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kai3
あ、面白い。それは思ってもいなかった反応をブログがしてたってことですか?
そうですね。
kai3
どんな反応だったんですか?
うすだ
今回これぐらいしか言うことないんだけど、中盤ぐらいですかね。もうね、ネタバレ会だか何でもいい。
kai3
ネタバレ会だか何でもいいですよ。
うすだ
さあ、腹を引き裂くシーン。
kai3
はいはいはい。魚を釣ってきて、みんなに分けなきゃいけないからって言ってお腹を裂くシーンありましたね。
うすだ
あれ裁くシーンって覚えてますか?
kai3
覚えてます覚えてます。もちろん。
うすだ
あれ多分僕が見たときは、あんま考えながら見てたわけじゃないけど、
多分殺すとか生とか死とか、今物を殺してるみたいな実感を主人公を感じてさせる、
そういうイニシエーション的なものを描いているんだろうな、みたいに思ってたのね。
kai3
はいはいはい。
うすだ
そしたら帰ってきて最初に読んだブログが、そこのシーンについて言及してるのも、
元のURLとか分かるんですけども、あれはね、性の目覚め?
kai3
あ、そっち?
生死の生じゃなくて?
うすだ
そうそうそう。
で、母、力強くとか、そういうのを性的なものへの目覚めとして理解した、みたいな。
間違いないだろう、みたいな感想を見て、マジでそう撮るの?って思ったんですね。
kai3
そこでまずびっくりして、たぶん同じ日か翌日ぐらいに、またその同じシーンの解釈の記事を読んだの。
うすだ
そしたら、あそこで描かれているのは、宮崎駿と高畑勲の関係だって。
kai3
なるほど、面白いな。みんな好き勝手言ってんな。
うすだ
好き勝手言ってんなと思って。
kai3
楽しいな。
うすだ
性はまだね、ギリ自分にも、あ、そっちそんな読み方すっかなと思ったけど、まだそういうのあるんだなと思って。
さすがにね、高畑勲は全く予想外すぎて、めっちゃ面白かった。
kai3
いや、それは面白いな。
僕もでもうすださんと同じ感想でしたけどね、そこはね。
一番最初の方で自分を自ら傷つけたりするじゃないですか。
そういう痛みとかそういうのに無頓着だった子が、この生き物の命をいただいて、みんなに食べ物を分け与えるっていうことだと僕は思ってました。
うすだ
そういう感じだろうと思ったんですけど。
kai3
なるほどね。みんな楽しそうに見るな。
うすだ
だからそういうね、変なその後、でも本当に多分みんなね、見てすぐにこう、ブログとかのっちとか書いたものを、僕はたまたま見たんだと思うんですけども。
その感想が面白すぎて。
kai3
なるほどね。
うすだ
ああ、今回はちょっと最初に見てよかったな。
だから本当に、確かに解釈が難しい作品というか、最後まで何言ってるか分からなかったっていう感想も結構多いじゃないですか。
でもそれが面白かったなと思って最初に見れて、そこが良かったですね。
kai3
それは確かにそうですね。
僕も初日に出たおかげで、ほぼほぼ前情報なくて、見るまで、できるだけ情報を遮断したいからっていうのもあるんだけど、結局公開初日にキャストの情報とか出ちゃったじゃないですか。
で、それを知ってたらちょっとまた印象変わったなと思ったよね。見る前からそれを見てたら。
なので全てが後回しにできたってみれば、ネタバレ嫌いの僕としては、すごい良い手法だったんで他の映画もやってほしいなとはちょっと思いましたね。
kai3
僕の感想はもう、正直に見終わった後に映画館に出る時に、俺宮崎駿は別に好きじゃなかったわって思って、ってことを思い出してしまった。
正確に言うと、すごい大好きだったんですよ。
僕は魔女の宅急便まではものすごい大好きで、魔女の宅急便までは少なくとも大人になるまでに10回ぐらいは見てる。それぞれの作品。
で、紅の豚ぐらいからあんまり見なくなって、僕はもののけ姫以降は劇場で見てその後、一回も見てないです。
たまに金曜ロードショー流れてるのをチラッと見たりするけど、能動的に見たことがないんですよね。
よく言うと、俺もう最近の宮崎駿ファンじゃなかったなっていうことを思い出してしまったっていう。
とは言いながら今回その、もやもやしてる僕この映画の感想、どういう感想が僕の中に芽生えたのかというのが、
