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  2. 第21回『ぼくのイノキ』
2022-11-04 36:20

第21回『ぼくのイノキ』

アントニオ猪木が亡くなりました。
「心の砂地」はシャークくんの活動名義(イメージとしては雑誌のタイトルのようなもの)です。彼がやっていたブログのタイトルであり、イベントのタイトルであり、様々な使われ方をしていました。
ポッドキャスト番組「心の砂地」として、今の形になるきっかけとしてはツイキャスでのライブ配信がスタートです。居酒屋などで話していることをそのままライブ配信する、といったところからスタートしているのですが、気づけば「次はこういうことを話そうか」と言ったお題が生まれ、本や映画を取り上げて、それについて話す、というライブ配信を数回やっていました。
その時代に「僕たちがやっていることは面白いぞ」という自身が確信に変わったのが『天気のイノキ』(2019/08/18 ツイキャスにてライブ配信)回です。
新海誠(当時の)最新作『天気の子』を語る、といった配信でしたが、気づけばひとつの考えとして出てきた「猪木提案」に場は支配され、最終的な評としては『この映画に猪木が出演していれば傑作であった』という結論に至りました。
その後、あの配信が面白かった、という連絡が次々とシャークくんの元へ届きました。
「またやって欲しい」「定期的に聞きたい」といった内容です。
「これは遊んだ時にライブ配信をするだけでは勿体無いのでは、アーカイブ化していくべきでは?」
そう考えたシャークくんがたどり着いた結論が、ポッドキャスト番組「心の砂地」を始める、ということでした。(実は他にも理由がいくつかあるのですが、些末なことです)

そう。彼がいなければ、本番組は存在しなかったのです。

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泣きながら一気に話しました。【鮫編集後記】

00:00
今回は、先日亡くなられましたアントニオ・イノキさんの特集っていうのをしたいと思うんですけども。
この時点で何を話したらいいのか全くわからんまま、ただでもイノキの話を今しないといけないっていう思いで喋り出してる感じなんですけど。
まあでも、本当にシャークさん大好きだったんじゃないですか、イノキのことは。
で、なんかよく大好きだよねとか言われるけど、別に好きではない…。 そうなんですか。
これシャークさんには言ってなかったんですけど、このアントニオ・イノキさんの不法が流れた時に、知り合い何人かから
シャークさん大丈夫なんっていう、僕にシャークさんの心配の連絡が来ました。 まあ大丈夫やなぁ。
絶対大丈夫だよ。 絶対大丈夫だよ、ラジオさんになるから。
っていうぐらい、多分そのシャークさん知ってる人はシャークさんがイノキのこと大好きだと思ってると思うで。
まあまあ好きは好きなんやろうけど、でもなんか、あのーなんていうかな、俺がイノキに対する感情は多分好きの範疇には入るんやけど、
多分その今を生きてる人たちは、この僕とイノキの関係みたいなのをあんまり想像できない。 あんまそういう人をそれぞれの人が置いてるって感じではないと思うというか。
まあじゃあシンプルにファンとかってわけじゃないんやな。 そうだねファンではないし、
まあありがたいなぁみたいな感じだよね。 象徴として
あるから、イノキっていうのは。 このジャンルによっていろんな人いると思うのよ。まあそれこそお笑いだったらマッチャンなんかも知れへん。
松本ひとしなんかも知れへんし、落語だったら立川男子だったのかもしれんし、野球だったら大永島だったのかもしれないし。
まあいろんなジャンルの人で、いろんなパイオニアかつ新しいことをやってきて、時代のごとに変化して象徴となる人みたいな。
なんかそういうジャンルごとにそれを越境しようとするみたいな。なんかそういう人っていろいろいると思っていて。
あーなるほどね。まあなんとなくその例えでかなりわかってきたかもな。 好きっていうよりもこの人がいなければそもそも
何て言うんやろな、その時代が作られなかったんだっていうようなレベルの人だってこと? っていう感じはあるし。
ただ、この心の砂地っていう番組が始まる前に、寺田くんとツイキャストをやっていて。
で、今の形、この評論とかこういうふうに話していくっていう形になった放送が、それはツイキャスト時代最後なんですけど、その時に
新海誠の天気の子っていう作品を取り上げて喋ってるんですね。1時間ぐらい僕と寺田が。 やりましたね。
それで、僕の天気の子の評っていうのが、最終結論何やったかっていうことを覚えてますかね?
