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2024-11-11 33:30

#71 【「差別の哲学入門」池田 喬・堀田義太郎】哲学シリーズ第二弾!権利について考えよう 後編

「差別」を通じて権利について考えてみよう/差別はなぜ悪いのか?/差別が悪い理由はたくさんあるのになぜなくならないのか?/配慮したつもりが…の差別/差別されていることに気づかない/潜在的偏見って?/相手の目線で世界を見ることが差別問題解消への第一歩/こういうこと話せる相手って本当に大事/これからもモヤモヤしていこう


▼今日紹介した作品

⁠「差別の哲学入門」(池田 喬・堀田義太郎)⁠


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⁠⁠⁠⁠https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSdrptC5Xic_oDRtY_J2IUyu_DHO8kV0L1o6XmTf6atulxdorA/viewform?usp=sf_link⁠⁠⁠⁠

サマリー

このエピソードでは、差別の哲学を権利の観点から深く考察しています。差別が権利を侵害する様子やその悪影響について議論が行われ、アファーマティブアクションの具体例を通じてその複雑さが明らかにされています。ポッドキャストでは、差別における人権や社会の問題が掘り下げられています。特に、カラーブラインドネスや潜在的偏見が差別を助長する仕組み、そして歴史や社会的背景を通じて差別を理解する重要性が議論されます。このエピソードでは、差別の哲学に関する議論が展開され、アファーマティブアクションの重要性や複雑さについて深く考えることの大切さが強調されています。また、差別に関する思考の過程や無関心でいることの問題が話されています。

差別の定義と重要性
スピーカー 1
カランコローン、いらっしゃいませ。喫茶クロスロードへようこそ。
この音声配信は、本好きな人たちがフラッと集まり、みんなが友達になれる喫茶店をコンセプトに、店員たちが気ままにギルーッと話してまいります。
11月11日、第71回の配信でーす。
元気ですか、みなさん?
スピーカー 2
かかってませんか?大丈夫ですか?
スピーカー 1
今日は前回に引き続き、哲学シリーズをやっていきたいと思います。
哲学シリーズとは、普段あんまり考えないような抽象的なものについて、本を通じて少しゆっくり考えてみませんか?というシリーズです。
春頃やった時は愛がテーマ、今回は権利がテーマです。
哲学シリーズでは店員がそれぞれ思い思いに本を持ってくるんですけど、今回は私とライアンが、
差別の哲学入門っていう本を題材に、権利が侵害される差別っていうものはどういうことかっていう切り口で、権利について考えていってます。
スピーカー 2
まあ、もやもやするというか、ゴリゴリするというか。
なかなか厚い回が前回も繰り広げられたんですけれど。
まあね、今回の哲学会は思考の糸口をリスナーさんが見つけることも大切にしていきたいので、
聞き終わってももやもやしてしまうかもしれないんですけど、そのもやもやも楽しんでもらいたいと思っています。
はい、もう前回に引き続き、なっしーは常に、常にというか、なっしーは引きずってもやもやしてるんですけれど、
今日も深くさかのぼって考えていきましょう。
スピーカー 1
そうね、開かれた態度で深くさかのぼって考えていくっていうことが、この本では哲学的に問うってとこでは大事だと思います。
スピーカー 2
はい、そこのスタンスでいきたいと思います。
スピーカー 1
この本なんですけど、3章だてになっていて、
差別とは何か、差別はなぜ悪いのか、どうして差別はなくならないのかっていう3つの大きな問いに、
ま、じゅんぐり哲学的に考えていきましょうっていう感じです。
前回は1章、差別とは何かについて話しました。
パパッとおさらいすると、社会生活を営む上で人類は他人を区別していますと。
それを単なる区別、特徴による区別、不利益を発生させる、損得を発生させる区別っていう3つの分け方で考えたときに、
特徴による区別と損得、不利益を発生させる区別、どちらの条件も満たしたときに、
その区別の仕方は悪質な差別になり得る可能性があるっていうのを前回はお話ししました。
この条件を満たしてるからって言って、議論もなくこれは差別だっていう断定することはできませんと。
