますけど、BLM運動ですね。ブラック・ライブズ・マター。
2020年にジョージ・フロイド事件。黒人男性が警察官に過剰に抑えられて窒息実施してしまったっていうところから、ブラック・ライブズ・マターの運動が結構、
世界中で起こって、日本でもね、かなり名前聞いた人いると思うんですけど、そういう出来事が起こって。
この時のブラック・ライブズ・マター、この前にもあったよね?これが何波目かってことなの?
ブラック・ライブズ・マター自体は、もうちょっと前からあります。
あった。14年のファーガソンの事件とか、そういうぐらいからだよね?
そうですね。ジョージ・フロイド事件をきっかけのが2020年。
2020年にあったってことだよな。
はい、そういうことですね。で、このキャンディーマンっていうもの自体は、これもホラー映画で、ちょっと都市伝説的な感じで、鏡の前でキャンディーマンって5回唱えると、右手がカギ詰めのキャンディーマンっていう男が襲ってお前を殺してしまうぞっていう都市伝説を元にしてるホラー映画なんですけど、一応過去に作られていて、それのリメイクっていうことで作られてるんですけど、一応リメイクってことにはなってるんやけど、続編に近い?
そうそう、見たら続編やねんな。そんなことある?キャンディーマンのリメイクですって言って、見に行ったら続編なんかいってなるっていうね。見てなくても面白いんだけど。
いや続編なんかいっていうその、当時のキャンディーマンが、まあこう時代がね、こう綿々と受け継がれて、まだ残ってる俺たちのことを語り継げっていう感じのね、話になってる。詳細は言わないですけど、
ダイレクトにこのジョージ・フロイド事件に近いところ、これまでも起こってるその黒人の方たちを過剰に取り締まる、警察とかとね、揉めたりするっていうところの部分をかなりダイレクトに描いている作品なので、そういう時代を反映されているものとしても、見ておいて損はないのかなと思いますし、
見てる方たちの感想とかではもうエントロールが一番すごかったみたいなことも聞くので、最後まで是非ね、見ていただきたいですね。なんかこの、今はまだ起こってることなんだぞっていう終わり方っていうのは、なんか結構そのやっぱブラック・クランスマンとかもそうだと思うんですけど。
制作で入ってるもんね、ブラック・クランスマンもね。
やっぱりなんかこの黒人差別っていうものを主題にした時に、映画としては面白かったね、終わりじゃなくて、今もまだまだ続いてる問題だから忘れないでねっていうことをやっぱり最後に起きたくなるっていうのはすごくよくある話ですね。
心のすなじ、ってなところでですね、最後に今上映中の映画ノープを語って終わりにしたいと思います。
33:04
あらすじを説明します。
その中、OJから父の死ぬ際に体験した不可解な出来事を打ち明けられたエメラルドは、決定的証拠を捉えたバズリ動画の撮影に乗り出すのだったが、というあらすじなんですけども、たぶん見て最初に思うことは、めちゃめちゃお金かかってるなっていうところかなというふうに思います。
絵のリッチ度が全然違うわな。
そうですね。IMAXフィルムカメラで撮られてるんですけど、制作費も当然100億、2、3倍かかってるよね。圧数がたぶん2、30億ぐらいだから。
そうですね。
撮影監督がホイテバン・ホイテマン。
覚えやすい名前。ホイテバン・ホイテマン。
ものすごいリズム感いい。
現代の一番ベストの撮影監督の一人みたいな人なんやんな、この人はね。
そうですね。ノープは空のシーンとかがやっぱり圧倒的にすごいですよね。
雲が全く動かないっていう映像を撮るために、空は全部CGにしたっていう恐ろしいエピソードがあるんですけど。
頭いかれてるよな。
空のシーン、当然じいちゃんがいる空だけだと思うんですけど、そこのシーンは全部CGでやられてるっていう、それぐらいやっぱり気合いの入った作品ですよね。
ホイテバン・ホイテマン。
スウェーデンかどっかの人やんな。そっちの方の人やんな。スイスだっけ?