03:04
いやでも、なんかアントニオイノキが出てきたことはすごい覚えてんのよ。結論まではっきり覚えてないですね。
何でしたっけ? この映画にはアントニオイノキが出てないから面白くない。
いや暴論じゃないですか。出ないでしょ、そりゃ。 いやでも出る予感はするっていう話だよ。
あー、なんかそんなこと言ってたんだ確かに。 これはふざけてるんやけど、ふざけてるんやけど本気のことを言うっていう、このスタンスも俺からするとイノキイズムなんやけど、
大いなる不正、知知性の喪失っていうもんですよね。新海誠がいつもあるのは。
存在してない。そもそも存在してないんやけど。 だから今回みたいなエモーショナルな少年たん、少年が暴走していく話っていうのを描くときに、今まで持ってなかった大いなる不正みたいな象徴、
言ったらそれはアントニオイノキが僕は象徴として一番正しいと思っている、出すなら。 だからアントニオイノキを出してそことの交流とそことの離別みたいなところを
天気の子に入ってたら天気の子は5億点の映画だったっていうのが僕の表なんですけど。 なるほどね。それをこうギュッて言うとアントニオイノキが出てなかったからダメっていう。
あの僕はでも天気の子は好きな映画なんですよ。どっちかというと。新海誠のアーカイブの中では一番好きかもしれないんだけど。
でもそうっていう提案ね。新海誠、あの提案したんですけど。でもまあちょうどね、新しく今回ね、スズメの閉じまりですか。
はい、そうですね。 イノキ出なさそうな映画作ってるねやっぱね。 出ないでしょそれ。出ないです、雰囲気の映画じゃ作らないんです。分かってない。何も分かってない。
で、例えば心のすなじとのイノキで言うと、だからその時に天気の子にイノキがもし出たらっていうことで最後モノマネをしてるんですよ。
そうか、それでラッドウィンプスの歌詞を音読するアントニオイノキが登場してたのか。 だからあそこで主人公の子がさ、まあこう
ふらふら家でというかさ、もう逃避行していくやんか。そこでイノキの家、まあ多分その時のイノキはまあ新日本の道場にいると、80年代ぐらいのイノキと仮定すると。
で、そこの道場に来て、君は誰だ、誰に追われてるんだ、みたいな。なんかそういう出会いみたいなのがあって、スパーリングとかして過ごすんやけど。
なんで入門してんの? いやだから行くとこがないからやん今日も。なんで家に入るイコール入門して今鍛えとんの?
いやもうそれはそういうイノキがそういうコミュニケーションの仕方しか知らないからさ。 で、それでなんかスクワット旋回とかさせられて立てなくなるみたいな、まあそういうシーンみたいなのあって、
テレビのニュースとかで映るわけよ。家でしてる少年が銃持ってふらふらしてるみたいなさ。
06:03
なんかそれでここにいたらこうイノキさんが捕まっちゃうみたいなね。イノキと銃ってなるとその94年のね、シンマさんとの銃のスキャンダルみたいなのが出てくる。そこともクロスするみたいな、いろいろ出る。
引用すんなやめて、いろいろ。 それがあるんやけど、なんかそれで夜に勝手に出ようとするわけ。天気の子の主人公の子が。
こうガラッて開けて出ようとしたらイノキがにょう立ちで立ってると。 なんか絵面思い浮かぶけど。
どこ行くんだい。迷わず行けよ。行けばわかるさ。って言って、このいつものやつをね。 いつものやって言うなよ名言のこと。いつものやつをやるわけよ。迷わず行けよって言ったら、
イノキさんみたいな感じになって、 こう走って行くんや。行くんやじゃなくて。イノキの言葉を。
なんか最後さ、上の方のあのエンジェルビル、小犬のあっこのビルのところに上がって行ってさ、女の子を捕まえに行くやんか。
行きますね。 あそこの途中とかでさ、やっぱその新日の連中とかがさ、あの子を守ってさ、銃とかで撃たれたりしたりしたらいいやん。
その長州とかが、行くんだな、行くんだな、行くな、上がろうとか。 新日の連中とかが盾になって、警察から守って。
それで最後あの、どうなってもいいんだーっていうシーンまで行ったらさ、 傑作だったよ。
まあそういうことだよね。だし、僕の、その言ったら解釈の中では、まず、ここにイノキいたらどうなるかなとか、
まあそういうイノキさんのそういう持ってる問いみたいなもんだよね。 ようわからんこと言うんだよね、アントニオイノキって。
なんかみたいですね。 僕は基本的に適当なこと言ってるだけっていうことだと思ってなんか、本人も多分わかってない。
