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2020-09-13 12:46

006. 地下と地上の3D計測

エジプトのカルガオアシスで東工大チームと一緒に実施した,地下と地上の3D計測のお話です.地下を地中レーダーで,地上をレーザーレーダーで計測し,その後発掘チームが地下を表に出して,そこをまたレーザーレーダーで計測しました.こうして砂漠に埋もれた遺跡を地下から地上までひとつの3次元(3D)モデルにしたのです.

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みなさんおはようございます、いちです。
今日もお天気が良くなったので、アウトドアで録画録音をさせていただいています。
今日は長崎のグラバー園の旧オルト住宅というお家の前に来ています。
オルト住宅はグラバー園の中でも僕が一番好きな住宅で、明治の造りがそのまま残っている住宅なんですね。
グラバー園ってとても面白いところで、ぜひコロナが一段落したら皆さん来ていただきたいんですけれども、
世界遺産にもなっています。日本の明治時代の近代化の世界遺産にもなっているんですけれども、
イギリスのトーマス・グラバーさんという商人の方が建てた家で、
関係者も一度この周辺に集まっていて、それでグラバー園というふうに呼ばれているんですけれども、
とてもいろんな歴史があって面白いです。坂本龍馬なんかも通っていたみたいですし、
伊藤博文が囲まれていた部屋とかも残っていてですね、大変興味深い場所です。
今日はここからまたエジプトの話をしていきたいと思っているんですが、
先日、僕ブログも書いているんですけれども、ブログで、全然エジプトと関係ない、とあるソフトウェアの解説記事を書いたんですね。
解説記事を書いたら、コメントに、ツイッターだったんですけれども、
いい記事ありがとうございます、ぜひ解説してくださいって書いてあって、ちょっとガクッときたことがありまして、
ただ文字で書いても、また口頭で話すというのは別のことなのかもしれないなと、
伝わる層が違うのかもしれないなと思って、
だからここでお話しすることというのは、多分僕どこかで書いていることが多いんですね。
ただそれは繰り返しになっちゃうかもしれないんですけれども、文字で見るよりも声で聞いた方がいいという方もいらっしゃると思うので、
何回か繰り返してお話をさせてもらっています。
前回、ヘルワンというエジプトの郊外の町に泊まったというお話をしたと思うんですけれども、
どうだったかな、そんな気がします。
なぜヘルワンに泊まっていたかというと、そこでカイロの当時は高校最高評議会という議会があってですね、
今は高校賞という賞になっているんですけれども、そこで発掘の許可をもらって、
2、3日手続きにかけて許可をもらって、
我々の当時の現場であったカルガオアシスというオアシスへ向かうという手順があったので泊まっていたんですね。
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カルガオアシスというのが地図上ではカイロから南へ600キロ、
ただ地上を移動すると800キロぐらい南にあります。
サハラという大きな砂漠の真ん中にある、
多分サハラでは一番大きな、エジプト国内では一番大きなオアシスになると思います。
そこにバスで移動するんですね。
鉄道は一応貨物用の鉄道を通っていたんですけれども、
人間が乗る鉄道は通っていない。
飛行機が当時週に2便飛んでいました。
今もそんな変わってないと思うんですけれども、
飛行機もあるにはあったんですね。
ただ我々機材が非常に多かったので、バスチャーターしていこうということで、
観光バスをチャーターして移動していました。
しかも昼間移動するとどうも治安がよろしくないということで、夜に走っていました。
たまに追いはぎが出るとか出たとかそんな噂を聞いて、
夜なら安全だからというので、よく分からないんですけれども、夜に移動していました。
調査隊も最初のうちはまだ調査費用があったので、
結構大きな観光バスをお願いしてたんですけど、
だんだんお金がなくなってきて、
だんだんそれが中型バス、日本で見かける路線バスのようなバスですね。
最後マイクロバスになって、800キロですからね。
マイクロバス800キロ大変だなと思ってたら、
その金もだんだんなくなってきて、路線バスに機材乗っけていくということになりました。
路線バスはそんなに800キロ走る割には人間が乗る分には全然安いんですけど、
荷物乗っけるとその荷物代取られて、
結局何か得だったのか損だったのかよく分からないんですけど、
ただそんな移動をしていました。
砂漠の夜っていうのは実はすごく寒いんですよ。
昼間は40度を超えて、
今まで測った中で最高が56度だったんですけども、
夜は水が凍るぐらいだから氷点下になってるんでしょうね。
そのぐらいまで冷え込みます。
夜のバスですから、観光バスの場合はまだ暖かいんですけども、
路線バスとかマイクロバスとかそんな大きさのバスだとだんだん寒くなってきて、
昼間は暑いし夜は寒いしっていう結構大変な移動でした。
ただね、オアシスすごい素敵な場所で、
漫画とか映画とかで出てくるような小さなオアシスじゃなくて、
すごい大きなオアシスなんですね。
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一個の町になっていて、
