1. 喫茶クロスロード 本好き達のたまり場
  2. #70 【「差別の哲学入門」池田..
2024-11-04 42:32

#70 【「差別の哲学入門」池田 喬・堀田義太郎】哲学シリーズ第二弾!権利について考えよう 前編

哲学シリーズ第二弾やるぞ/「権利」について話したいそらやん/「差別」を通じて権利について考えてみよう/意外と難しい差別の定義/アファーマティブ・アクション/差別問題への理解には、歴史的・社会的な深い遡りが大事!/そして後半へ…


▼今日紹介した作品

「差別の哲学入門」(池田 喬・堀田義太郎)


▼キサクロではおたよりを大募集中!あなたの好きな本教えてね

⁠⁠⁠https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSdrptC5Xic_oDRtY_J2IUyu_DHO8kV0L1o6XmTf6atulxdorA/viewform?usp=sf_link⁠⁠⁠

サマリー

今回のエピソードでは、池田隆氏と堀田義太郎氏による「差別の哲学入門」を基に、権利と差別について哲学的な考察が行われます。差別と権利の関係が探求され、既存の価値観の再考が重要であることが強調されます。差別の定義とその背景について考察され、多様性や権利に関する議論が展開されます。特に、区別の種類や悪質な差別の形成について焦点が当てられ、アファーマティブアクションの概念も紹介されます。アファーマティブアクションや差別の定義に関する議論が進み、個々の差別問題における歴史的・社会的背景の重要性が強調されます。また、女性専用車両の導入理由やその是非についても触れられ、差別解消に向けた複雑な社会的構図が明らかにされます。さらに、差別といじめの共通点と違いが探られ、差別を解消するためにその背景にある歴史や社会構造を理解することの重要性について議論が行われます。

哲学シリーズの導入
スピーカー 1
カランコローン、いらっしゃいませ。喫茶クロスロードへようこそ。
この音声配信は、音好きな人たちがフラッと集まり、みんなが友達になれる喫茶店をコンセプトに、店員たちが気ままにゆるーく話してまいります。
11月4日、第70回の配信です。
今日はですね、お久しぶりの哲学シリーズをやります。
哲学シリーズって、なんやそれっていう方もいると思うので、説明すると、
普段あんまり考えないような抽象的なものについて、本を通じて少しゆっくり考えてみませんか?というシリーズです。
前、店員をやってくださっていた、ゆうこりんが発案してくれたもので、第1弾は、愛をテーマに3人それぞれ本を持ち寄って話しました。
ナッシーはどうでしたか?哲学シリーズ1回目は。
スピーカー 2
そもそもさ、日常生活で、そんな愛っていう言葉を発することあんまないよね。
スピーカー 1
ないね。
スピーカー 2
で、なんかその愛っていうことについて、ちょっと考えたりとか、あと自分のことを振り返ってみたりっていう、きっかけの一つにはなったなって思って、
あとなんか結構みんなの持ってくる視点とかがさ、毎回違うからどういう回になるのかなっていうのがすごい楽しみで、面白かったよ。
スピーカー 1
面白かったよね。みんな愛って同じ言葉のはずなのに、持ってるイメージとかが全然違っているっていうのがわかって、
3人でこれだけ違うんだからね。もっといろんな人で違うんだろうなっていうのが。
それだけね、ちょっと深掘りして考える意義のあるテーマだったんじゃないかなっていうふうに思っておりまして、
なのでまたやりたいなというふうに思って、ゆうこりん、また定員やりたいなってなった時に哲学シリーズあるよっていう感じで。
スピーカー 2
ちゃんと続いてるよみたいなね。
スピーカー 1
そうそう、ちゃんと続いてるよみたいな感じでね、やれたらと思うので、
今回は私がやりたいテーマが一個あって、
権利、ライツ、権利について、なっしーとそらやん、それぞれで本を持ち寄って、
権利と権利周辺にまつわる話をちょっとゆるっとみんなでできたらなっていうふうに思っております。
今日は差別の哲学入門という本があるんですけど、
これは池田隆先生と堀田義太郎先生という方が書かれている本がありまして、
この差別の哲学入門という本を通じて、権利が侵害されているみたいなことを通じて、
権利ってそもそも何だろうみたいなことを考えていきたいなっていうふうに思ってます。
スピーカー 2
ちなみに差別の哲学入門という本のタイトルだけ聞くと、
結構重そうというかごつそうだなっていう感じがするのと、
差別の哲学入門で権利が侵害されているから権利について考えられるっていう構造になっているっていうことなんだね。
スピーカー 1
そうだね、私は今日はそんな感じにしたい。
スピーカー 2
差別と権利が一緒につながらないぞって思ったけど、なるほどっていうことはわかったけど、
権利と差別の考察
スピーカー 2
まずもうここですでに思考のね、思考しないとついていけないから、ちょっとこれはハイカロリーの中になりそうな。
スピーカー 1
なんか前もさ、その愛について考えようってなった時に、
愛の真ん中について考えることもできるけど、愛の周辺にある私はケアっていうことについて、
ケアっていうところからじゃあ愛ってなんだろうみたいなっていうふうに考えると、