やりたいこととかはあって、言ってるんやけど、なんかこう含ませた、なんかようわからんことを適当に言ってるんやけど、
まあ実際ちょっとはなんか、方向を定めてるところもあるけど、どうしようとかは考えてないけど言ってるとこの、この含みの、
なんていうか、ノリシロのデカさみたいなのがあって、みんな、これどういうことなんやろうとか。
それを勝手にみんな解釈して、ああなるほどね、やっぱすごいなってなったりみたいな。積み上げ的なものがあるからだけどね。
まあまあそうやね。実績がそもそもあるからっていうのはあるけど、なんかでもそういう含みがあるっていうのはすごく、
センスが問われる部分やから、そういうセンスがあったんでしょうね。
なんかそういうとこはめちゃめちゃやっぱ影響は受けてるし、だから本気なんか冗談なんかわかるへんみたいなこと言われるんやけど、
それはもう完璧にイノキの影響っていうか、なんかそういうイノキと僕の距離みたいなのを今日は喋っていきたいなと思います。
この番組、心のすなじは、様々な文化や日常の築きをヒントに考え続けることで、言葉の記憶装置を目指す教養バラエティ番組です。
09:00
わたくしシャークくんです。はい、そして私が寺田です。よろしくお願いします。ということで本日も始まります。
心のすなじ。
はい、ということで、
シャークとイノキ、僕のイノキっていうことをね、喋っていきたいなと思うんですけども、
ま、そもそもまず僕91年生まれで30代ですけども、現役時代のイノキっていう試合を一試合も見たことないです、まず。
あーそれは、そうか、世代的に仕方ないことよね。
だし、時はよく言ってますけども、総合格闘技の時代。ま、それはかつてアントニオイノキがプロレスをやりながら目指した形ではあるんだけど、
総合格闘技が流行ってた時代で、なんかその時によくその急にイノキが現れて、なんか123だーとか、なんか急になんかヘリから降りてきて、
スカイダイビングでなんか降りてきて、え、何これ?とか思ったりみたいな。
それは、普通に試合に出るわけじゃなくて急に登場して盛り上げていくみたいな。
そうそう、盛り上げ、123だーのおじさんっていう、顎の出てる、そういう認識だったし、っていう世代なんですよね。
うん、そういう人多いでしょうね。
当時そのPRIDEとかK-1とか、まだまだビデオでそういうのが、テレビでもめっちゃやって盛り上がってたし、そのビデオでその辺がTSUTAYAとかでも結構出てたのね。
で、そういうのを、多分そういうプロレスとかが好きな友達のお父さんが、なんかそういうのをよく遊びに行った時とかに見たりしてて、
そういうので、PRIDEとかK-1のビデオを見たりとかもしてたし、その流れで、昔のプロレスのイノキのビデオとかも何個か見た覚えはあんねん。
へー。
そうそう、小学校、いや、中学生か、中学生の時に、ちょっとその、友達によく行ってた時期があって、
そこで、その友達とそのお父さんと、なんか知らんけど、俺でこのよくビデオを見てたんやけど。
なんでなんや。
あー、なんかその子があんまり学校行けなくなっちゃったのね。
そこに僕が行ってたのよ、毎日。
あー、なるほどね。なんかこう連絡物届けたりとか。
そうそうそうそう。で、なんかそこでちょっとこう、ちょっと家も遠かったけど、わざわざ来てくれるからって言って、
あれやったらなんかジュースでも飲んでき?みたいな感じで、ジュース飲むんやけど、その時に大体そのお父さんが、なんかそういうのを見てたのよね。
あー、なるほど。
うん。で、見てて面白いねみたいな感じだったっていうのも、記憶はあって、
12:04
触れたとことしてはそんな感じ。そういうテレビとか、それこそ有田さんとか長州小力さんとかがやってるモノマネとかでプロレスラーっていうのは知ったし、
井上自身に対しては別にそんな興味全然なかったって感じだったかな。
そうなんやな。まあでも、確かに僕ら世代はそこどまりの人が多いと思いますね。
うん。で、本当に井上面白いなとか、井上の考えみたいな、今の考えに至るに至ってはもう本当に大人になって、もう二十歳全然過ぎてからだね。
へー、なるほど。それはもうでも自分でこう、情報収集しやさないと近づけないんですよね。
そうそうそう。でもなんか恥ずかしがらずに言っちゃうと、いろんなカルチャーとか、何の音楽を聴いてるのとか、どんな服を着てるのかとか、