ただ水がやっぱり貴重で地下水を汲み上げている水なんですけども、
夜間は水を止めるというようなことでした。
あとですね、水が少ないせいかどうか分からないんですけども、
石鹸をオアシスにあんまり置いてない。
石鹸を売ってないし、
食事するところとか泊まるところとかにも置いてなくて、
その他にレモンがいっぱい手に入るので、レモンで手を洗ってくれというふうに言われて、
なかなか気持ちは良かったです。
ただやっぱり水が少なくて、
一緒に行ったエジプト人も水が少ないというのはあまり慣れてなくてですね、
僕が食事とかした時に余った水とかをかき集めて、
部屋の中で水をいっぱい集めてたんですけど、
そのうちエジプト人も水を分けてくれと集まるようになってきて、
水の管理人みたいなこともやっていました。
結構なかなか外国人も訪れない場所なので、
いろんな現地の人が集まってきてくれて、
お前ら日本人か、俺たちとサッカーやろうと言って、
サッカースタジアムを使って、
サッカーとか日本人チーム対エジプト人チームで、
エジプト人チームめちゃくちゃ強いんですよ。
一応何かあったら困るというので、
武装警官が日本人チームについていてくれたんですけども、
サッカー始まるとその警官たちも我慢できなくなって、
銃をスコンと抜いて、近所のエジプト人の少年に、
ちょっと持っててくれって言って一緒にサッカーやり始めて、
後で怒られたんじゃないかと思うんですけども、
サッカーやりました。
最初は日本人チームも大学生とかいて、
勝ってたんですけど、やっぱり時給力が全然違ってですね、
90分ハーフとかはわけのわかんないサッカーをやって、
ボロ負けしました。
11か10対2か、何点か日本人も取ったんですけど、
もう完全にバテてしまって、
エジプト人チームにボロ負けしました。
僕それが何か叩ったのか、その日の晩パタンと倒れてですね、
浴槽を引き上がれなくなって、
エジプト人ドクターが来てくれて、
これは水分とビタミンCを取った方がいいよって言って、
レモンとかあるしいいかなと思ったら、
スプライト、セブランナップだったかな、
スプライトかセブランナップが渡されて、
これ飲んどけって言われて、これで?と思ったんですけど、
後で聞いたら、あれ一番効くんですね。
水分と糖分と、それからビタミンC、
多分防腐剤、酸化防止剤かな、としてビタミンCが大量に入っているので、
体にいいということで、セブランナップで元気になりました。
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また余計な話ばかりしちゃいましたね。
実はカルガオアシスにどんな時代の遺跡があるかというと、
グレコローマン時代ですね、
エジプトの王朝が終わって、
プトレマイオス朝、クレオパトラが最後の女王だった時代ですね、
アレクサンダー大王がやってきて、プトレマイオス朝が始まって、
その後カエサルがやってきて、
ユリウスカエサルがやってきて、ローマの時代を迎えると、
その時代、ギリシャとローマの時代合わせてグレコローマン時代と言うんですけども、
グレコローマン時代の遺跡、
エジプトの遺跡の中では比較的新しい方ではあるんですが、
それでも紀元前から紀元後にかけての、2000年前後前の遺跡です。
ローマ時代のコインとかもそこから出ている、
ローマ時代の遺跡なんですけども出ているようで、
そこで非常に面白い研究をやらせてもらいました。
エジプト人の科学者たち、それからエジプト学者たち、
日本人の考古学者たち、科学者たちと集まってですね、
何をやったかというと、地上に遺跡が残っていて、地下にもまだ眠っているらしいということで、
地上をレーザースキャニングで、今我々がギザでやっているようなレーザースキャニングで、
地上の立体地図を作る。
それから地下に関しても東高大チームが地下の電気探査、超音波探査等のですね、
専門家で地下の3D地図を作る。
これ多分世界初の試みだったと思うんですけども、
地上から地下まで、砂漠で埋まっている地下まで、
全て3D化して、なおかつ発掘チームが、
日本人の発掘とエジプト人の発掘隊が発掘していったんですけども、
発掘の途中も3D化していって、実際に地下の探索ですね、地下探査ですね、
探査で3Dにしたものと、掘ってきて出てきたものの3Dと比較して、
どれだけ正確に探査できたかというのを定量的に調査すると。
そして非常に先端的なことをやれたのが、このカルガオアシスの思い出です。
エジプトの考古調査って確かに考古学的な意味もあって、
もちろん調査もしているんですが、
こういう考学的な意味合いも持ってですね、
調査というのもやっているというのをお話しできてよかったかなと思っています。
一旦カルガのお話はここまでにしておきたいと思います。
今日も聞いてくださってありがとうございました。
YouTubeでご覧になっている方、後ろに見えているのは、
グラバーエンの旧オルト住宅という住宅でした。
すごい綺麗なところです。
ぜひここ長時間滞在できるので、本とか持ってきてもらって、
ここのデッキで本を読むとかもすごい良いので、ぜひ来てみてください。
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それではまた次回お会いしましょう。
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