ど真ん中からいくよりちょっと俯瞰して見えるかなっていうこともあって、
権利について考えようって思った時に、私たちが持っている権利、周りの人たちが持っている権利って思った時に、
その権利がこうちゃんと尊重されてないってどういう状況なのかっていうところから、
あ、そっか、権利ってこういうものかっていうふうに見るほうが、私はなんとなくこう入ってきやすいっていう感じなんだよね。
っていうのでちょっと、権利って言葉、一言も入ってない本持ってきたんですけど、権利について考えるかに。
スピーカー 2
いや、なんかすごいそのソラヤンの仕組みがすごい今やっとわかって、
みんな頑張ってついてきてね。私もついてくよって感じです。よろしく。
スピーカー 1
この本はそんなに分厚い本ではないんだけども、内容がとにかくちょっとゴリゴリだから、ちょっと1回で収まりきらないと。
もう無理。前後半に分けてやっていきたいなっていうふうに思っていて、
この本、差別の哲学入門っていうことで、差別っていうものを哲学的に考えるっていう、
まさに哲学シリーズのためにあるような本なんですけど、3部構成になっていて、
すごいわかりやすい。1章、差別は何か。2章、差別はなぜ悪いのか。3章、差別はなぜなくならないのか。
この3つについて哲学的に考えていきましょうっていう。
今日は前後半に分けるんですけど、第1回は1章、差別とは何かだけについて話します。
本当は2章までいこうと思ったんだけど、台本書いてたらちょっと無理が出てきてしまったので、1章で終わり。
来週、2章と3章、差別はなぜ悪いのかと、差別はなぜなくならないのかについて話していこうというふうに思っています。
だけど、毎回言ってるんですけど、哲学シリーズで毎回言ってるんですけど、本当に本の触り部分しか語れないので、
この2つの回を聞いて、この本独了できたわっていうふうに思わないでほしいっていうのは、ちょっとお願いしたいところではあります。
スピーカー 2
なるほど。
スピーカー 1
本当に今回はね、本当に触り部分しか話せないっていうか。
それでも面白いんだけど、なので興味があったらぜひ読んでもらえたらなって思ってます。
あともう1個、最初にお伝えすること多いな。
スピーカー 2
2個目の最初にお伝えしておくことです。
スピーカー 1
最初にお伝えすること多いんですけど、最初にお伝えしておくんですけど、
この2つの回を通して聞いて、あんますっきりしないと思うのね。
スピーカー 2
え?
スピーカー 1
なかったみたいな。もう俺差別についての考えマスターしたぜとはならないと。
スピーカー 2
ならないと、はい。
スピーカー 1
そう、私もこの本読んだ後からずっとすっきりしてなくて。
スピーカー 2
すっきりしないの?
スピーカー 1
そうなんだけど、でもすっきりしないっていうのにはちゃんとした理由があってっていうか、
差別とか権利っていうことを考えるときに、すっきりしたっていう風にならないことがすごく大事だっていうことを
私はこの本ですごいわかったから、この2回を通じてみんなでもやもやするっていうことで
差別の哲学入門に足を踏み込んでいこうと、権利について考えるっていうことを始めてみようと思いますと。
スピーカー 2
はい、みなさん今日はすっきりしない回です。でもこのもやもやするのを大事にしましょうということですね。
スピーカー 1
そう、もやもやをね、もやもやを大事にしていこうっていう。
差別についての問い
スピーカー 1
でね、この本は差別の哲学入門っていう本のタイトルにもある通り、
その哲学的に考えるっていうのはどういうことかっていうのを、この本で最初にちゃんと踏まえてくださってるんだよね。
めっちゃいいよね、これ。すごく大事なことだと思う。
で、哲学的に問うってつまりどういうことなのっていうと、開かれた態度で立って、そこで生じるありとあらゆる問いを尊重するということ。
だから、え、それちょっと違うんじゃない?みたいなのは今日はなしっていう。何でもありみたいな。
スピーカー 2
何でもあり。どんなことも受け入れる。
スピーカー 1
受け入れる。そう、だから私がしゃっぴって言った内容に対して、なしが、たとえばこれはこういうことかなとか、これはこういうことなんじゃない?みたいなときに、私がいやそれはないよっていうのは間違ってる。
哲学的に問う態度ではない。
いろんな疑問が生じてもいいっていうのがあって、それに対して疑問とかもやもやが浮かんできたら、それを、物事の根拠をできる限り深く遡って説いていくっていうことが、この本の中で哲学的に問うっていうところで大事にしたいことなんだ。
で、このできる限り深く遡るっていう行為が、差別とか権利について、哲学的に考えるときにめちゃくちゃ大事になるので、なんか今日は、何をこんなにダラダラ話してるんだろうっていうふうに思ったときは、できる限り深く遡っているというふうに思い出してくださいと。覚えておいてください。
スピーカー 2
みなさんメモしましたか?できる限り深く遡るですよ。
スピーカー 1
そうそう、できる限り深く遡っているから、この配信なんかすごいどんどん込み入ってんなぁみたいになってるっていうのは、そう、それは本の姿勢に則っているということで。
スピーカー 2
はい、わかりました。
スピーカー 1
まだごめん、でもまだあるわ。
まだあるの?