あー、そうね。
そっちの方の人だからこういう名前なんだよね。
なるほどね。
多分出世作としては、僕の絵より200歳の少女とか。
あれホイテバン・ホイテマンやん。
あれ多分初めのキャリアで結構一番有名なやつちゃうかな。
トーマス・アルフレッドソンの裏切りのサーカスもそのまま撮ってて、その後結構ハリウッドとかで撮るようになってるって感じかな。
でもノーランとインターステラーで出会って、そっからはノーランのやつ全部撮ってたりとかって感じなのかな、最近はね。
あと007のサム・エンデスのスペクター、あれも多分ホイテバン・ホイテマンだったはずです。
なるほどね。結構ハリウッドに入る前とその前だと印象が違いますね。
そうね。なんかでも言われてみたら確かにみたいな感じはするんだよな、その絵の感じみたいなのは。
ちょっと僕の絵見直したくなりますね、それは。
うん、ぜひぜひ。
はい。ノープは僕は結構個人的には、もちろんスペクタクル映画的な要素の楽しみ方はあるんですけど、
36:04
そのジョーダン・ピールっていうところに焦点を当てたときには、自己反省的な作品になってる要素が強いのかなっていうふうに思っています。
それは僕もそう思います。
はい。一番最初にね、映画始まったときに、「私はあなたに汚物をかけ、あなたを恥ずかしめ、あなたを見せ物にする。」っていう、九百世書・ナホム書三章六節の引用が出てくるんですけど、
これは最初に見たときにどういうことなんて思うと思うんですけど、映画っていうものは、そもそも見せ物にするよっていう、人を見せ物にしますよっていうことであって、
この映画も今からそういうことをするよっていうことを言っていて、これは視聴者だけでなく、ジョーダン・ピール自身への問いかけでもある部分なのかなというふうに思えるところがあって、
映画というものっていうのは、どうしてもやっぱり誰かを見せ物にしたり消費する、してしまう構造上してしまうものなんだっていうところを言ってるのかなという。
映像を撮るっていうところもそうなんですけど、結構映画をテーマにした映画でもあるのかなという。
うん、まさしくまさしく。
思いますね。
その優れた作家がみんなやる、俺の映画を撮るよっていう、俺のやってることについての映画を作るよっていう、みんなが一回やるやつね。
そうね。
結局やっぱ自分の持ってるもん何なんだろうって多分さ、ある程度当たって自分がじゃあ何でもしていいよ、何していいのって立ち返ったら多分自分との戦いになるんだと思うのよ、どんな作家も、優れた作家は。
だからそこから多分優秀な人は一回向き合うんだと思うんだよね。
ああ、なるほど。
そういうことなんだと思うんですけど、今作は特に。
そうですね。
まあまさに本当に自伝的な感じになってまして、冗談ピールが撮った作品の中では僕は初めてこのノープがキャラクターが好きやなって思えた作品だったんですよね。
当然主人公のOJとエメラルドもめちゃくちゃいいし、ジュープとかも、まあジュープ自身のキャラクターはともかくとしてすごい魅力的なキャラだと。
えーと、ジュープっていうのはどんな人でしたっけ?
ジュープっていうのはアジア人のスティーブユアンが演じたキャラクターですね。
あー、はいはい。
テーマパークの人ね。
はい、まあいろいろキャラクター出てくるんですけど、まあその中でもそのOJとエメラルド、ジュープっていうのはインタビューとか読んでるとその冗談ピール自身の分身に近いキャラクターたち、冗談ピールの持ってる人格みたいなものをちょっとこう切り分けて出てきたキャラクターっていう感じですよね。
そうね、まあ自分の映画にありがちな構造ですよね。
全員俺、全員俺のこういう部分。エヴァンゲリオンのキャラクターが全て庵野秀明であるようにっていうことだよね。
この嫌な分ここは俺、ここは俺みたいな、全部俺っていうやつですね。
全部俺から出たものをこうキャラクター化していってるっていう感じなので、なんでまあよりこのキャラクターの魅力も出てきてるのかなっていう感じがしてて、
39:03
ゲットアウトとかもなんかちょっと自伝的なのかなって感じはしたんですけど、インタビューとか読んでるとあの別にゲットアウト自身のあのクリスの主人公像っていうのは自分ではないっていう風に明言してて、
なので、ノープはより自分を出してる映画なのかなという風に思ってまして、
まあOJとエメラルドっていうのはまさにそのOJっていうのはまあもうあんまり節目がちな、あんまり誰とも会話したくない、できるだけ人と関わりたくないっていう部分。
で、エメラルドっていうのはむしろ逆でみんなに見られたい。歌手と俳優とかもやってて、もうみんなを楽しませたいっていう部分。
まあコメディアンとしての要素に近いのかなと思いますね。
ジョーダンピール自身のね、そういうコメディアンとしての部分っていうところがあるのかな。
なのでまあそのジョーダンピールのみんなに見られたい、でも見せ物にはなりたくない、消費されたくないみたいな部分の二面性をこううまいこと分けているキャラクターなのかなっていう風に思いますね。
で、まあジュープですよね。そもそもアジア人が演じる予定ではなかったらしいですね。