で、ま、その具体例としてアファーマティブアクションみたいなことが挙げられました。
で、アファーマティブアクションって何だったかっていうと、
差別によって発生している不平等を不均衡な状態を解決するために、
例えば女性の役員比率を上げましょうとか、アフリカ系アメリカ人の大学入学者数に枠を設けましょうとか、
そういう取り組みをしていると。
でもそれは過去女性差別とか黒人差別っていうものがあったっていう歴史的背景があるから、
まあそういうことをしてるんだけど、今ここだけ切り取ると、その2つの条件を満たしちゃうから、
差別になるのかな?みたいなところで、まあいろんな議論が起こっているっていう。
まあそんな話。
スピーカー 2
まあそう最後のところは結構2人でモヤモヤしたりしたんですけど、
アファーマティブアクションによって自分が逆に差別の利益を享受する側になった時とか、
そういう気づかない差別のことみたいなところで、
それってどういうことかな、こういうことかな、みたいなところの話で最後は締めさせていただきました。
建設的な議論のためには感情名は一旦切り離して考えるべきなんだよね、みたいなところも話したりもしたので、
長いですけど前回ももし興味があれば聞いてみてほしいと思います。
差別の悪さについての多角的視点
スピーカー 1
で、じゃあ2章の。
じゃあまあ差別と何かっていうところを踏まえた上で、
まあなんで悪いのかっていうことについて話していけたらなと思っていまして、
再びね、近所の小学生がやってきて、とうとうなっしり。
スピーカー 2
差別って何で悪いの?ってね。
いじめようとかさ、からかってやろうっていう悪質じゃないけど意地悪な気持ちとか悪意があるみたいなものがあると、
相手を傷つけてしまうからだよっていうかな。
傷つけるっていうのはもちろん本当に怪我させるとかじゃないけど、
本来相手に発生させるはずのなかったストレスや負荷をかけることも含めてって、
こういう言い方したらちょっと小学生に伝わんないなって今ちょっと思ったけど。
まあでもそういう、そうだね。
やっぱその、相手を傷つけることがあるからだよって言うかな。
スピーカー 1
あるよね。あるよね。いやあるあるあるあるある。
心に、心の傷、ストレスがあるあるある。
そう、差別が悪いって他にも実は結構いろいろあるっていう。
スピーカー 2
これだけじゃない。
スピーカー 1
今ちょうどその相手を傷つけてしまうっていう、苦しむからっていうのは、
一つその差別が悪いっていう説の一つ、結構一個大事な説の一つになっていて、
この本ではその差別が悪いとされる説には主に4つあるのではっていうことで、
4つの差別が悪い理由とされる説を挙げてくださっています。
今その、される人が傷ついたり苦しんだりするっていうのは、害説。
被害の害とか、害悪の害の漢字の害、害説っていうのが一つある。
あとね、実は3つある。
まだ3つある。
害説の他に、心理状態説、人権侵害説、特に自由侵害説、社会的異議説と、
さっきの害説の4つが、差別が悪いとされる説として、説明できるものになる。
スピーカー 2
はい、難しい。
スピーカー 1
害説っていうのは、今言った通りに、差別される人を傷つけたり苦しめたりするっていうのはあるよね。
普通に悪い。
人権侵害説、特に自由侵害説っていうのは、これはちょうど私が話したいなと思っていた内容で、
差別される人の人権が侵害されていて、特にその中でも自由が奪われているっていうところが問題があるっていう。
人権が侵害されているというところもあるけど、トピックとして上がりやすいのは、その中でも自由が損なわれているっていうところ。
これが人権侵害説、特に自由侵害説、以降は自由侵害説と言う。
あと2つあって、この後ろ2つが難しいんだけど、心理状態説っていうのがあって、
心理状態説って言うのは、差別をする側にさっきのいじめよみたいな、悪意のあるみたいな、な図があるんだけど、
それって差別をする側に不合理な判断をする考え方とか偏見の目があるって。
つまりそれって差別をしている人の心の状態って健全じゃないよね、問題だよねっていう。
っていう心理状態説っていうのがあります。
最後の1個の社会的意味説っていうのは、他人がどうかっていうところは一旦離れてみて、
差別問題みたいなものが社会に存在しているっていうことで、社会がより良くならないから、
社会的に考えても差別って良くないよねっていう4つがあります。
ちょっと難しいよね。
スピーカー 2
難しいし、特に一番最後は、どういう影響、悪影響がある?