最初にお伝えしたいこと、まだもう一個あって。
最初にお伝えしたいことが多すぎたから、一章しか台本に書けなかったの。
これもちゃんと伝えておかなければならないんですけど、この本を取り上げるにあたって大事な話をしておきたくて、今回はあくまで、差別っていうものってつまり何なのかっていうことについて思考を深める回。
これは差別だよねって取り上げられているその差別そのものについて考える回なので、今現在、現代に存在しているあらゆる差別が絡む問題について何か議論をするとか、意見を表明するとか、そういう回にはならないと。
そこは抑えておいてほしいですと。難しいんだけど。
スピーカー 2
そうだね。私とスライアンがこういう意見を持っているとかっていうのを配信したいっていうことじゃなくて、差別とは何なのかっていうところの思考の部分を2人で話して、もやもやするってところが見せたいってことだもんね。
スピーカー 1
そうそうそうそう。なんか差別とは何かっていうことを考えて深掘りすると、差別が絡む問題って世の中にすごいいっぱいあると思うんだけど、
それについて私たちとか聞いてくださっている方が思いを馳せるとか、これはどういうふうに考えるべきなんだろうっていうふうに考えられるきっかけになったらいいなっていう、そういう感じですと。
はい。そんな感じでやれたらなっていうふうに思っているんですけど、早速なんですけど、ナッシーは例えば近所の小学生に、あのーみたいな、差別って何ですかみたいに聞かれないと思うけど、もし聞かれたとしたら、どんな返しをします?
どんなイメージが差別っていう言葉に対してどんなイメージとか、1人説明するって言われたときにどういうふうに説明します?
スピーカー 2
はい。この質問さ、小学生にもわかるようにっていうのが結構難しいポイントだなって思ったけど、それが多分重要なのかなと思って、ナッシー考えてみました。
で、私が差別を小学生に説明するとしたら、なんかいじめようとか、からかってやろうみたいな気持ちを持って、人をグループ分けしたり、仲間外れにすることっていうふうにまとめてみたんだけど、どうでしょうか?
スピーカー 1
なるほどね。悪意がまずあって、悪意があってその人をカテゴライズするとか、カテゴライズゆえに自分とは違うよみたいな感じでやるみたいな。
なるほどね。
スピーカー 2
なんか人をグループ分けしたり、仲間外れはちょっとやっぱりそれでも悪意があるとは思うんだけど、グループ分けすること自体はそんなに悪いことじゃないかなっていうのが頭にあったから、その前半部分をまた後から持ってきた感じなんだよね。
スピーカー 1
なるほどね。
そう思うとさ、難しいよね説明すること。
差別って何?って。
差別の定義と理解
スピーカー 1
そう、差別はいけないことってわかってるけど、じゃあ差別って何ですか?って聞かれると、さらっと説明するのすごい難しいなっていうふうに思ってて。
っていうのは私も思ってて。
私がこの本を読もうって思った最初のきっかけは、多様性みたいなところで、いろんな人の権利みたいなところがいろんな議論になっているなっていうのを感じていて、
その中で自分は差別的な行動を振る舞いはしたくないって思ってるけど、私って本当にちゃんと理解してるのかなみたいなところがすごい怪しいなって思った。
差別がいけないってことはわかってるけど、いけない以上のことをあんまり考えたことがなかったなっていう。
スピーカー 2
いけない以上のことはあんまり考えたことがなかった?
スピーカー 1
そうそうそうそう。
差別はいけないってわかってるけど、じゃあ差別についてわかってないのに、差別がいけないっていう振る舞いは正しくできてるかって言うとちょっと怪しいか?
