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2024-08-26 30:43

v118-1 ふじや商店 代表取締役・藤岡博さんに聞く「古物商・質屋という仕事」

今回は、ふじや商店代表取締役・藤岡博さんにお話を伺いました。
神奈川県大和市で、祖父の代から続く古物商・質屋を営まれている藤岡さん。そのお仕事について伺います。

ふじや商店:https://www.yamato-shoutenkai.com/shinbashikai/yujiyashouten/
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サマリー

藤岡博氏が営む藤屋商店では、古物商や質屋としてブランド品や金属ブランド品の買い取りと融資を行っています。代々受け継がれてきたこのビジネスの中で、藤岡氏は物の価値や心理を探求し、お客様との信頼関係を築いています。藤岡博氏のインタビューでは、古物商および質屋の業界の変遷や、日本の伝統工芸品である着物や宝石の価値について語られています。彼の経験を通じて、時代に応じた商売の課題や物の見極め方についての理解が深まります。また、藤岡博氏は古物商や質屋の仕事の重要性や人間関係の複雑さについても触れています。

00:04
ゆいなわさんの聞く人ラジオ。
みなさん、こんにちは。ゆいなわさんの聞く人ラジオのお時間です。
藤屋商店の業務内容
今回は、ふじや商店代表取締役・藤岡博さんにお話を伺いました。
神奈川県大和市で、祖父の代から続く古物商・質屋、藤屋商店を営まれている藤岡さん。
まずは、そのお仕事について伺いました。
藤岡さんは、お仕事としては何をしていますか?
古物商・質屋。
主にブランド品、金属ブランド品を買い取り、また、それを店舗にお客様に融資をしている仕事になるんですよね。
それは、いつから?ずっとされている?
そうですね。自分が3代目になるんですよね。
祖父の代から古物商というものを、古物商とは古いものと書いて、商売。
簡単に言えば、お客様がいらなくなったものを買い取りして、また販売していくということなんですよね。
質屋というのは、そこに買い取りだけではなく、そのものに価値要素があって、そこの何割かでお客様に融資をするということですね。
古物商・質屋という形で、今もおじいさんの代から代々と?
そうですね。ただ、自分の代から質屋の方を始めまして、
また、古物商と質屋というのは、基本的には許可が違うんですよね。
そうなんですね。免許的なものが別々で。
じゃあ、もともとは古物商だけがあって、藤岡さんが質屋を取ったみたいな感じですか?
そうですね。
それはなぜですか?
それはなぜかというならば、うちの父の時まで古物商だったんですけど、
商品を買って売ってだけだと、やはり限界があるんですよね。商売として。
今、数多く買い取り屋さんというのはあると思うんですが、
そういうところは買って、古物のオークションというのがありまして、
宝石のオークションもあれば、ブランド品のオークションもあれば、全体的なオークションもあるんですけど、
中古品になったものの売り買いをするところですね。交換買いみたいな。
うちにとってはこの商品はちょっと売りづらいから、そういうオークションを。
それでそのオークションから、その商品は必要だという方、業者さんがそれを買っていくっていう。
それがやはり古物商の一つの流れなんですけど、それだけではやはり厳しいというか、そういうところもあるだけじゃなく、
物とは何なんだろうという探求心が昔からあったんですね。これは本物なのか偽物なのか。
これはどういうものなのかという。
どうしても古物商だけの範囲でいくと、買って売ってで、どうしてもお金っていう絡みだけで捉えられてしまうことが多いんですよね。
質屋だとどうしてもその物もそれにさらに突っ込んでいくとしたら、その物は本当にどういう価値があるのかっていうのも、さらにやっぱり研究していくような傾向があるんですよね。
そうするとお客様が預からさせてもらって、変な話、ただで勉強ができる、ただで学ばさせてもらえる、その一定期間預からさせてもらっているので。
もちろん壊したりとかして、余計なことをしてしまうとご迷惑もしくはトラブルになってしまうので、そこまではできないんですけど、自分たちもやはり人間なので、預かった間に冷静になってクールダウンしてそれで調べることができるんですよね。
今の時代っていうのはすごく便利な時代になって、ネットで調べれば数多くの情報がやはり多岐に渡っていろんなところから仕入れることができると思うんですけど、やはり買って売ってだけだとどうしてもこれいくらで買ったからいくらで損しないようにいくらで売りたいっていうことの方が先行してしまうところがあるんですよね。
偽物の識別と経験
預かっている間だと基本的にシェアっていうのは3ヶ月間お客さんのものをお預かりさせてもらうことができるんですけど、ただお客さんによっては明日買いしたいよ、1ヶ月後に買いしたいよっていう方がいるので、いつ取りに来てもらえるかっていうのは基本的にはもちろんこちらから決めることができなく、ただその3ヶ月間は守ってくださいねっていうのがあるんですよね。