ネタバレしたことによって自分でしか考えられないじゃないですか。で、後からいろいろ出てくるんだけど、その感想は僕の中でずっとしっくりこなくて、
ずっとこうもやもやしてるんですけど、あの映画は自分の中でどういう着地だったのかっていうのをずっと思いましてたんですけど、最近やっと
僕の中に着地しまして、これなんか表現が難しいんですけど結局
宮崎駿が好きなのかどうかで全てが決まると思った作品。どこまで面白いか。で、ちょっと僕がねこれは考察と呼び方していいのかってところに関しては僕の中ではちょっと異論があるんだけど、
結局今回の君たちはどう生きるかのいろんな考察ブログとかを読むと、大体の感想ってほとんどこれは宮崎駿の若い頃とか、これは高畑勲でとか、これ鈴木ぴーだとかいう話がほとんどじゃないですか。
それって作品の外で起きている物語なわけじゃないですか。 僕はそこがずっともやもやしてて。
で、最近ふっとこう自分の中で腹を押したのは、もう結構考察物の作品大好きなんですよ。テネットとかもすごい好きだし、
謎解き系のものは好きなんだけど、それって基本的にはこの作品の中から読み解いてくださいなんですね。
それに対して、いや、外側のあなたは宮崎駿を知らなかったらこの謎は解けませんよっていうのは、僕の中でその作品として考察物ではないんだなっていう着地に至ったっていう。
で、それはそれ悪いことじゃなくて、宮崎駿が大好きな人はすごい楽しいと思うんですよ。その視点で見ると結構面白いことももちろんあって、言うても大監督だしファンでもあるから好きなところもあるので、僕が最高に熱いなと思ったのは、
宮崎駿と言えば、ちょっと小さい女の子がヒロインになったりしがち。でもありながらお母さんもヒロインになりがち。ついに今回フュージョンしたっていうね。
これはついに来たなっていう、そういう面白さもあるんだけど、それ取り除いた時に何か作品単体で面白かったかって言うと僕正直面白くなくて、後半ちょっとね早く終わんねえかなってちょっと正直思っちゃったんですよ。
うすだ
逆にさ、最初の戦争シーンとか田舎に行くまではすげー引き込まれませんでした。
kai3
僕あっちの方がちょっと楽しかったですよ。これは何?風立ちぬ方針なんですか?みたいな。そこもだから予備知識なかったから余計面白かったんですけど。
あ、風立ちぬの方のやつなんだと思いながら、あそこまでは感情描写も結構理解できて、大好きなお母さんが亡くなって、でもたった1年ぐらいですよね。お母さんと全く同じ顔の人が目の前に現れて、しかもなぜかもう子供がいるってとんでもないなこのファミリーと思いながら、
そこまではすごい、ドラマとしては腹押しなんだけど、青鷺が出てきてからのファンタジー感に至った時に、宮崎駿が好きなものをバーッと描いてるけど、なんかごちゃごちゃしてるなっていう。ちゃんと整理がついてないというか。
僕が一番最初にキョトンときたのは、風切りの7番。
分かります? 青鷺を変身できなくさせた弓矢で。
あれいるじゃないですか。で、風切りの7番、やるなみたいに言うんだけど、そのヒントゼロじゃないですか。これは考察ではなかろうと思って。そういうところの丁寧さってほぼゼロで。
ただ宮崎駿という素材を、すごい良い素材をドーンと出しました。でも料理まともにしてませんみたいな。
うすだ
一言言ったから感じてくれってことですよね。
kai3
察してくれみたいな。 その察する情報も、そこはもうちょっと宮崎駿とかには関係ないと思うんですけど、これが高畑勲だなんだみたいなのっていうのは、作品の外の出来事すぎるんで。
詩小説としてそういうのが大好きな人は全然いいと思うんですよ。だけど映画として見るときに、それを読み解かないと面白くならないのは多分僕の好みではないなっていうところで、やっと最近着地したなって。
そしてね一番最後にこの映画が終わった時に、映画、正解にいくと映画が終わりかけた時に、
思った感じはこれまた言ってしまいますけど、また米津かっていうね。
うすだ
そのの分かってたからね。 分かってました? 僕はもう翌日だから。 公開日の多分夕方に出てるんですよ。
kai3
これは僕の中で一番ショックだったかもしれない。 本当? なぜなら宮崎駿って声優が好きじゃないから俳優使うっていうのはもう古代人だったじゃないですか。