どんなことを考えてるのかっていうことで、俺は人が判断されると思ってたのよ。二十歳そこそこの僕はね。
で、その中でやっぱ勉強するしかないみたいな。なんか、で、楽器もやってて、バンドもやっててみたいな、自意識がすごい過剰だったから余計どう見られてるのか、どういう人と見られたいのかみたいな意識が、まあみんな若い頃はそうだと思うんだけど、それがすごい過剰にあって。
うん。 で、僕は特にその何を聴いているのかとか、どういうことを知ってるのかっていうことが、その人を定義すると思ってたわけ。
うん。
で、これは幼少期から接してきたおじさんとかが、もう言ったら音楽の話とかしかせえへんかったし、そういう人がかっこよかったからっていうことがまあ影響はしてくるんだけど。
うんうん。 実際にかっこいいと思ってたしね。
で、なんかそういう中で、まあ音楽とか、いわゆるかっこつきのサブカルみたいなものにいろいろどんどん触れていったりとかさ、そういう深夜ラジオ的なものを聞いたりとか、
まあそういうサブカルと言われる本とか、そこで生まれているスターの人たちみたいなのとかを、今で言ったら表にいっぱい出てるような人たちの本とか、そういう人の言説とかいろいろ触れたりとかね、して。
で、その中で、そのサブカルの中では、プロレスが入ってる人と入ってない人の2つに分けられるっていうことに気づいたの。
うーん、プロレスが入ってるっていうのはどういう意味ですか?
プロレスを愛好してて、プロレスネタを使う人と、全くプロレスが入ってないサブカルの2つあるなと思ったわけ。
あー、なるほどね。なんかでも確かにサブカル周辺の人とか、芸人さんとかもそうだけど、プロレス好きな人ってかなり多いイメージありますね。
うーん、多い。そこはそういう芸人さんが、たぶんその辺のケンコバさんとかあの辺世代とか、まあプロレス大好きな人らは結構そういうサブカル的なプロレスの言説とかにも触れてるし、
そういうノリを逆にお笑いに持ち込んでるっていう面白さもあるんだけど、まあそういう人らなんだけど、なんかでもそういう感じがあって、
15:01
で、校舎のだからそういう音楽とか、どっちかっていうと校舎の人ってフランスとかヨーロッパ志向行きがちっていうか、
僕の論からすると小西アスハルさんとかを頂点とする、そういう川勝政之さんっていう編集者の人がいるんだけど、その辺の人がいる人たちのサブカルチャーみたいな。
で、まあこの辺の鬼っ子として星野源がいる、今でいうと。
ああそうですね。
うんうんうん。
で、川勝政之さんはそのスチャダラパーとかその辺とかも紹介して、まあずっといろんな人を紹介し続けてるんだけど、まあドラマとか、まあいろんなね映画とかもすごい紹介してるんだけど、
まあそっち文化圏の人の鬼っ子として星野源とかが出てきだしたわけ。僕がそれを掘ってる時に。
で、源ちゃんとかは、こっちの言ったらそのプロレスが入ってる側の人、言ったらまあ今で言うと宇多丸さんとかの周りの人だよね。
TBSラジオとか、アトロクに定期的に出てるなんか変なおじさんたちがいろいろいるじゃないですか。
いますね、はい。
その辺周りの人とかとも絡んでるけど、プロレスみたいな、そんなに押し出してないから、俺はこっちを掘らなあかんと思ったんや。
ああ、その星野源じゃない方を掘らなあかんと思った。
そうそうそうそう。で、星野源だけじゃなくて、その周りの東京インディーの子たちとかもいるわけ、同世代で言ったら。
うーん、そうですね。
で、なんかその辺の人らとかがエッセイとかを書いたりとか言ったら、いわゆる僕の中で校舎はもっとわかりやすく、ちょっと嫌味のある言い方をすると、
マガジャンハウスが出してるポパイに好きな映画を何ですかって聞かれる人たちです。
あはははは。ああ、まあなるほどね。ちょっとわかりますけど。
なんかより東京っぽい匂いがする人らではありますね。
そうそうそうって感じがしてて、1000年の。で、僕はそっちにすごい憧れたけど、どう考えても俺のフィジカルが見合ってないし、
俺オシャレなかなか難しかったし、自分にそういう感性がないともわかってたから、
だったらもっとこういう、ちょっと土っぽい感じの、それこそ昭和のカルチャーとか、そういう昔の日本映画とか、
どっちかというと前者の、プロレスが入ってる人たちが愛好してるカルチャーをもうちょっと頑張って勉強しようと思って、
で、勉強しやしたら好きになったの、本当に実際。