ただ3ヶ月経ってからお客様の事情があって1ヶ月分のお利息を入れていただくと、その1ヶ月分ずらすことができる。それがシェアの特徴なんですよね。
やはりシェアっていうのは良いところっていうのは冷静になってそのものを、あと冷静になってお客さんは何でシェアに来たのか。
昔でいうとのれをくぐってガラガラって開けてシェアっていう。基本的にはお金に困ってる、何かトラブルを抱えてるっていうイメージが強いので、どうしても7夜に行くっていうことっていうのがイメージがあまり、今でもお金を借りに行くってあまり後ろめたいものがありますよね。
でも帰ってその時に何でっていうのは、今個人情報がありますからねほりはほり聞くことはできませんけど、ただやはりこちらもご融資をするので、何で今回は来られたんですかっていうことを聞くことは最低限はしてますよね。
ただ中にはちゃんと正直でない方もいらっしゃるんで、そこを見抜くということもやはり見抜いて、例えばですけど、今回10万円が必要だ。
10万円お貸しする価値はあるなと思っても、場合によってはそれがどうかなって引っかかる時があれば、当然やっぱり原額をお客さんには言わないですけど、それはやはり人間の心理としてはするんですよね。
それ判断するのってどう判断するんですかね。
これはもう経験値ですよね。
経験値。なんかちょっとあれ怪しいぞみたいなことを感じるってことですよね。
思いっきり怪しいぞっていう時はもう取引中止ですけど、人によっては逆に緊張してるからこそその本当のことを言えない。もしくは本当のことを言う必要もないですし、言えないっていう方もやはりいらっしゃるんですよね。
ですからその辺のところはもううちらが見極めていくしかないんですよね。どうしてもそのものに対して自分たちっていうのはすぐお金が絡んでしまうのでトラブルがすごく起きやすい商売なんですよね。
それがかえって本当にその取引自体そのものも大丈夫なのにも変わらず怪しんでいってしまうとお客様に何なのここのお店はっていうことにもなってしまいますし、だからといって全部鵜呑みにして目一杯まで融資っていうのはかえって融資ってやはり貸しすぎるのもお客さんのためにもならないですし、
会社のためにもならないです。やはり一番の大前提というか目的なのはやはり戻してもらう。取りに来てもらう。
ガンキンとお利息を払ってもらって取りに来てもらうっていうのが一番またお客さんにつながりやすいですし、一番安定するんですよね。ただやはり皆さんご事情があってやはり来ることなので、なかなかこちらの方から返してくださいよということは言えないですし。
じゃあそういった形で7夜もされるようになって、それでお客様と交互付きやすくなった。
そうですね。うちの父の時代の時に戻るんですけど、やはりどうしても売りとかいってやはり商品買ってくるのはいいんですけど、オークションとか一般のお客様から買ってくるのはいいんですけど、売れる保証ってないじゃないですか。
中古品になっていれば基本的には時計に関しても不備が出るかもしれない。調子が悪くなるかもしれない。バッグに関して言うならば予想外のところに傷があったりとか使用感が予想以上にあったとか、やはりそういう不安定要素があるので、
やはりそういう面ではうちの父も非常に資金面では非常に苦労をされてたところがあるんですよね。ただやはり商売なので我々の商売っていう面白くて、買ってこなければ商品も知れなければ売れるかどうかなんかよりかも損もできないじゃないか。
そういうことをよく言ってましたね。仕入れを起こさなければ損もできないじゃないか。
でも自分の代理人になった時にはその言葉はやめようと思いました。
その七夜もうちの父と富士山にある大きな七夜さんのところで約8年間修行をさせてもらって、それで七夜のノウハウをうちから教えてもらって、買取と販売はうちの家業で学んでたことなので、
なんとなくわかるんですけど、七夜というのは何度やってない状態からですよね。
その時には今みたいにインターネットとかそういう他のSNSも通じて何かいろんな人たちとの交流の場所ってやっぱり昔20年30年までいないじゃないですか。
そうするとどういうことになるかって言ったらやっぱり本屋さんに行くしかなかったんですよね。
本屋さんに行って本物偽物って言ってもその時の情報は遅いので、本物って何が定義を持って本物なのか。
何を持って世の中で言う偽物なのか。
じゃあこれ2個1、3個1になっているものは偽物なのかって。いやそうじゃない。
じゃあないですけどその偽物と言われているものに関してどこまでが熱量を入れて偽物を作るか。
これがやっぱり海外の方と日本人の方の作る技量熱量違うんですよね。
違うんですね。
日本人の方は全員とは言わないんですけどやっぱり熱量が高い方が多くいらっしゃる。
だから見抜きにくいコピーも作っちゃうんですよ。
我々ってやっぱり人間なので7円に持っていけば全部わかるっていうふうに思われがちなんですよ。