白人の人が演じる予定だったらしいんですよ。ただスティーブユアンの演技がすごく良かったのでアジア人にしようと。
で、それによって役とかを全部書き換えたらしいんですよ、ジョーダンピールは。
なのですごくアジア人であることががっちりはまるポジションにはなってるんですけどね。
なるほどね。なんかその辺がさ、ジュープのエピソードとメインのOJエミラルドのエピソードがさ、うまく混ざってるようで混ざってないみたいな感じではあるやん。
この作品って。俺はそれが破綻してるんだけど、それはそれでこの作品のオブスケアの魅力にはなってるとは思ってて、俺はそこも含めて好きなんだけど、
それは多分その辺の当てがけで書き換えたとか、なんかいろんなんでずれてきちゃったとこなんかなって今話聞いて思ったね。
そうですね。ただジュープのジョーダンピール自身の自己反省的な部分を反映してるキャラクターであるっていうところで言うと、
自分なら正しくコントロールできるっていう、おごりの部分ですよね。
ジュープ自身が経験したシトコムのチンパンジーのゴーディーとの関係っていうことによって、
自分はどっちかっていうと消費される側であったからこそ、俺はそれをコントロールできる。
消費される側のものはコントロールできるんだっていうおごりっていうものが、
たぶんジョーダンピール自身も黒人なわけで、黒人差別を描いてるから消費される側だからこそ、
俺は描けるよっていうおごりっていう部分の自己反省から生まれたキャラクターなんかなっていうふうに。
うーん、なるほどね。面白い見たてですな。
ジュープがとてもおごりが発生するまでの過程でうまいこと練られてるなと思うのは、
ジュープが結局チンパンジーのゴーディーとグータッチするシーンがあるんですけど、
ETのシーンやな。
モロETの指と指を合わせるシーンのモチーフのグータッチシーン。
42:04
あそこっていうのは、ジュープとゴーディーが通じ合ってるっていう見方もできるし、
あの時って机の下に隠れてテーブルクロスがかかってるので、目が偶然合わなくなってるんですよね。
だから目を合わせなかったからたまたま助かっただけかもしれない。
でも心も通じ合ったかもしれないっていう、そこは全く明言されてない。
ちょうど曖昧に泳がせてるんですよね。
だから、あの時ジュープは正しくコントロールできたっていうことは絶対言い切れないような作りになってて、
そこが本当に上手いことやってるなっていうふうに思いました。
あとそのゴーディーのシーンちょっと怖すぎるんですよね。
チンパンジーがシットコムで暴れて殺しちゃうっていうシーンはめちゃめちゃ怖いね。
正直ジョーダンピール史上一番怖いシーン。
一番怖いと思う。
一番怖いですね。
あそこもジョーダンピールの持ってるなんか怖くねっていう要素がいっぱい入ってるなって。
入ってるな。
それこそシットコムの偽善的な感じっていうか、テレビだからこそ成り立っているあの変な空気感みたいな。
あそこの疑惑感みたいな。
いいテレ見てる感覚だと思う。俺らから。
いいテレに何かが阻害されてる感みたいな。
俺らの生きてるところにはこんな世界は存在しえないっていうあの感覚。
作られた優しい世界観。
そうそうそうそう。
あそこでチンパンジーが暴れていいテレに出てるお兄さんとかを殺したらどうなるかっていう映像が撮られてる。
こう話すとめちゃめちゃ怖いなって。
怖くなってる。
だからゴーディーズホームっていう番組なんですけど、
ゴーディーズホームのオープニング映像って本編では一切流れないんですけど、
ただジョーダンピールがツイッターに上げてて、その映像を本編には使わないのにわざわざ作るぐらいこの熱を入れてるっていう。
やっぱあの設定は入れたかったんでしょうね。
なんかわからんけど不気味っていうのはジョーダンピール節やなって感じがしましたね。
読んでくる撮影監督みたいな、なんかわけわからん動物同士が戦ってるドキュメンタリーをずっと見てるわけわからんおっさんを連れてくるけど、
普通に考えたらそれはホイテマンホイテマってことねって感じはするけど。
まあまあそれを撮ってるからね。この映画を撮ってる人だから。
どうしても飛行物体を撮りたいっていうんでそのまま持っていかれちゃうみたいな。
作家の業みたいなのを映したシーンではあるよね。どうしても撮りたい。
そうですね。
そこも分身、全てジョーダンピール節と考えるとジョーダンピールのそういうものを絶対に撮りたいみたいなことが反映されたキャラクターっていう風にも読めるかなって感じがするよね。
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そうですね。確かに言われてみれば。
このノープでは一番色濃かったかなと思うんですけど、ジョーダンピールがずっと撮り続けてるテーマとして僕は個人的にこういうものを撮りたいのかなと思ってることがあって、
ジョーダンピールっていうのはお前らが俺を見てなかったとしても、俺たちは確かにここにいるからなっていうのを結構打ち出す映画が多いなと個人的に思っていて、