なんとなくわかるような気もするけど、
差別があることで、社会が、差別が社会に存在するということで、社会に悪影響がある。
なんか雰囲気が悪くなったりとかっていう感じ?
スピーカー 1
例えば、人種によってつける職業に制約がありますとか、性別によってつける職業に制約がありますみたいな。
職業で考えるのがちょっとわかりやすいかなと思うんだけど、
なった時に、何かしらの理由で人口がものすごい減った時に、その職業の人手が足りなくなった時に、
例えばその職業は人種による制約があったとか、性別による制約があったっていうところで、
なり手がものすごく少なくなっていくっていう状態になった時に、
そうなると結構社会としては立ち行かなくなる。結構厳しいものになるから、
それは社会的に悪影響というか厳しい感じになるよねっていう。
確かに具体例出してもらうとわかりやすい。
そういう感じで、この差別問題がずっとあると、社会にとって不都合なことになるんじゃないかっていう目線で考えてみると、
確かにまずいかもしれない、良くないねっていうふうに。
そういう視点も結構大事だなって私はこれを見て思います。
4つの良くないとされる理由があるっていうところがある。
差別がなくならない理由
スピーカー 1
これさ、個人の感覚ではそうだよなって思うこと多いんだけど、
難しいのが、差別っていうのは、人が集団になっているから起きていることで、
スピーカー 2
これを是正していくためには、現存の社会の仕組みを見直していかなければならない。
スピーカー 1
つまりそれって何をするかっていうと、法律の見直しをするとか、
税金の使い道を変えるとか、そういうアクションが必要になっていくと。
それを起こすためにはさ、みんなに、
あ、そうだね、それは良くないから何とかしないとねって思わせなければならないと。
スピーカー 2
そうだよね。
スピーカー 1
これがどれだけ難しいということが、
差別なんて悪いに決まってんじゃんみたいに、
みんな思ってると思うんで、私も思ってるし。
でも、何でそれが悪いのかっていうことを、きちんとみんなが理解納得できる形で説明できる状態にしないと、
また差別の解消に向けては一歩踏み出すことができなくて、
そのために今挙げた4つの、何で差別って悪いのかっていう説が大事になってくる。
スピーカー 2
そうだよね。でもなんか、
今問題と思ってる人と思ってない人がいるっていうのもきっと集団の中では確実に起こるしさ。
スピーカー 1
そうなの。
スピーカー 2
しかもね。
スピーカー 1
そんなんばっかじゃん。
スピーカー 2
しかも認識できない、できてない場合とかも絶対にあるしさ。
スピーカー 1
なんかそれさ、社会っていうか、もう一家庭とかの中でもさ、
起こる。
スピーカー 2
たった2人の大人しかいなかったとしても起こることがね。
スピーカー 1
そうそうそうそう。それでもさ、起こるわけで。
スピーカー 2
私はこれ問題だと思ってたけど、え、あなたは思ってないの?みたいなと。
それを社会という集団の中で、みんなにそれが問題だと分からせることがまず難しい。
スピーカー 1
だから、
スピーカー 2
まあそうだよね。
差別がなぜなくならないのかにちょっと入っていきそうな気がするけど。
スピーカー 1
そう、入ってね、いけそうな。
だからここの2つってすごい密接に関わっていて、
今挙げた4つの、なぜ悪いのかについては4つの説があるんだけど、
それぞれの差別のトピックとか関わっている人たちが今晒されている状況とか、
被っている不利益によって検討するべき説とか、
みんなが理解納得しやすい説が異なってくるっていうか、
っていうところがあるんだよね。
だから4つ、差別悪いっていうただ一言では、
だって差別悪いものだけでは立ち行かないためにもうちょっと4つ分かれてるっていう感じで。
この本で、この本として主張したいことっていうのは、
差別がなぜ悪いかっていうことって、
実は説明できる根拠ってたくさんあるっていうことを伝えたいと。
差別によって起きてる良くないことっていうのは、
大きく分けると4つあるっていう風に話してたんだけど、
4つもあるんだよね。
4つもあるんだよ。
それさ、それぞれさ、
それ良くないよねって思えたじゃん。
思えたじゃん、普通に。
傷つけられるのも良くないし、
差別する側に誤った価値観があるっていうのも良くないし、
個人の権利が損なわれてるのも良くないし、
差別問題が続いた先に見えていく悲しい社会っていうのもやっぱ嫌だし、みたいな。
すごい、全部嫌だ。
スピーカー 2
全部嫌だ。
スピーカー 1
全部嫌なのに、差別は無くなっていないわけだよね。
そう。
ちょっと駆け足なんですけど、
3章、差別はなぜ無くならないのかに、
この後続いていくっていう感じで話が進んでいきます。
スピーカー 2
話が一番聞きたかった言葉です。
お願いします。
差別の理解の深淵
スピーカー 1
差別とは何か、差別なぜ悪いのかについて、
いろいろ我々できる限り深く遡って考えてきたわけなんだけど、
ここまで来て、ナッシーどうですか?