あやしいじゃん、それ。
スピーカー 2
差別というものがわかっていないのに、その行動が適切にとれているかがわからないってことね。
スピーカー 1
そうそうそうそうそうそう。
スピーカー 2
それでいいのかなって思ったことが、この本を読みたいと思ったきっかけだったんだよね。
区別の種類とその影響
スピーカー 1
そういうことです。
スピーカー 2
はい。
スピーカー 1
はい。
ということでね、早速、じゃあ差別っていうのは何なのかっていうことについて、この本は最初に書いてくださっているから、
この本における差別の定義について話していきたいんだけど、
そもそも、さっきなっしーが言ってた通り、人をグループ分けすること自体は悪くないっていう話があったじゃん。
差別が発生する前提として、私たちの社会は便宜上、そうやっていろんな形で人をグループ分けというか、区別はしている。
性別、大人、子供、国籍、学生、社会人とかいろいろ。
差別が生まれる背景には、区別がまずあると。
スピーカー 2
で、区別はさ、人類が社会生活を円滑に営むために必要だから区別してるわけで。
はいはい。
スピーカー 1
ちょっとイメージつくかな。
例えばさ、我々って地域で自治体とかが存在してるから、我々は何々県民として区別されてるわけじゃん。何々都民、何々府民。
そう、それだから役所の手続きとかがさ、特定の自治体がめっちゃに集結するみたいなことがないようになってるっていうかさ。
スピーカー 2
みんな東京都に行かなきゃいけなかったらもう大変だもんね、とかっていう話だよね。
スピーカー 1
まあまあそんな感じで、必要だから区別があると。
話ちょっと変わるんだけど。
スピーカー 2
変わるんだけど。
スピーカー 1
小学生の時にさ、いじわるされた時にさ、いやこれ差別じゃねえ、しく別だしみたいなこと言う友達いなかった?
私はいたんだけどさ。
スピーカー 2
いや、いたのこれ。私もいた。
いたわ、いたいた。
スピーカー 1
いるよね。これ全国の小学生のコミュニティで起きてることですよね。
スピーカー 2
そうなんだねって、私もでもちょっと思っちゃった。
やっぱそうなんだって思っちゃったけど、ごめんちょっとそこはたぶん盛り上がるポイントじゃないのでスルーして、
スピーカー 1
その差別じゃないけど区別って言う?
スピーカー 2
そうだよね。
スピーカー 1
そうそうそう、差別じゃねえしく別だしみたいなことを言うってことは、差別が生まれる背景には区別があると。
じゃあ、差別ではない区別ってなんだろうっていうことを深掘りしておくことで、
単なる区別の中から悪質な区別っていうことをはっきりさせるっていうやり方を、この本ではとっていきますと。
これは、哲学者アイデルソンっていう方のアプローチだそうで、いろんな区別の中から、
これは人間が社会生活を営む上で必要なもの、これは悪質な差別、解決に向けて取り組んでいきたいよねっていう、
そんな感じでやるんだけど、アイデルソン先生曰く、区別には、
単なる区別、特徴に基づいた区別、不利益を与える区別の3つがあると言いますと。
今回はその3つに分けてちょっと考えてみるよみたいな、区別っていうものについてね。
1個ずつどんな話かっていうことをしていきたいんだけど、まず単なる区別っていうのは、
例えば、クラスの中でランダムに数字を割り振ってグループを作るみたいな、
そういう感じ。特徴に基づいた区別っていうのは、さっきから話せる通り、性別年齢とか、個人にひも付いた何かしらの属性によって分けること。
スピーカー 2
不利益を与える区別っていうのは、その通りで区分によって損得が発生するようなものを言います。
どんなのだ?