へー、でもそれすごいっすね。
で、そこに至るまで、なんかもっとさ、例えばブライな憧れとか、いろいろ俺ブライの練習とかもしてるからね。
めちゃくちゃになっていくカルチャー人みたいな人いるやんか、そういう。
いわゆる昔のロックスター全としたような、ブライに生きる人みたいな、憧れみたいなのもあって、
なんかそういうのもやってみようと思ったけどやっぱ向いてない。でも俺めっちゃ真面目やなって思ったりとか。
なんかそういういろいろ試した中での、勉強するしかない、そういういろんな趣味とか、そういうセンスとかで戦っていくしかない、
でもその中でも守備範囲の広い、昔のカルチャーとかも好きな人にもならなあかんみたいなさ。
なんかそういういろいろあって。
前置きが長くなったんだけど、その中でやっぱアントニオ・イノキっていうのは、
イノキに触れないと、こう、ダメなんだなっていう感じがなんとなく外から見ててわかったわけ。
18:04
なるほどな。すごいな。
だから、その時の俺が猿だとしたら、2001年宇宙の旅のモノリスみたいなのがアントニオ・イノキなんよね。
なるほどね。
で、モノリスに触るでしょみんな。あれですわ。
なるほどね。
で、その時にちょうどそういう格闘技本とかでも結構いい本がいっぱい出てて、
その時に1976年のアントニオ・イノキっていう柳沢武さんっていうね、
ライターさんが書かれた、ナンバーで連載してた。
それがもうすごい評価されてたわけ。
普通のそういうサブカル層じゃなくて、文芸師とか、
そういう書評家の人とかもめちゃめちゃ面白いノンフィクションだぐらいで、
めっちゃ結構なブームになったんやけど。
だからそういうサブカルっぽいノリじゃなくて、
本当に真っ当に、76年のアントニオ・イノキがどうだったのかってことをめちゃめちゃ調べて、
実際に足を運んでみたいな。
愛もこもってるし、結構残酷なところは。
そういう幻想、今まで言われてた幻想みたいなところは、
いや、実際はこうですよみたいなことをちゃんと調べながら、
柳沢さんなりにこう。
でもやっぱ、アントニオ・イノキすごかったなっていうところに落ちるんだけど。
まあそういう本で。
その本の、まあでもどっちかというとそういう、
語られてるアントニオ・イノキしか僕触れてないしさ、リアルタイムで。
どっちかというと柳沢さんとかのファンって言ったほうが本当は近いんかもしれない。
それこそ吉田豪さんとか柳沢さんとか、そういう人が紹介するアントニオ・イノキ像のファン。
だから象徴としてのアントニオ・イノキのファンっていうほうが正しいんかもしれへんねんけど。
確かにシャークさん、プロレスの中で語られる証言みたいなものとか、
そういう書籍めちゃめちゃ好きじゃないですか。
まあでも試合とかも見てるけど、まあそうか、アントニオ・イノキはリアルタイムの試合も見てないから。
見てないし、後追いで結構重要なやつは見たけどね。
まあでも、それこそ今はもう僕アニメが好きっていうよりアニメ語りが好きっていうかさ、
漫画が好きっていうより漫画語りが好きっていうと一緒で、
語られてる言葉として、漫画、アニメ、映画、全部いったんやからやっぱプロレスもいかんやろみたいなさ。
で、プロレスはプロレスでやっぱその面白さがあるみたいなところもあったし。
だからそういう感じだと、勉強して好きになってるんだよね、アントニオ・イノキのことを。
すごいな。まあでもなんかアントニオ・イノキっていうのは本当にじゃあ語りがいがあるものなんでしょうね、かなり。
で、やっぱりその書く人も、柳沢さんとかすごいリアリズムで書いてる。
実際、例えばこのモハメド・アリーっていうね、当時のボクサーのトップのボクサーと、
本当はまあプロレスやるつもりでアリーが来たのに、アントニオ・イノキがガチンコで仕掛けたっていうね、
アリー・イノキ戦って言われる試合があるんですけど、そことかでも基本的には正規の盆戦って評価されてる。
で、そこをこうプロレスやっぱダメじゃねえかって言われたときの守る言説として、結構プロレスファン側がいろんな幻想語っちゃってんのね。
21:01
だから実際、アリーのグローブの中にはその石膏が詰めてあってとか、そういう話とかが。
こうであってほしかったみたいなものが残っちゃうんやな。
だからそういうところが、今までは、こういう本が出るまでは、いやそうだったらしいとか、誠に語られたことがもうめっちゃ調べて、いやそんなことはないとか、なんか、そうそうそうそう。
