ゲスト: フランス/ベルギー2拠点 在住12年目 移民研究者 早川 美也子 社会人類学者。専門は移民、在外邦人、ジェンダー、トランスナショナルな家族関係。エスノグラフィーの手法を用いて研究を行っています。 ブリュッセル自由大学(ULB)ポストドクトラル・フェロー(EU Horizon Project AspirE)。2013年に渡仏。3児の子育てママ→フランス社会科学高等研究院(EHESS)入学→博士号取得→トゥールーズ大学勤務を経て現職。フランス・ベルギー・日本を行き来する生活です。 https://aspire.ulb.be/team/research-team/miyako-hayakawa
今回のゲストは移民研究を専門にされている研究者の早川美也子さんです。早川さんはブリュッセル自由大学のポストドクトラル・フェローとして勤務されています。早川さんの現在の研究テーマは3つあり、まずひとつめとして日本人の国際移動について研究しており、アスパイアプロジェクトという国際共同研究に参加し、日本からヨーロッパへの人の流れを調査しています。 移動パターンや動機についてもまとめていて、例として日本人がドイツやチェコ共和国、ポルトガル、ベルギー、イタリアに移動する理由や傾向について話していただきました。このプロジェクトでは他国の研究員も含めてさまざまな国の移住事情や背景について研究しています。 https://aspire.ulb.be/news 2つ目の研究としてフランスのアジア移民研究ネットワークにて、フランスにおけるアジア系人への人種差別に対する研究を行っています。 https://www.defenseurdesdroits.fr/eclairages-lexperience-du-racisme-et-des-discriminations-des-personnes-originaires-dasie-de-lest-et アジア系への差別は暴力のような形を取らず、日常の中に埋め込まれていることも多く、雇用差別も存在していたり、アジア系の女性に対する性的ファンタジーや男性に対しては男性らしくみなされないというからかいなども存在しているそうです。 3つ目の研究として、国際離婚の研究にも取り組んでいるそうです。国際結婚はフランス語圏だと圧倒的に日本人女性とフランス人男性というパターンが多く、離婚してしまった場合に女性がかなり脆弱な立場になり経済的に困窮してしまうことも多く、大きな問題だという意識を持って研究を進めているそうです。 早川さんが移民研究を始めることになったきっかけも話していただきました。もともとは政治学でジェンダーの研究をしていた早川さんがフィールドワークの練習としてフランスに住んでいる知り合いの女性に話を聞いたところ、その生活の実態として出身国の日本の家族のあり方が移民先の生活にも影響を与えているという気付きに強く興味を持ち、気付いたら移民研究の分野に足を踏み入れていたそうです。こういった研究は他の国の事例もあり、他にも先進国における女性移民の問題など、移民について多岐におけるお話を聞きました。後半も引き続き早川さんに話を聞いていきたいと思います リファレンス:
研究者としての早川さんの自己紹介 アスパイアプロジェクトと国際移動研究 フランスにおけるアジア人への人種差別研究 国際結婚と国際離婚に関する研究 国際結婚における問題 アジア系移民の研究 移民研究への転換となったきっかけ 先進国女性の移民研究web site: 海外移住channel フィードバックはこちらから! https://kaigaiiju.ch/feedbacks/new ホスト: 所 親宏 - ドイツ・ベルリン在住 ソフトウェアエンジニアhttps://chikahirotokoro.com/
#8-1