皆さんどうですか?
差別について考えるって、思ったより深淵覗いてるなって感じしてきてません?
スピーカー 2
深淵ね。深淵というか、深いところまで来たなとは思っているけれど。
でもね、人権に限らず、
自分が置かれている立場とか、そういうものに対して、
形がないけど、人としてどういう立場にあって、
どういう権利があって、みたいなことを考えている気はしている。
スピーカー 1
普段自覚してないけど、
多分自分がこの属性であるっていうところで、
持っているもの、持っていないものがあるんだなっていうことをね。
それが人によってやっぱり異なっていて、
そういうので社会がワーってなってて、
いろんな問題があるっていうことをね。
スピーカー 2
ワーってなるよね。
スピーカー 1
そう。ワーってなるよね。
ワーってなんだよって感じなんだけど。
だから差別はなぜなくならないのかっていうのも、
今までのね、難しさを考えると、
難しいよねっていう、難しいから、
改めて考える必要があるんだよねっていうふうな、
無意識の偏見と差別の構造
スピーカー 1
気持ちになるかなっていうふうになってて、
3章はそのあたりに結構ガンガン切り込んでくださっていて、
例えばその、悪気のない差別って、
それはしょうがないよねっていう感じで、
見逃されてきたっていうものがありまして、
スピーカー 2
意図しない差別というか、
意地悪な気持ちが仮になかったら見逃されやすいってこと?
スピーカー 1
本の具体例では、
医学部の入試の特典捜査で、
女性合格者数が減っていた事例が取り上げられています。
これってまさに特徴による区別、
不利益を被る区別、
悪質な差別だよねっていうところがあって、
これで典型的な差別なんだけど、
大学関係者の言い分としては、
女性は結婚・出産などにより長時間勤務に制限ができるから、
お医者さんになるのは難しいんじゃないかっていうものだったと。
そうだったね。
小さい子供がいると当直とか夜間緊急対応が難しいから、
これは差別ではなくて仕方のないことなんだろうっていう風な言い分だったんだよね。
そもそも医師の労働環境を改善すれば性別関係なく働けるはずなのに、
現在の状況そのままで人を当てはめようとするから、
女性がお医者さんやるの難しいんじゃないかみたいな感じで、
なってしまうみたいな。
ただ大学関係者の言い分としては、
仕方のないことだろうっていう風に、
あくまでも悪気がないっていうところで、
見逃されて指摘しましたっていうところがある。
あとは、配慮しているつもりが差別につながっているっていうこともある。
本の中で取り上げられているのはカラーブラインドネスっていう考え方で、
これは肌の色、つまり人種を見ない行動や振る舞いっていう風に言われています。
これだけ聞くと、あれそれって必要なことじゃないっていう風にあるんだけど、
これがなぜ差別につながるかっていうと、肌の色を見ないってことは、
その人のアイデンティティ自体を無視するっていうことにつながる。
前回も話した通り、差別問題について理解を深めていくためには、
歴史的な背景と社会的な背景の理解が必要だって話をしたけど、
このカラーブラインドネスっていう態度は、そういう意味だと真逆を言っている。
歴史を見ないっていうことをしているっていうところだから、
スピーカー 2
配慮してるつもりだけど、それって違うよねっていう。
なんかこれ、なんかちょっと私双方の言い分はわかるなとか思っちゃったけど、
やっぱりそれは気にしないっていうことと個性を見ないっていうことは、
なんかこれイコールじゃないんじゃないかなとも思ったりしたんだけど、
多分プロセスとしては本当は肌の色が違うっていうことを理解した上で、
その違いは気にしないっていう風になった方がいいとかっていう、
そういう話なのかな?