そうは言えども分からないことだって当然ね。
それはなぜかと言ったら見たことないものに関してなんで本物偽物だって分からないですからね。
いわゆる鑑定する目というか目利きの部分というのは経験を積み重ねることで。
我々こういう鉱物の世界、どこの鉱物もそうなんですけど、鉱物視野もそうなんですけど、
鑑定機関ではないので基本的にその先ほど言った本物、偽物っていうワードは基本的にお客様に言ってはいけない。
鑑定機関ではないのでその権限が全くない。
それを言えるのはそこのメーカーだけなんですよね。
古物商の基準と経験
当社の、弊社の基準に満たしたものではない。もしくは弊社のものではないということを言える権限はそこのにしかないんですよね。
言っちゃダメなんですね。
ここだから言えますけど、お客様が持ってきた時にこれはお客さんちょっと違いますねと言った瞬間には問題にもなってしまいますし、
あくまで言えるとしたら当社の買取基準としては申し訳ないですけど、満たしていないのでお断りをさせてもらいますというような表現になってしまうんですよね。
実際そういうこともあるわけですよね。
ありますね。
お客様が持ってきて、これは明らかに本物の言い方ですけど、絶対だよって来てみたら、あれ?これは違うぞみたいな。
それはもう多々ありますね。
やはりこれ時代背景にもよると思うんですけど、自分がこの業界にいて32年いるんですね。
18、19から始まってますので、その時代のトレンドってやっぱり当然変わるのと、そのさっき言った本物偽物で言うならば、その自体のクオリティもかなり変わってくるんですよね。
そっかそっか、そういうことですね。
そうすると、その時代でバブルが弾けた後、自分がこの業界に来て、まだバブルの要因ってすごく強かったんですね。
ですからどういうことが起きるかと言ったら、売りに来られるものっていうのは、もうバブリーというかバブルを感じさせるような品物がすごかったんです。
またバブルが弾けても売れました。
そうなんですね。
そうですね、自分たちが20代前半ぐらいの時、他の方たちも聞いたことある。今、昭和30年40年生まれの方は、特に元気な方は記憶にあると思うんですけど、
どこの地域でも、何かあればパーティーにとか聞いたことありません。
パーティーに?
パーティーにこれをしていけばとか、皆さんとの集まりにこういうものに見つけていけば。
だから着物も売れましたし、最初の頃はもう僕も着物から勉強したんですけど、今は着物はなかなか難しいところがあるので、
今になってから勉強したものが無駄とは言わないんですけど、なかなか厳しい。そこだけで商売をやっていくのは厳しい業界にはなってしまいましたね。
そうじゃなく、今でも着物をお召しになる方がいて、この単物でこういう風に作りたい、仕立てたいっていうことであれば、それはもう本当に東京の銀座とかあっち側の方ではやはり成り立っている商売だと思うんですね。
ただ、その地域によってはなかなか着物だけで商売っていうのは非常に難しい。でも着物というのは本当に素晴らしいものであって、手間暇かけて作っていくものですから、
本当に着物に関してもこんなに良い業種というか、日本の伝統文字で作っているものの業種って今はなかなかないよなーって。もちろんそれが漆だったりとか、そういったところの地域の漆のものっていうのも非常に良いですし、
その地域である名産品というのは本当にすごいなと今でも思います。
そういうものに実際触れてこられているから、それを感じるわけですね。
ただ、それをこの地域でっていうのも地域で限定してしまうことが良い悪いではないんですけど、それをやはり商売っていうのはなかなか結びつけていくのは非常に難しい。
それと同時に、やはりそこだけの勉強ではやっていくのが難しいということもあったので、前の大手の紙屋さんにお世話になったそこの会社の社長に宝石をしっかりと学んだ方がいいということで、
伝統工芸と学び
一応アメリカ宝石学会GIAという宝石学校があるんですけど、そこを卒業して、宝石とは何ぞやという位置から学ばれて。
普通の鉱物とか、普通の紙屋さんだと、なかなか宝石はこれだよねっていうふうに、当たり前のものを当たり前のように言ってしまうところがあるんですけど、
でもその宝石でなんでそういうふうに呼ばれているのかとか、なんでこういう作りというか、こういう成分だからこのサファイア、ルビーになる、エルメラルドになるっていうのも、
宝石学の話なんですけど、そこから学んでいった方がいいということの話だったので、ちゃんと正式にそういう学校を入らさせてもらって、卒業をしたような形なんですね。
本当にずっと学びを続けられている感じ、経験を積まれていると同時に。
そうですね。
さまざまに取り扱うものにどれだけの仕事が施されているのか、実際にものを見る際にはどのような判断軸を持って見ているのか。
藤岡さんがおっしゃるように、そこにはやはり経験と絶え間ない学びがあるようです。
もともとおじいさんもお父さんもやっていて、やろうという感じだったんですか?