なるほどね。
そういうものを見ながら、でも、なんかちょっとやっぱりノリシロは残したんの。やっぱりイノキのことが好きだから、柳沢さんも。
ちゃんと裏が取れてる部分は、ぴっぱりこうじゃないって言ってるけど、ただ見たて、こうだったんじゃないかみたいな、見たてみたいなノリシロは残してあるような書き方がしてあって。
だからそこで僕はすごく、アントニオ・イノキイズムを築いた雷太さんからもらったそのイノキイズムみたいなんで、これって確かにこういうこととも考えられるなーとか、こういうふうにも見れるなーみたいな考え方がすごい、アントニオ・イノキをすることですごい考え方の幅がね、見え方が変わったっていう体験がめっちゃあんねん。
なるほどね、なんかその余白みたいなものを考えられるノリシロって言われてる部分。
そうそうそう。
そのものを意識するっていうのとしてはね、大きいかもしれないですね。漫画語りとかアニメ語りとかそういうところでも全部必要になってくる部分ですしね、そういうのって。
そうそうそう。で、本人がそのアントニオ・イノキの試合っていうのは、そういう本当に言ったら今の総合格闘技みたいな、今は当たり前だけどそういうものをやりたいと目指した人だし、実際さっき話した76年にはそういうガチンコの試合を仕掛けられたらやってるんだよね、結構ね。
それってすごいありえないことなんだけど、でもそういう面もある中で、同じくすごい謎のビジネスに手を出すっていう一面もあったり、同じく試合で言うと、もうすごい言ったら逆のガチンコの試合じゃない、見せるアメリカのプロレスみたいな。イノキが批判してるもんもめちゃめちゃ得意なの。
へー、そうなんや。アメリカの派手な感じのっていうのは、新日じゃなくて前日っぽい感じ。
前日、うんそうそうそう。
だけどそういうことも全然やるんや、イノキは。
多分、新日本の選手史上一番上手かったんすよ、創始者であれながら。ガチンコの方をすごい追求するっていう、だから一番俺らが強いっていうのを言いながらも、もう片っぽの方が天才的に上手いっていう、すごい。
あー、でもそれかっこいいですね。
この分裂してる感じ。人間としてはすごいみんな憧れる中でもそういうさ、もうわけわからんビジネスにアントンハイセルっていうね、何回もこのサトウキビをこう使った電力のバイオマス燃料にしたみたいな。そういう事業につぎ込んだとか。
あとまあだいぶ後の方ですけども、その永久電気っていうのを作りますと。
24:02
永久電気。
電力問題みたいなのがあったけど、これ作ったらもうこの機械から一生電気が使えます、みたいな。
いやいや、ノーベル賞どこの騒ぎじゃないでしょ。
とかやって、実際その会見したら使われへんわけ。これで動かないなみたいな感じ。
なんかその本当に総合格闘技の試合になって、言ったら象徴としてみんな祭り上げられたら、それはそれでいい気になって自分で工業を始めて大失敗したりとか。
なんか新日でわけわからんルールで試合させたりとか、もうそういう破綻してんのよ、全部が。
ちょっと愛嬌があると言うにはしては規模がちょっと大きすぎますね。
大きすぎるし、もう本当に多分人生壊れるぐらいの借金抱えられた人とかもいるし、もう近くにいたらもう絶対ダメな人だし、政治家に絶対なるべきでもなかったと思ってるし。
そんな人がね、やっとったら絶対上がんと思うけど。
でもなんていうか、その破綻してる感じがかっこいいっていう風に捉えてほしくはないんだけども。
なんかいわゆるロックだみたいなさ、めちゃくちゃなことやるからロックだみたいな評価ではないんよ。
そういう感じではなくて、でもなんかその人間の複雑性っていうのが、猪木さんぐらいの規模になるとそんぐらいでかくなっちゃうんだなっていう、俺の解釈で言うと。
なるほどね。僕らも、でかい買い物したら失敗することとかあるじゃないですか。
あるやん。
失敗するっていうのは、永久電源が始めようとして資金つぎ込んだり失敗するみたいな規模になっちゃってるっていう。
そうそうそう。で実際それを体現してるから。
でもその人間の複雑性っていうのがわかりやすく見せられてるし、問題はあるよ、それはおかしいなって思うことめっちゃあるんだけど。
なんかそういうところをすごい、なんかあんま使いたくないけどやっぱ魅力的には感じてるんだろうね。
そうなんや。それは人間臭いっていうのとはまた違うの?イコールなの?