スピーカー 1
もっと深くって、肌の色が違うことで、
これまでその人種の人たちがどういう歴史を踏まえて生きてきたのか、
例えばどういう扱いを受けてきたのかとか、
それを踏まえてどういう文化が醸成されていったのかとか、
どういう不平等とあってきたのかっていうことを踏まえた先の、
今の自分っていうところを理解して接していくっていうことが大事っていう。
スピーカー 2
その歴史的背景、社会的背景の部分もっていうところが結構重要っていうか、
その部分が重要だからね。
スピーカー 1
もちろん一個人として相対自するときに、その人自体を見るっていうことは大事で、
ただその人を、その人も別にあるひとつでポンって生まれたわけじゃなくて、
ご先祖様がいて、そのご先祖様から踏まえてどんどん歴史があって、
今のその人を形成している。
それはもちろん私もそうだし、なしもそうだと思うんだけど、
歴史も踏まえてその人があるっていうことをちゃんと理解するっていう。
だからやっぱ今ここだけを見るっていうんじゃないっていうところがね、
そこが大事なことだよねっていう。深く遡るってことだよね。
あとは、差別される側に自分たちが気にしすぎなのではっていう、
考えてしまう傾向があるっていうものもあったりすると。
なんか不利益だけど、考えすぎかなみたいに思っちゃうっていう。
でもやっぱそれもさ、冷静に考えるとまた違うなとか。
自分と同じ特徴を持っている人が似たような感じで不利益をこう思っているのを見たら、
あってなったりして、あ、違うそれはやっぱ差別だよねっていうふうに思えるといいんだけど、
スピーカー 2
そうじゃない状態で見逃されてしまっている問題もあるよね。
スピーカー 1
あとこれすごい、あーって思うと思うんだけど、
潜在的偏見っていうものがあって、
今までは差別は良くないっていうふうに考えてるけど、
目の前の人をパッて見た時に反射的に差別的振る舞いがにじみ出てしまうっていう問題もあったりします。
これ具体的な例をあげるのはすごい難しいんだけど、
まあなんというか、2人の人が出てきた時に、
どっちが信頼できそうな人かなとかってなった時に、
こっちは信頼できるけどこっちは信頼できそうじゃないっていうところで、
例えば人種で判断してるとか性別で判断してるとか、
そういうのって潜在的偏見ってあるよねっていう。
スピーカー 2
なんとなくの第一印象でこっちを選ぶみたいな感じの時にも、
潜在的偏見は働いているんじゃないかって言われたら、
スピーカー 1
いやーそれは思い当たる節があるな。
それは差別的振る舞いになってしまう。
だから差別は良くない、正さなければならないって多くの人が思っているんだけれども、
差別そのものの定義をまず複雑だったし、
差別を理解するっていうところでも深く遡るっていうことが必要だったっていうところがあるとか、
それが悪いっていう理由とその悪いっていう理由をみんなが納得する形にするっていうところを考えた時に、
やっぱ複雑回帰というか、
差別っていうその一言に集約はできるけども、
問題は多岐にわたっていて、
その問題の解決に効く万能な法的意識みたいなものってないんだよねっていう。
そもそも差別っていうものが人の営みの中で起きていることだから、
あまりに動的だし複雑だよねって。
社会的アプローチと相互理解
スピーカー 2
それすごいわかる。最後のそこが一番わかるというかさ、
人と関わる人とかもその日によって変わったりするわけだしさ、
昨日と今日で人の気持ちというか考え方も変わっていったりもするっていうことがあるからさ、
差別の状態って固定的な状態じゃなくて動的状態でっていうのはすごいわかって、
結果差別があるって認定するの難しそうじゃんっていうのはすごい。
スピーカー 1
そうなの。だからいろんな歴史を踏まえて状況も変わっていくし、
あとこの配信をやっててずっと感じている部分なんだけど、
差別という概念に完全に客観になることはできないんだよね。
スピーカー 2
客観的にね。
スピーカー 1
なることはできない。だってさ、どうしても女性差別の話ってめちゃくちゃたくさんあって、
私もなしも女性だからさ、この女性性の絡む差別的なトピックに対して客観的なのは非常に難しい。
スピーカー 2
そうね、感情入っちゃうよね。