スピーカー 1
この不利益を与えるっていう言い方がすごいあれなんだけど、例えば、試験の得点差で合比を決める入学試験みたいなものは、
不利益を与える区別だけど、それは差別とは違うよね。
スピーカー 2
なるほど。これは不利益を与える、確かに言い方はあれっていうのは。
スピーカー 1
入る入れないっていうね。
スピーカー 2
でもそうか、試験の点数で合比判定が出るのは、一応その日の本人の実力であって、それによって区別されているだけだから、それは差別ではないよねって話。
ああ、なるほど。納得できるわ。
そうそう。何々学校に入りたいって言って、でも全然勉強してないみたいな。試験は3点ぐらいでしたみたいな。
スピーカー 1
でも入れてもらえない。入りたいのに差別だっていうのは、それは勉強しなさいよって話じゃん。
そうです。
スピーカー 2
だから不利益を与える区別っていうと、ちょっと言い方があれだけど、差別とは違うというものもある。
スピーカー 1
今、単なる区別、特徴に基づいた区別、不利益を与える区別っていう3つの区別が人間社会の存在してるって話になったんだけど、
特徴による区別をしているっていうことと、不利益を与える区別をしているっていう2つの条件を満たした時に、悪質な差別が発生するのではないでしょうかって捉えていきましょうっていう感じで、この本は始まっています。
条件が2つあるってことだね。
スピーカー 1
その2つの条件を満たすと、悪質な差別になっていく。
その特徴による区別をしていることと、不利益を与える区別をしているっていう2つの条件を満たしている最近のトピックで、なんとなくイメージがつくものが、皆さんの中にもあるんじゃないかなっていうふうに思うんですけど、ナッシーはなんか想像はつくかな。
はい、ナッシーくん。
スピーカー 2
ナッシーいきます。さっきの後半の例に引っ張られてるとは思うんだけど、大学入試の得点差に性別で差異がつくっていう。
スピーカー 1
ありましたね。
スピーカー 2
ありましたね。そういう問題があった。あれは性別っていう特徴による区別と、試験という不利益な区別の条件が重なるから、これは悪質な差別になるのかなと思いました。
スピーカー 1
そうそうそう。だから、今めっちゃ問題になってるわけじゃん。
そう。
スピーカー 2
そうですよね。はい。
スピーカー 1
不利益を発生させる意図があるかつ、特徴によって区別するっていう2つの条件があると、これっておかしくないっていうふうになるっていう。
スピーカー 2
なるほどね。
スピーカー 1
そうそうそうそう。
スピーカー 2
でもそうか、ランダムにやってるやつも不利益になってた。なんかそのさ、一番最初の区別とさ、あとの2つの区別が重なった時は、特にそれは悪意のある差別にはならないの?っていうのはちょっとなんか今聞いてて気持ち悪くなっちゃったんだけど。
スピーカー 1
あーなんか、例えばあれってことか、宝くじとか?
スピーカー 2
あー、まあそうだね。宝くじもそうだ。でもなんかそれはなんか差別な感じしないよね?
スピーカー 1
宝くじはさ、当たるかもしれないじゃん。外れるけど。
スピーカー 2
うん、外れるけど。
スピーカー 1
で、例えばさ、何々県の人だけ宝くじめっちゃ当たるみたいな操作がされていたら、うん、差別。差別ね。差別だよね。
でも別にさ、一応今のところ、どこの宝くじ場所で買っても、一応ね、一応、一応。
スピーカー 2
一応ね、当たりやすいとかは一応ないはずっていうのがね。
スピーカー 1
あるけど、あるけど、操作はされてないから。
スピーカー 2
あるんかい!
スピーカー 1
操作はされてないから、誰にでもチャンスはあるよね。
そうだね。
スピーカー 2
で、なるとそうか。やっぱりじゃあ、2番目の特徴による区別と不利益な区別の両、この2つの実が重なった時に悪質な差別になるっていうところは変わらないんだね。
スピーカー 1
そうだね。そう思うとさ、なんかこうふわふわって思いつく差別問題っていうトピックで、
確かに特徴による区別もしてるし、かつ不利益を発生させる区別をしているっていうふうに、
どっちの条件を満たしてるなぁみたいな感じでちょっとイメージがつくかなっていうふうに思うんですけど。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
思うんだけど、そうそうそうそう。なんだけど、これは差別かっていうところが、悩ましい問題は実はこっから先めっちゃたくさんあって、ちょっとすっきりしたと思ったでしょ?
スピーカー 2
はい、そう、今すっきりしたと思った。
スピーカー 1
思ったでしょ?
スピーカー 2
マッシーすっきりしてる感じする。
スピーカー 1
全然こっからですから。
スピーカー 2
はい、今からすっきりしないそうでーす。お願いします。
アファーマティブアクションの考察
スピーカー 1
そう、すっきりしなくて、で、こっから差別とは何かっていう問いについて結構複雑回帰になっていくんだけど、この先、この定義、一旦この定義ができた中で、
この定義では説明しきれない差別とは何かについてちょっと考えていきたいと思っています。
でも大事なのは、特徴による区別かつ不利益を発生させる区別が差別になり得るのではないかっていうことを頭に止めておくっていうことは結構大事。
スピーカー 2
そうだね。
スピーカー 1
それを踏まえて、そう。
スピーカー 2
その条件が揃ってるかっていうことを考える。
スピーカー 1
それがまず題材として。
で、まず一つ目はアファーマティブアクションっていうものについてで、これは日本語だと突然、突然の型かな。
初めて聞いたよ、初めて聞いた。どうぞ。
これは日本語だと積極的差別是正措置などと訳されます。
難しい。
で、これはねアメリカで1960年代ぐらいから使われ始めた言葉です。
これは具体的にどういう話かっていうと、話が似てるやつがどんどん出てくるんだけど、大事なことなんで。
大学の入学者に枠を設けて、アフリカ系アメリカ人入学者数の加減の設定というか、この人数は最低でも入れましょうみたいな。
スピーカー 2
あとは、日本でよく結構あるのは、企業で役員の女性比率を上げましょうみたいな。
スピーカー 1
そういうものを、そういう取り組みをアファーマティブアクションと言って積極的差別是正措置と差別解消していきましょうみたいな。
これ目的としては、現存する不平等を是正することにあって、それをしないといつまでたっても過去の差別の結果が歴史的に継承されて継承されて、社会的地位が固定化してしまっていると。
いつまでたってもアフリカ系アメリカ人の大学入学者数が変わらないと、とか女性の役員比率が変わらないから積極的にそこにレギュレーションないしは取り組み、働きかけをしないと
結局ずっとこの問題良くないよねって思っても変わらないからなんかしようみたいな。なんとなくこういうイメージはつくかな。
なんか会社でもあったりする?