ニアリーかもしれない。ニアリーかもしれへんけど、でもその下にいる選手とか魅了されてる人らはみんなやっぱり大好きで、言ったら多分その人としては愛してるんだよね。
アントニオ猪木としては愛してるんだけど。でも俺はそういうわけでもないんやけど。
そう。なんなんやろうなぁ。魅力的な対象であることは間違いないんだよね。
そうか。ずっと追い続けてました?なんか変な話。晩年になってもやっぱりずっと気になる存在ではあった。
ここ1年ぐらいは本当にもう厳しいんだろうなっていう体調。目に見えてやっぱり痩せ細っているし。
っていうので正直あんま見られへんかったんやけど、ギリギリまで何をするんかみたいなのはチェックはしてましたしね。
27:01
YouTubeとか最後やってたんですけど。それも見てたし、ある程度。ただちょっとやっぱりしんどいっていうかさすがにね、見るのがどうも思ってたけど。
なるほどね。なんかでもそうやな。ずっとなんか気になるみたいな。そんな感じなのかな。なんかでも関わったら絶対ヤバいねんけど気になるみたいな。
なんかでもそういうのってさ、全然イノキとは規模が違うと思うけど、なんか人間関係でもあるじゃないですか。
人として関わったらヤバそうなんだけど、なんかとても人間臭い部分があったり、でもそれと同時に痛いの知り合いの部分があったりっていうのもあると思うんですけど、
そういう人たちの魅力を語ってる時と同じようなテンションやなって思うんですよね。なんかイノキを語ってる人って。
あーでも本当そうそうそうそう。本当にそうで。だから、語らせてくれるっていう魅力だよね。
みんな誰しも何かを語りたいし、誰しも誰かを語りたいもんだと思っていて、僕は。で、実際このポッドキャストやってるのもそういう欲望から。
そういうことが、もっと人を楽しませると信じてるからこういうことをやってるんだけど、そういう語りしろの人として、一つの支竹としてはやっぱアントニオ・イノキっていうのは、本当に絶好のタレントだったんだよね。
でもその語るっていうので、それこそシャークさんと同じ世代とか僕ぐらいの世代で、同じ熱量で語り合えたことってあるんですか?上の人はいると思うんですよ、年上の人は。僕ら世代っています?
いないことないいないことない。あのね、俺ら世代もアメリカのプロレスが深夜にやってたりした世代なのよ。
新日もね、たぶんやってたんだけど、そういう経緯で僕の世代は、プロレスのゲームか、アメリカのWWEのファンから日本のも見るようになったっていう、その2つのパターンだね、俺ら世代は。
で、あとは今の新日本プロレス、たなはしさんとか岡田さんとかが盛り上がってきて、見てファンになったっていう、最近の層はそういう層かな。
でもそっちの層は別に猪木の話とか興味ないから、あんまなかったりするんだけど。
なんか言ったら、その書籍とか証言的な部分からは入ってないじゃないですか。単純にプロレスとか格闘技っていうものが好きっていう入り方と、当然シャークさんはそういうのも好きだと思うんですけど、ちょっと角度が違うなと思いますよね。
たしかにそういう意味で、僕と同じ熱量で柳沢さんの本を読んで、76年のアンドニオ・イノキキを読んで話したことっていうのは同世代ではないね。
やっぱそうなんですよね。僕も本当シャークさん以外であんまり会ったことがないので。
でも、僕からすると本当に半分本気で半分冗談でもあるけど、だから本当に吉永文の漫画面白いと思う人は、アンドニオ・イノキを面白いと思うっていう感覚なのね。
30:12
それこそタブーなしじゃないけど。プロレスって結構差別されてるから。
そうですね。今回撮るにあたってシャークさんからこれ聞いといてって言われた番組は一応聞いて。
プチカシマさんのね。
それは聞いてきたんですけど、僕らはあんまり知らない時代やけど、プロレスっていうのがあんなものはインチキや、スポーツじゃないみたいなことでちょっと差別されてた時代があるっていうのはちょっと僕は知らなかったんですけど。
そういうのと戦い続けてた。
今も全然ある。
今もあるん?