そうですね。うちの父の背中を見ていたというか、よくあるように親の背中を見てという形で、うちの父も仕事は本当に熱心にやっていたんですね。
それは非常に感じていたことですし、うちの父とは家族でご飯を食べる、夕食を食べるというのは1年間で2回ぐらいしかないんですね。
そうなんですね。いらっしゃらないということですね。
あとは先ほど説明させてもらったオークションに行ったりとか、すごくとても忙しい、真剣勝負をやられていた父だったので、非常にそういうところは非常に厳しかったですけど、非常にその当時では感銘というふうには尊敬ですね。
尊敬をしていたので、昔の商店街って大体どこもそうなんだと思うんですけど、夜9時ぐらいまでやるのは普通だったんですよね。
ああ、そっかそっか。空いてたわけですね。
物の見極めと課題
うちの母も当然手伝って、そこからご飯を食べて、そうするとどんなに早くても10時ぐらいなんですよね。
10時ぐらいでそれでお風呂入って出てくると、テレビをガチャッとつけると英文PMがやってくる。
急にそこで。そういう時間帯になっちゃうわけですよね。
小学校ですからその名前、タイトルは覚えてないですけど、そういうのも見るのかな?でも何なんだろうこのテレビは?と思ってたんですけど。
小学校の低学年ぐらいでなんかちらちらそういうのを見て、それで高学年ぐらいになってきて、みんなとやっぱり話の内容が合わない。話題が合わないんですよね。
そっかそっか。見てるものというか時間帯が違ったことによって。
もちろんみんなが見てるものも僕も見てましたけど、話題がなぜかずれるんですね。
それは何でだろうと思ったら、よくよくみんなの話聞いたら、全員じゃないんですけど、だいたい夕飯っていうのは6時ぐらいに食べるんですよ。
え?6時?
そっか。全然違うぞと。
びっくりしました。9時には寝てるって。9時ってうちお店入ってるし。
そうですよね。だから寝る時間は当然遅くなるわけです。
4人兄弟だったんで、当然お風呂入るのがすごくどんどん遅くなったので、みんなで入ることもあれば、当然一人一人で入ることもありますから。
そうするともう寝るのが12時とか。
そうですよね。
でそれがみんなの普通の家庭とちょっと違うぞって分かったのが、だいたい小学校4年5年ぐらいでした。
そこまでは何の疑いもなく普通にそうだって思ってたんですよね。
でもうちの父も9時まで当然やってますし、そこから終わってもやっぱりお店を閉めるのはうちの母の役目だったので、そこからうちの父はもう疲れたっていう感じで
昔赤帳地、今居酒屋ですけど、赤帳地に結構あったので、そういうところに飲みに行ってましたよね。
たまに9時10時ぐらいでも来いって言われて、これがこういうものだって言って、そういうものなんだ。
でも決してそこで食べさせてもらえないんですよ。大人の味だから。
食べさせてもらえないんですね。
急に草屋さんとか、もしくはお寿司も、そういうところに行っても、まだやっぱり小学生だと、なんで呼ばれたかって言われたら、たぶんこういうものだっていうのを見せるみたいな。
そこで一緒に食べたっていう記憶もないですね。
一緒に待ってたみたいな感じなんですかね。
たまにしか呼ばれなかったですからね。
それがずっと続いて、親のところで働かさせてもらった時も、やはり父ではなくて、師匠的な関係で働いていたので、ずっと敬語になりましたね。
小物のノウハウも教えてもらって、前にお世話になっていた師屋さんの社長さんからも師屋のノウハウを教えてもらって。
それで、うちの父が、自分が29歳の時に他界したので、そこから代表を3代目として。経営的には今22年経つ形ですね。
実際そうなったら、3代目としてやっていってからも、さらに勉強が積み重ねてこられて。
ネットでよく調べられますからね。
でもネットの情報だけが全てではないので、やはりこれは何ぞやっていうものに関しては、やっぱり探究心は忘れないでいきたいなと思っていますね。
実際そのものがあった場合に、例えば見極めるみたいなところの何かあるんですよね。