アファマティブアクションの是非
スピーカー 2
わかるわかるわかるし、やっぱなんかその属性の偏ったグループが主導権を握っていると少数派の意見は通りづらいなーっていうのはもちろんそういう集団としての仕組みとしてあるから
そういった状況を変えようと思ってアファマティブアクションを取るのは悪くない気がする。え、悪くない気がするとか思っているよ。
スピーカー 1
ただこのアファマティブアクションには、まあ察するに余るありほどこれにはすごい激しい論争がある。
例えば、例えばなんだけど、企業の女性役員比率を上げましょうっていう言葉を逆に言うと、企業の男性役員比率を下げましょうってことじゃ。
スピーカー 2
そうだね。
スピーカー 1
そう、それってさ、今まさに役員になるかならないかぐらいのラインに立っている男性にとっては特徴による区別されてる、不利益を被る区別されてる、だからさっきの定義だと悪質な差別になってしまうと。
スピーカー 2
あら。ほんとだ。あらー。
いやー、当てはまってしまいますね。でもさ、でもだってさ、そうしないとって言うとあれだけどさ、アファマティブアクションを取っていかないと、なんかその集団で中で少数派の意見が通りづらい構造は変わらないわけで。
っていう、なんだろうね、アファマティブアクションを取る側の意見もよくわかるよね。でもその男性社員の言うこともよくわかるね。
そうそうそう。困ったぞ。
スピーカー 1
差別を解消する取り組みをすること自体が不利益を発生させてしまう人たちが出てきてしまうっていうところで、そうなると突然さ、難しいというか、差別良くないって言ってもなかなか難しいってことになるんだけど、
で、このアファマティブアクション自体の是非についてここで話をすると、木桜は10年ぐらいこの話題を続けなくてはならなくなるので、大変申し訳ないんですけどこの辺りにするんですけど、
差別の定義、差別の先、差別ってなんだろうっていうことを考える上では結構考えやすい材料ではあると思うので、もうちょっとちょっと話させていただけたらと。
スピーカー 2
深く遡りましょう。
スピーカー 1
アファマティブアクションって、例えば女性の役員ヒルトあげましょうみたいなところの取り組みが、用語って言い方が適切かどうかわからないんだけど、それはした方がいいよねっていう風に言われる論拠としては、さっき述べた通り、それをしないと結局現在の不均衡な状態解決されないじゃんみたいなことがあると。
それは何で今不均衡かっていうと、過去の歴史がずっとそういう感じでひたすらあるから、
でも、たった今だけを切り取って考えると、それってさ、逆差別じゃない?みたいな感じで。
ってなってしまう。
なってしまう。
つまりまず、差別っていうものを考えるときには、その今話してた定義みたいなところも大事なんだけど、なんでそれが不均衡な状態になってるかっていう歴史的な背景をしっかり理解しないと、真の理解に行き着けない差別問題っていうものがあるっていうことを、この本ではちゃんと抑えておきましょうっていうことを私たちに話してくださってます。
スピーカー 2
今ここでの議論だけじゃなくて、過去を踏まえた上で、そういう決断があるっていうことを理解することが大事ですよってことを、大事というか、そういうのを考えた上でないと話せない差別っていうのがあるんだよね。
スピーカー 1
アファーマティブアクションの是非については、これからもいろんな意見がきっと起きてくるのはあると思うんだけど、まず何でそれがあるのかっていうことを、それをどうすれば、より良い社会にとってどういうふうにすればいいのかって考えるときに、今一瞬の損得とか状況だけを切り取ったら、切り取っても、
そもそも差別問題っていうのは、歴史の積み重ねから起きているものみたいなところが大きいものがあるので、そこを踏まえて議論しないと、たった今だけ話してても、全然その問題の本質には行き着けないから、ちゃんと話の土壌を立つために、ちゃんと歴史的なところはしっかり抑えましょうみたいなところが大事。
それをやって初めて議論ができる。お話ができる状態になる。
もう一つその歴史的な背景っていうのと、大丈夫なし。
歴史的背景の重要性
スピーカー 2
大丈夫。
スピーカー 1
大丈夫なし。
スピーカー 2
今もやもやし始めてるから。
スピーカー 1
皆さん大丈夫ですか?もやもやしてきてます?いいですね。
スピーカー 2
もやもやしてきてます。
スピーカー 1