もうここ最近作品はいわゆる声優さんよりは俳優さんをどんどん使う。 そこは今回もこだわってて、結局いろんな俳優さんを使ってて、声優さんってあんまり登場しない。
で歌に関しても流行りの人を使うんじゃなくて、宮崎駿が好きだった作品に似合うものを、昔のものでもいいし最近もいいけど、ちょっと拾ってきて入れるじゃないですか。
風立ちぬだって荒井由美の曲を入れてきたりとか、そういうことをやってたじゃないですか。 あとは紅豚だったり、加藤登紀子とか入れてくる。
なぜ今回そっちに行ったと思う。 一応話を聞くと宮崎駿からお願いしたってことらしいんだけど、そこまでそういうのにおもねらなかった人が、
今回米津なんだっていう。 そこががっかりポイント。僕の中ではがっかりというか、これ前回のウルトラマンと一緒ですよ。
米津の歌は大好きだし、聴いてて好きなんだけど、全部が全部米津味かっていう。なんか料理が全部カレー味出てくるみたいな気持ちになってしまうので、
でいつもそういう人を使わない 宮崎駿まで米津味にしてきたんだっていう、ちょっとそこの寂しさね。
うすだ
ウルトラマンすごい良かったから、米津っていう情報がもう知ってたから、あれが出てた時に終わったっていうのはわかるけど、
終わったっていうのは、これで終わりだなっていうのはわかる。 エンディングが良くなるっていうね。 思ったよりそんなに良くなかったってことないですけど、期待ほど。
kai3
なんか歌の評判はそんなにいかないですね。なんかウルトラマンのあの歌は歌が良かったっていう感想は聞くけど、確かにそんな気がする。
多分それは、宮崎駿のエネルギーが強すぎるから、そこまでたどり着かない気がするんですよね。
うすだ
まあエンディングテーマでどうこうって言われるじゃないですか。
kai3
僕は好みじゃないんだけど、宮崎駿を読み解きたい人にとってはめちゃくちゃ大好物なんだろうなってぐらい、宮崎駿だなっていう感じがしたんで。
うすだ
でも最終的にはお母さんっていうのは僕は納得しましたけどね。
kai3
最後お母さんっていうね。
うすだ
全てお母さんに繋がるってもう。
kai3
すごくないですか。なんか自分を産んでくれたお母さんが自分と同い年に現れて、最後ハグしてお別れですよ。
いやすごいな、やり切ったなって思いましたね。
うすだ
そうそう。だからまあ収穫、本当に収穫というか、まあ終わったんだなっていう感じはしましたけどね。
kai3
そういう意味でも正直、もちろん大監督ではあるんだけど、まあ結構お年を召してるわけじゃないですか。
で、体力的にも。
うすだ
いやとんでもないですからね。
kai3
いやとんでもないです。
うすだ
80歳過ぎて。
kai3
で、あれを作れてること自体もものすごいことで。
うすだ
もう異常ですよね。
kai3
だからもう自分の出したいものを出し切るっていう意味では、多分宮崎の集大成みたいなことなんだろうな。
それは面白かったですね。
うすだ
映画はモノラルみたいな変なこだわりがあったり。
面白い。
そういうこと言ってたりしてたんで。
基本的にジブリのそんな音にはこだわりがないと思っていたのが、
今回結構すごい、ちゃんと調べてないんだけど。
kai3
でもドルビーでしたからね、少なくとも。
うすだ
そういうのをちゃんとやって、多分マルチチャンネルですごいいろんなところから囲まれ感とか。
kai3
火事のところの音とかはすごい迫力がありました。
うすだ
だからそこがびっくりした、冒頭のところとか。
kai3
なるほどね。
うすだ
何これ、ジブリ?
面白い。
ジブリみたいな感じにはちょっと思いましたね。
kai3
意外だったのが結構宮崎駿だったらジブリって疾走感みたいなのがあるじゃないですか。
風に乗って飛んでいくみたいな。
ポニオとかも海の上をバーって走っていくみたいな。
今回あんま疾走感なかったなと思って。
すげえ走ってるシーンあんまないんですよね。空飛ぶとか。
うすだ
海っていうか、上陸するあたりの海のシーンとかは結構。
kai3
すごいスピードで走ってる感じじゃないですよね。
泳いでる、普通に泳いでる感というか。
そうかな。
なんとなくそこが、全体的に動きがゆっくりだなっていう印象でした。
うすだ
上に上がっていく。
kai3
階段?