そうですね。ポイントとして言うならば、やはりあれですね。どんだけ手間暇をかけているかですよね。
やはりこれは、先ほど説明させてもらった着物、漆もそうですし、日本のおそらくですけど伝統工芸的なものは、
手を抜かないというか、隅々までちゃんと仕上げができている。
ですからやはり本物と言われている高級時計に関しても、高級バッグに関してもそうなんですけど、その細部のところが手を抜くんですよね。
ああ、そうなんですね。
そこまで手を入れちゃうと、やっぱり手間暇かって大量生産ができない。
確かに。そういうところを見るというか。
ただ先ほど言ったように、熱量が高い日本人の人と会話になってくると、そういうところを見させるんですよね。
そういうのは全部見抜けないんですよ。
で、それの判定もできないですよね。見抜けないから。
もう最悪、買い取りをさせてもらった場合には、壊してメーカーの方に持っていって、修理を修理代かけてまでやりやる。
そういうこともするんですね。
自分たち仕上げ業界でも、その判定するところっていうのはあるんですけど、でもそれは自分たち業界だけのことなので、やっぱり納得、負に落ちないんですよね。
自分でやはりちゃんと納得したいからこそ、人間ってお金をかければ身につくじゃないですか。
だから人のものだと、どうしても人のものっていうことになっちゃうと、真剣味が薄れるというわけではないんですけど、やはりなかなか身につきづらいですよね。
人間関係の難しさ
すごいな。やっぱり年齢重ねてきて、経験重ねてきたことによって、今だからわかることとかもあったりするんですか?
やっぱりあります。それはものだけじゃなく人間関係もんですよね。
例えば何かとかってあります?
簡単に言うならば、あまり入りすぎてはダメですね。
人間関係もそうだと思うんですけど、あまり入りすぎちゃうと、皆さんの思いってそれぞれ違うので、どうしてもどっかしらの期待度っていうのはあるんだと思うんですよね。
俺こんだけやってるのになんだよって、心の中で叫んじゃうじゃないですか。
だからぼちぼちっていうような、ただそのぼちぼちでも適当にやっていい時とそうでない時ってもちろんあると思うんですよ。
観点に関しても、隅々までやるとお客さんが持ってきたのも変わらず、ガバってあげたりとか手荒くやってしまうので。
気持ちはそうなんですけど、そこまでお客さんに根掘り葉掘り聞きすぎると、お客さんも嫌な気分になるじゃないですか。
前は聞いてたかもしれない。
もうありましたね。
20代30代の頃は、もう全然後悔しかないです。
本当ですか。後悔しかない。
後悔しかないです。
ちょっとやっちゃったなみたいなことを思うことは。
それはもう皆さんあると思うんですよね。
人間関係で、俺なんであそこであの子と結婚しなかったんだろうとか。
そういう話ですね。でもそうですよね。タイミングとか。
俺あそこであんなことなんで言っちゃったんだろう。グッと堪えればよかったのにとか、顔を背けるだけでよかったのにってありませんか?
あります。あります。思えばありますよ。そういう経験が積み重ねて大人になっていってみたいな。
だからお客様もそうなんですね。あんなこと言っちゃったからお客さんを売らなくなっちゃったなって絶対あると思うんですよ。
そう思うと人とこう対話したりとかのとこも安定が高くなりますよね。きっと。
そうですね。これ言うと多分この方には気分が害するかもしれない。もしくは自分というものを受け入れてもらえないかもしれない。
あと空気が変わった瞬間とか。
空気が変わったらもうセルしないです。何にもしてないです。
その辺に対してセンシティブになってきますよね。それで商売になっているわけですね。
そうですね。
物の見極め
父の背中、父の仕事。商店街で生まれ育ったからこその家族の時間。
そして物を見る際の見極めのポイントはどれだけ手間暇がかかっているかということ。
そんな藤岡さんだからこそ語ることのできるお話は次回に続きます。
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