スピーカー 1
感情どうしても入っちゃうと。で、それがまた議論のやりづらさを生んでいるところがある。
向こう側にはさ、どうしても考えを及ばせることはできるけど、向こう側の立場に立つことはどうしてもできない。
じゃあ中立の立場に立てるのかっていうと、中立の立場に立つことはすごい難しいっていうか。
スピーカー 2
結局どっちかよりになっちゃうしね。
しかもでもさ、この議論をするためにじゃあ男性を呼んでこようかって言ったら、
それもそれでさ、勇気がいるというかさ、自分が差別されているかもしれないとかさ、
こういう部分は差別だと思うって話す場に、
もちろん客観性という意味では他の属性を連れてくるっていうのは議論をするために必要なのかもしれないけど、
スピーカー 1
ある程度前提とかそういう意識を揃えた上でじゃないとさ、議論するのも難しくなりそうな気がするよね。
今ここだけの切り取っじゃなくて、過去の歴史を踏まえて話さなきゃいけないけど、
別にその時代もさ、我々生きてるわけじゃないからさ。
そうそうそうそう。
スピーカー 2
理解度も違うしさ。もちろん前提を揃えるってところでそのインプットを一緒にするとかは、
っていうすごい準備をしないと、そもそも議論ができないっていうことだよね。
スピーカー 1
でもやっぱだから、それがすごい大事っていうことは、
差別問題の解消の一歩を踏み出すっていうところで、この本は最後に。
相手と同じ世界を見るっていうことが大事っていうことを推奨してて、
これあの、私の好きなダイエット幻想の話にまた戻るんだが、
ダイエット幻想でも点ではなくて線で人と伝わるっていう話したじゃないか。
身長何センチ、BMI何、骨格ストレート、そういう点で話すんじゃなくて、
線で関わっていろいろ話をしてその人を理解していく。
だから目の前にいる人を線の情報でジャッジするんではなくて、
その人と深く関わっていくことで一人の人間として交流できるようになっていく。
そういうのでその人の周辺のことを理解して、
おのずとその人とその人が持つ属性の人たちとその人たちの状況とか、
その人たちが持っている問題に対してどういう風なアクションを取れば
社会がより一歩良くなっていったっていうことを考えやすくなるのでは?っていう。
スピーカー 2
本当だね。ダイエット幻想の底の部分と重なってくるんだね。
いやー、まあね。
でもすごい底の部分に私も共感して、ダイエット幻想でもいいなって思って
配信もさせてもらったけど、
やっぱり一人の人として見るとかさ、
だから一友人としてちゃんと関係性を作っていくみたいなところって、
そこが一番やっぱり問題の解決にも大事っていうのはすごくわかっているが、
やっぱり普段の生活の中で安易なグループ分けに走ってしまう自分も
スピーカー 1
想像できるなーとか思ってもやもやします。
グループ分けはある程度必要なことだからさ。
ただ、そういう危険をはらんでいるっていうことに
自覚的になるってことはすっごい大事なことだよねって思ったりする。
だから私はこの本を読んで、私この本はね本当に、
まあなんていうか、久しぶりにガツンとやられた本だなっていうふうに思ってて、
自分は何だろうな、
差別に対する思考の重要性
スピーカー 1
差別っていう概念に対して割とだいぶお気楽な単純思考でいたんだなっていうか、
差別、良くない。
差別、良くない。社会を良くしようみたいな、
その一文だけで思考を完結させていたっていうところが。
でももっと考えなくちゃいけないけど、
例えば一番最初のアファーマティブアクションみたいな話とかも、
それはさ、考えたらまずぶち当たることで、
ここに対してどういう議論がなされているのかとか、
どういう経緯があってこの活動とかは行われているのかみたいなところをちゃんと踏まえて、
じゃあ自分はこのトピックに対してどういうスタンスでいるべきかって考えなきゃいけないのに、
なんか難しそうだなみたいな感じでちょっと逃げてた口があったなみたいな。
だからこの本を読んでめっちゃモヤモヤしたんだけど、
本当はこのモヤモヤと本来はずっと付き合っていかなきゃいけなかったんだよなみたいに思った。
改めてここで持たせてもらって良かったなっていうふうに思ってる。
スピーカー 2