うすだ
階段じゃなくて。
kai3
最後の階段壊されるところじゃなくて?
うすだ
いやじゃなくて、海から変なこういうやつが上がっていく。
kai3
あれもゆっくりじゃないですか。フワフワーって上がっていく感じの。
例えばナウシカだったらメーヴみたいに高速で飛んでいくとか、
ラピュタの飛行機で飛んでいくとか、空から落ちていくみたいな。
そういう疾走感みたいなのが意外となくて、
割と全体的にゆっくりめだったなという印象がありましたね。
うすだ
割と動きがあるイメージだったかな。
kai3
動きはすげえあったんですけど、スピードがゆっくりというか、
全速力で駆け抜けていくみたいなのがあんまない感じ。
一番早かったのが多分最初の火事のシーンですよね。
あそこはスピードというよりは人を駆け抜けて、
お母さんがお母さんがって追っかけていく感じがすごい出てたんで。
そういうの僕は結構前半の方が好きだったのかもしれない。
今話してて確かに気が付いた。
前半というよりも4分の1くらいかもしれないけどね。
うすだ
ガラッと変わりますね。
kai3
もうなんかアオサギが喋り出しだったりかな。
あ、そっちかーってなった。
うすだ
アオサギのキャラがちょっとあんま好きじゃなかった。
kai3
そうですね。僕もちょっと。
これか、この時計か。
好きそうだなって思いましたけど。
うすだ
そうなんだよね。
kai3
謎に喋らずに誘導していって、
向こうの世界に行ってかなと思ったら、
こっちの世界にもそうなっちゃうんだとかね。
そういうのも含めて。
次の作品だったな。
ネタバレなしに見に行けたっていうことはすごい楽しかったので、
他の映画もこういうのやってほしいな。
この作品を本気で楽しめる人は、
宮崎駿というクリエイターのことが大好きで、
それを取り巻くクリエイターの世界が好きな人が一番楽しそうだと思って。
うすだ
でもそこまで興味なくても楽しめるんじゃないかなって。
kai3
だから一番ですよ。一番楽しそうに語ってる人たちがそういう人たちだから。
多分そこなんだろうなと思って。ターゲットとして。
普通に見ても、もちろん面白いんだけど、
熱く語るまで行くところに行ける人は、きっとそっちの人なんだろうな。
っていうところの最後のピースが僕の中で温まって。
僕がずっと悩んでたのは、
とはいえでも庵野監督も似たようなもんなんじゃないかなってずっと思ってたんですけど。
自分の中で。
庵野監督はとはいえちゃんと作品の中で分かるようにしてるよなと思って。
別の作品引っ張っていくことはもちろんあるんだけど、知らなくてもなんとかなるし、
例えばエヴァンゲリオンのエヴァンゲリオンの中で、
そのエヴァンゲリオンでこのキャラはこうだったよねとか。
作品の中で関係させてくれてるのが、
なんかちょっと違いなんだろうな。
僕の中ではね。あくまでも僕の好みの問題ですけど。
というところがやっと最近ね。
これ見てから何ヶ月経った?7月の中旬ぐらいでしたっけあれ。
2、3週ずっと萌え回してたのかね。
最近やっと着地しまして。
うすだ
割とエヴァが終わった時と同じような気持ちになりましたよ。
やっと終わったかっていう。
kai3
確かにそういう意味では同じかもしれないですね。
でも結構ファンの間では、
このエネルギーでもう一作いけんじゃね?みたいな待望論がありますけどね。
うすだ
80過ぎに期待しすぎだと思うけどな。
kai3
あの体勢なら元気だったらいけんのかな。
うすだ
はい。
kai3
このままもし宮崎駿がAIとかに手を出したら面白いなってちょっと思いますけどね。
もう絵コンテもAIで出してくれみたいな。
そうなったらちょっと期待は持てる。
でも久々の対策映画をみんなでワーワー言うっていうこの感じは好きですね。
僕の映画の楽しみ方は作品見るのも好きだけど、
それ見てみんなが何を言ってるのかを見るのもすごい大好きなんで。
そういう意味ではトータルではすごい楽しい体験でした。