今も全然ある。やっぱそのプロスポーツみたいなすごい好きな人って、やっぱその純然たるプロスポーツじゃね?それを見せる要素があるから、ないじゃないかみたいな感じで言う人って全然いるし、僕もそういうこと言われたこと全然あるしね。
えー、あ、何?その、わざわ受けるとかそういうのがスポーツとしか見れないみたいなことかな?
そうそうそう。うん、っていう感じっていう人も全然いるし。
あ、でもそういう意味では最後に一つ言うとしたらそこだね。僕やっぱ絶対そういう戦ってる人が好きだから。
あー、なるほどね。
そういうところと戦ってる人が好きだし、立場として強い人と弱い人がいたら絶対立場が弱い人を僕は絶対弱い側に立ちたいと思ってしまうっていうか。
それで言うとアントニオユニキが戦い続けてた人やからこそ。
うん、だからそういう世間に対して腹立たしい、認められない、それこそ同じジャンルでもババさんに対してすごい嫉妬してたとかさ。
そこもすごく心打つ部分だね。だからアイドルとプロレスってよく同列に語られること多いんだけど、僕がアイドルが好きなのもそういう理由っていうか、すごいクオリティのすごいことをやってるのに、
アイドルっていうジャンルだからだいぶ変わってきたけどね。プロレスも一緒だけどだいぶ変わってきたけど、アイドルっていうジャンルだから馬鹿にされるみたいなさ、もんとかってあったりするのか。
あー、なるほどね。
うん。
そのまあ音楽とかダンスとか歌とか、なんかそういう部分で同列に立たせてもらえないというか、まあ馬鹿にする人っていうのは確かに。
いるやんか。
うっすら、あーなるほどねー。あ、すごくわかりやすいですね、それは確かに。
なんかそういう感じかな、まあそう考えるとやっぱ僕のそういう言われのない差別みたいなもんに対しての意識みたいなんと、プロレスを、アントニオイノキを好きだと思う気持ちっていうのは、そこが方がかもしれませんねー。
まあそういう意味では確かにプロレス好きな人は好きにならざるを得ない存在かもしれないですね、アントニオイノキっていうのは。
うーん、そうそうそう。やっぱそこをこう、僕もそういうプロレスの話してて、なんかプロレス好きなん?みたいな、そればかんされるとか。
33:00
だからそこにこう、そこと戦ってきたイノキとか、そういう人たちに自分を重ね合わせやすいっていうところもあるしね。
まあもっとこう自己統一化して見るファンの人とかもいるんだけど、まあそことはちょっと距離があるんだけど、気持ちとしては全然やっぱ俺も乗ってたんだろうなっていう。
自分が認められないっていう気持ちみたいなのを、そういうイノキとかに自己統一しして、すごく、ならどう考えるかな。イノキだったらどう考えるかな。
僕、同じくアイドルでさ、よく道重さゆみさんっていう人が好きなんだけど、道重さんだったらどうするかなとか、嗣永さんだったらどうするかなとか、すごく考えるんだけど、なんかそういう感じかなー。
なるほどね。なんかそこまで大きい存在になると確かに、なんかファンっていう言葉じゃないよね。なんかもはやその人を心に宿してるみたいな感じ。
あーそうそうそう。
だからなんか、確かに好きとかファンとかっていう言葉とはなんか違う表現になってくるっていうのはすごく納得がいきましたね。
そういう感じかなー。ずっと喋れるんですけど、まあ今回はそういう話で、お亡くなりになったっていうことですけども。
まあでも、残したアーカイブとかはね、ずっと見れるんで、まあよかったら、僕はレコメンドを得意としてますんで、まあこの番組もレコメンドの番組でもあると思ってるんですけど、プロレス興味あるんだけど何から見たらいいかわからんとか。
昔の、今のは見てるけど昭和のプロレスわからんから、昭和のなんかちょっといいの入門にとか言われたら、すごいもう。その人向けのね、パターンをいろいろ用意してますんでね。興味ある人はよかった。
まあそうですね。なんかノートとかにイノキ入るならまあここからみたいなのとかね、あれば知りたいですけどね。
まあ一番本とか、ここすなリスナーは1976年のアントニオイノキから入るのが一番ベストだと思う。
なるほどね。
はい、そんな感じです。
はい。
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ということで、今回も聞いていただきましてありがとうございました。
ありがとうございました。
それでは皆様、ごきげんよう。
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