私はね、このもやもやは1週間ぐらい前に一旦落ち着いてるので、私はまだもやもやしてるんだけど、もやもやしているということを受け入れられてるから、まだ大丈夫。みんなは今もやもやし始めたから。
スピーカー 2
今まさに、今ここでもやもやしてるから。
スピーカー 1
受け入れられてないと思うから。
行くんだけど。
もう一つ歴史的な背景と、もう一つ社会的な背景についての理解がないとお話をするのが難しい差別っていうのがあります。
本の中では女性専用車両が例として挙げられております。
女性専用車両がなんで電車の中に作られたかっていうと、女性が電車内で性暴力の危険に晒されているっていう現実があって、女性だから安心安全に通学通勤できないっていう特徴による区別と不利益のある区別が重なっていて、つまり悪質な差別の状態にあるよねっていうところで。
そう、でもこれもそういうことをしない人だって世の中にはたくさんいらしていて、男性の方でね。
なんで男だけ使えないの?みたいな気持ちになるのは、それはそうはそうだと。
それはすごい。
スピーカー 2
女性専用車両空いてんのにみたいなやつだね。
スピーカー 1
そうそうそうそう。
それはさ、そういうことをしない個人だけの目線からしたら、それはそうだよねって気持ちにはなると。
でも残念ながら女性が電車内で性暴力の危険に晒されているっていう現実があって、それには女性を性的に消費してもいいっていう価値観が社会にあって、それが痴漢っていうものをカジュアルなものとして捉えやすくしてしまっているのではないかっていう
社会的に個人がどうたらっていうことではなくて、社会的にそういう空気というか、そういうものがちょっと出来上がってしまっている部分があって、そういう現実があるみたいな。
そう、っていう主張がありますと。
スピーカー 2
はい。
スピーカー 1
だからその個々人が俺は絶対にしないとかそういう話ではなくて、社会的な背景があるっていうことを踏まえて、じゃあ女性専用車両ってどうなのかっていうところを議論していかないと、これもまた建設的な議論ができなくなってしまう。
スピーカー 2
そうだね。
スピーカー 1
っていう、そうそうそうそう。
スピーカー 2
そうだね。
スピーカー 1
そう、だからなんか、その個々のさっきの話した通り、いろんな差別問題が絡む問題について話し合っていくときに、立ち返る定義みたいなものはまず一つ必要で、特徴による区別っていうものと不利益を被る区別っていう、この2つの条件っていうのがまず一つ大事っていうのはあるんだけど、
そこから社会的にどういう状態なのかとか、歴史はどうなのかっていう背景を深く掘り下げていくことで初めて、じゃあこの差別問題ってどうなんだっていう建設的な議論ができるっていう。
差別といじめの比較
スピーカー 1
ここまでが一生の差別とは何かの、もうほんとほんと超序盤の部分、超序盤。
これ序盤なんだね。
じゃあこれは差別なんですかみたいな、いろんなそのアファーマティバークション以外にもいろんなトピックがあるんだけど、そこに研究するとね、もうちょっと収録時間いくら経ってもいくらあっても足りないので、でもなんかここだけでも結構ガツンとくるものがあったかなっていう。
スピーカー 2
たった一つの例とその後の歴史的な例、歴史的と社会的な例一つずつだけど、もう結構無しはモヤモヤがいっぱいですよっていうのがありますね。
スピーカー 1
多分それをずっと考えることから逃げていたから差別良くないって止まってたのかもなみたいな。
スピーカー 2
確かに一回考えだすともうここはずっと考えてしまうところだし。
スピーカー 1
逆を言えばさ、私が何の気なしにも得て享受してきたものが、実は悪質な差別を行っていたから得られていた利益だったときに、それに自覚的でいられているかどうかみたいなところすごいさ、難しくないっていう。
スピーカー 2
そこだよね。自分が意識してなかったとか、でも自分はいつの間にか利益を得てしまったっていうところに対して、きっと後ろめたさは感じるだろうし。
スピーカー 1
逆にそれがさ、後ろめたさもあるし、それは悪質な差別によって得てた利益なんだっていうふうに気づいて、それがこうなくなるっていうことに対して、自分はこう冷静でいられるのかなみたいなところもさ、すごい難しいなとはちょっと思ったっていうか。
スピーカー 2
そうだね。
スピーカー 1
だからそういうことに対して、常に意識を向けておくっていうのがすごい大事なんだなっていうふうに私は思ったりしたかな。