ノープが多分一番それが分かりやすかったかなと思うんですけど、最後エメラルドが写真を撮って放行するシーンがありますけども、
そういうシーン、あの後メディアとかが来てて、それをなかったことにされるかもしれない。
けれども、そこにOJがいて、俺はお前を見てるぞっていうふうに静かに立ってるわけですよね。
これまでも馬乗ってるシーンとかもそうやし、OJは俺はお前のことずっと見てるからなっていう。
お前ら黒人の騎士とかいなかったことにされた人たくさんいたけど、俺はお前を見てるぞっていうことをずっとアピールしてるわけですよね。
なんかそういうところっていうのもあるし、アスだとそれがテザード側だったんですよね、どっちかっていうと。
いなかったことにされてた人たちがテザード側で、その人たちが俺たちも存在してるんだっていうことで復讐する側だったんですけど、
言ったら敵側だったんでちょっと分かりにくかったなっていうのはあったんですけど、今回ノープではそれが主人公側に来てるので、
よりも最後のシーンがめちゃめちゃ熱いっていうのがあるんかなっていう風に。
だからベストな形で、アスのメッセージ性みたいなのをやり直せたんかなっていう感じもすごくしました、僕は。
ずっと持ち続けてるテーマとしてはノープで結実してるかなっていう感覚ってことやな。
そうですね。いなかったことにされた人たちが、俺たちだって存在してるんだって。
ここで一区切りついたのかなという感じがしましたね。
それをこうやって映画として残すっていうことは、映画だと言ったら100年前、100年後とかにも残っていくメディアでもあると思うし、ずっと残していくメディアっていうところでもあるかな。
そういったものを持ってくる、映画でこれを撮るっていうところにもすごく意味があるっていうことはあるんだろうな。
そうですね。確かにこれを残すっていうこと自体がね、そういう証明になってるっていうところもあるしね。
というわけで、冗談ピール特集、最後にですね、お便りを送ってくださった方がいらっしゃったので、そのお便りを読んで最後にまとめたいと思います。
お便りご紹介します。リスナーネーム坂井和志さんからいただきました。
どうも坂井和志です。冗談ピール監督特集嬉しいです。作品の内容に関する鋭い考察はもう語り終えてくれていると思うのでしょうもない質問をします。
48:03
アスのように自分たちのクローンが突然襲いかかってきたらお二人はどのように戦いますか?あれめっちゃ怖いですよね?とのことです。ありがとうございます。
ありがとうございます。
アスのクローンとどう戦うか、めちゃくちゃ難しいよね。アスのクローンってほぼ自分と同じ形質を持っているわけじゃないですか。
足が速い人は足が速いし、火が好きな人は火が好きだしね。バトルマンガとかでよくあるやつやんな。自分のコピーと戦うみたいなさ。
でも、コピーより強化されている感じもあるよな。娘とかめっちゃ強くなってなかった?めっちゃ足が速かったですよね。
確かにね。すぐ追いついてたし。
息子も怪物感増してるしさ。だから自分の強化版と戦わなあかんっていう感じだから。
あーそうか。でも自分と同じやんなわけよな。基本体はクローンやから。
まあまあ多分ね。
ちょっと思ったのは、僕アレルギーなんですけど、多分クローンもアレルギーやと思うんですよ。
クローンってウサギしか食べてないんで、自分のアレルギー知らないんですよ。
僕、蕎麦とキウイとピーナッツアレルギーなんですけど、テラダアレルギー定食を作って、食べさせて苦しんでるところをやろうかなと思いますね。
なるほどね。
ウサギしかないですね。
アレルギーね。
多分お腹空いてるでしょうからね。食べるでしょう。
なるほどね。
シャークさんは何か思いつきますか?
始まって、お互いの良いところを見せ合うところから始めて、キックを受け、いろいろ難しいけども、
関節をね、多分腕とか腕ひしぎとかを警戒しながらもキックと、取れれば腕、関節を狙いながらチェックしながらっていうのをメインに、
キックを結構くると思うんで、そこをキャッチして、いけたらそのままドラゴンスクリューで倒したところを四の字ですね。
ドラゴンスクリューからの四の字。
ドラゴンスクリューからの四の字。
相手もね、クローもプロレス好きだったら乗ってくれるでしょうね、確かに。技に対しては。
そうですね。そういう感じになるかなと思います。
はい。というわけで、アレルギー殺しとシンプルにプロレスのいい試合の回答でございます。
ドラゴンスクリューからの四の字ね。
ドラゴンスクリューからの四の字。
フィニッシュとしてはね。
51:00
ドラゴンスクリューからの四の字。
決め技はドラゴンスクリューからの四の字でございます。
坂井橋さんありがとうございます。
ありがとうございました。
はい。というわけでですね、冗談ピール特集いかがでしたでしょうか。
今回の特集、映画見た人でね、面白かったよっていう話とか、
これ聞いて映画見てみたよみたいなね、そういうお便りでもなんでもいいので、
心のすなじは引き続きお便りお待ちしております。
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