うまく言えないかな。
いやでもすごくそのモヤモヤを持ってるのも良いなって思える。
そのなんかさ、モヤモヤを今受け止めたって前回でソラヤンは言ってたけど、
その状態になれるってのも大事だなっていうのも今話を聞いてて思ったのと、
だってさ、哲学的な解は解だからさ、正解はないわけじゃん。
そうよ。
だからなんかそういうソラヤンのスタンス良いなって思ったし、
でもなんかやっぱ、自分が差別をしていたらとかっていうところの感情面とうまく切り離せるのかとかっていう不安は、
ナッシーはまだつきまとっているんだが、今まだナッシーは現在進行形でモヤモヤしているんだが、
そこともちゃんと折り合いをつけていきたいよね。
そのための考える時間だよね。
スピーカー 1
そう考えたり、深く遡る。
スピーカー 2
でもそう、深く遡ってたよ。深く遡るきっかけをもらったと思うよ。
スピーカー 1
ねー、そうなの。
でもこの、本当にこの2回の配信では、
言うて、本当にこんだけ長く喋ってて、
本の触りくらいしか正直伝えられてなくて、
なんかモヤモヤしたなって人は、
さらにこの本を読んで、よりモヤモヤして、
もらえたら、てか、そらやんここ喋ってないのかよとか。
哲学的な考える時間
スピーカー 1
ツッコミ入れてほしい。
ここもっと大事じゃんみたいな。
ここも語ってよみたいなのたぶんめっちゃあると思うんだけど。
いやーそうなの。
まだまだね、まだまだ考え及ばぬところがたくさんあるんだ。
カゴいっぱいに詰め込んでいる。
だいぶ詰め込んでいるよそらやん。
これから思ったけど。
でもやっぱりなっしー、
キサクロがあったからこの本を読んで、
この本を話そうと思ったから、
なっしー今日は本当に聞いてくれてありがとう。
疲れたよ。
スピーカー 2
疲れたよそらやん。
スピーカー 1
疲れるよね。
脳が痛い。
こういう音声配信なかったら、
いないでしょ?ないでしょ?
こんな差別について話そうぜみたいな。
スピーカー 2
職場で言われたらさ、どうする?
そう思うけど、でも差別について話せる時間をもらえるってすごくない?っていうテンションで今日は来たから。
スピーカー 1
それはあるよね。
スピーカー 2
それはある。
そういうのの楽しみで私たち店員は結構、
じゃあ今日はこれについて、
ダラダラとは言わないけど、
盛り上がって話せるぜっていうモチベーションで来たし、
スピーカー 1
なんかね、
職場とかそこら辺では話せないようなことを話してる。
スピーカー 2
この考える時間をね、
途中でねそらやんに言い返しができない瞬間もたぶんいっぱいあったと思うんですけど、
スピーカー 1
なっしーの頭ぐるぐる回ってて、
スピーカー 2
何それって。
考える時間をね、いただけたのはこの哲学会の醍醐味ですので、
脳みそは大変充実しております。
スピーカー 1
いやーアイス食べようかな。
そうね、アイス欲しいね。
はい、で、長くなりましたが、
来週はですね、来週は大丈夫です。
ライトです。
スピーカー 2
はい、あ、ライトですね。
スピーカー 1
すげーライト。
ライツじゃなくてライトです。
スピーカー 2
ちょっとツッコミたくなっちゃった。
スピーカー 1
そう、来週はね、
どんぐりさんからおすすめいただいたコンビニ兄弟を中心に、
群蔵劇ものっていいよねっていうことをちょっと語る回にできたらなと思っておりますね。
スピーカー 2
来週はこんなに甘くないです。
スピーカー 1
気軽でしょ、ほんと。
スピーカー 2
寝ながらでも着てます。
スピーカー 1
楽しみにしてます。
ではここまででトークテーマは終了ですが、
キサクロではいつでもお便りを大募集しています。
トークのご感想や本にまつわるお悩みなどをぜひご投稿ください。
ポッドキャストやノートにお便り投稿フォームのリンクをご用意しておりますので、
そちらからご投稿いただけると嬉しいです。
今後もキサクロスロードは毎週月曜日夜21時よりゆるゆる営業していきます。
いやー、本日もお越しいただきありがとうございました。
ゆっくり休んでアイス食べてください。
またお待ちしております。
ばいばーい。
33:30

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