いやでもなんか意識を向けていたら、いやわかる。そりゃ意識を向けていくのは大事だし、多分今日の配信ではそこを伝えたいと思いつつ、なんか意識を向けていたらちょっと信じるよりはないんじゃないかなって。
全家の人数365日24時間。
そうそうそうそう。
スピーカー 2
そうね。
スピーカー 1
でもさ、なんていうの、前回の哲学テーマの話じゃないけど、愛があるから社会には、この世には。愛があるから、私たちは愛を信じてるから、私もすごいこれについてすごいもやもやずっと考えててって思ったんだけど、
でもやっぱり、社会を良くしていこうっていうポジティブな意識で、この問題と向き合っていけば、そのなんだろうな、自分の中での、これは自分は悪いことをしてるんじゃないかみたいな、悪いことしちゃうんじゃないだろうかみたいな不安、
スピーカー 2
不安な感じじゃなくて、この社会を良くしていこうっていうポジティブな方向性で、この問題について考えるっていうことが大事かなとは思ったりはするかな。
そうだからそうなんだろうね。結局その、私はその今ここの議論にまたやっぱりとらわれてしまったから、そういう心配もしてしまったんだろうなって思うから、だからそれに対する歴史的な背景、社会的な背景っていうところを、だからちょっとそこの部分は感情と切り離して、考えたり議論したりっていうところが必要なんですよってことを、
だからそう、きっとさ、もやもやする人もいると思うんだよね、リスナーの中に。そうね。そういうことかなって思っちゃうと思うけど、ここは一旦切り離して、前向きにもやもやしていきたい。前向きにもやもやして。
スピーカー 1
そうね。あとちょっと今日触れられなかったんですけど、この本の中で、差別といじめを比較しているところがあって、そこも結構いじめって差別なの?みたいな話があって、そこも結構興味深かったので最後に話しておきたいんだけど、
差別といじめって共通の要素はあるけど、いじめってかなり閉鎖された枠の中で、例えばとあるクラスとか、とある学校とか、とある職場とかっていうものに対して、差別は社会的に浸透されていて、その状態に晒される場がとんでもなく広いっていう違いがあると話していて、これどちらが悪質かとかそういう話をしているわけではないんだけど、
例えば私が日本国民全員一人残らずからいじめられるっていうことはないじゃん。私が私であるときに。
スピーカー 2
すごい気の合わない奴が一人いたとしても、それが全員なわけではない。
差別といじめの相互作用
スピーカー 1
それ結構映画になりそうな感じだ。日本国民全員一人残らずからいじめられるっていうことってほぼほぼないじゃないですか。
でも例えば特定の人種だからっていう理由で、国のどこに行っても不当に扱われるっていうことは、バスに乗れないとかっていうことは現にあったよねっていう。
っていう感じで、差別といじめっていうのは共通の部分もすごいあるけど、そういう違いがある。
どこの国に行っても、どこに行っても不当に扱われるみたいなことって、ちょっとそれでゾッとするものもあるよねみたいな。
第1章から結構込み込みで、差別と何かっていうことを考えると、特徴による区別、利益を囲む区別の2つが重なったときっていう風に。
定義をすることはできるけど、やっぱその裏側に、それぞれの差別問題の裏側にある歴史的なもの、社会的なものを理解して、それを踏まえて議論していかないと、
これって、じゃあ、この差別を解消するアクションとかってどうなのとか、この差別問題ってどうなのかみたいなところの建設的な議論ができないっていうところまでが、
今日の伝えたい内容でありますと。
はい。長かったね。
スピーカー 2
長かった。お疲れ様です。
スピーカー 1
たまにはね、たまにはいい。たまにはこういう話もいいよね。
じゃあ来週はこの続きで、差別はなぜ悪いのか、差別はなぜなくならないのかについてお話ししていけたらと思います。
はい、ではここまででトークテーマは終了ですが、キサクロではいつでもお便りを大募集しています。
トークのご感想や本にまつわるお悩みなどをぜひご投稿ください。
ポッドキャストやノートにお便り投稿フォームのリンクをご用意しておりますので、そちらからご投稿いただけると嬉しいです。
今後もキサクロスロードは毎週月曜日夜21時よりゆるゆる営業していきます。
本日はお越しいただきありがとうございました。またお待ちしております。
次回も諦めずに聴いてください。
はい。
スピーカー 2
聴いてください。お疲れ様です。
42:32

コメント

スクロール